4764.リアリストのジレンマ



この頃の日中関係を見ると、「安全保障のジレンマ」の状況になっ
ている。中国の武力増強に、日本が反応し、中国は日本の対応に身
構えるという対応になっている。

これは大変なことになってきた。安全保障のジレンマの状態に入り
込み、日中は武力増強に拍車をかけることになる。そして、戦争に
なるまで、その状態は止まらないことになるような気がする。

この状態を抜けるためには、どちらかが軍事競争を諦めるしかない。

ベトナムは中国に対して、軍備競争を諦めて、領土交渉をして中国
に譲歩するようである。このように安全保障のジレンマを解決する
には、この相手が諦める点を見つめることである。

この論理で使えそうなのが、ランチェスター理論であろう。この内
で占拠率の法則である74%を占めると寡占状態になることが重要
である。それと提携関係で優位な位置を占める方法や、地域限定で
優位な位置を占める方法が重要である。ここでは詳しくランチェス
ター理論は述べない。

中国がアジア地域で他国に比べて軍備が74%以上になると、中国
の寡占状態になる。絶対的な優位になる。この状況が南シナ海で実
現できたので、ベトナムは軍備競争を諦めたのである。

しかし、東シナ海では中国の軍備、日米の軍備を比べると日米の軍
備の方が現時点では中国を仰臥している。このため、現時点では、
中国は手が出ない。

しかし、中国は軍備増強とロシアと手を結ぶことで、日米に対応し
ようとしている。

これに対応するためには、世界的な同盟体制を作り、中国を諦めさ
せるしかない。

この方法は、米国の軍事力を維持させて、日本は軍事力を増強して
同盟国全体で、中国の軍事力に大きく水を開けるしかない。3倍以
上の差ができると、諦めざるを得ない。

日本は英国と日英同盟を復活して、日米英豪の同盟にフィリピンや
インドなどとも同盟を作るしかない。ベトナムは安倍首相の言う価
値観外交では結べない。ベトナムは社会主義の国であり、その意味
では中国やロシアと同じである。

ロシア、ベトナムと日本が協商関係にある必要がある。このために
は、ロシアからパイプラインを引き、天然ガスを買うことである。

米国からのシェールガス輸入は液体ガスにするために、12ドル以
上はする。しかし、液化しないガスであれば6ドル程度になり、ロ
シアからのパイプラインでの供給は、日本にもロシアにも大きな利
益になる。

そして、その関係がロシアを中国に向かわせない手段にもなる。
ロシアが介在してベトナムに軍事競争を諦めさせた可能性が高い。
この理由は、中国に天然ガスを売るためである。その意味では日本
も同じ状態になり、ロシアは中立になる。

このように政治と経済は繋がっている。

さあ、どうなりますか?

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本当は日本が怖くて仕方がない中国「大国」が日本の国防軍を過度
に警戒する理由
2013.08.13(火) 姫田 小夏  JBPRESS
最後のところに、
友人はこう語った。「日本から見たら、隣人の中国は確かに劣等生
かもしれない。けれども、日本は欧米並みの先進国、つまり優等生
なのだから、そこは笑い飛ばす余裕を持ってもらいたい・・・」

 日本人が本気を出して「強靭な国家」を目指したら必ずそれを実
現するだろう、再び中国を恐怖に陥れるだろう。中国人の心の奥に
は、そうした日本への警戒心、恐怖心が根強くある。

 だが、日本の『防衛白書』の第1章第1節に「侵略を招くような隙
を生じさせないよう」とあるように、私たち日本人も「何をしでか
すか分からない隣国の恐怖」に怯えている。

 ましてや、『政治学原理』を読めばなおさらだ。そこにはこうあ
る。「国家と国家の間には、矛盾と衝突は避けられない。これらの
矛盾と衝突が和平的手段で解決できないときに、武装衝突と戦争は
避けられないのである」

 「武力は是」と言ってはばからない中国に、隣人との平和的解決
を優先する意思があるのかどうか。すべてはそれが核心だろう。




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