4900.日本の課題は何か2?



今までの世界史を見ると、人権の拡大の歴史である。オバマ大統領
という黒人でも米国の大統領になれる。これは10数年前には考え
られなかったことである。人種差別を乗り越えたなど、人権拡大の
勝利である。

日本では次のような意見を聞いたことがないが、今の米国や世界の
リベラルな人たちは、世界の貧困を無くそうとして議論している。

しかし、一方、新興国の賃金が上昇して、それに伴い先進国の賃金
が低下して、先進国での貧困の問題が出てきた。

これは、同一賃金同一賃金という原則が日本での正規・非正規の問
題だけではなく、先進国と新興国、途上国の全体で広がっているか
らである。このため、中国の衣料産業がバングラディシュに移り、
先進国の衣料産業は、デザイン、企画、販売などになって、一番労
働力量が多い製造部分は、途上国に移っているのである。この分、
先進国は職が失われている。このため、先進国では、大量に必要な
製造業の労働者の職がなくなってきている。

このため、先進国労働者が低賃金や失業とで、所得が少なくなり税
収が落ちているのに、年金や福祉予算が増加して、国家予算が赤字
化してきている。

ということで、貧困問題が発展途上国の問題だけではなく、先進国
の問題にもなってきたのである。貧国を避けるための福祉の削減問
題にもなってきた。

人権拡大から、先進国でも、このように貧困者の自立問題になり、
徐々に人権が制限されることになってきた。

もう1つ、中国が徐々に勢力を増やしてきたが、この国は人権を制
限している。そして、香港など、人権があった地域でも選挙の制限
など人権が、縮小する方向になってきた。中国の影響力は大きく、
その支持する国は、独裁国家が多い。そして、中国型の独裁国家の
方が、欧米のような民主主義国より良いと言い始めている。

このため、2つの要因で今後、人権は拡大から縮小かよくても維持
になることなってくる。

そのような世界の動向があるのに、日本は世界的な経済動向を無視
したアベノミックスや日本の正当性という裏に抱える問題としての
靖国神社参拝問題を議論している。

中国は、自国の人権制限や周辺国の権利を犯しているのに、それに
有効な反撃ができないでいる。

それは、戦前の社会は人権を制限していて、それを正当化すること
で、中国と同列に見られることになることを計算しない政治家の戦
略がおかしいことによる。

このような政治家をチェックするべき、野党も社会主義という独裁
的な臭いがあり、信用できない。

リベラルな政治家は、新しい理論や理想像を国民に示して、早く復
活するべきである。

保守層でも、世界的な動向を見て、新自由主義やリアリストなどの
理論を下に超ナシュナシストとは違う議論をして欲しいものである。

日本の評論界、政治家の幅が狭くて、日本の論議は何を目指してい
るのかわからなく、そのための解がなく面白くない。





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