4791.シリアは化学兵器廃棄に



ケリー国務長官が、ロンドンでヘイグ英外相と会談、シリア情勢な
どを協議した。「米英関係は『特別な関係』と言われるが、それは
今も変わらない」と強調した。この時、ヘイグ英外相から、軍事介
入を避けるためにアサド大統領は何ができるかと問われた。

これに対してケリー国務長官は「来週中に化学兵器を国際社会にす
べて引き渡せばよい」と述べた。ただ、「彼(アサド大統領)はそ
うはしないだろう」と付け加えた。また、「化学兵器はアサド政権
によって厳しく管理されている。アサド大統領のほか、(シリア共
和国防衛隊を率いる)弟のマヘール氏、将官ひとりの計3人が、化
学兵器の使用などに関する権限を掌握している」ので現場の将校が
勝手に武器を使用できないとした。

しかし、この発言を受けて、即刻、ロシアのラブロフ・ロシア外相
が動いた。丁度、シリアのムアレム外相とラブロフ・ロシア外相と
が会談中であり、両外相は化学兵器使用を理由に米国などが準備を
進めるシリア攻撃に反対する立場で一致したところに、米英会談の
報告が入る。

ラブロフ・ロシア外相は、シリアに対し化学兵器を国際管理下に置
くよう要請し、シリアのムアレム外相はこの提案を歓迎する意向を
示した。

このラブロフ・ロシア外相の提案を受け、国連の潘基文(バン・キ
ムン)事務総長も即座に、シリアに化学兵器を安全に保管、破壊で
きる場所へ移動させるよう求める考えを示した。また、シリアは化
学兵器を禁止する国際協定に加盟する必要があるとの考えも示した。

ロシアは上海協力機構のサミットが今月13日、ビシュケクで開催さ
れるが、そこでの重要テーマのひとつとして、シリア情勢が取り上
げられる予定であった。

米政府は、下院議員の説得を行っているが苦戦している。このため
、この事態に困惑して、ケリー国務長官はシリアが来週中に化学兵
器をすべて放棄すれば米国による軍事介入を回避できるとした自身
の発言は修辞的なものであり、実質的な提案を行ったわけではない
とした。

そして、米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相は、シリア
の化学兵器について電話で協議した。この結果で、ラブロフ外相が
この構想の模索を提案したのに対し、国務長官は極めて懐疑的な見
方を示し、真剣な提案であれば米国として検討するとしながら、対
シリア軍事介入に関する米議会の承認取得に向けた政府の取り組み
を遅らせる理由にはならないと言明した。

米政府しては、議会対策がやりにくくなったことだけは確かである。

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米国務長官、シリア攻撃回避発言は「実質的な提案ではない」
ロイター 9月10日(火)6時30分配信
[9日 ロイター] - ケリー米国務長官はロシアのラブロフ外相に
対し、シリアが来週中に化学兵器をすべて放棄すれば米国による軍
事介入を回避できるとした自身の発言は修辞的なものであり、実質
的な提案を行ったわけではないと説明した。
米政府高官が明らかにした。
長官はまた、ラブロフ外相がこの構想の模索を提案したのに対し、
国務長官は極めて懐疑的な見方を示し、真剣な提案であれば米国と
して検討するとしながら、対シリア軍事介入に関する米議会の承認
取得に向けた政府の取り組みを遅らせる理由にはならないと言明し
た。
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米ロ外相、シリアの化学兵器について電話協議=米国務省
2013年 09月 10日 04:18 JST
[ワシントン 9日 ロイター] - 米国のケリー国務長官とロシア
のラブロフ外相は9日、シリアの化学兵器について電話で協議した
。米国務省報道官が明らかにした。
ロシアが、米国による軍事攻撃の回避に向け、シリアに対し化学兵
器を国際管理下に置くよう要請したことを受けて協議が行われた。
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国連がシリア化学兵器の破壊提案、事務総長が安保理へ要請の可能性
2013年 09月 10日 04:06 JST
[国連 9日 ロイター] - 国連の潘基文(バン・キムン)事務総
長は9日、シリアに化学兵器を安全に保管、破壊できる場所へ移動
させるよう求める考えを示した。安保理に対し、こうした提案を行
うよう要請する可能性があるとしている。
事務総長は「シリアでの化学兵器使用疑惑に関する国連調査団の報
告書を安保理で公表する際、提起する案を考えている」と述べた。
シリア内戦での有毒ガスの使用が確認できれば、国際社会は行動す
る義務があると指摘。「シリアの化学兵器および化学兵器の原料と
なる物質の在庫を、同国内の安全に保管、破壊できる場所に移管す
ることを(シリアに)要請するよう、安保理に求めるていくことを
考えている」と語った。
また、シリアは化学兵器を禁止する国際協定に加盟する必要がある
との考えを示した。
事務総長は、シリアへの軍事攻撃を回避できるなら化学兵器を国際
管理下に置くよう同国に要請するとのラブロフ露外相の発言につい
て、記者団の質問に答えた。
2年半にわたるシリア内戦に対して安保理が機能してこなかったこ
とは遺憾とし、安保理にはシリア情勢をめぐるこう着事態を終わら
せる義務があるとの認識を表明。「国連調査団の報告書で化学兵器
の使用が確認されれば、安保理は確実に一丸となって対応できる」
と語った。
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シリア外相、化学兵器を国際管理下に置くとのロシア提案を歓迎
2013年 09月 10日 03:12 JST
[モスクワ 9日 ロイター] - シリアのムアレム外相は9日、 
対シリア軍事介入の回避に向け化学兵器を国際管理下に置くとのロ
シアによる提案を歓迎すると述べた。
モスクワを訪問中の同外相はロシア政府要人との会談後、記者団に
対し「米国によるシリア国民に対する攻撃の阻止に向けたロシア指
導部の知見に対するわれわれの信頼」に動機付けられたロシアの提
案を、「シリア政府は歓迎する」と述べた。
ただ、アサド大統領がロシアの提案を受け入れたかについては明確
には示さなかった。
米国のケリー国務長官はこの日、英国のヘイグ外相との共同記者会
見で、シリアのアサド大統領がすべての化学兵器を来週中に国際社
会に引き渡せば攻撃を回避できると発言。その後、ロシアのラブロ
フ外相が、シリアへの攻撃を回避できるなら、化学兵器を国際管理
下に置くようシリアにに要請すると明らかにしていた。
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ロシア、シリアに化学兵器の国際管理受け入れ要請
2013年 09月 10日 03:16 JST
[モスクワ 9日 ロイター] - ロシアは9日、米国による軍事攻
撃の回避に向け、シリアに対し化学兵器を国際管理下に置くよう要
請した。シリア政府はこの提案を歓迎する意向を示した。
ロシアのラブロフ外相は同日、シリアのワリード・ムアレム外相と
モスクワで会談。ラブロフ外相は、化学兵器の国際管理受け入れに
関する提案を伝えたことを明らかにし、「迅速かつ前向きな回答を
期待している」と語った。
そのうえで「シリアの化学兵器を国際管理下に置くことによって攻
撃が回避できるのであれば、われわれは直ちにシリア政府と共に問
題に取り組んでいく」と述べた。
同外相はまた、化学兵器を国際管理下に置くだけでなく、いずれは
シリアに化学兵器を廃棄させ、化学兵器禁止機関(OPCW)への
加盟を促したことを明らかにした。
ムアレム外相はラブロフ外相との合同記者会見で「ロシアのイニシ
アティブを歓迎する」と語ったものの、実行に移すかどうか断言す
るには至らなかった。同時に、米国の軍事介入を回避できるのであ
れば、前向きに検討する姿勢も示した。
そのうえで「今回の問題解決に向けた外交手段は尽きてない」とし
、武力行使を目指す米国の動機に疑問を投げかけた。
ケリー米国務長官はこれに先立ち、アサド大統領がすべての化学兵
器を来週中に国際社会に引き渡せば、攻撃を回避できるとの考えを
示したが、その後こうした提案を真剣に行う意思のないことも明確
にした。
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シリアの化学兵器、アサド大統領含む3人が管理=米国務長官
2013年 09月 9日 23:27 JST
[ロンドン 9日 ロイター] - ケリー米国務長官は9日、シリア
で化学兵器を管理しているのはアサド大統領を含む3人に特定され
ていると述べた。
ケリー長官は当地での記者会見で「化学兵器はアサド政権によって
厳しく管理されている。アサド大統領のほか、(シリア共和国防衛
隊を率いる)弟のマヘール氏、将官ひとりの計3人が、化学兵器の
使用などに関する権限を掌握している」と語った。
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米など軍事介入に反対=ロシア・シリア外相会談
 【モスクワ時事】情勢が緊迫化するシリアのムアレム外相は9日
、モスクワでラブロフ・ロシア外相と会談し、両外相は化学兵器使
用を理由に米国などが準備を進めるシリア攻撃に反対する立場で一
致した。アサド政権の仕業とする具体的な証拠はなく、国連安保理
を無視した軍事介入は「国際法違反」との認識も確認したとみられ
る。
 両外相は内戦終結に向けたジュネーブ国際会議の実現をめぐって
も協議。会談後の記者会見でいずれも「政治的解決が唯一の道」な
どと発言したが、ムアレム外相は「シリア攻撃があれば、立場を変
えざるを得ない」と米国などに警告した。
 ムアレム外相は会談冒頭、アサド大統領がプーチン大統領の支援
に謝意を示したとも語った。(2013/09/09-19:51)
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英、シリア介入を外交支援=化学兵器引き渡し要求−米長官
 【ロンドン時事】ケリー米国務長官は9日、ロンドンでヘイグ英
外相と会談、シリア情勢などを協議した。会談後の共同記者会見で
外相は「英国はシリア問題で米国と密接に協力していく」と述べ、
軍事介入には参加しないものの「外交的に全面支援」していく意向
を示した。
 キャメロン英政権はシリアへの軍事介入参加に積極的だったが、
8月末に議会で軍事行動についての政府動議を否決され参加を断念
した。これにより両国関係にひびが入ったとの見方をケリー長官は
否定。「米英関係は『特別な関係』と言われるが、それは今も変わ
らない」と強調した。
 長官はアサド政権が化学兵器使用を命じたことを確信していると
の立場を表明、「何もしないリスクの方が行動するリスクより大き
い」と、軍事行動への支持を求めた。
 軍事介入を避けるためにアサド大統領は何ができるかと問われた
長官は「来週中に化学兵器を国際社会にすべて引き渡せばよい」と
述べた。ただ、「彼(アサド大統領)はそうはしないだろう」と付
け加えた。(2013/09/10-01:24)
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ロシア外務省:上海協力機構サミットの重要テーマはシリア情勢
9.09.2013, 12:53VOR
上海協力機構のサミットが今月13日、ビシュケクで開催される。そ
こでの重要テーマのひとつとして、シリア情勢が取り上げられる。
ロシア外務省のイーゴリ・モルグロフ次官が9日、記者団に述べた。
「この問題がサミットで取り上げられることは間違いない。おそら
く、サミットを総括する声明の中で、シリアに関する上海協力機構
の一致した立場というものが表明されるだろう」と次官。
リア・ノーボスチ
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米政府、シリア攻撃の必要性訴え―依然多くの議員が慎重姿勢
By KRISTINA PETERSON
2013年 9月 09日 11:26 JST  WSJ
 【ワシントン】米政府は対シリア軍事攻撃の議会承認を得るため
のキャンペーンを強化しており、マクドノー大統領首席補佐官は8日
、テレビ・インタビューでシリア攻撃の必要性を訴えた。
 同首席補佐官はCNNテレビで、「アサド・シリア政権が化学兵器を
使用したとの米情報機関の情報について異を唱える議員は今や1人も
いない。我々は化学兵器が使われたかどうかはもはや議論していな
い。そのことは重要なポイントだ」と強調、その上で、「議会は今
週中に、アサド大統領が化学兵器を使用したことで罰を受けるべき
かどうか答えを出す機会を持つことになる」と述べ、上院が週内に
採決するとみられる対シリア攻撃容認の決議案に対する支持を議員
に呼び掛けた。
 ただノーラン下院議員(民主、ミネソタ州)など一部議員は、ア
サド大統領と化学兵器使用を結び付ける直接の証拠がないとし、政
府の説明にまだ納得していない。
 一方アサド大統領はCBSテレビとのインタビューで、自分は化学兵
器使用に関与しておらず、使用されたのかどうかも知らないと述べ
た。このインタビューはまだ放映されておらず、抜粋が9日午前に、
全体は同日夜に放映される。
 インタビュアーによると、同大統領はシリアが化学兵器を保有し
ているかどうか確認も否定もせず、いかなる兵器も政府のコントロ
ール下にあると指摘。さらに、反政府軍が化学兵器を使用した可能
性があるとの見方を繰り返した。アサド大統領はまた、米国の攻撃
があるかどうかは分からないが、攻撃があった場合は反撃すると語
った。ただ、どのような反撃をするのかは具体的には明らかにしな
かった。
 オバマ米大統領が限定的な対シリア攻撃について議会の承認を求
めると発表して以降、政府当局者は議員らに対し、非公式な説明会
や電話会議、聴聞会を通じて説得を続けている。非公開の説明会で
は、化学兵器の被害者の詳細を示した映像が放映された。その一部
は、CNNが週末に放映した。
 米政府当局者は、シリア攻撃に対する国際的な支援を得ているこ
とを示そうと躍起になっている。ケリー国務長官は週末に、欧州連
合(EU)やアラブ連盟の代表と会談し、EUもアラブ連盟も米国の立
場を支持したと表明した。しかし、EU、アラブ連盟とも米国による
軍事攻撃への支持をはっきりとは打ち出していない。
 オバマ大統領は10日午後9時(米東部夏時間)にシリア問題で演説
するとともに、その前に一連のテレビ・インタビューに応じる。



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