4858.中国の東シナ海上空防空識別圏の設定は失敗



中国の東シナ海上空防空識別圏の設定は、米国の介入を受けて、何
もできないことが明らかになった。1つが米軍が通常に使う戦闘機
訓練のために日本政府提供している「沖縄北部訓練区域」の一部や
、航空機による空対地攻撃演習に使われる「赤尾礁射爆撃場」と「
黄尾礁射爆撃場」が含まている。つまり、中国の行為は、米軍の行
動をも阻害することを意味することになり、米国の関係することに
なる。

このため、直ぐに対抗処置をとる。2機は核搭載能力を持つB52
戦略爆撃機。グアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、26日午前
9時ごろ識別圏内に入ったが、スクランブルも受けずに帰還したと
いう。

それを前後して、各国の航空会社が飛行計画を中国に提出しないこ
とになり、提出したのは台湾とカタールの計4社だけだった。

中国外務省も「今回の措置は民間機を含めて、飛行の自由を妨げる
ものではない」と後退した。

ということは、何のために防空識別圏に4つの規則を設けたのかが
わからなくなる。

中国は周辺諸国の多くの国から批判され、特に米国の強い非難で、
この処置が失敗であったと認識したようである。

もう1つ、試験したのは、日本の自衛隊機がこのエリアに侵入した
とき、どのような行動を中国は取るかである。スクランブルしてく
れば、レーダーサイトで監視している可能性があるが、それでもス
クランブルされないと、レーダーが届かないということになり、中
国の宣言は口だけの可能性も出てくる。

さあ、どちらであろうか?


==============================
日中間の争いが「地政学リスク」の焦点に―各国エコノミスト
Record China 11月28日(木)7時49分配信
2013年11月26日、米ニュース専門放送局CNBCは、イランの核問題を
めぐり主要6カ国とイランがウラン濃縮の制限や経済制裁の一部緩和
で合意したことを受け、日本と中国という二大経済大国の争いが「
地政学リスク」における焦点になると報じた。新浪財経が伝えた。
中国政府が23日、防空識別圏を設定したことを受けて、日米両国は
即座に非難の声明を発表。米国は「誤解や誤算を招く恐れがある」
と強く警告した。
こうした状況に対し、シンガポール銀行のチーフエコノミスト
・Richard Jerram氏は、「中国と日本は共に強硬な姿勢を崩してお
らず、世界は依然としてこの大きな地政学リスクに直面している」
と話した。
世界的総合金融機関INGグループのTim Condon氏は、「両国間の緊張
レベルはさらに高まった。米国政府の反応は、結果として誤りとな
る可能性が高い。アジア市場全体のリスクも高まった」と分析して
いる。
前出のJerram氏はまた、「情勢にことのほか注目している。日中間
の貿易は世界各地の製造業に与える影響が極めて大きい」とした上
で、もう一つの懸念事項として「中国は、経済成長停滞への不安か
ら目をそらさせるため、日本に対し強硬な姿勢を取っているのかも
しれない」と指摘した。(翻訳・編集/NY)
==============================
中国の防空識別圏設定、香港軍事評論家「日中武力衝突避けがたい
」―中国メディア
Record China 11月27日(水)23時42分配信
2013年11月27日、前瞻網によると、中国が東シナ海上空に防空識別
圏を設定したことを受け、香港の軍事評論家・馬鼎盛(マー・ディ
ンション)氏はこのほど「日本と中国の武力衝突は避けがたい。人
民解放軍は準備万端だ」と述べた。
それによると、馬氏は「日本のたび重なる挑発により、中国はこれ
以上の尖閣諸島(中国名・釣魚島)上空への領空侵犯を我慢できな
い状態だ。日中の武力衝突は避けられないだろう。中国国民、人民
解放軍の準備は万端だ」と語った。
中国国防省の防空識別圏設定表明に対し、米国、日本メディアは強
く反発した。これに対し中国外務省、国防省は「日米に四の五の言
う権利はない」と表明していた。
日本の菅義偉官房長官は26日、「中国の防空識別圏は日本に対して
何の効力も持たない」と表明。日本航空、全日本空輸の2社に対し、
中国が提出を求めた飛行計画の提出を取りやめるよう指示した。
(翻訳・編集/AA)
==============================
中国の防空圏設定「許さず」…日米防衛相が一致
 中国が沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏(ADIZ
)を設定した問題をめぐり、小野寺防衛相と米国のヘーゲル国防長
官は27日夜、電話で会談し、中国が地域の現状を変えようとする
試みを許さず、日米が共同で強い対応をとっていくことを確認した。
 両氏は中国の一方的なADIZ設定と発表について「地域の安定
を損ね、不測の事態を招きかねない」と強い懸念を共有、今回の
ADIZ設定は認められないとの立場で一致した。今後の対応につ
いては、日米両国が「毅然きぜんかつ冷静に対処していく」とし、
小野寺氏は日本側の対応として「周辺の海空域での警戒監視の活動
に万全を期し、領空侵犯に対する厳正な措置を実施する」と伝えた。
ヘーゲル氏も「中国の発表は、この地域での米国の軍事行動の態様
をいかなる形でも変えない」と強調、中国のADIZで米軍のB52
戦略爆撃機が行った事前通告なしの訓練飛行などを含め、ADIZ
の既成事実化を阻止する決意を示した。
 これに関連し、日米両政府は12月のバイデン米副大統領の来日
の際、安倍首相と副大統領の会談で、中国のADIZ設定問題を主
要議題としてとりあげる方針を決めた。26日に行われた岸田外相
とケリー米国務長官の電話会談で合意したもので、両氏は、中国の
ADIZの設定で影響を受ける韓国や東南アジア諸国連合(ASE
AN)が、中国の圧力に屈せず対応できるよう、日米両国が後押し
することでも一致した。首相と副大統領の会談は12月3日に行わ
れる。
(2013年11月28日03時01分  読売新聞)
==============================
中国に飛行計画提出せず=防空圏も通常運航−韓国航空会社
 【ソウル時事】中国が東シナ海に防空識別圏を設定し、通過する
航空機に飛行計画の提出を求めていることに対して、韓国の航空会
社は中国に飛行計画を提出するなど特別な措置を取らず、防空圏を
通過する便も通常通り運航している。
 韓国国土交通省によると、韓国の空港を離着陸する航空機のうち
、東南アジア路線を中心に1日約500便が中国の防空圏を通過。
うち韓国機は約310便という。
 聯合ニュースによれば、韓国海軍のP3C哨戒機も26日、中韓
が管轄権を争い、中国が防空圏に含めた海中岩礁の離於島上空を中
国への通報なしに飛行。海洋警察庁の航空機も同様に飛行したとい
う。
 韓国政府は、中国が韓国と一部重なる形で防空圏を一方的に設定
したとして反発、中国に通報せずに航空機を通過させる考えを表明
している。韓国は28日ソウルで開く中国との次官級の国防戦略対
話で、防空圏問題について協議する方針だ。(2013/11/27-20:21)
==============================
航空各社、中国への飛行計画提出を中止 防空識別圏
2013年11月27日00時53分
 【工藤隆治】中国が尖閣諸島(沖縄県)の上空を含む空域に防空
識別圏を設定した問題で、国土交通省は26日、国内航空各社が中
国への飛行計画の提出を打ち切ると発表した。提出がなくても運航
を妨げないとの確約を、中国側から得たことが理由だとしている。
 国交省によると、外務省の斎木昭隆事務次官が25日、中国の程
永華(チョンヨンホワ)大使から「今回の措置は民間機を含めて、
飛行の自由を妨げるものではない」との見解を得た。日本政府とし
て、この見解を「飛行計画を出さなくても運航を妨げない」との意
向と判断した。
 また日本発着の海外の航空会社約80社に、中国に飛行計画を提
出しているか尋ねたところ、提出していると答えたのは台湾とカタ
ールの計4社だけだった。
==============================
習政権メンツ丸潰れ 米爆撃機が「識別圏」を挑発飛行 虎の尾を
踏んだ中国
2013.11.27ZAKZAK
 米軍が、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設
定した中国を速攻で押さえ込んだ。圏内に、在日米軍の訓練空域や
射爆撃場が含まれていたことなどに反発し、爆撃機2機を事前通告
なく飛行させ、中国の防空識別圏を無力化させたのだ。中国政府は
、今回の措置が日本に照準を絞ったものだと“言い訳”に必死だが
、計算が狂ったのは間違いない。韓国や台湾も中国を批判しており
、対中包囲網が形成されつつある。 

 米国防総省は26日、爆撃機2機が、中国が設定した防空識別圏
内を通常の訓練の一環として飛行したことを明らかにした。米メデ
ィアによると、2機は核搭載能力を持つB52戦略爆撃機。グアム
のアンダーセン空軍基地を離陸し、26日午前9時ごろ識別圏内に
入ったという。
 これに対し、中国側は、戦闘機によるスクランブル(緊急発進)
などの行動を起こさなかった。「中国軍の決意を見くびってはいけ
ない」などと警告していただけに、習近平政権のメンツは丸つぶれ
といえる。
 米国防総省の報道担当者は「同様の航空機の運用を同盟国や友好
国と続けていく」と語った。
 中国は23日、周辺諸国との事前協議もなく、一方的に防空識別
圏を設定した。東アジアの平和を脅かす暴挙だが、当初から、米国
の動向には神経質になっていた。
 中国国防省の楊宇軍報道官は25日の記者会見で「米国がこの問
題で不当な言動を控え、日本の冒険的性質を助長する誤ったシグナ
ルを送らないよう望む」と発言。外務省の秦剛報道官も「米国は釣
魚島(尖閣諸島の中国名)の主権問題でどちらの肩も持つべきでは
ない」といい、米国を遠ざけようとした。
 中国の軍事支出は毎年2ケタ台の伸びを記録しているが、「現時
点では、米軍のプレゼンスに圧倒されている」(日中軍事筋)のが
実情だ。
 1996年に、台湾総統選に圧力をかけるため、台湾海峡でミサ
イル演習を行った際には、米軍が2つの空母打撃群を派遣して攻撃
を抑止した。99年のNATO(北大西洋条約機構)軍による在ベ
オグラード中国大使館誤爆でも、中国側は報復に出なかった。
 自国が力をつけるまで低姿勢を貫く「韜光養晦(とうこうようか
い)外交」を貫く中国にとって、尖閣問題で米国の介入は絶対に避
けたかった。ところが、米国の反応は、予想以上に激しいものだっ
た。
 ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が非難声明を発表したほか、
来日中の米国家安全保障会議(NSC)のメデイロス・アジア上級
部長は26日、首相官邸で菅義偉官房長官と会談し、「米国も懸念
を共有しており、日米で引き続き緊密に連携していきたい」と語り
、日米間で協力していくことを確認した。
 この会談と前後して、米爆撃機2機が中国の防空識別圏内を悠々
と飛行し、中国軍をけん制したわけだ。
 米国が中国の識別圏設定に反発するのは、「中国は力で尖閣周辺
を支配しようとして、露骨な侵略に近づいている」(米紙ウォール
ストリート・ジャーナル・アジア版)からだけではない。
 中国の防空識別圏には、戦闘機訓練のために日本政府が在日米軍
に提供している「沖縄北部訓練区域」の一部や、航空機による空対
地攻撃演習に使われる「赤尾礁射爆撃場」と「黄尾礁射爆撃場」が
収まっている。つまり、中国の行為は、米軍の行動をも阻害するこ
とを意味する。
 2001年4月には、中国南方の南シナ海上で米軍電子偵察機E
P3が中国軍機と接触し、中国・海南島に緊急着陸する事件があっ
た。中国の識別圏設定により、こうした偶発的衝突の危険性は格段
に高まる。
 さらに、日本と韓国、台湾がそれぞれ設定している防空識別圏は
、第2次世界大戦後に米軍が設定したものを各国が引き継いだ形に
なっている。いわば米国がデザインした地域秩序といえる。中国の
行為は、これに真っ向から挑戦するもので、米国にとって看過でき
ないというわけだ。
 中国はこうした米国の反発を計算ずくで、今回の暴挙に出たのか。
 外交評論家の石平氏は「習主席は分かっていなかったはずだ。そ
うでなければ、6月の米中首脳会談で8時間も会談して、仲良くな
ろうとした行動と矛盾する」と指摘し、こう続ける。
 「人民解放軍に『ここまでやらなければ日本は屈服しない』と進
言され、習氏は承認したのではないか。キツネ(=日本)をつつい
たつもりが、米国という『虎』の尾を踏んでしまった。習氏は『し
まった』と思っているはずだ」
 中国の防空識別圏設定をめぐっては、歴史問題などで朴槿恵(パ
ク・クネ)大統領が“対日共闘”を図ろうとしている韓国も、圏内
に中韓両国が排他的経済水域(EEZ)内にあると主張している海
中岩礁・離於島(中国名・蘇岩礁)が含まれていたため、「中国が
一方的に設定したもので、認められない」と反発。尖閣をめぐり、
中国が一時、対日共闘を模索した台湾も国防部が遺憾の意を表明し
ている。
 まさに、中国の暴挙に対して、日米韓台による包囲網が築かれつ
つあり、中国は自分で自分の首を絞める結果となりそうだ。
==============================
「米国を本気にさせてしまった」米爆撃機の防空識別圏飛行に対す
る中国人の反響―中国
Record China 11月27日(水)9時1分配信
2013年11月26日、米ラジオ局ボイスオブアメリカ中国語版は、米軍
の爆撃機が中国の策定した東シナ海の防空識別圏を訓練飛行したと
報じた。
米国防総省によると、25日夜(米東部時間)、米軍の爆撃機が尖閣
諸島付近で通常演習を実施した。米メディアによると、飛行したの
はB-52が2機。同空域は中国が策定した防空識別圏内で、事前申請な
しに飛行した場合には強硬手段をとると警告されていたが、米軍機
は事前申請なしに飛行。中国側からの照会は受けなかったという。
中国メディアはまだこのニュースを報じていないが、ソーシャルメ
ディアでは海外メディアの記事が翻訳、紹介されている。
ネットユーザーの書き込みを見ると、爆弾などを搭載しなかった、
護衛の戦闘機がついていなかった、飛行したのが旧式のB-52だった
ことを挙げ、米国は腰が引けていると皮肉る意見。許しがたい挑発
だとの怒りの声。米国はツラの皮が厚すぎるなどと当てこする声。
米軍が中国の防空識別圏に侵入したなら中国は日本の防空識別圏に
侵入しかえせなどと強硬な意見が多い。一方でわずかながらも中国
の一連の行動が米国を本気にさせてしまったのではと懸念する書き
込みもあった。(翻訳・編集/KT)




コラム目次に戻る
トップページに戻る