4877.中国は西洋文化を否定



昨日は、18切符で旅行に出たが、電車の中で溜まっている英論文
を読んでいたが、2つの論文が、面白かった。そして、その論文を
紹介しょうとしたら、同じ論文を岡崎研究所で紹介されていた。

それはディプマット誌「Does China Want a Cold War?」であるが、
もう1つは、まだであるが「New Type of Great Power Relations 
For China and Japan: A True Lie?」である。この2つは同じよう
な観点になっている。最後にリンクがある。

西側の価値と文化の有害な影響を警告し、中国社会への悪影響に対
抗することが必要で、西洋文明は、中国を崩壊させるというのであ
る。このため、冷戦的な状態にして、中国文化を守れというのであ
る。すでに西洋文化が氾濫している香港や台湾などは潰す必要があ
ると。そして、ソ連の崩壊はソ連指導部が西洋文化を過度に受け入
れたからであるという。これは岡崎研究所から紹介されている。

もう1つが、面白い。中国のシンクタンクが日本と中国は同盟関係
になり、新しい世界を作るというのである。中国は米国を分かり合
えないことがあるが、日本も第2次大戦前、西洋文化を否定してい
たように、分かり合えるというのか。

中国が“囲碁戦略”で来るとすると、今時点で日米の経済1位、3
位連合が、経済2位の中国を締めにかかっているが、日中同盟がで
きると、経済2位、3位連合が経済1位を倒すことになる。中国に
とっても、囲碁の勝ちが見えることになる。

日本は中国文化を取り入れて、日本文化ができたので、論語的な秩
序についても受け入れ可能である。米国文化の自由主義も受け入れ
可能である。今、中国が覇権主義で来たので敵対関係になっている
のであり、礼も持って中国から同盟を要請されたら、その時には日
本の保守的な反米反中の独立派は、なびく可能性があると見る。
西洋的な民主主義を嫌いな(反米な)団塊世代が多い。

西洋文明を否定して、東アジアの論語的な秩序を中国が提案して、
東アジア文化の中国・韓国文化と日本文化を肯定的に持ってくると
、意外と東アジアは同一文化圏でもあるので、纏まるかもしれない
と思う。日本人でも、その論を論じている人もいる。

日本の70年前(戦前)を思い出してもらえば、今、中国が西洋文
化を否定している自分の姿を見ることになる。そして、そこに論理
の基本を見ている日本中心主義の保守派がなびく事は確かである。

というように、今の中国は70年前の日本と重なることになる。米
国がいつまで、そのような中国に付き合うかである。

日本はその時まで、中国からお誘いを受けて、そのお誘いにどれだ
けの国民が賛成するかが問題である。自由民主主義が価値がどこま
で国民に浸透しているかが問題であるし、日本は米中どちらでも靡
くことができる文化を持っているのである。

まあ、ここいらへんが日中和平の論理的な基礎かもしれない。

さあ、どうなりますか?

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中国は冷戦を望んでいる?
2013年12月16日(Mon)  岡崎研究所
かつてのソ連の崩壊は西側との接触と冷戦の終結が原因であったの
で、中国はその轍を踏まないようにすべきである、という内容の、
人民解放軍国防大学が制作に関与している映画が、10月に流出しま
したが、この映画について、台北在住のジャーナリスト、コールが
11月5日付Diplomat誌ウェブサイトで紹介しています。
 すなわち、近年、中国共産党は、西側、とりわけ米国が冷戦思考
を持っている、と繰り返し非難してきた。しかし、先月流出した、
人民解放軍国防大学が共同制作した新しいビデオによれば、冷戦こ
そ共産党が必要としているものであり、西側との接触は何としても
避けるべき毒薬であるという。
 人民解放軍と共産党のどれだけ多くの者がこうした見方に固執し
ているかははっきりしないが、この映画「較量無声」(Silent Contest
;静かなる競争)は、党の過激分子にアピールするものである。彼
らは、ここ数カ月、西側の価値と文化の有害な影響を警告し、中国
社会への悪影響に対抗するための新しい規制を可決した。人民解放
軍総参謀部と中国社会科学院も、映画の制作に関与している。
 映画は、西側のシンクタンク、電子音楽、高級ブランドなどあら
ゆるものを、中国を内部から洗脳して破壊するものとして映し出し
ている。六・四や七・一の記念行事に影響を与え、中国を不安定化
させるために、米英領事館が「異常に大きな」資源を香港に侵入さ
せているとして、陰謀論は香港にも及ぶ。映画の中では、米中軍事
交流も、両国の信頼醸成の手段ではなく、中国を混乱させるための
狡猾な企みとされている。
 映画は、中国人に、西側との接触は悪であるという教訓を与えよ
うとしており、ソ連社会の崩壊は、米国が率いるグローバルな謀略
によるものだった、としている。さらに、映画は、ソ連の崩壊が冷
戦を終わらせたのではなく、むしろ、冷戦の終わりがソ連を崩壊さ
せた、と言っている。映画によれば、ソ連の体制は、西側との接触
により徐々に浸食され、ついには崩壊に至ったのであり、同様の運
命を避けるには、中国共産党は、中国社会のあらゆる面を強力に把
握し続けなければならない。
 現時点では、ドキュメンタリーは、共産党内で起こっている主導
権争いのための宣伝の一部とみなすべきであろうが、これが本当に
中国共産党の達した結論であるならば、台湾にも重大な結果がもた
らされ得る。台湾の民主主義と開放的な社会が、西側から輸入され
たものであり、米国が率いる中国弱体化計画の一部であると看做さ
れれば、中国共産党は、台湾の自由主義を先制的に破壊することこ
そ国益に最もかなう、と結論付けるであろう。
 最近まで、北京の米国への主な不満は、米国が冷戦思考にとらわ
れているということであった。封じ込めは悪であった。ワシントン
がすべきことは中国に対して開放的になることであり、そうすれば
関係が改善されるはずであった。米国はそのように行動してきた。
しかし、今や、北京、少なくとも「較量無声」の支持者は、交流が
中国の存在を侵食すると警告している、と指摘しています。
* * *
 中国にとってソ連の崩壊はトラウマでした。そして、その原因を
、従来から「和平演変」と呼んで、西側思想の流入に原因があると
して、警戒的な態度を取っています。映画“Silent Contest”は、
その主張の側に立っています。
 しかし、ソ連経済は60年代末には既に機能不全に陥っていたとこ
ろ、70年代の二度のオイルショックで潤い、その莫大な資金を軍備
競争につぎ込んで米国に追い付き追い越すところまで軍事力を強化
しましたが、80年代の1バレル10ドルを切る逆オイルショックで破産
した時に、折からのレーガンのスター・ウォーズの挑戦を受け、万
事休して、ペレストロイカに突破口を求めて自滅した、というのが
実態であるように思います。西側の思想の浸透は、長期的には大き
なバックグラウンドであったかもしれませんが、ソ連の崩壊に直接
の影響は無かったと言ってよいでしょう。とすると、中国の一部が
「和平演変」の心理的効果にあまりに重きを置くのは、やや強迫神
経症的ではないかと思います。
 ともあれ、現在中国内部で進行していると思われる権力闘争にお
いて、毛沢東的とも言える左翼思想が、一部に牢固たる地位を占め
つつあることは、このプロジェクトからも覗えます。「中国の夢」
や「米中の新しい大国間関係」は、中国が冷戦的対立を辞さないこ
とを示唆しているようにも思われます。そうであれば、腹を括って
、封じ込め政策をとる以外に選択肢はありません。オバマにそれを
求めるのは無駄かもしれませんが、軍当局同士、実務者同士の協力
は進めることができますし、米議会、米世論に訴えることも重要で
しょう。
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日中間に「愛国」と「友好」は共存できないのか?
―日本華字メディア
Record China 12月17日(火)5時40分配信
2013年12月16日、日本メディアが先ごろ日本の5人の有名人を「売国
奴」と報じた問題で、日本新華僑報は「日中は『友好は売国』との
矛盾を持ち続けるべきではない」と呼びかけた。以下はその概要。
先ごろ、日本メディアが俳優の矢野浩二、鳩山由紀夫元首相、映画
監督の宮崎駿氏、歴史家の井上清氏、タレントの蒼井そらを「売国
奴」と扱った。
われわれは日中関係の現状の中に、1つの矛盾を見ることができる。
それは「友好を呼びかけると売国奴とみなされる」ということであ
り、相手の国を厳しく非難することこそが愛国とされることだ。日
中間には愛国と友好は共存できないのか?
この問題の根本的な原因は、両国の政治関係の悪化にあることは想
像に難くない。2つの国が対立関係にあるときに「友好」を呼びかけ
れば、「売国奴」との批判を容易に浴びるのは疑いようがない。し
かし、歴史を見れば、日本による侵略戦争の際も、両国の民間交流
は途絶えなかった。
良識ある日本人は反戦の第一線で奔走し、その一部は中国の延安や
南京、重慶にまで訪れ、反戦思想と平和を呼びかけた。これらの人
物は全員、日本から「売国奴」との責めを受けた。その中には、原
清子さんや長谷川テルさんといった名前がある。
原さんは1912年に東京で生まれた。日中戦争が始まる前夜に中国人
と結婚し、中国大陸に渡った。その後、陝西省延安市に移り、新華
放送局のアナウンサーとして、中国に侵入した日本軍に日本語で反
戦を訴えた。
長谷川さんも「売国奴」と罵られながら、武漢や重慶の放送局でマ
イクを通じて、日本語で反戦を呼びかけた。長谷川さんは自身が執
筆した「愛と憎しみ」の中で、「私は日本を愛している。なぜなら
私の祖国であり、そこでは父と母、兄弟姉妹、友人が暮らしている
から。私は中国を愛している。なぜならそこは私の新しい故郷だか
ら。私の周りにはたくさんの善良で勤勉な人たちがいる」と述べて
いる。
現在の日中関係には歴史認識や領土問題など、多くの面で第2次世界
大戦が残した問題が影響している。日中の対立が根本的な解決を見
ない限り、「友好は売国」の根は取り払われない。しかし、日中関
係が困難な時に関係の悪化を阻止しようと奮闘した人こそが日中友
好における「井戸を掘った人」だということは、歴史が必ず証明す
るだろう。(翻訳・編集/北田)
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戦争を起こさずに静かに影響力を拡大する中国の“囲碁戦略”
―米メディア
Record China 12月12日(木)9時55分配信
2013年12月11日、参考消息網は記事「中国は“囲碁戦略”でアジア
太平洋における米国の影響力を削減」を掲載した。
9日、米ブルームバーグは習近平(シー・ジンピン)政権の外交戦略
に関する記事を掲載した。中国の戦略は斬新的に影響力を拡大し、
アジアにおける米国の影響力を弱めることにある。それと同時に米
国が約束を守るのか、米国の同盟国に疑念を抱かせる狙いがあると
いう。
カーネギー国際平和基金のアジア・プログラムを担当するダグラス
・パール氏は中国が“囲碁戦略”を実施していると指摘する。囲碁
は直接的な暴力を振るったりせず、また相手の暴力的な反応を引き
出さないようにしつつ、しかしゆっくりと自分の影響力を拡大させ
ていくゲームだ。中国も囲碁同様の外交戦略を展開しているという。
一方、オーストラリア国立大学のヒュー・ホワイト教授は、中国の
行動は「40年間にわたり続いた米国のアジア統治という秩序への挑
戦」という明確なメッセージだと分析している。
もっとも中国の狙いがどうであれ、米国の態度もはっきりとしてい
る。オバマ大統領が打ちだしたアジアへの帰還戦略に従い、米国は
より多くの偵察機を日本に派遣し、グアムのミサイル防衛システム
を強化するだろう。先日、中国を訪問したバイデン副大統領も、ア
ジアへの帰還戦略を転換することはないと明確に打ちだしている。
(翻訳・編集/KT)
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米中は敵でなく競争相手=中国当局関係者は厳しい態度
−シンクタンク
 【ワシントン時事】米シンクタンク「カーネギー国際平和財団」
は11日、米中両国の政府関係者や一般市民が相手の国に抱くイメ
ージについて調べた報告書を発表した。両国ともに、お互いを敵で
はなく競争相手と捉える向きが多数を占めたが、中国当局関係者の
間では米国への警戒感が根強い傾向が明らかになった。
 ただ、回答を寄せた中国当局関係者は主に地方自治体の元職員で
、中央政府の意識は反映されていないとみられる。
 調査は、米中の一般市民のほか、政府、軍、財界、報道関係者、
研究者を対象にした。一般市民の間では、相手国を敵とみなすとの
回答は米側で15%、中国側で12%にとどまり、競争相手との答
えは米側で66%、中国側で45%に達した。
 しかし、中国当局関係者に限ると、米国を敵だとした回答は27
%に上った。米側政府関係者の中で中国を敵と見なしたのはわずか
2%で、中国当局の厳しい対米観が浮き彫りになった。
(2013/12/12-09:02)
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保守派と改革派−割れる中国、「一番迷走しているのは対日外交だ」
2013.12.5 11:10 sankei[新帝国時代]
 中国共産党の重要会議、中央委員会第3回総会(3中総会)が先
月9日に開幕する直前、ある“ドキュメンタリー”映画がインター
ネットに流出し、中国国内で大きな話題となった。
 タイトルは「較量無声」(声なき戦い)。中国軍の国防大学、総
政治部、総参謀部などが合同で6月に若手将校向けに内部資料とし
て制作した映画だ。
宣伝映画すぐ削除
 映画では、「米国をはじめ外国勢力は常に中国の政権転覆を狙っ
ており、文化の浸透や、反中勢力の育成など5つの陰謀を巡らせて
いる」といった“陰謀論”が展開される。
 「旧ソ連の解体」や「中東・アフリカのジャスミン革命」も米国
が裏で仕掛けたものと決めつけ、「西側社会の神話を信じれば、政
権は衰退と滅亡の運命をたどることは避けられない」と結論づける。
その上で、国内の改革派知識人、茅于軾氏らを「米国の代弁者」と
名指しで批判した。
 ネットには、「中国の置かれている危機的状況をわかりやすく教
えてくれた素晴らしい教材」といった感想が数多く投稿された。そ
の一方で、「冷戦時代の発想で、論理も破綻している」との厳しい
意見もあった。
 この映画で特に注目されたのは、プロデューサーが、習近平国家
主席が所属する太子党(元高級幹部の子弟グループ)の有力者であ
る劉亜洲大将だったことだ。国防大学政治委員を務める劉大将は習
主席の軍内の腹心として知られる。それだけに映画は習主席の考え
方を反映していると推測する共産党関係者は多い。
 この映画がインターネットで見られたのは数日間だけ。その後、
全てのサイトから削除された。その背景を、ある党関係者はこう解
説する。
 「3中総会で政局の主導権を握るために、保守派や軍部が世論作
りの一環として意図的に映画を流出させたが、米国との関係を重視
する改革派がその内容に強く反発し、ネット警察を使ってすぐに映
画の禁止に踏み切ったのが真相だ」
予算増額喜ぶ幹部
 「昨年11月に習近平体制が発足した後、党中央には外交政策を
めぐり常に2つの声があり、現場は混乱している」。共産党筋はこ
う明かした上で、「一番迷走しているのは対日外交だ」と説明する。
 同筋によると、11月23日に東シナ海上空の防空識別圏設定を
決めたのは、軍関係者や保守派などを支持基盤に持つ習主席周辺だ
という。「習政権が軍の支持を固めるための手段だ」との指摘もあ
る。
 防空圏ができたことで、中国空軍の同空域における活動範囲は以
前の12倍に拡大したという。防空ミサイル部隊の人員や装備も補
強される予定だ。「来年の国防予算は大幅に増額されることが予想
され、軍幹部たちは大いに喜んでいる」と党関係者は話す。
 また、来年春に発足する「中国版NSC」といわれる国家安全委
員会も日本を主要な仮想敵としており、委員会内に日本担当の部署
が設けられるとの情報がある。反日感情の強い世論に対し、対日強
硬姿勢を訴えることで、政権の求心力を高めるのが狙いだ。
 こうした動きに対し、李克強首相ら胡錦濤前国家主席が率いる派
閥のメンバーは、強く反発しているという。実務官僚や地方指導者
が多い胡派は、日本企業の対中投資や技術提供の減少による中国経
済への悪影響を懸念している。
 防空圏発表4日前の11月19日、胡派の有力者、汪洋副首相は
、訪中した日中経済協会のメンバーと会談して日本との経済交流の
重要性を強調し、習主席らの対日姿勢と一線を画した行動を取った。
実績は「対日強硬」
 「闘争の目標を日本に定めよう。中日の軍用機が空中で接近した
場合、不測の事態を怖がらない決心と勇気が必要だ」(11月29
日付、環球時報社説)
 「中国は争いごとを全く恐れていない」(同日付、国際先駆導報
の寄稿)
 中国メディアは最近、「日本との武力衝突は避けられない」との
見方をさかんに流している。しかし、共産党関係者は「ポーズにす
ぎない」と分析する。「習体制は国内をまとめるのが精いっぱいで
、外交環境を改善するゆとりはない」
 習体制が誕生して1年あまりたったが、成果といえるものはほと
んどない。株価も景気も低迷し、外資は次々と中国から引き揚げ、
多くの地方政府は財政破綻の危機にひんしている。物価も高騰し、
空気汚染などの環境悪化も深刻だ。
 外交面でも米国や周辺国との関係は一向によくならず、中国包囲
網が形成されつつある。習体制が国民に対し実績として自慢できる
のは、対日強硬姿勢を続けたことだけという冷めた見方もある。
 共産党元高官によれば、党内には、習主席の政治、外交、経済政
策に大きな不満を持つ人が多いが、今は静観している。今後、習主
席が大きな失敗をしたとき、改革派らが一気に政権の主導権を奪う
動きに出てくる可能性があるという。
 内政、外交の足並みがそろわず、中国の共産党内の「声なき戦い
」は続く。
                   ◇
 終わりのない挑み合いが続く国際社会。生き抜く力を日本は試さ
れている。





Does China Want a Cold War?
New Type of Great Power Relations For China and Japan: A True Lie?

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