4841.監視社会中国の限界



ディプロマット誌に「The Limits of China’s Surveillance State」
で、中国の監視も限界があるという。この詳細を見よう。

最近のテロ事件は、制限された社会の安定を弾圧だけでは長く続か
ないことを示したことである。金と人的資源を掛けた監視装置で暴
動を事前に阻止する大きな組織を持っているにもかかわらず、新彊
での弾圧では、事態が悪くなることがよくわかった。

中国は、現在毎年1110億ドル(11兆円)の国内治安に使って
いる。軍事予算は1140億ドル(11兆円)であり、だいたい同
じである。

2013年の新彊は、この10年で一番暴動が多い。少なくても、
189人のウイグル族が、3月から警察軍との対立で暴動の中、殺
されて、その他多数が傷害を受けている。

それより憂慮することは、この新彊の暴動が中国の他の地域にも広
がっていることである。このため、当局はそれを防ぐために大変な
努力をしている。

10月28日、ウイグル人と家族2人が乗ったSUVが、混雑している
天安門広場に飛び込み、2人の観光客を殺した。そして彼らも火に
包まれ死んだ。天安門特攻攻撃と新彊の暴動の大きな波は、拡大し
て、北京が考えているほどには監視装置や弾圧機関が機能していな
いことを示している。

共産党は、天安門事件後、1週間もなく新彊の軍司令官永平将軍を
辞めさせた。これは十分な国内治安をしていないことで起こったと
北京は思ったのである。勿論、今年の新疆での多くの暴動で、その
職は危なくなっていた。

監視装置の限界との関係をよく調査する前、私たちは監視装置の何
の要因が今日のようなことになるのかを見ていた。中国は今、2百
万人を雇い、装置での監視を助けるためにインターネットを監視し
ている。

物理的な面では、中国は、「スカイネット」という気味が悪い国家
プロジェクトを行なっている。これは監視用カメラの数を増やし、
能力を上げることを目的としている。

中国安全保障エンジニアのウーへキアン陸将によると、このプロジ
ェクトで、個人の行動を徐々にカメラで捉えることができ、少なく
ても80万台のカメラを設置したと。天安門広場の広さに、平均
60台のカメラがあるという。

事実、街の重要な所には、監視用カメラが密度濃く配置されている。

特攻したウイグルの車も最後の数キロで100以上のカメラに写っ
ていたはずである。

このカメラの列、インターネット監視、電話盗聴、街の警察官がい
たのもかかわらず、天安門に突っ込み、SUVが火に包まれむまで発見
されなかった。

もし、この車が爆発物を積み、街のより混雑した所に攻撃したら、
より大きな死傷数になっていた。

北京は、この監視カメラで、独立主義者の行動を捉えてるために監
視している。

新疆でも少なくても139人をこのカメラで監視して、ジハードの
行動を監視している。監視能力を高めるために、このカメラをでき
るだけ早く設置している。

中国の街では、スマートスカイネットを作り、その監視能力を高め
た装置が稼働している。しかし、天安門事件はこのような装置を完
備した中国の安全保障当局を試し、成功したことになる。

これで分かったのは、他の装置とカメラを統合化して監視効率を上
げることが必要であることである。

しかし、これを構築するためには、世界から監視の専門家を集め、
カメラで映る行動を分析する必要がある。例えば、ドラックでの行
動か、銃を持っているかなどの行動を解析する必要がある。

そして、北京が努力しても、ウイグル人の抵抗の意思は止まない。
このままでは、暴力の連鎖が起こって、それが最高点までいく可能
性がある。このため、漢民族とウイグル民族を分離して、壁を作る
ことになる。

ウイグルは、中央アジアとつがながり、武器をそこから手にれるこ
とができる。人的資源も得ることができる。

新疆は、石油が出て、中央アジアの天然ガスのパイプラインが通っ
ている。シルクロードの鉄道も通っている。など重要なインフラが
ある。このような位置であるので、テロ組織も狙う可能性がある。

このため、北京も新彊の統治を失うことはできない。しかし、新疆
は、バターか銃かというより、銃対銃の局面に近づいている。

この上に11月6日連続爆発が起き、漢民族でも不満が溜まってい
る。弾圧と監視だけでは、テロを防げない。北京は、この道を進む
ことはできないことを、いつ気がつくかであると。

しかし、日本などはこれを利用しない手はない。ウイグル族の不満
とアルカイダを結びつけて、中国内戦を支援するべきである。勿論
、政府はできないので、民間機関になると思うが、それを情報機関
が助けるべきである。

The Limits of China’s Surveillance State

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