4751.中国の対外強硬策失敗のようだ



地域的な緊張感の高まりや国民感情の変化、世代交代によって日本
の戦後の平和主義が浸食されるなか、今回の選挙は、日本が驚くほ
ど速いペースで自衛隊の強化を図ることを是認する結果になる公算
が大きい。

このように、日本は本格的に再軍備を始め、フィリピンも日本から
巡視艇の提供を受け、軍事の増強し、米国はP3ーCで南沙(英語名ス
プラトリー)諸島の中国軍の偵察を活発に行い始めた。

東南アジアのベトナム、フィリピン、日本が組んで南シナ海での中
国の横暴を阻止する体制が整い始めている。この動きに中国国内で
も動きが出てきた。

共産党筋によると、6月末に行われた政治局会議では、胡氏に近い
汪洋(おうよう)副首相(58)ら改革派が最近の対外強硬路線と
国内への締め付け強化への不満を表明。習氏の側近である劉雲山(
りゅううんざん)・政治局常務委員(66)が批判された。政治局
の中では汪氏を支持する意見が過半数を占めているため、習氏は一
気に劣勢に立たされた。

それはそうだ。日本を敵にしたことで国内の産業転換ができないこ
とになり、国際的な締め付けが厳しくなってきている。国際裁判所
の審議も始まり、益々、中国が不利になる。

この習近平主席が進めた対外強硬策の失敗は明らかである。このた
め、外事工作領導小組の主任がまだ任命されえいないので、政治委
員を退任した戴ケイ国が、事実上任務を行っているようだ。

飯島勲内閣官房参与が訪中したが、相手は戴ケイ国である。主任に
なるはずの強硬派楊ケンチが見えない。

このため、日中関係について「私の感触では遅くない時期に首脳会
談が開かれる」となるわけである。去年の秋に戴ケイ国が出した政
策に戻るしかないのである。

さあ、どうなりますか?

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「遅くない時期に日中首脳会談」 飯島参与、講演で語る
2013年7月28日20時39分
 飯島勲内閣官房参与は28日、長野県辰野町で講演し、日中関係
について「私の感触では遅くない時期に首脳会談が開かれる」と語
った。飯島氏は13日から16日まで北京を訪問したことを明らか
にしたうえで「それなりの要人と会談した。首脳会談をどうするか
に絞って話した」と述べた。
 一方で飯島氏は講演後、記者団に「(訪中は)参与としての調査
・研究だ」と述べ、首相官邸の指示ではないと説明。日中首脳会談
の見通しについても「複数の人との懇談で、そういう雰囲気を感じ
取っただけ」と語った。
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南沙諸島で米軍の偵察強化 中国にらみ、哨戒機展開 
 【マニラ共同】中国とフィリピンの対立が先鋭化する南シナ海の
南沙(英語名スプラトリー)諸島をめぐり、米軍がP3C哨戒機を
使いフィリピンを拠点に中国軍の偵察を活発に行っていることが
28日、フィリピン政府の資料などで分かった。同国と軍事協力を
進める米国の軍事筋は中国を念頭に「(偵察衛星も含め)あらゆる
情報収集活動を強化している」と語った。
 南シナ海情勢の緊迫化を受け、フィリピンのアキノ大統領が米側
にP3Cの派遣を要請していた。
2013/07/28 22:35   【共同通信】
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平和主義掲げる日本、軍再生を推進 隣国との緊張受け
By YUKA HAYASHI
2013年 7月 18日 18:13 JST  WSJ
 【東京】佐藤正久氏は宴会場の大きな日本の国旗の下に立ち、仕
事帰りの聴衆に向け、第二次世界大戦の神風特攻隊員が幼い娘に宛
てた手紙を読んでいた。
 「私に万一があっても親なし児などと思ってはなりません。父は
、つねにあなたと身辺を護っております」。読み上げた手紙の一節
にはこう書かれていた。手紙は1944年、隊員が娘のお気に入りの人
形を操縦席に携え、フィリピン沖の米軍艦隊に向けて飛び立つ前に
書かれたものだ。
 聴衆が静まりかえるなか、佐藤氏は次のように宣言した。その声
はかれていた。「われわれには守りたい人がいる。この国を次の世
代につなげてゆく決意が必要だ」
 佐藤氏は過激な軍国主義者ではない。防衛大臣政務官として安倍
晋三内閣の防衛政策のトップアドバイザーをつとめており、21日の
選挙で再選を目指す参議院議員だ。今回の参院選の結果によって、
安倍氏が政権をどの程度掌握できるか、さらには約70年前の苦い敗
戦以降類を見ないほど大掛かりに日本の軍隊を進化させるという政
治課題をどの程度推し進められるかが決定づけられることになる。
 「自民党が安全保障を一生懸命やっているということの評価が、
今度の佐藤さんの票になる」。自民党の石破茂幹事長は集会で有権
者に向けてこう話し、「われわれは強い日本を取り戻さなくてはな
らない。残されている時間はほんの数年しかない」と語った。
 地域的な緊張感の高まりや国民感情の変化、世代交代によって日
本の戦後の平和主義が浸食されるなか、今回の選挙は、日本が驚く
ほど速いペースで自衛隊の強化を図ることを是認する結果になる公
算が大きいとみられている。
 その媒介役となっているのが安倍氏だ。ナショナリスト的姿勢の
安倍氏は長年、「戦後体制」を脱却し、日本を安倍氏が言うところ
の「普通の国」にすることを目指している。これは、自衛隊を戦後
の制約の一部から解放することを意味する。
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失敗重ね…権力闘争で劣勢に立つ習氏
2013.7.28 12:00 産経[国際情勢分析]
 中国の江沢民(こうたくみん)元国家主席(86)が7月初め、
米国のヘンリー・キッシンジャー元国務長官(90)と会談し習近
平(しゅうきんぺい)国家主席(60)について「非常に仕事がで
き、智恵のある国家指導者だ」と絶賛した。引退した政治家が公式
の場で現役執行部メンバーを評価することは近年の中国では異例の
こと。少数民族問題や外交などで失敗を重ね、求心力が弱まってい
る習氏を応援する狙いがあるとみられる。完全引退したはずの江氏
の力を借りなければならない習主席は今、党内の権力闘争で苦しい
立場に立たされていることがうかがえる。
全面抗争に発展も
 共産党筋によると、6月末に行われた政治局会議では、胡氏に近
い汪洋(おうよう)副首相(58)ら改革派が最近の対外強硬路線
と国内への締め付け強化への不満を表明。習氏の側近である劉雲山
(りゅううんざん)・政治局常務委員(66)が批判された。政治
局の中では汪氏を支持する意見が過半数を占めているため、習氏は
一気に劣勢に立たされた。胡派の強い圧力を受けて、昨年失脚し、
習氏とは近い存在であった元重慶市トップの薄煕来(はくきらい)
・元政治局員(64)の初公判も近く開かれることになった。
 江氏が表に出て習氏への支持表明したことで、今後、胡派VS習
派・江派連合の対立構造はさらに明確化し、全面抗争に発展する可
能性もある。(中国総局 矢板明夫)
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安倍首相の“中国包囲網”はうたかたの夢となろう―香港紙
Record China 7月29日(月)7時50分配信
2013年7月26日、香港紙・大公報の記事「安倍の“中国包囲網”はう
たかたの夢となろう」を掲載した。
日本の安倍晋三首相は参院選を終えた25日、マレーシア、シンガポ
ール、フィリピン歴訪の外訪に出た。昨年末の首相就任以来、安倍
首相が価値観外交を唱え、中国の周辺国を相次ぎ訪問している。
安倍首相の外交は三つの手順を踏む手法を採用している。まず第一
に自由、民主、人権などのイデオロギーを軸に友好国を探す。第二
に経済支援を行い関係を深める。第三に日本が中国にいじめられて
いる被害者だと訴え他国の支援を得るというもの。
ところが各国は日本の経済援助は受け取るものの、日中関係におい
て日本支持を明確にすることは少ない。とりわけ尖閣問題において
はそうだ。グローバリゼーションが進む今、世界のどの国も中国と
深い結びつきがあり、中国と敵対する陣営に加わることはできない
のだ。
逆に中国包囲網の構築を急ぐ安倍首相の動きは危険なものと警戒さ
れている。結局、安倍首相の外交戦略は失敗に終わり、それどころ
か自らの足を引っ張る結果に終わるだろう。(翻訳・編集/KT)


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