4773.米国はモンロー主義に?



ワールド・ポリティクス・レビューにSteven Metz氏が
「Strategic Horizons: The Revolution in American Security Policy」
の評論を出ている。これに私はビックリした。米国にモンロー主義
への回帰の考え方が出てきたと。

メッズ氏経歴は、国家安全保障の博士で陸軍戦略研究所のデレクタ
ーである。

米国は軍事予算の削減で、米国の戦略は歴史的な革命的変化が起き
る。変化は個々人の思いや考えで起きるが、多くの人が思っている
方向がある。

多くの人が第2次大戦後の米国の世界的な安全保障の活動に不満を
持っている。このために、変化の可能性が出ている。しかし、この
変化が起きたら、米国の安全保障の方向は将来、まったく違うもの
になる。

革命的な変化の1つは、米国が孤立主義になる。もう1つがオバマ
の国会対策の失敗から変化が起きていて、10年間で軍事予算が自
動的に大きく削減される。3つは、技術的な発展で遠くから攻撃で
きるので、すべての場合を想定した軍事力を必要ないと見始めた。
もし、何かあったら、無人機などで数倍の報復を行えば良いと。

このようなことで、米国はすべてに備えた軍備を捨てて、国際的な
秩序が崩れても対応できなくなり、米国が他の国から攻撃された場
合に必要な装備になる。攻撃的な装備がなくなる。米国はそれでも
大きな軍備力を持つ国家ではあるが、前に比べると見劣りがする。

なるかどうか疑問はあるにしても、今までとは違う世界秩序になる
が、新しい超大国が米国から覇権を引継ぐことになるかもしれない。

もちろん、米国が将来、経済力を戻し、再度覇権を継続する可能性
もある。

しかし、それまでは一部地域の安全保障を放棄することになる。放
棄された地域での戦争、人権的災害は放置になる。そして、米国の
安全保障の脅威からその地域を切り離すことである。

米国の安全保障の政策は昔に戻る。世界から自分の国に戻ることで
あると多くの米国人は考えている。

このような望まない革命的な変化が起きると大きな損害を受けるこ
とはすべての米国歴史の学者は知っている。

大変なことになってきた。事実、米国の軍事予算削減の内容を見る
と、海外基地を大幅に縮小する計画であり、それに比べて防御的な
軍事費はほとんど減らないことがわかる。このため、このような心
配になるのであろうが、米国がバックするというのは、日本にとっ
ても心配な状況になっている。

日本周辺からも米国はいなくなる可能性が高いが、他の基地と違う
のは、日本の基地は日本が米軍に居てもらうために、基地経費を日
本で出していることである。経費がかからない。


Strategic Horizons: The Revolution in American Security Policy

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