4897.日本の課題は何か?



NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」で正月は、「僕らが描く
 この国のカタチ2014」で30代の人たちが討論していたが、議論
が分断されている。M C:古市憲寿、青井実アナウンサー、橋本
奈穂子アナウンサーで、ゲストは、家入一真、はあちゅう(伊藤春
香)、江口晋太朗、白井聡、施 光恒、先崎彰容、仲 暁子、ハリス
鈴木絵美、藤村 龍至、與那覇 潤でした。

家入さんなどの起業家は、国を意識していないで、どこにでも行け
るグローバルな見方をしているが、一方、政治学者や評論家は日本
という国をを意識した考え方になっている。

施さんの互譲互助の精神や比較的閉ざされた環境のなかで生活して
きたからこそ、長期的な信用・信頼を重視する文化が育まれてきた
は、日本の文化的特徴を表しているが、世界とはつながらない。

與那覇さんは、ホームランドは意識できるが、ステイトは意識しな
い時代が長く、半径5km範囲で暮らしていたのが江戸時代で、明治に
なりステイトを意識し、そして今、またステイトを意識し始めたと
いう。これが日本の現状であると、日本を意識している。

どうも、日本を意識する人たちと、世界的に活躍する人たちでは、
分断された状態にあることがわかる。ネット住人たちは、そもそも
ネットで世界につながっているので、日本を意識する必要がないよ
うである。英語でプログラムの情報はネット検索すれば、出てくる。

何を作るかが重要なことで、それも世界にどれだけインパクトを与
えられるかが重要なことになる。

このため、「この国のカタチ」という題自体に違和感があることに
なる。と見て、20年前米国のシリコンバレーに行って、IBMを辞め
る人がカナダの企業に行くと言っていたことを思い出した。

米国人は、自国企業でなくても、カナダ、オーストラリア、英国な
ど英語圏の企業に自由に移動することは当たり前であったが、それ
と同じような意識の人が日本でも、できつつあるということのよう
だ。

この時、仲暁子さんは、世界人になる条件として、英語ができるこ
と、プログラムができること、シリコンバレーに行くこと、少なく
ても東京にいること、の3条件を出していた。個人としてトップ1
%に入り、活躍することができる人になることが重要であるという。

ハリス鈴木絵美は、署名サイト「Change」のメッセージは、「社会
に出るときは、みんなオーナーシップを持つ」ということと、「何
かを変えたいときは、自分で動こう」ということ、この2つで、こ
のモデルは日本を意識しない。

家入さんは、「CAMPFIRE」というクラウドファンディングの仕組み
や網の目のすき間からこぼれた人たちをすくい上げる「Liverty」と
いう活動を行い、国家を意識しないで、必要であるから行うという
スタンスである。日本を意識しないモデルである。

全体最適を考える学者たちは、残りの99%の日本人は、宿命を感
じて諦めることが重要であると言う。半径5Kmの範囲で暮らすこと
であるとなる。

しかし、何かの議論が足りないような気分であり、どうして政治が
国民の関心にないのかなど、もう少し、議論が欲しいと思った。

そして、昨日、慶応の学生たちや東大、早稲田の人たちとの飲み会
で、いろいろな話をしたが、国の政治に話題が移ることはなかった。
はあちゅうさんが言う半径5Mの話が主であったような気がする。

ここの主催者とは、皆が来る前に話をしたが、慶応で近代史を研究
する若者であるが、日本の現状でまともな議論ができるのは、ナシ
ョナリスト、リアリストなど保守陣営だけで、リベラル陣営が、共
産主義という昔のイデオロギーで話すので、国民から理解されない。
このため、このままでは、日本では議論が深まらないし、そもそも
議論をしなくなっている。

このため、議論の中でアイデアが出ない。そして、安易に米国の意
見を持ってくるだけになってしまっている。

これをどうにかしないと、日本の政治議論がつまらなく、若者も、
政治に参加しないことになっているとお互いに合意した。

リベラルの理論確立が必要であるのと、自由主義的な日本的な茶会
派が必要であると話した。

彼は、リベラルの理論を確立したいという。近代史には日本の失敗
があり、それを解析することで、理論が確立できると見ているよう
である。

その理論ができれば、その観点から中国との戦争も防げると見てい
るようだ。

日本の課題は、いろいろな主義を理論武装して、それぞれがアイデ
アを出して、より良い日本を築くことであると、昨日の議論を見て
いて、思った。

そして、世界的に活躍できる人を増やすためには、1%だけではな
く、企業がバックアップして10%以上の人が活躍することが必要
であると思っている。英語力をどう身につけさせるかが問題になる
ようである。

この仕組みをどう作るのかが、もう1つの日本の課題のように感じ
ている。




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