4875.北朝鮮の最後へ向かう2



金正恩第1書記は、国家を背負う帝王学を受けていないようである
。または、受けたことで張成沢氏を抹殺したのであろうか?

どちらにしても、日本の戦国時代の領主の世代交代の混乱を見る思
いである。若殿が自分を批判する先代の臣下たちを切腹させる図で
ある。

しかし、そのようにした殿は、その後、あまり良いことになってい
ない。支配層の粛清が広範囲に及ぶと、支配層での人材を無くして
人心が離れることになる。普通は先代の臣下たちの子供たちを召抱
え、先代の臣下たちは引退してもらう方法で新進代謝をする方が良
い。しかし、そのような手を使わなかった。

北朝鮮では首領だけでなく特権層も世襲される。ほかならぬ首領、
金正恩一党が張成沢一党の世襲、増殖を恐れたのだ。鎌倉幕府の北
条氏に張成沢一党がなる可能性である。どうしてかというと、金正
恩一党は、兄弟を切っていくので人数がいない。その点、張成沢一
党は全員で協力して政権上層部に入る努力をするので、全員健在で
数が多い。

このため、金正恩第1書記は、軍部若手将校の血気盛んな強硬派の
意見を入れて、張成沢一党、海外穏健派、親中派、経済官僚たちの
権力を奪ったのなら、今後の北朝鮮は長く持たない。

張成沢氏は「クーデターの対象はまさに『最高指導者同志(金第1
書記)だ』と本心のまま暴露した」という。「一定の時期になり経
済が落ち込み、国家が崩壊直前に至る」ことを張氏は事前に想定し
、その時に首相になろうとしていたという。

張成沢氏と穏健派、経済派、親中派がいなくなったら、恐らく北朝
鮮はそう長く続かないはずである。張氏の事前に想定した通りにな
る。

血気はやった軍部若手将校は、どう出てくるか、大体わかる。韓国
への侵略であろう。


こうなる前に、日本は北朝鮮に提案するべきである。拉致被害者を
1人1億円で買うとして、名簿を北朝鮮から提出させれば良いので
ある。

NPO法人「スポーツ平和交流協会」が平壌に設立した事務所を通
じて、金正恩第1書記へ働きかける必要がある。それも緊急に進め
ることである。

北朝鮮側が張氏のクーデター計画の背後に中国を含めた外国勢力が
存在すると警戒していることから、中朝関係が今後、緊張する可能
性も出てきた。というより、いつ、中国が内部とクーデターを起こ
すかわからない。おそらく、親中派は中国に支援を要請している可
能性がある。

さあ、どうなりますか?


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強硬派、正日氏の遺訓で支配
2013.12.14 07:11 sankei
 私は、朝鮮労働党政治局拡大会議が張成沢氏に「反党反革命分子
」の烙印(らくいん)を押したとの北朝鮮の初の公式報道に接した
ときに、彼はまもなく死刑に処されるのではないかと判断した。
 なぜなら国家の上に党があり、党の上に首領がいる北朝鮮で「反
党反革命」は誰であっても容赦されない反逆罪の代名詞だからだ。
 今回の張成沢氏処刑は金正恩氏の唯一指導体制確立のための措置
ではない。その逆である。叔父の張成沢氏が隠然と力を持った金氏
一族の政治に押され、張成沢氏の穏健派勢力と対立してきた強硬派
勢力の“奇襲クーデター”である。
 金正日時代に「小枝切り」(一族の処刑)はあり得なかった。こ
れが公然と行われたのだ。権力に力がみなぎっていた金正日時代は
小枝を牽制(けんせい)すれば十分だったが、金正恩政権は小枝を
根こそぎにしなければならないほど統治力が弱いということである。
公開か非公開かもまた政権の力の差であろう。

 北朝鮮では首領だけでなく特権層も世襲される。ほかならぬ首領
、金正恩一党が張成沢一党の世襲、増殖を恐れたのだ。
 張成沢氏処刑を通じ金正恩体制の変化を一言で要約すれば、金正
恩氏は強硬派に囲まれた“首領の演技者”になったということだ。
強硬派は、生きている金正恩氏の権威に服従しているのではなく、
死んだ金正日氏の遺訓で北朝鮮を支配しようとしている。
 張成沢氏の粛清後、労働新聞などの媒体は金正恩氏の唯一指導体
制を今更のように強調している。誰もその世襲を疑ったり否定した
りする者はいなかったというのにである。何より見苦しいのは、昨
日まで指導者の叔母の夫だった張成沢氏に向かい、一般の住民の怒
りまでも動員していることだ。
 張成沢氏は女性問題などの放蕩(ほうとう)な私生活まで罪状に
挙げられた。金正日氏の妹である金敬姫(キム・ギョンヒ)氏と張
成沢氏の不和はすでに以前から知られていた。しかし北朝鮮では首
領やその姻戚の私生活は口外すること自体、厳格な法に問われる。
このような暴露は、北朝鮮住民にとって類例のない衝撃である。
 金敬姫氏は夫から無視されるほどのみすぼらしい女だったのか? 
首領は絶対神だが、親戚は人間以下に堕落していたということなの
か?
 政治局拡大会議で首領一族の聖域を侵してまで張成沢氏を中傷す
るというのは、金敬姫氏の名誉も奪う極度の冒涜(ぼうとく)、軽
蔑である。強硬派勢力の野望が、金敬姫氏の人格までおとしめてし
まった会議だった。
 金正日時代は、内部粛清は徹底的に隠蔽(いんぺい)し外に漏れ
ないよう厳格に管理されていた。その北朝鮮が8日の張成沢氏全職
解任を対外通信社の朝鮮中央通信で先に報道し、朝鮮中央テレビや
労働新聞といった国内媒体の報道を翌日に回した。国内で報じるこ
とができなかったのは、その時点ではまだ、対内的に説明を要する
部分が多くあったことの証左といえる。
◇
【プロフィル】張真晟 チャン・ジンソン 北朝鮮・黄海北道生ま
れ。金日成総合大学卒。朝鮮労働党統一戦線部(対南工作部門)勤
務。心理戦を担当する詩人、作家として活動した。2004年に脱
北、韓国情報機関傘下の国家安保戦略研究所研究員を経て11年、
北朝鮮情報サイト「NEW FOCUS」設立。編集人兼代表。著
書に『金王朝「御用詩人」の告白』がある。
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正恩氏、類例なき非情…今後の粛清「万単位」か
 【ソウル=中川孝之】北朝鮮で、ナンバー2の張成沢前国防委員
会副委員長(67)の粛清は、張氏が解任からわずか4日後に処刑
される異例の展開となった。
 金正恩第1書記は、叔父の張氏でも容赦なく処刑する「恐怖政治
」を見せつけ、張氏勢力を抑え込む狙いとみられる。
 韓国の柳吉在統一相は13日の国会答弁で、今回のような迅速な
処刑は「北朝鮮の歴史で類例がない」と驚きを隠さなかった。
 消息筋によると、金日成主席が1950年代、政敵をスパイ罪で
処刑した事実を公表した例があるが、張氏のように法廷写真を公開
するなど、人格をおとしめる手法は取らなかった。
 金正日総書記は70年代以降、権力基盤を確立するために、叔父
で後見人格だった金英柱副首相や義母、いとこを権力中枢から追い
やったが、政治生命を奪うだけにとどめた。北朝鮮メディアは張氏
を「犬にも劣る醜悪な人間のクズ」と罵倒しており、正恩氏の非情
さが浮き彫りになっている。
 聯合ニュースなど韓国主要メディアは、北朝鮮が公開した法廷写
真で、張氏の左目などが腫れており、暴行で自白を強要された疑い
も指摘した。
 張氏に連なる人脈は、政権上層部から軍、中朝の経済協力に従事
する企業家にまで及ぶとされる。北朝鮮での粛清は家族に及ぶのが
通常で、人数は「万単位に上る」との指摘がある。13日付の朝鮮
労働党機関紙・労働新聞(電子版)は1面の論説で、張氏処刑で「
革命の敵に大きな恐怖を与えた」と強調した。
(2013年12月13日21時11分  読売新聞)
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側近らにも粛清拡大
2013.12.14 08:29sankei
 【ソウル=加藤達也】張成沢氏の死刑執行を受け、今後、張氏の
側近らに“血の粛清”が広がる可能性が出てきた。
 北朝鮮の朝鮮中央通信は13日の記事で、張氏が「敵に買収され
て変節した者」や「背信者ら」と「グルだった」と主張。さらに、
張氏に先立って公開処刑されたとみられている朝鮮労働党行政部の
李竜河(リ・リョンハ)第1副部長と張秀吉(チャン・スギル)副
部長について言及している。
 張成沢氏は公判で、「(2人をはじめとする)腹心は私に従うだ
ろうと思った」と述べたとされ、記事は2人が“従犯”として処刑
されたことを示唆している。
 同じ記事では、2009年11月の貨幣改革(デノミネーション
)失敗の責任を追及され、10年に処刑されたと伝えられる朴南基
(パク・ナムギ)・国家計画委員長(当時)についても、「(張成
沢氏が)そそのかして数千億ウォンの通貨を乱発して途方もない経
済混乱が起こるようにした」と指摘。処刑を張氏と関連づけて正当
化しようとしている可能性がある。
 ただ、粛清を免れている側近もおり、粛清の範囲や理由、排除の
方法など不明確な部分が多い。
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中国、北朝鮮制裁強化も パイプ役の張氏死刑執行 
2013/12/13 23:46日本経済新聞 電子版
 【北京=島田学】中国政府は、中朝のパイプ役だった北朝鮮の張
成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長が処刑され、中朝
関係の再調整を余儀なくされている。張氏を裁いた特別軍事裁判の
判決に中国を批判したとみられる文言が盛り込まれたことへの反発
も広がっており、経済制裁を強化する可能性も浮上。張氏が主導し
た中朝境界の共同開発事業にも影響が出てきそうだ。
 中国外務省の洪磊副報道局長は13日「北朝鮮の内部事…
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不安要因さらしてまで死刑に 張氏問題の根深さ示す
2013.12.14 00:23 sankei
 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮が前国防副委員長、張成沢氏の処刑
の“正当性”を詳しく公表した中で、大規模な「反革命勢力」の存
在やクーデター計画のほか、経済低迷による「国家崩壊」といった
国内での不安要因にまで言及した。また、中国との関係が強いとさ
れる張氏にあえて「改革家」という表現も使用した。金正恩政権に
とって、実情を内外にさらけ出すリスク(危険因子)を冒さなけれ
ばならないほど、「張成沢問題」は差し迫った危険な課題だったよ
うだ。
 朝鮮中央通信が13日に伝えた、張氏の死刑判決・執行をめぐる
報道によると、張氏は「クーデターの対象はまさに『最高指導者同
志(金第1書記)だ』と本心のまま暴露した」という。
 また、「一定の時期になり経済が落ち込み、国家が崩壊直前に至
る」ことを張氏は事前に想定し、その時に首相になろうとしていた
という。
 このような国内問題への言及は、逆に「最高指導者でさえクーデ
ターの対象となり得る」「絶対的権力の最高中枢でさえ、標的にな
る」ことを北朝鮮内部の人民に知らしめしたことになる。人民がい
かに低迷が続くばかりの経済状況を実感していたとしても「経済の
完全な落ち込みによる国家崩壊」との表現は、当局にとり禁句だ。
 いずれも、金正恩政権が声高に叫ぶスローガン「強盛国家」とは
相いれないからだ。逆に、金正恩政権が最も懸念しているであろう
「人民の不安」を増幅させる危険性がある。張氏の解任・処刑にか
らみ、北朝鮮当局はさらに「元帥(金第1書記)に天地の果てまで
も従い、団結を」(労働新聞)と連呼している。
 一方、石炭などの地下資源の売却や北東部の羅先貿易地帯をめぐ
る、張氏の外国(中国)がらみの不正に、北朝鮮メディアは踏み込
んだ。さらに、張氏が「外部世界に『改革家』と認識された自分を
利用しようとした」とし、北朝鮮に「改革・開放政策」を迫る中国
と「中国がよき理解者とみなす」(外交当局者)張氏の関係を間接
的に問題視した。金第1書記は今回、中国の目を無視する形で張氏
を解任、その4日後、あっさりと処刑に踏み切った。
 金正恩政権にとって張氏の処分は、民心安定や対外関係よりも優
先させるべき喫緊の課題だった。それほど、金正日総書記死去後の
2年間、金第1書記には目障りな体制を脅かす存在であったことが
うかがえる。あえて危険を冒した背景に金正恩体制下での張成沢問
題の根の深さがうかがえる。
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チャン氏元部下の脱北者が語る
12月14日 5時56分NHK
北朝鮮が、死刑を執行したと発表した前国防委員会副委員長のチャ
ン・ソンテク氏の部下として、かつて毎週のように会っていたとい
う脱北者の男性は、NHKとのインタビューで、チャン氏はカリス
マ性とユーモア感覚を持ち合わせていたため、その元には大勢の幹
部らが集まっていたと証言しています。
インタビューに応じたのは、現在、韓国の情報機関傘下の研究所で
研究員を務めるキム・グァンジン氏です。
10年前に北朝鮮から逃れるまで、およそ7年間、チャン・ソンテ
ク氏の部下として外貨を獲得する仕事に当たり、そのころは毎週の
ようにチャン氏と会い、チャン氏が率いる海外経済視察団にも参加
したということです。
チャン氏の人柄について、キム氏は、「カリスマ性があるうえ、部
下たちへの気配りもでき、たびたび食事や酒を振るまっていた。ユ
ーモア感覚にも優れ、冗談をよく言っていた。穴の開いた靴下をあ
えて人に見せるなど、ざっくばらんだった」と振り返り、チャン氏
の元には大勢の幹部らが集まり、権力が集中する結果になったと証
言しました。
一方、当時から、チャン氏の周辺には秘密警察に当たる国家安全保
衛部の要員が送り込まれて同じ部屋に泊まり込むなど、監視を受け
ていて、それをチャン氏が嫌がっていたことも明らかにしました。
今後の動きについて、キム氏は、チャン氏を慕っていた幹部らはさ
まざまな組織に残っていて、当分の間、そうした人物を狙った粛清
が続くと予測しています。
また、今回の死刑執行について、キム氏は、親族をも死刑にするの
はキム・ジョンイル総書記も行わなかったことで、北朝鮮の国民に
は受け入れられず、キム・ジョンウン第1書記は次第に孤立するだ
ろうと話しています。
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チャン氏に近い軍幹部へ粛清展開か
12月14日 4時41分NHK
北朝鮮は、死刑を執行したと発表したチャン・ソンテク前国防委員
会副委員長が、裁判の中で、「軍の幹部らとは面識があり、クーデ
ターに利用できると思った」などと述べて協力者の存在に触れたと
していることから、チャン氏に近い軍の幹部らに対する粛清を続け
るものとみられます。
北朝鮮は、13日、国営メディアを通じて、キム・ジョンウン第1
書記のおじで後見人とされたチャン・ソンテク前国防委員会副委員
長に対する特別軍事裁判が開かれ、チャン氏はクーデターを企てた
罪で死刑判決を言い渡され、直ちに執行されたと発表しました。
判決文では、チャン氏が裁判の中で協力者として先に処刑されたと
みられる側近の党幹部2人の名前を挙げたほか、「以前、任命され
た軍の幹部らとは面識があり、軍もクーデターに同調し得ると考え
た。人民保安機関の担当者や、そのほか数人も利用できると思った
」と述べたとしています。
このように、判決文がチャン氏に近い軍の幹部らの存在に触れてい
ることから、引き続き、今回の裁判を主導した秘密警察に当たる国
家安全保衛部が中心となって軍や保安機関などからチャン氏に近い
と判断した幹部を洗い出し、粛清を展開するものとみられます。
また、北朝鮮は、チャン氏が、「アメリカと韓国の政策に便乗し、
わが国を内部から崩壊させて、党と国家の最高権力を掌握しようと
した」とも主張しており、国民の結束を促そうと、米韓両国に対し
て軍事的な挑発行為に出る可能性もあるとみられます。
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北朝鮮:中朝緊張の可能性も、張氏背後に外国勢力を警戒
毎日新聞 2013年12月13日 20時59分
 【北京・石原聖、工藤哲】処刑された張成沢氏は「中国通の改革
派」とされ、北朝鮮側が張氏のクーデター計画の背後に中国を含め
た外国勢力が存在すると警戒していることから、中朝関係が今後、
緊張する可能性も出てきた。
 張氏の特別軍事裁判に関する北朝鮮の報道は、張氏と中国などと
の関係を念頭に「外部世界から『改革派』と認識されていることを
利用し、短期間に『新政権』が外国に認められると愚かな妄想をし
た」などと非難した。
 また、朝鮮中央通信も張氏処刑に関する発表文で、中朝国境の羅
先(ラソン)経済特区に言及し「(羅先の)土地を50年の期限で
外国に売ってしまう売国行為」と断じた。羅先経済特区は中国やロ
シアに隣接し、両国に港の使用権を付与している。
 中国は北朝鮮に改革・開放を促す姿勢を取り、張氏を窓口にして
、中朝国境の羅先や黄金坪(ファングムピョン)などで経済特区開
発を推進してきた。また、中国は資源を安定的に確保する立場から
北朝鮮の鉱物資源を大量に輸入してきた。こうした経緯もあり、中
国は張氏を重視し、2012年8月の張氏訪中の際には当時の胡錦
濤(こきんとう)国家主席ら首脳が会談するなど、厚遇した。
 中朝貿易について、中国外務省の洪磊副報道局長は「正常である
」との認識を示したが、今後、両国の経済関係がこう着する恐れも
ある。
 中国外務省は13日、張昆生(ちょうこんせい)次官補が12日
、訪中した北朝鮮外務省の李光男(リグァンナム)儀礼局長と会談
したと伝えた。具体的な内容には触れていないが、張氏に関して意
見交換したとみられる。洪副局長は「両国は友好的な協力関係にあ
り、両国外務省で日常的に交流や意思疎通を保持している」と強調
した。
 一方、中国の軍事サイトなどで10日、人民解放軍が中朝国境を
管轄とする部隊に戦闘機を増援しているとの情報が流れた。衛星情
報の分析が根拠とされ、事実ならば、中国東北部の遼寧省瀋陽を拠
点とする瀋陽軍区の東北部隊が警戒監視を強め、朝鮮半島有事に神
経をとがらせていることになる。
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「革命の鉄槌」 北の機関紙、処刑を称賛
2013.12.13 18:44
 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は13日、金正恩第1書記
の叔父、張成沢・元国防副委員長の処刑を「革命の極めて厳しい鉄
槌(てっつい)だ」と称賛する長文の論説を1面に掲載した。張氏
の「犯罪」を糾弾する政治宣伝は強化される一方だが、首都平壌は
平静を保ち、街中に目立った変化は見られない。
 論説は「党はいくら歳月が流れようとも、背信と変節、反逆の集
団を断固処罰する」と強調。「敬愛する金正恩同志の周りで一心団
結した党と軍隊、人民の前途を遮る者はこの世にいない」と訴えた。
同紙は張氏処刑のニュースと、法廷で手錠を掛けられた張氏の写真
を2面に掲載している。
 13日の平壌は快晴。通りには雪が残り、子供たちが走り回って
遊んでいた。中心部の金日成広場近くでは屋外でバレーボールを楽
しむグループもいた。街中を歩く限り、緊迫した雰囲気は感じられ
ない。(共同)
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「血の見せしめ」で体制強化=経済不振、責任押し付け−金第1書記
 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩第1書記は、叔父の張成沢氏の処
刑を断行し、冷血な独裁者ぶりを示した。中国などと関係の深い張
氏が外国を利用して、国家転覆を図ったと断罪。張氏を見せしめに
し、「逆らう者は親類でも許さない」という強い警告を発した。現
在の苦境の責任も全て張氏になすり付け、体制の引き締めを図った。
 北朝鮮は17日、金正日総書記死去から2年を迎える。8日の労
働党政治局拡大会議で張氏の粛清を決定してから間もない12日に
死刑に処し、すぐさま公開したのは、重要な節目を控え、幹部の間
での動揺拡大を防止するためだとみられる。その一方、権力中枢の
クーデター計画という体制の「恥部」を明るみに出しても、混乱を
押さえ込めるという金第1書記の自信の裏返しとも言える。
 張氏に対する判決文は、2009年11月に失敗したデノミ(通
貨呼称単位の変更)は、張氏が「背後で操った張本人」だったと指
弾。張氏が経済を悪化させて体制への支持を失わせようとしたと供
述したとも主張した。さらに「米国とかいらい逆賊一味(韓国)の
政策に便乗した」と非難し、張氏の「売国行為」も強調した。経済
、外交など、体制に対する不満の矛先を張氏に向けさせ、国内の安
定を図ろうとする思惑があるとみられる。(2013/12/13-11:38)



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