この頃の日中関係を見ると、「安全保障のジレンマ」の状況になっ ている。中国の武力増強に、日本が反応し、中国は日本の対応に身 構えるという対応になっている。 これは大変なことになってきた。安全保障のジレンマの状態に入り 込み、日中は武力増強に拍車をかけることになる。そして、戦争に なるまで、その状態は止まらないことになるような気がする。 この状態を抜けるためには、どちらかが軍事競争を諦めるしかない。 ベトナムは中国に対して、軍備競争を諦めて、領土交渉をして中国 に譲歩するようである。このように安全保障のジレンマを解決する には、この相手が諦める点を見つめることである。 この論理で使えそうなのが、ランチェスター理論であろう。この内 で占拠率の法則である74%を占めると寡占状態になることが重要 である。それと提携関係で優位な位置を占める方法や、地域限定で 優位な位置を占める方法が重要である。ここでは詳しくランチェス ター理論は述べない。 中国がアジア地域で他国に比べて軍備が74%以上になると、中国 の寡占状態になる。絶対的な優位になる。この状況が南シナ海で実 現できたので、ベトナムは軍備競争を諦めたのである。 しかし、東シナ海では中国の軍備、日米の軍備を比べると日米の軍 備の方が現時点では中国を仰臥している。このため、現時点では、 中国は手が出ない。 しかし、中国は軍備増強とロシアと手を結ぶことで、日米に対応し ようとしている。 これに対応するためには、世界的な同盟体制を作り、中国を諦めさ せるしかない。 この方法は、米国の軍事力を維持させて、日本は軍事力を増強して 同盟国全体で、中国の軍事力に大きく水を開けるしかない。3倍以 上の差ができると、諦めざるを得ない。 日本は英国と日英同盟を復活して、日米英豪の同盟にフィリピンや インドなどとも同盟を作るしかない。ベトナムは安倍首相の言う価 値観外交では結べない。ベトナムは社会主義の国であり、その意味 では中国やロシアと同じである。 ロシア、ベトナムと日本が協商関係にある必要がある。このために は、ロシアからパイプラインを引き、天然ガスを買うことである。 米国からのシェールガス輸入は液体ガスにするために、12ドル以 上はする。しかし、液化しないガスであれば6ドル程度になり、ロ シアからのパイプラインでの供給は、日本にもロシアにも大きな利 益になる。 そして、その関係がロシアを中国に向かわせない手段にもなる。 ロシアが介在してベトナムに軍事競争を諦めさせた可能性が高い。 この理由は、中国に天然ガスを売るためである。その意味では日本 も同じ状態になり、ロシアは中立になる。 このように政治と経済は繋がっている。 さあ、どうなりますか? ============================== 本当は日本が怖くて仕方がない中国「大国」が日本の国防軍を過度 に警戒する理由 2013.08.13(火) 姫田 小夏 JBPRESS 最後のところに、 友人はこう語った。「日本から見たら、隣人の中国は確かに劣等生 かもしれない。けれども、日本は欧米並みの先進国、つまり優等生 なのだから、そこは笑い飛ばす余裕を持ってもらいたい・・・」 日本人が本気を出して「強靭な国家」を目指したら必ずそれを実 現するだろう、再び中国を恐怖に陥れるだろう。中国人の心の奥に は、そうした日本への警戒心、恐怖心が根強くある。 だが、日本の『防衛白書』の第1章第1節に「侵略を招くような隙 を生じさせないよう」とあるように、私たち日本人も「何をしでか すか分からない隣国の恐怖」に怯えている。 ましてや、『政治学原理』を読めばなおさらだ。そこにはこうあ る。「国家と国家の間には、矛盾と衝突は避けられない。これらの 矛盾と衝突が和平的手段で解決できないときに、武装衝突と戦争は 避けられないのである」 「武力は是」と言ってはばからない中国に、隣人との平和的解決 を優先する意思があるのかどうか。すべてはそれが核心だろう。