4833.日露の対話で何が話されるのか?



岸田文雄外相は11月1日、東京都内でロシアのラブロフ外相と会
談する。両者の会談は4月以来2回目。8月にスタートした北方領
土交渉に関する外務次官級協議の取り運びを話し合うほか、政治対
話の強化を確認。

小野寺五典防衛相とショイグ国防相による防衛相会談も同日行われ
る。この防衛相会談で、小野寺氏は年末までに策定する新たな防衛
大綱について説明。信頼関係構築のため、両国が日本周辺海域で行
う演習で情報共有を進めることを確認する。

これに先立って、30日、海上自衛隊とロシア海軍による共同訓練
を新たにオホーツク海で行う方向で最終調整した。ロシアは同国周
辺への中国の海洋進出に神経をとがらせており、海洋安全保障分野
で日本との協力を拡大することで中国側を牽制する狙いがある。

中国海軍は7月14日、軍艦5隻が初めて宗谷海峡を経由しオホー
ツク海に進出。同海で原子力潜水艦を多く航行させるロシアは警戒
感を強めた。中国は最近、北極海にも積極的に進出しており、ロシ
アの安全保障上の問題となっている。

しかし、ロシアメディアによると、同国外務省のモルグロフ外務次
官は、日本メディアの「日ロの外務・防衛担当閣僚協議をロシアが
提案し、両国は中国の周辺地域に対する潜在的な脅威を話し合う」
という報道に対し、「事実無根」だと反論したと、環球時報が伝え
た。

モルグロフ外務次官は、「2プラス2は日本の提案により実現した。
協議はイランの核計画やアフガニスタンとシリア情勢、朝鮮半島の
核問題などについて話し合われるが、日本と中国について意見を交
換したことはなく、その予定もない。中国がロシアにとって戦略パ
ートナーであることは日本も理解しており、背後で中国を議論する
ことはありえない」と発言した。

このことから、ロシアの意図がわかる。

ロシアは、日本と中国の両方に対して中立的な位置に、両方から利
益を得ることを考えている。そして、中国からの利益の方が多いの
で、中国を優先するが、しかし、中国にも警戒する立場でもあるこ
とがわかる。

ロシアは利益最大を考えて行動していることがわかる。味方でも敵
でもない立場である。ロシアによって、その立場が快いはず。それ
をどこまで日本も利益を得るかが問われている。

さあ、どうなりますか?

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日ロ外相、1日に会談=政治対話の強化確認
 岸田文雄外相は1日、東京都内でロシアのラブロフ外相と会談す
る。両者の会談は4月以来2回目。8月にスタートした北方領土交
渉に関する外務次官級協議の取り運びを話し合うほか、政治対話の
強化を確認。岸田氏の来年のロシア訪問についても協議する見通し。
小野寺五典防衛相とショイグ国防相による防衛相会談も同日行われ
る。
 日ロ関係は安倍晋三首相の4月の訪ロ以降、プーチン大統領との
会談が半年で4回行われるなど「首脳間の関係は密になっている」
(外務省幹部)。ただ、領土問題に加え、日ロの経済・エネルギー
協力などについても話し合う次官級協議は次回の日程が決まってい
ないため、外相会談で詰める。 
 一方、防衛相会談で、小野寺氏は年末までに策定する新たな防衛
大綱について説明。信頼関係構築のため、両国が日本周辺海域で行
う演習で情報共有を進めることを確認する。ロシア国防相の来日は
2003年4月以来。
 ロシアの外相、国防相は1日に来日。2日には日ロ外務・防衛担
当閣僚協議(2プラス2)を初めて開催する。(2013/10/31-18:21)
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日露、中国の海洋進出牽制で一致 オホーツク海で海洋安保協力 
2013.10.31ZAKZAK
 日露両政府は30日、海上自衛隊とロシア海軍による共同訓練を
新たにオホーツク海で行う方向で最終調整に入った。来月2日に初
めて開く外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、合意を目指し
ている。ロシアは同国周辺への中国の海洋進出に神経をとがらせて
おり、海洋安全保障分野で日本との協力を拡大することで中国側を
牽(けん)制(せい)する狙いがある。
 中国海軍は7月14日、軍艦5隻が初めて宗谷海峡を経由しオホ
ーツク海に進出。同海で原子力潜水艦を多く航行させるロシアは警
戒感を強めた。中国は最近、北極海にも積極的に進出しており、ロ
シアの安全保障上の問題となっている。
 海自とロシア海軍は、平成10年から日本海とロシア・ウラジオ
ストク沖で、ほぼ毎年捜索・救難共同訓練を実施している。2プラ
ス2では、この訓練をオホーツク海や北極海に広げ、中国の海洋進
出への対抗を狙う。極東での警戒監視態勢でも協力を模索している。
 両政府は、共同訓練を海賊やテロ対策にも拡大することを検討。
サイバー対策での協力や、航空自衛隊とロシア空軍の航空機による
相互訪問なども議題となる見通しだ。
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中国の潜在的な脅威、ロ外務次官「日本と議論することはない」と
日本メディア報道に反論―ロシアメディア
Record China 10月31日(木)11時37分配信
2013年10月30日、ロシアメディアによると、同国外務省のモルグロ
フ外務次官は、日本メディアの「日ロの外務・防衛担当閣僚協議(
2プラス2)をロシアが提案し、両国は中国の周辺地域に対する潜在
的な脅威を話し合う」という報道に対し、「事実無根」だと反論し
た。環球時報が伝えた。
11月2日を東京で日ロは初の2プラス2の枠組みで協議を行う。日本は
岸田文雄外相と小野寺五典防衛相、ロシアはラブロフ外相とショイ
グ国防相が出席する予定。
同協議に関して取材を受けたモルグロフ外務次官は、「2プラス2は
日本の提案により実現した。協議はイランの核計画やアフガニスタ
ンとシリア情勢、朝鮮半島の核問題などについて話し合われるが、
日本と中国について意見を交換したことはなく、その予定もない。
中国がロシアにとって戦略パートナーであることは日本も理解して
おり、背後で中国を議論することはありえない」と発言した。
(翻訳・編集/内山)
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外相会談で北方領土も議題=日米MDに懸念−ロシア
 【モスクワ時事】ロシア外務省は30日、11月2日の日ロ外務
・防衛担当閣僚協議(2プラス2)のためラブロフ外相が訪日する
のを前に声明を出し、1日の日ロ外相会談で、北方領土交渉を含む
平和条約問題が議題となることを明らかにした。
 声明は「(問題の)双方受け入れ可能な解決策は、日ロ関係を真
のパートナーシップへ全面発展させる共同作業があってこそ、見い
だすことができる」と訴えた。
 2プラス2では、北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえた日米によ
るミサイル防衛(MD)に対し、ロシアから懸念を伝える方針を示
した。
 外相会談は、8月にモスクワでの日ロ外務次官級協議で北方領土
交渉が再開して以来初めて。(2013/10/31-00:19)





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