4759.バーナンキからの反論



バーナンキ批判に対して、擁護派からの反論が出ている。ニューヨ
ーク・タイムズにフロード・ノーリス氏(FLOYD NORRIS)の評論であ
る「The Time Bernanke Got It Wrong」を見て、考察したい。

2008年の金融危機では、FRBの資金供給で危機を乗り越えたことは、
疑いのないことである。もし間違えれば第2の大恐慌になっていた
かもしれない。

資金流通の欠如をFRBは防ぐことが目的で、量的緩和を行ってきたが
、ほかの中央銀行はそれをしなかったことで、景気の落ち込みを大
きくしている。このような危機を乗り超えたことがバーナンキ議長
の功績である。このような方法を見つけたことである。

これ以上の景気を引き上げることは、政府と政治家の政策と企業の
経営である。中央銀行の役目ではないという。

しかし、政府と政治家は、また財政の崖で景気を危機に陥れる可能
性がある。それを中央銀行がカバーできないというようである。

中央銀行の役割は、通貨の安定であり、景気引き上げを金融政策だ
けではできない。

もし、バーナンキ議長を批判するなら、その量的緩和を止める時期
の判断が遅すぎたことであるかもしれない。現状では止めたくても
、止められないような状態になってしまった。

これは政府がFRBの量的緩和に期待して、財政均衡を急ぎ、かつ、そ
れで減税をしようと共和党が目論むために、景気を冷やす効果が大
きすぎることになる。そのような期待を政治家に与えたのが悪かっ
たのかもしれない。

さあ、どうなりますか?

それとプロジェクト・シンジケートでの評論でも従前の常識の観点
を提供していたラグラム・ラジャン氏がインド中央銀行の総裁にな
った。

4749.金融システムの安定化には何が必要か
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/250727.htm
==============================
インド、ラジャン元IMFチーフエコノミストを次期中銀総裁に任命
2013年 08月 6日 23:39 JST
[ニューデリー/ムンバイ 6日 ロイター] - インド政府は6日
、9月4日に任期を迎えるスバラオ中銀総裁の後任に、ラグラム・
ラジャン元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミスト(50歳)
を任命した。任期は3年。
ラジャン氏は2005年に世界的な金融危機を予言したことなどで
知られる。
インドでは景気減速が鮮明で、通貨ルピーは最安値に沈むなど困難
な状況に直面しており、同氏は待ったなしの対応を迫られることに
なる。
ラジャン氏は任命にあたり、問題を即座に消し去るような「魔法の
杖はない」としながらも、中銀は政府と連携し問題に断固として取
り組むと述べた。
金融政策に関して、同氏は現実主義者とされる。また3月に行われ
たロイターとのインタビューでは、途上国において5%程度のイン
フレ率は「妥当」との考えを示しており、インフレに関してはスバ
ラオ総裁の見解に近い。

The Time Bernanke Got It Wrong

コラム目次に戻る
トップページに戻る