4737.日本企業の強さについて



中国や東南アジアなどで、日本企業の強さがわかる。日本企業が、
日本での企業文化を持ち込んでいるためであり、その文化が地元に
根付いて、地元企業もその文化を継承することで強くなる。

韓国やタイ企業は日本企業文化を自己工夫に変化されて、継承して
いる。

中国人がアルバイトで日本企業の「ソフト面」に触れた後振り返る
と、その機能は経営者の社員に対する「洗脳」教育プログラムのよ
うに感じた。

社内に入ると、壁に「社是」「社風」「社訓」あるいは「組織風土
」「経営理念」「行動方針」などの標語がかかげられているのが目
に入る。標語の内容はいずれも、「技術、精進」「お客様第一」「
人間には誰でも改善の能力があり、あらゆる事には改善の余地があ
る」などの内容だ。

「和をもって貴しとなす」の「和」を唱え、「一日作さざれば一日
食らわず」の「勤」を崇め、「個人で失敗したとしても、チームの
勝利をつかむ」の「忠」を提唱する。「和」「勤」「忠」は日本企
業のひとつの非常に抜きん出た特徴である。

とこの若い中国人は振り返っている。

中国で起業してから12年間いる日本の社長も「サービス精神」「生
真面目さ」「完璧主義」「チームワーク」などが日本企業の強みと
述べている。

しかし、この日本企業の強みは、松下幸之助などが戦後に本格的に
導いた企業文化なのである。その意味では新しい。しかし、この企
業文化の元は、越後屋などの丁稚などの諸制度で、それを現在風に
解釈し直したのである。

「一企業、一家族」という考え方につながったのだ。しかし、欧米
諸国には、日本企業は、この考え方を持たず、欧米風の企業文化で
経営している。東南アジア、中国に進出するときに、日本と同様な
企業文化を持ち込んだのである。

これが大成功して、日本企業は海外進出の方法を手に入れたのであ
る。

子供と話をしていて、子供が質問するのでそれに答えたことである。

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中国人が語る日本企業で受けた「洗脳」―中国紙
Record China 7月16日(火)6時30分配信
2013年7月15日、日本で数年アルバイトをすると、日本の企業が中国
と同様、企業文化や職業モラルなど「ソフト面」を重視しているこ
とに気づいた。しかし日本企業の「ソフト面」に触れた後、こまや
かに振り返ると、その機能は経営者の社員に対する「洗脳」教育プ
ログラムのように感じた。北京青年報(電子版)が伝えた。

私がアルバイトをしたのは中部地方に実在するI株式会社。電子測定
機器などを製造している。工場は大きくない。ハード面は実にしっ
かりしており、ソフト面も悪くない。社内に入ると、壁に「社是」
「社風」「社訓」あるいは「組織風土」「経営理念」「行動方針」
などの標語がかかげられているのが目に入る。標語の内容はいずれ
も、「技術、精進」「お客様第一」「人間には誰でも改善の能力が
あり、あらゆる事には改善の余地がある」などの内容だ。このよう
な標語を目にすると、故郷・中国で大言壮語を見慣れた私は、日本
人も形式的なことが好きなのだと思い、会心の笑みを浮かべてしま
った。

I株式会社では自分以外に4人の中国人アルバイトがいた。仕事内容
は材料運搬の肉体労働だ。当初は一同に、自分たちは下働きだし、
日本人でもないため、「洗脳」を受けることはないだろうと高をく
くっていた。まさか数日後、日本企業の経営者がいかに「社員教育
」を行うのかを体験するとは思いもしなかった。日本企業が「優良
社員」を育て上げるさまざまな手段を肌で感じた。

中国では、我々は定時に出退勤するが、I株式会社では必ず10分早く
出勤、10分遅く退勤しなければならない。この10分間で、我々はさ
まざまな儀式を行う必要がある。朝礼を行い、退勤では訓示を聞く。
社歌を歌い、社訓を唱える。朝礼の内容は一般的に一斉に会社の経
営理念を唱えるか、あるいは社員が日ごろ感じたことや仕事の反省
点、抱負などを話す。その後社歌を歌う。社歌を歌う際には気分を
高揚させる必要がある。これらの儀式が終わっても、新鮮な出来事
はまだ続く。「ガンバロー!ガンバロー!ガンバロー!」というス
ローガンだ。退勤の訓示は一般的に社訓を唱える。社訓を唱える際
には厳粛な態度で雑念を取り払わなければならない。その後、心の
中で自分の失敗を反省する。日本人はこれが全社員の魂を一つにす
る唯一の方法だと深く信じている。

日本企業にはこれらの「洗脳」手段のほか、入社式、生産現場懇談
会、社員の写真、各自の決心の文字が貼るパネルを設けている。I株
式会社在職中、我々は幾度か「会社に誓い、業務に誓い、人格に誓
い」「不合格品生産ゼロを保証します」などの決心を述べた。それ
らは「懇談」される。談話の内容は「自分の過ちを他人のせいにし
ない」「安全は社員に幸福をもたらす」などだ。さらに、これらの
内容ではまだ不十分と感じた場合、会社は「企業経営顧問」という
名の「洗脳組織」を社外から招き、企業の「ソフト面」について全
面的な「拡張」と「診断」を行う。

I株式会社で働いた数年間で、日本の企業文化の奥深さも深く感じた。
彼らは「和をもって貴しとなす」の「和」を唱え、「一日作さざれ
ば一日食らわず」の「勤」を崇め、「個人で失敗したとしても、チ
ームの勝利をつかむ」の「忠」を提唱する。「和」「勤」「忠」は
日本企業のひとつの非常に抜きん出た特徴である。もしかすると、
日本が敗戦国から経済大国への飛躍を実現できたのは、こうした特
徴を備えていたからかもしれない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/HT・編集/TF)
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<日本人が見た中国>中国の人たちにマネのできないことは何か?
Record China 7月5日(金)1時30分配信
日本では最近、ミャンマーやカンボジアなど東南アジアの新興国が
注目されているが、実はその間にも中国に進出する日本企業は増加
し、中国でビジネスをする日本人も増え続けている。

以前は「世界の工場」と呼ばれ、世界市場に向けた生産基地として
の役割を担っていた中国。しかし、人民元高や物価の上昇、人件費
の高騰などにより、生産拠点としての競争力は低下した。その代わ
り、国民所得の上昇によって、地球上に残された最大かつ最後の巨
大市場として、存在感がますます増してきた。中国に進出する日本
企業も製造業からサービス業へ、大企業から中小企業へと裾野が広
がってきている。

ただ、巨大市場を狙っているのは地元・中国企業も同じだ。特に、
節操のない一部企業は、良いモノやサービスを見つけるとすぐにマ
ネをして、本家よりも安い値段で提供を始める。こうしたローカル
企業との競争で生き残っていくためには、彼らとの差別化を図り、
彼らには決してマネのできないモノやサービスを提供する必要があ
る。

中国の人たちにマネのできないことは何か?
これは私が中国で起業してから12年間、ずっと考え続けてきたこと
だ。そしてたどり着いたのは、「サービス精神」「生真面目さ」「
完璧主義」「チームワーク」など、日本人なら誰でもが持っている
はずの特長だった。

こうした特性は、中国の人たちには簡単にマネができない。例えで
きたとしても、中国の人たちが「面倒臭くて、そんなことまでやっ
てられるか!」と思うレベルまで高めればいい。日本人が中国市場
で自らを差別化し、活躍する余地はまだまだ残されているのではな
いかと思う。

「サービス精神」「生真面目さ」「完璧主義」「チームワーク」。
日本では当たり前すぎて武器にはならないような要素でも、中国市
場ではがぜん輝きを放ち始め、差別化をするための強力な武器とな
るだろう。
日本の国力の源泉は技術でも金融資産でもなく、国民そのものだ。
そういった意味でも今後、より多くの日本人が中国をはじめとする
海外に出て、自身の特長を生かした仕事をすれば、世界の富を日本
に還流させることができるのではないか、と私は思う。

■筆者プロフィール:柳田 洋
永豊有限公司 総経理
1966年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、丸紅で石炭貿易に従
事。1996年より5年半にわたり丸紅北京支店に駐在するも、起業の志
捨て難く、2001年丸紅を退社。そのまま北京に留まり駐在員事務所
代行サービス会社を設立。その後、クロネコヤマトの海外引越代理
店として物流事業を立ち上げる。現在は中国での会社経営経験を生
かし、中国で積極展開しようとしている日本企業の社員を対象に、
講演・助言などのサポート活動を行う。著書に「起業するなら中国
へ行こう!」(PHP新書)。


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