4789.米国がシリア不介入で世界は?



米国下院議会で、シリア介入不支持が多数になり、米国はシリア介
入しないことになる可能性が出てきた。このため、このシリア介入
しなかった時に、どう世界は変化するかの議論に移っているようで
ある。Gゼロとイアン・ブレマーなどが評論している。それを検討
しよう。               津田より

0.経緯
始め、私がビックリしたのが、米共和党のマケイン上院議員が4日
、シリアに対する武力行使を認める上院外交委員会の決議案につい
て、支持しない考えを示したことである。マケイン議員は上院外交
委のメンバーで、長らくシリアへの介入を支持してきたからである。

しかし、上院外交委員会での決議案には共和党の5議員と民主党の
2議員が反対しそうであり、このままでは決議案が通らないと、ケ
リー国務長官がマケイン議員の修正案を受け入れた。このことで、
上院外交委員会と本会議も通った。

しかし、下院435議席では共和党茶会が強いので、そう簡単では
ない。まず、共和党では保守系のティーパーティー(茶会党)系の
議員50人程度が決議案に反対すると見込まれ、民主党でも一部の
リベラル派議員などが反対する見通しである。

米紙ワシントン・ポストの6日夜時点の集計によると、下院(定数
435、欠員含む)で「反対」あるいは「反対に傾いている」議員は
224人と過半数に達した。賛成は25人にとどまり、まだ184人が態度
を決めていない。

この状況で、米共和党マケイン議員が5日、地元アリゾナ州で開い
た市民との対話集会で、上院外交委員会の対シリア武力行使容認決
議になぜ賛成したのかと猛烈な批判を浴び、集会は大荒れとなった。
 マケイン氏にとってはシリア攻撃の必要性を地元で説く機会だっ
たが、返り討ちに遭った格好になり、決議への賛否を決めかねてい
る多くの議員の行動に影響を与えそうだ。米メディアによると、同
州フェニックスで開いた集会では「あなたを議会に送ったのは戦争
を止めるためだ」といった批判が相次ぎ、怒号でマケイン氏の話が
たびたび遮られた。

この米国の状況が影響したのか、G20での米国支持も広がらなかった
。オバマ大統領は5、6日の首脳会議の場で各国首脳と個別に話をし
たり、4時間にわたる夕食会で米国の主張を説明したりするなどして
説得を続けた。大統領は反政府勢力に対して化学兵器を使用したと
されるシリアに対して「強力な国際的対応」が必要だと訴えたが、
各国首脳の意見を変えることができなかったようだ。

米国を支持する声明に米国を含む11カ国が署名したが、ロシアを含
む8カ国がシリアに対する国際的な軍事行動に反対した。
11ケ国は、日本、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア
、韓国、サウジアラビア、スペイン、トルコ、英国、米国であり、
反対した8ケ国は、ロシア、中国、アルゼンチン、ブラジル、国連、
インドネシア、メキシコ、南アメリカ。

ドイツは、欧州の統一見解を出すことが先だとして、米国の声明に
は署名しなかった。スペインも声明に署名したが、G20ではないし、
イタリアは署名したが、同国のレッタ首相はオバマ大統領に対し、
シリアへの軍事行動には参加しないと伝えた。

欧州連合(EU)の外相会合は7日、このため、リトアニアの首都
ビリニュスで開かれた。この外相会合で、シリアの化学兵器使用疑
惑について、アサド政権が使用したとする米国などの見方に同調し
、「強力な対応が必要だ」とする声明を発表。

ケリー米国務長官は7日、EU外相会合での米国支持し、「明確で
強力な対応」を呼び掛けたことについて、「力強い声明だ」と歓迎
した。

どちらにしても、米国議会の説得が重要になっている。そして、米
ホワイトハウスのブリンケン次席補佐官(国家安全保障担当)は6
日、オバマ大統領が議会の承認を得ずにシリアへの武力攻撃に踏み
切る可能性について否定的な考えを示唆した。米下院議会では野党
・共和党を中心に反対論が拡大しており、決議案が可決できなかっ
た場合の対応が焦点になりつつある。

このため、オバマ米大統領は6日、シリアのアサド政権による化学
兵器使用を確実に防ぐ手段があれば「国際社会として(共同の)行
動をしたい」と述べ、可能な限り武力行使を回避するのが理想だと
した。

しかし、ホワイトハウスは態度を決めていない議員を中心に決議案
へ賛成するよう働きかけるために、オバマ大統領は10日、広く国民
に向けて軍事攻撃に理解を求める演説をする予定だ。

1.ロシアなどの行動
ロシアのプーチン大統領は6日、シリアの戦争に関与する計画はな
いと言明したが、シリアへの軍事介入が実施された場合でも、現在
と同水準で支援する。現在もシリアを支援しており、武器提供や経
済的に協力している。困難な状況に置かれているシリア市民に支援
を提供するため、今後は人道支援でも一層協力したいとした。

中国の習近平国家主席は、シリア問題は軍事介入ではなく政治手段
を通して解決するべきとの考えを示した。シリアでの化学兵器使用
問題について中国は、国連調査団による公正な調査を求めてきた。

フランスのオランド大統領も6日、シリア情勢に対するフランスの
対応について、軍事介入する場合も化学兵器使用に関する国連調査
団の報告と、米議会での採決を待って行動する考えを表明した。

反対に、イランは、米国がシリア軍事攻撃を行った場合、イラクに
ある米大使館などを攻撃するようイラクの武装組織に指示した。標
的となる可能性があるのはイラクの首都バグダッドにある米国大使
館などで、攻撃に脆弱であり、シーア派武装組織でも攻撃できる。

というように、このような状況下でシリア介入の是非が米国で議論
になっている。

2.米国の政策失敗と今後は
グローバリスト誌の「Syria, Iran and American Forgetfulness」
で、米国は中東でのシーア、スンニ勢力の均衡をイラク戦争でフセ
インを倒して、シーア派優位にしてしまった。昔からイランは野望
を持っていたが、フセインのイラクが強いので実現できなかった。

このイラクをシーア派勢力にしたのが米国である。このため、イラ
ンのシーア派は、その勢力を広げることができ、シリアを助けてい
る。米国が民主化という幻想で中東を変化させようしたことが、大
失敗であり、米国市民もイラクとアフガン戦争の虚構を知ってしま
ったので、オバマ大統領の世界の警察の役割であるという説得は聞
かないと。

ナショナルインタレスト誌の「Will Syria Kill the Asia Rebalance?」
でシリア介入すると、米国はアジア・シフトができなくなり、日本
やフィリピンなど同盟国の期待が実現できなくなるともいう。

もう1つ、ディプロマット誌の「Does the President Have the Power 
to Protect US Allies?」で、オバマ大統領は、大統領権限として
戦争の開始を議会に掛けなくてもでき、説明するだけなのに、今回
その権限を放棄したことで、今後、中国や北朝鮮が、周辺諸国に攻
撃する事態になったとき、即応できないという問題が起きる可能性
が出てきたという。

というように、シリア介入は日本にも大きな影響を与えかねないこ
とになっている。

3.今後の世界
今後の世界をイアン・ブレマーはプロジェクト・シンジケート誌の
「Syria’s G-Zero Fate」で、G20での米国の権威の没落は大き
いと。

これは、イラクの大量化学兵器での嘘が響いて、ロシアのプーチン
大統領が、「米国はシリア政府軍が化学兵器を使った明確な証拠を
見せるべきである。」として、それなしでは米国を信用してはいけ
ないとG20参加国に言い、そのため、ほとんどの国は米国に賛同
しなかったからである。

もちろん、米国以外のフランスなどは自国が先頭に立つつもりはな
い。よって、問題が起きても誰も立ち上がらない、指導者がいない
世界になったことを意味する。G0の世界になったということだ。

英国、ドイツなどヨーロッパ諸国もユーゴなどのヨーロッパ地域の
紛争には関わるが、中東ではいやということであり、フランスは中
東と関係があるので関わるのだ。というように欧米圏でもまとまっ
て行動できなくなっている。このため、米国も自分の味方を期待し
ての行動ができなく、このような状態では、世界の紛争に誰も見向
きもしなくなる。

そして、米国国内でも海外での戦争するぐらいなら、国内の経済を
立て直しや貧富の差を何とかしろという声が聞こえてくる。

米国が内向きにならざるを得ない。

4.日本の国際政治の方向は
このような状況で中国が攻撃行動を周辺国に起こすとどうなるのか
を考える必要がある。日本が米国の味方をして、南シナ海での侵略
に関わらないと、米国も行動を起こせなくなる。米国を含めた地域
安全保障体系の仕組みをシッカリする必要が増したことになる。

もう1つ、米国大統領が国民を説得できる経済的な利権が日本・ア
ジアに大きくないと、これもまた、紛争に関与しようとしないこと
になる。

この機微を日本の政治家は心得ないと、今後の国際政治は動かない
ことになる。このため、米国を利するように日本が動くしかない。

さあ、どうなりますか?
怒涛のような変化が押し寄せているのに、日本人が変わらないと、
大変なことになる。世界が変わる時、日本も変えないと日本の安全
も確保できなくなるということである。

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米国務長官、軍事行動「10カ国以上」=対シリア、仏大統領は来
週末にも方針
 【パリ時事】ケリー米国務長官は7日、フランスのファビウス外
相との会談後の記者会見で、シリアでの化学兵器使用への対応につ
いて「10カ国以上が軍事行動を取る用意がある」と述べ、米国が
軍事介入に踏み切った場合、多くの国が協力するとの見通しを明ら
かにした。
 ケリー長官は会見で、欧州連合(EU)が7日の外相会合で、化
学兵器使用はアサド政権側に責任があり「明確で強力な対応」を求
めたことを「勇気づけられる」と歓迎。「(化学兵器使用に対する
)世界の怒りが拡大していることを示す」と強調した。
 ファビウス外相は会見で、化学兵器使用について「現時点で主要
8カ国(G8)のうち7カ国、20カ国・地域(G20)のうち
12カ国が、強力に対応すべきだとの見解を共有している」と述べ
、軍事行動に対する支持が広がりつつあると訴えた。
(2013/09/08-06:05)
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「力強い声明」と歓迎=ケリー米国務長官
 【ブリュッセル時事】ケリー米国務長官は7日、欧州連合(EU
)外相会合がシリアの化学兵器使用疑惑をめぐり、アサド政権への
「明確で強力な対応」を呼び掛けたことについて、「力強い声明だ
」と歓迎した。(2013/09/07-23:51)
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EU外相会合「強力な対応必要」…でも「軍事介入は国連報告待つ
べき」
2013.9.8 01:35 sankei[政変・反政府デモ]
 【ロンドン=内藤泰朗】リトアニアの首都ビリニュスで開かれた
欧州連合(EU)の外相会合は7日、シリアの化学兵器使用疑惑に
ついて、アサド政権が使用したとする米国などの見方に同調し、「
強力な対応が必要だ」とする声明を発表した。しかし、軍事介入な
どの可能性については国連の調査報告を待つべきだと慎重な立場を
示した。
 会合に出席したケリー米国務長官は、シリアにおける8月21日
の化学兵器使用がアサド政権によるものだという「強力な証拠」を
提示し、軍事行動への理解を求めた。
 EU外相らは会合後、「証拠は有力。国際社会がアサド政権の大
規模な化学兵器の使用に目をつぶるわけにはいかない」などと述べ
、「強力な対応の必要性」に賛同した。
 ただ、外相らは国連を通じてシリア内戦の解決を図ることの重要
性も強調した。米国との協調姿勢を示すオランド仏大統領が、化学
兵器使用に関する国連調査団の報告がまとまるのを待って行動する
と表明したことを歓迎し、米国に自重を促した。
 一方、ケリー長官はこの日の声明について、「アサド政権に責任
を取らせることを支持する強力な声明だ」と述べ、歓迎する意向を
示した。軍事行動の時期など具体的な対応の内容については、「ま
だ何も決まっていない」と述べるにとどまった。
 外相らは国連にできるだけ早く調査報告を提出するよう求めると
ともに、「シリアの流血を止めることができるのは政治解決だけだ
」とし、アサド政権と反体制派の和平交渉を速やかに実現させる努
力を国際社会に呼び掛けた。また、化学兵器使用は国際法違反だと
断じ、犯罪者の個人の責任を国際刑事裁判所(ICC)を通じて追
及する考えを示した。
 ドイツのウェスターウェレ外相は7日、20カ国・地域(G20
)首脳会合閉幕時に日米など11カ国が発表したシリア問題をめぐ
る共同声明に、ドイツも署名したことを明らかにした。
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シリア攻撃に賛否、米への支持広がらず―G20首脳会議
By PETER NICHOLAS AND PAUL SONNE
2013年 9月 07日 16:11 JST  WSJ
 【サンクトペテルブルク(ロシア)】主要20カ国・地域(G20)首
脳会議に出席したオバマ米大統領はシリアに対する軍事攻撃を呼び
掛けた。しかし、参加国の意見の対立を解消することはできず、国
際的な支持を集めるには至らなかった。
 オバマ大統領は5、6日の首脳会議の場で各国首脳と個別に話をし
たり、4時間にわたる夕食会で米国の主張を説明したりするなどして
説得を続けた。
 大統領は反政府勢力に対して化学兵器を使用したとされるシリア
に対して「強力な国際的対応」が必要だと訴えたが、各国首脳の意
見を変えることができなかったようだ。「強力な国際的対応」とい
う表現を「軍事行動」と受け止めた首脳もいた。
 オバマ大統領はシリアの同盟国であるロシアのプーチン大統領を
政治的に孤立させるために各国と連携を強めることもできなかった。
 ホワイトハウスは6日、「化学兵器使用禁止の強化に向けた米国な
ど取り組み」を支持する声明に米国を含む11カ国が署名したと発表
した。
 しかし、ロシアのプーチン大統領も同日の記者会見で、G20のうち
ロシアを含む8カ国がシリアに対する国際的な軍事行動に反対してい
るとして国名を並べた。
 しかし、米国の声明に署名した国の全てがシリア攻撃の呼び掛け
を支持したわけではない。イタリアは署名したが、同国のレッタ首
相はオバマ大統領に対し、シリアへの軍事行動には参加しないと伝
えた。
 スペインも声明に署名したが、同国はG20の正式な参加国でなく、
常任ゲストとでもいったような立場にある。G20はシリアへの対応を
巡って10対10の真っ二つに割れたことになる。
 ドイツのメルケル首相は欧州の統一見解を出すことが先だとして
、米国の声明には署名しなかった。米国のケリー国務長官は今週末
、リトアニアで開かれる欧州連合(EU)外相会合に出席し、米国の
主張を説明する予定。
 先月には迅速な軍事行動を支持するかのように見えたフランスの
オランド大統領は6日、国連が現地査察の結果を発表するまで待つと
述べた。
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シリアに関する11カ国共同声明要旨
 【サンクトペテルブルク時事】6日の20カ国・地域(G20)
首脳会議閉幕に当たり日米韓など11カ国首脳がシリア問題につい
て出した共同声明の要旨は次の通り。
 一、われわれはダマスカス郊外での8月21日の化学兵器攻撃を
極めて強く非難する。シリア政府がこの攻撃に責任があるという明
確な証拠がある。
 一、世界の規範に対するこの重大な違反に対して国際的な強い対
応を求める。この種の残虐行為が繰り返されてはならないというメ
ッセージを送り、この罪を犯した者の責任を問わなければならない。
 一、国連安保理はまひ状態にあり、世界は待ってはいられない。
化学兵器禁止を強化する米国などの努力を支持する。シリアの化学
兵器問題に対処する国連などを通じたより長期的な努力も支持する。
 ◇共同声明参加国
 日本、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、韓国、サ
ウジアラビア、スペイン、トルコ、英国、米国。(2013/09/07-01:21)
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シリア攻撃、議会承認なければ断念も 米政府高官 
2013/9/7 10:25nikkei
 【ワシントン=中山真】米ホワイトハウスのブリンケン次席補佐
官(国家安全保障担当)は6日、オバマ大統領が議会の承認を得ず
にシリアへの武力攻撃に踏み切る可能性について否定的な考えを示
唆した。米議会では野党・共和党を中心に反対論が拡大しており、
決議案が可決できなかった場合の対応が焦点になりつつある。
 ブリンケン氏は6日、米ラジオ番組NPRとのインタビューで、
米議会審議の見通しを聞かれ「議会の承認がないままに軍事攻撃に
踏み切ることは、大統領の望みでも意思でもない」と明言した。米
政府高官が、シリアへの武力攻撃を承認する決議案が可決できない
場合の対応に言及するのは初めてだ。
 この後、ブリンケン氏はCNNのインタビューで、「議会の承認
を得ることが大統領の強い望みであり、強い意思だ。今は議会の支
持を得ることに集中しており、承認が得られなかった場合を想定す
ることに意味はない」と釈明した。
 オバマ米大統領は6日の20カ国・地域(G20)首脳会合後の記者
会見で、シリアのアサド政権による化学兵器使用を確実に防ぐ良い
方法があれば「国際的に行動をする方が望ましい」とし、武力攻撃
を回避する可能性に言及した。一方で、議会の承認を得られなかっ
た場合の対応については明言を避けた。
 シリアへの武力介入を巡っては、与党・民主党が多数を占める上
院の外交委員会が、すでに賛成多数で決議案を可決した。だが、共
和党が多数を握る下院では反対論が勢いを増している。
 米紙ワシントン・ポストの6日夜時点の集計によると、下院(定
数435、欠員含む)で「反対」あるいは「反対に傾いている」議員は
224人と過半数に達した。賛成は25人にとどまり、まだ184人が態度
を決めていない。
 ホワイトハウスは態度を決めていない議員を中心に決議案へ賛成
するよう働きかけを強めている。オバマ大統領は10日、国民に向け
て軍事攻撃に理解を求める演説をする予定だ。
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関係は悪化の一途 プーチン氏、米に警戒心
2013.9.7 07:42sankei
 【ワシントン=佐々木類】旧ソ連崩壊に伴う冷戦終了後、対立と
協調を繰り返してきた米露関係が悪化の一途をたどっている。シリ
アへの軍事行動をめぐる対立に加え、6月以降は米中央情報局
(CIA)元職員、スノーデン容疑者の身柄をめぐっても両国は激
しく批判し合っており、関係改善の兆しはみえない。
 米露は2001年9月の米中枢同時テロ以降、対テロ戦争で協調
関係に入ったが、米国が03年3月にイラク戦争に踏み切り、ウク
ライナなど旧ソ連諸国の民主化を支援するなどして徐々に冷却化。
08年にロシアがグルジアに軍事侵攻したさいには、「新たな冷戦
」と呼ばれるほど悪化した。
 その後、オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領が10年4月
、新戦略兵器削減条約(新START)の調印にこぎ着け、米露は
再び協調関係へと向かった。訪米したメドベージェフ大統領とオバ
マ氏が一緒にハンバーガーを頬張るなど、首脳同士の親密ぶりをア
ピールしたこともあった。
 しかし、米国への警戒心が根深いプーチン氏の大統領復帰で再び
関係は冷え始める。プーチン氏は昨年5月、政権発足直後の体制固
めを理由に、米国の首都ワシントン郊外で開催された主要国首脳会
議(G8)を欠席した。
 オバマ氏も同年9月、大統領選を理由にロシア・ウラジオストク
のアジア太平洋経済協力会議(APEC)を欠席した。
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マケイン氏、火だるま 攻撃賛成で集会大荒れ
2013.9.7 07:45
 米共和党の重鎮、マケイン議員が5日、地元アリゾナ州で開いた
市民との対話集会で、上院外交委員会の対シリア武力行使容認決議
になぜ賛成したのかと猛烈な批判を浴び、集会は大荒れとなった。
 マケイン氏にとってはシリア攻撃の必要性を地元で説く機会だっ
たが、返り討ちに遭った格好。決議への賛否を決めかねている多く
の議員の行動に影響を与えそうだ。米メディアによると、同州フェ
ニックスで開いた集会では「あなたを議会に送ったのは戦争を止め
るためだ」といった批判が相次ぎ、怒号でマケイン氏の話がたびた
び遮られた。「シリアへの爆撃反対」と書いた紙を掲げる市民の姿
もあり、アサド政権は座視できないとするマケイン氏の訴えはかき
消された。マケイン氏は「懸念は理解できる」としながらも、風当
たりが強かったことを認めた。(共同)
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中国国家主席、米大統領にシリア問題を政治手段通した解決提言
2013年 09月 7日 00:42 JST
[北京 6日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は6日、オバマ
米大統領に対し、シリア問題は軍事介入ではなく政治手段を通して
解決するべきとの考えを示した。
新華社によると、ロシアのサンクトペテルブルクで行われている
20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出席中の習国家
主席はオバマ大統領に対し、「シリア危機に対しては、政治的な解
決のみが正しい対処法となる。軍事介入は問題の根本的な解決には
つながらない」との立場を示した。
そのうえで「行動を起こす前に関係各国が再考することを期待して
いる」と述べた。
シリアでの化学兵器使用問題について中国は、国連調査団による公
正な調査を求めてきた。
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ロシアが対シリア支援の水準維持、戦争関与絶対ない=プーチン大統領
2013年 09月 7日 00:48 JST
[サンクトペテルブルク(ロシア) 6日 ロイター] - ロシアの
プーチン大統領は6日、シリアの戦争に関与する計画はないと言明
したが、シリアへの軍事介入が実施された場合には、現在と同水準
の支援を維持する考えを示唆した。
大統領は20カ国・地域(G20)首脳会合の閉幕に当たり、シリ
アが軍事介入を受けた場合には同国を支援するかと問われ、「支援
する。現在もシリアを支援しており、武器提供や経済的に協力して
いる。困難な状況に置かれているシリア市民に支援を提供するため
、今後は人道支援でも一層協力したい」と答えた。
シリアを防護する、または軍事支援を増強する可能性については明
言を避けたが、現在の支援水準を維持する考えを示唆した格好だ。
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シリア介入は国連報告後=仏大統領、早期攻撃に慎重姿勢
−オバマ政権に打撃
 【パリ時事】シリアへの軍事介入に積極姿勢を示していたフラン
スのオランド大統領は6日、20カ国・地域(G20)首脳会議後
の記者会見で、シリア情勢に対するフランスの対応について、軍事
介入する場合も化学兵器使用に関する国連調査団の報告と、米議会
での採決を待って行動する考えを表明した。
 国際機関の化学兵器禁止機関(OPCW)は、国連調査団が採取
したサンプル分析には最大3週間かかる可能性があるとの見解を表
明しており、早い段階での攻撃実施に慎重姿勢を示した形だ。フラ
ンスと協調し、早期軍事介入を模索していたオバマ米大統領にとっ
ては大きな打撃と言える。(2013/09/07-01:14)
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オバマ氏、武力行使回避が理想 介入方針は維持
 【サンクトペテルブルク共同】オバマ米大統領は6日の20カ国
・地域(G20)首脳会合閉幕後の記者会見で、シリアのアサド政
権による化学兵器使用を確実に防ぐ手段があれば「国際社会として
(共同の)行動をしたい」と述べ、可能な限り武力行使を回避する
のが理想だとの考えを示した。
 シリアへの軍事行動の決断を表明後、オバマ氏が回避の可能性を
示唆したのは初めて。ただ、現時点で武力攻撃以外の現実的な案は
ないとして介入方針は維持した。
 シリアへの軍事介入に対する米国民の支持は広がっておらず、野
党共和党が多数を占める議会下院での承認も難航する見込み。
2013/09/07 05:07   【共同通信】
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シリア攻撃なら対米報復、イランの指示を米国が傍受=報道
2013年 09月 6日 16:28 JST
[ワシントン 5日 ロイター] - 米オバマ政権がシリアに軍事攻
撃を行った場合、イラクにある米大使館などを攻撃するようイラン
がイラクの武装組織に指示したのを米国が傍受したと、米ウォール
ストリート・ジャーナルが5日、米当局者らの話として伝えた。
同紙によると、標的となる可能性があるのはイラクの首都バグダッ
ドにある米国大使館など米国の権益に関わるものだが、当局者らは
詳細を明らかにしていない。
この指示は過去数日内に傍受されたもので、発信源はイラン革命防
衛隊の精鋭コッズ部隊の司令官で、イランが支援するイラクのイス
ラム教シーア派武装組織に送られたものだという。
この件に関し、米国務省と中央情報局(CIA)はコメントするの
を差し控えた。
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米上院外交委がシリア軍事行動の決議案可決、国務長官「10カ国参加」
2013年 09月 5日 08:02 JST
[ワシントン 4日 ロイター] - 米上院外交委員会は4日、シリ
アへの限定的な軍事行動を認める決議案を10対7で可決した。決
議案では、軍事行動の期間を60日と定め、地上部隊の派遣を禁止
する。
当初オバマ大統領が求めていた決議案よりは制約があるものの、ア
サド政権の化学兵器使用を罰するとの目的は果たす内容となってい
る。
来週には上院本会議で採決される見通し。軍事行動には下院の承認
も必要。
オバマ大統領の提示した決議案をめぐっては、あまりに制限が少な
いとの懸念が議員からでていたため、民主党のメネンデス外交委員
長と共和党のコーカー筆頭委員が中心となって妥協案を策定。しか
しシリアへの強硬姿勢が必要とする共和党有力議員のマケイン氏が
、妥協案への不支持を表明。アサド政権の化学兵器使用能力低下、
反政府派への支援拡大、アサド政権崩壊への環境整備に向けた形勢
逆転を目標に掲げるマケイン議員の修正案を受け入れた。
決議案には共和党の5議員と民主党の2議員が反対した。
ケリー国務長官は、下院の外交委員会で証言し、軍事行動への支持
を求めた。
長官は少なくとも10カ国が軍事行動への参加を表明していると述
べたが、具体的な国名や参加形態については明らかにしなかった。
下院では決議案がいずれ軍事行動につながることが懸念されており
、ロイス委員長は「下院では地上軍派兵は支持していない」と指摘
。国務長官は「大統領が繰り返し述べているように、地上軍は派兵
しない」と述べた。
民主党のリード上院院内総務は、上院100人の過半数が決議案を
支持するとしたが、反対の動きを封じるために必要な60票が得ら
れるかどうかは分からないとの見解を示した。
435議席の下院関係者によると、共和党では保守系のティーパー
ティー(茶会党)系の議員50人程度が決議案に反対すると見込ま
れ、民主党でも一部のリベラル派議員などが反対する見通しで、行
方は不透明となっている。
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マケイン米上院議員、シリア武力行使認める外交委決議案不支持を表明
2013年 09月 4日 23:30 JST
[ワシントン 4日 ロイター] - 米共和党のマケイン上院議員は
4日、シリアに対する武力行使を認める上院外交委員会の決議案に
ついて、支持しない考えを示した。
議員は記者団に対し、「満足していない向きがいくらでもいる」と
語った。
決議案はオバマ大統領の要求よりも狭い内容となっている。同案は
4日中に採決が行われる可能性がある。
マケイン議員は上院外交委のメンバーで、長らくシリアへの介入を
支持してきた。

参考資料:
Syria’s G-Zero Fate
http://www.project-syndicate.org/commentary/the-impossiblilty-of-a-multilateral-response-to-syria-s-agony-by-ian-bremmer

Syria, Iran and American Forgetfulness
http://www.theglobalist.com/syria-iran-and-american-forgetfulness/

Will Syria Kill the Asia Rebalance?
http://nationalinterest.org/commentary/will-syria-kill-the-asia-rebalance-8995

Does the President Have the Power to Protect US Allies?
http://thediplomat.com/flashpoints-blog/2013/09/05/does-the-president-have-the-power-to-protect-us-allies/



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