今日、江戸東京博物館にファインバーグコレクション展を見に行っ た。米国のファインバーグ夫婦が明治時代に日本で積極的に絵画を 買った。大量に収集したので、江戸時代の日本画を網羅している。 その絵画を年代順、派閥順に展示している。江戸時代の絵画の歴史 がわかる展示になっている。 狩野派は室町時代から隆盛していた。それは、バランスよく構成さ れた絵画であり、その後の江戸時代の官画派として狩野派や土佐派 は続く。 この狩野派に物足りないと、琳派が起こる。琳派とは「光琳派」「宗達 光琳派」の略:デザイン性にあり、着物の柄のように洗練された画風 17世紀初頭、京都の町人俵屋宗達が装飾性に優れた日本の古典美術 を復興しようとする機運が高まり、その流れは18世紀初頭の尾形光 琳、19世紀初頭の酒井抱一、20世紀前半の神坂雪佳がいる。 文人画:中国文化へのあこがれ。中国文人画の学習が流行し、明代 (1368年〜1644年)から清代(1616年〜1912年)にかけての絵画を 日本でも描こうとした。町人の池大雅(いけのたいが)、農民出身 の与謝蕪村(1716-83)が日本人独特の感性をのびやかに発揮した新 鮮な美の領域を開拓した。 円山四条派:写生と装飾の融合。円山応挙(まるやまおうきょう) (1733-1795)は遠近法や明暗法を用いた絵画に触発され、物の形や 実景を忠実に写す“写生“の重要性を自覚し、実践して、みずから 新鮮な作品を世に送り出し、そのかたわら多くの門弟を育てました。 呉春(ごしゅん)、森狙仙(もりそせん)「滝に松樹遊猿図」、 岸駒(がんく)、竹内栖鳳(たけうちせいほう)がいる。 奇想派:大胆な発想と型破りな造形。経済的な力を増した庶民層は 、自分たちの文化や美術を育てるようになり、斬新な個性の登場を 待望するようになります。保守よりも革新、停滞よりも前進、常識 的な判断よりも大胆な発想、表現上では従来誰も試みなかった型破 りな造形を、積極的に歓迎したのでした。有名な画家としては、 狩野山雪(かのうさんせつ)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、 曾我蕭白(そがしょうはく)、長沢蘆雪(ながさわろせつ) 浮世絵:都市生活の美化、理想化。画家が同時代の人々の生き様を 率直に写し出した真の意味の風俗画は、16世紀後半以降、いわゆる 近世に入ってから生まれました。桃山時代から江戸時代初期に京都 で流行した風俗画は、やがて新しい権力の所在地になった江戸に、 その場を移し、浮世絵という新しいジャンルによって受け継がれて いくことになった。葛飾北斎、鳥文斎栄之などである。