4830.安倍首相発言の波紋



安倍晋三首相は25日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのイ
ンタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島付近で繰り返される挑発行為
などを念頭に中国の海洋進出を批判した。

安倍首相が言ったことは、「法の支配でなく、力による現状変更を
試みようとしている。中国は平和的台頭の道を取ることができなく
なる」というものである。その続きで、27日午前、陸上自衛隊朝
霞駐屯地での観閲式で訓示し「現状変更を許さないとのわが国の国
家意思を示す。そのために警戒監視や情報収集の活動を行っていか
ないといけない」と述べた。

現在、中国がやっているのは、力で押してくるのは事実であるが、
中国外務省の華春瑩副報道局長は28日、この訓示に関して「傲慢
(ごうまん)と自信のなさを改めて表した」と批判。その上で「釣
魚島問題の現状打開は他人ではなく、日本自身が行うことだ」と要
求した。

アシュトンEU外相も、世界で起きる様々な危機や国際的なテロ対
応、貧困削減、気候変動などを挙げ、「日EUには一緒に仕事をす
る決意がある」と述べたが、ぎくしゃくする日本と中国の関係につ
いて、「良好な日中関係が地域やグローバルの安全保障と繁栄のた
めに不可欠」と指摘。日中が対話を続けることで相互理解を深めて
欲しいと期待した。

日中の有識者が合同で行う「第9回東京―北京フォーラム」が北京市
で開催されたが、27日、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立に関
連し、解決を軍事的手段に求めるべきではないとする不戦の誓いを
盛り込んだ「北京コンセンサス」を発表し閉幕。尖閣問題の緊張緩
和に向けて「両国政府は話し合いを開始することが急務だ」と指摘
した。

やっと、話し合いの機会ができたのであるが、安倍首相の当然の発
言を中国は問題化しているが、それで首脳会談の機会が失われるこ
とがないようにしてほしい。

このためには、現状の状況と発言の波及を事前に安倍首相にアドバ
イスする補佐官が必要であると思う。

欧米が、日本に期待ているのは、中国との紛争ではなく、アフリカ
や中東での紛争に日本が平和的な貢献をしてもらうことである。

しかし、もし、日中の紛争で自衛隊が他の問題にかかわれないこと
になると、期待を裏切ることになる。

どうか、日中のいろいろな状況を見て、発言をして日中関係を当分
、静かにして欲しい。

静かな間に、日本は国の形を変えることが必要である。まず、安全
保障から考えることである。

ミサイルが原発に当たったら、それだけで日本は大変なことになる。
安全を前提条件にしない方が良い。軍事費も2%程度にすることも
必要になると見る。

どうも、将来、中国とは戦争をするしかないような気がする。

ドイツ近傍の英国の雰囲気が漂っている。米国は当初、助けない。
自国の防衛は日本が行うしかない。

「日中対立に関連し、解決を軍事的手段に求めるべきではない」と
いう当然な発言に反発する中国が恐ろしい。

さあ、どうなりますか?

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安倍首相発言を批判=中国
 【北京時事】中国外務省の華春瑩副報道局長は28日の定例会見
で、安倍晋三首相が27日の自衛隊観閲式で、尖閣諸島(中国名・
釣魚島)をめぐり対立する中国を念頭に「力による現状変更は許さ
ないとの確固たる国家意志を示す」と訓示したことに関して「傲慢
(ごうまん)と自信のなさを改めて表した」と批判。その上で「釣
魚島問題の現状打開は他人ではなく、日本自身が行うことだ」と要
求した。 
 華副局長は、尖閣問題に関して「(1972年の)国交正常化の
際に双方は先送りによる解決で同意し、その重要な共通認識はその
後、40年以上にわたり中日関係を正常に発展させる重要な基礎と
なった」と述べ、領有権の棚上げを日本側が認めるよう改めて求め
た。(2013/10/28-19:18)
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安倍首相の中国けん制発言、「中国人は“ビンタ”されたに等しい
」=挑発より関係改善を―米メディア
Record China 10月28日(月)13時41分配信
2013年10月28日、環球時報によると、米ニュースサイト・ValueWalk
は日本の安倍首相に関して、「安倍首相の中国挑発発言は、多くの
中国人に“ビンタ”をお見舞いしたに等しい」と指摘した。
安倍首相は米メディアの取材に応じた際、「中国が力による現状変
更を試みようとしていることが懸念されている」と主張。その問題
性について、「日本が中国に強く主張することを多くの国が期待し
ている」と発言した。
日本の強硬姿勢について米ニュースサイト・ValueWalkは、「日本の
指導者は、中国との緊張状態を解く解決策を考えるべきだ」と中国
に対する挑発的な発言を批判。さらに韓国メディアは、「中国政府
は安倍首相の挑発に反応を見せていないが、過去に安倍政権の軍国
主義復活の傾向を幾度となく批判している。安倍首相の明らかな中
国けん制発言は、中国の習近平国家主席が提唱する隣国外交の強化
とは相反する」と指摘している。(翻訳・編集/内山)
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日本との外交・安保協力に意欲 EU外相インタビュー
2013年10月28日11時27分
 【ブリュッセル=野島淳】欧州連合(EU)の外相に当たるアシ
ュトン外交安全保障上級代表が朝日新聞の書面インタビューに答え
た。日本との外交・安全保障での協力を密にする意欲を示す一方、
「日中の良好な関係がEUにとっても重要」と述べ、関係改善を促
した。アシュトン氏は27日から訪日中で、岸田文雄外相らと会談
する。
 日本とEUは自由貿易協定と並行し、外交・安保協力を進める戦
略的連携協定も協議中だ。アシュトン氏は、世界で起きる様々な危
機や国際的なテロ対応、貧困削減、気候変動などを挙げ、「日EU
には一緒に仕事をする決意がある」と述べた。安保でも、サイバー
対策などで協力関係を探りたいという。
 一方、ぎくしゃくする日本と中国の関係について、「良好な日中
関係が地域やグローバルの安全保障と繁栄のために不可欠」と指摘
。日中が対話を続けることで相互理解を深めて欲しいと期待した。
EUが実施する中国への武器禁輸措置については、続ける意思を改
めて示した。
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中国軍事費に物申す!有識者会議で日中の議論熱く
―東京北京フォーラム
Record China 10月27日(日)19時10分配信
2013年10月26日、日中の有識者が合同で行う「第9回東京―北京フォ
ーラム」が北京市で開催されたが、安全保障分科会において、日中
の有識者によって熱い議論が交わされた。中国日報(電子版)が伝
えた。
安全保障分科会で東アジアの安定と平和的解決をめぐり意見が交換
されていた時のこと。中国国防大学戦略研究所の前所長・楊毅(ヤ
ン・イー)少尉が中国の軍事費について説明していると、前駐米大
使で上智大学特別招聘教授の藤崎一郎氏が突然話をさえぎるように
発言。中国がすでに世界第2位の軍事大国となっているにもかかわら
ず、また国内の貧困問題をかえりみずに軍事費を毎年10%も増加さ
せていることに疑問を投げかけた。
これに対し楊少尉も応戦。量的変化だけ見るとそうかもしれないが
、比率的に見ると軍事費は教育や社会保障費よりもずっと少なめに
抑えられていると述べた。(翻訳・編集/YM)
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尖閣対立に「不戦の誓い」 日中政府に早期対話要求
 【北京共同】日本と中国の政財界人やメディア関係者らによる「
北京―東京フォーラム」は27日、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中
対立に関連し、解決を軍事的手段に求めるべきではないとする不戦
の誓いを盛り込んだ「北京コンセンサス」を発表し閉幕。
 尖閣問題の緊張緩和に向けて「両国政府は話し合いを開始するこ
とが急務だ」と指摘。
 中国側のフォーラム主催者の趙啓正・国務院新聞弁公室の元主任
は「北京コンセンサスには両国民の意見が反映されている。双方の
国民にこの合意を理解してもらうことが、関係改善につながる」と
述べた。
2013/10/27 17:07   【共同通信】
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首相「現状変更許さず」 自衛隊観閲式で中国けん制
 安倍晋三首相は27日午前、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬
区など)の朝霞訓練場における観閲式で訓示し「現状変更を許さな
いとのわが国の国家意思を示す。そのために警戒監視や情報収集の
活動を行っていかないといけない」と述べ、沖縄県・尖閣諸島付近
で海洋活動を活発化させる中国を強くけん制した。
 同時に「防衛力は存在だけで抑止になるとの考えは捨て去っても
らいたい」と強調。「集団的自衛権や集団安全保障の法的基盤の検
討を進める」と語り、安全保障政策を見直す姿勢を重ねて示した。
2013/10/27 12:18   【共同通信】
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安倍首相「中国、平和的台頭できない」 米紙で批判 
2013/10/26 9:21nikkei
 「法の支配でなく、力による現状変更を試みようとしている。中
国は平和的台頭の道を取ることができなくなる」。安倍晋三首相は
25日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応
じ、沖縄県・尖閣諸島付近で繰り返される挑発行為などを念頭に中
国の海洋進出を批判した。
 首脳会談を外交の取引材料に対話を拒否している姿勢に関しても
「全てのドアを閉ざすべきでない。日本は常にドアをオープンにし
ている」と強調。同時に「不透明な軍事費の増加には日本だけでな
く、多くの国が懸念を表明している」と訴えた。
 これに関連して米国務省のサキ報道官は25日の記者会見で、尖閣
問題について「米国は従来から日中双方に対話による解決を求めて
いる」と述べ、尖閣付近で挑発行為をやめない中国を非難。そのう
えで「日中で対話や議論がされると信じている」と語り、首脳会談
を拒否する中国の態度に疑問を呈した。(ワシントン=吉野直也)
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「軽い言葉」でお座なりの受け答え
安倍首相に見え始めた危険な兆候
塩田 潮 : 2013年10月29日touyoukeizai
安倍首相を見ていると、7月の参院選の後、発言に変化が生じている
ように感じる。
9月のオリンピック東京開催決定のIOC総会でのスピーチで、東京電
力福島第1原発の汚染水問題について、「状況はコントロールされて
いる。影響は港湾内で完全にブロックされている」と大見得を切っ
た。10月10〜11日に熊本市で開催された「水銀に関する水俣条約外
交会議」で流されたビデオ・メッセージで、「水銀による被害とそ
の克服を経たわれわれ」と述べ、日本が水俣病を克服し、すでに解
決済みと受け取られるような言い方をした。さらに22日、「1票の格
差」是正の新しい選挙区割りの法案成立について、国会で、「最高
裁の要請に応え、違憲状態が解消された」と答弁したが、法案では
定数の「0増5減」が実現しただけで、「違憲状態解消」と唱えるの
は牽強付会の論と言っていい。
第1次内閣では自己中心的な一方通行発信型の発言を連発し、意欲空
回りに終わった。
?1ヵ月前のインタビューで、菅官房長官も「第1次内閣の失敗の教訓
は大きい」と話していたが、失敗の教訓を生かすという取り組みは
、再登板の安倍首相の基本姿勢と見て間違いない。
?第2次内閣では、聞き手に配慮して、エピソードをふんだんに盛り
込み、柔らかな言い回しを心がけるなど、しゃべり方を工夫してき
た。一方で、持論の憲法改正問題でも、改正要件を定める憲法第96
条の先行改正について、4〜5月、「熟議が必要。丁寧に議論してい
きたい」と語り、強引、強硬と受け取られるような言い方は慎重に
避けた。
ところが、参院選勝利、高支持率、好調な政権運営で自信をつけた
のか、急に口元が緩み始めた感がある。大言、強弁、こじつけと思
える発言が飛び出すようになった。
3月にこの欄で、「安倍首相には『口ほどでもない』という面がある
」と書いたが、強硬路線と強気の発言の割りには実際は安全運転だ
った安倍首相が、「軽い言葉」でお座なりの受け答えとその場逃れ
に走るなら、今度は「口先首相」と酷評を浴び、信用を失うだろう。



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