4733.FRBがQE3中止を中止に



米連邦準備制度理事会(FRB)は10日、最新の連邦公開市場委
員会(FOMC、6月18〜19日開催)議事要旨を公表した。そ
れによると、投票権を持つ委員12人の多くが「量的緩和縮小には
雇用見通しの一段の改善が必要」と述べていたことが分かった。

この議事録公開と同時に、9月に資産購入の縮小が開始されるとの
観測が後退すると、ドルが全面安となった。そして当面の緩和継続
をあらためて示したバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長発
言をきっかけに、市場ではポジションの巻き戻しが進んでいる。

ドル/円は98.20円まで下げて6月27日以来の安値をつけた。

これは、中国や東南アジア諸国の経済が縮小している原因の1つが
量的緩和の中止を見越して、ドルの巻き戻しが起こり、資金不足に
なっている。一段と深刻なキャピタルフライト(資本逃避)になる
ことが確実であった。

また、債券購入の縮小が2014年を通じて米銀の利益を圧迫し、資本
を損なう恐れがあった。6大米銀の4−6月(第2四半期)の利益
は平均で20%増加すると予想されるが、債券購入の縮小見通しが業
績に影を落とすことになりそうであった。

ということで、バーナンキ議長は、量的緩和の中止を中止すること
になりそうである。

しかし、時間が少し与えられたと捉えた投資家はドル巻き戻しを少
し伸ばすかもしれないが、長期投資をしなくなる。

中国の経済の動向を注意しつつ、FRBの量的緩和を注視する必要があ
る。

さあ、どうなりますか?
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米雇用、「一段の改善必要」=緩和縮小で多数意見−金融会合要旨
 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は10日、
最新の連邦公開市場委員会(FOMC、6月18〜19日開催)議
事要旨を公表した。それによると、投票権を持つ委員12人の多く
が「量的緩和縮小には雇用見通しの一段の改善が必要」と述べてい
たことが分かった。
 バーナンキ議長は会合後の記者会見では、年内の量的緩和縮小の
可能性を示した。市場では9月にも縮小が始まるとの観測が強まっ
ているが、FRB内に慎重な意見が多いことが明らかになり、開始
時期をめぐり不安定な動きが続きそうだ。(2013/07/11-10:30)
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ドル98円後半、FRB議長のハト派発言で2週ぶり安値
2013年 07月 11日 13:19 JST
[東京 11日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日のニューヨ
ーク市場午後5時時点に比べて約1円ドル安/円高の98円後半。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長のハト派的な発言で9
月に資産購入の縮小が開始されるとの観測が後退すると、ドルが全
面安となった。
ドル/円は98.20円まで急落して2週間ぶりの安値をつけた。
その後、買い戻しが入ったものの、日銀金融政策決定会合で金融政
策の現状維持が決まるとドル/円は再び99円を割り込んだ。
早朝のマーケットでは、ドルが主要通貨に対して急落した。ドル/
円は98.20円まで下げて6月27日以来の安値をつけた。ユー
ロ/ドルや豪ドル/ドルは急伸。ユーロ/ドルは6月21日以来、
豪ドル/ドルは6月27日以来の高値となった。
5日発表の6月米雇用統計が市場予想より強かったことで、市場で
はFRBが9月に資産購入プログラムの縮小を開始するとの見方が
コンセンサスとなっていたが、バーナンキFRB議長の発言で9月
のQE(量的緩和)縮小開始観測が後退、ドルロングを巻き戻す動
きが強まった。
バーナンキFRB議長は、講演後の質疑応答で「インフレと雇用に
関するわれわれの目標達成を困難にするほど金融の状況がひっ迫し
た場合、われわれがそれに対処する必要が出てくる」と述べた。
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バーナンキ発言で約3兆円の含み益消失−米銀利益に暗い影
  7月11日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB
)のバーナンキ議長が予定する債券購入の縮小が2014年を通じて米
銀の利益を圧迫し、資本を損なう恐れがある。6大米銀の4−6月
(第2四半期)の利益は平均で20%増加すると予想されるが、債券
購入の縮小見通しが業績に影を落とすことになりそうだ。
アナリストの分析によれば、第2四半期半ばに始まった市場の変調
は、ゴールドマン・サックス・グループ やバンク・オブ・アメリカ
 (BOA)などの米銀の利益の勢いを鈍らせた。雇用の改善に伴い
FRBが月間の債券購入ペースを落とす可能性があるとバーナンキ
議長が5月22日に示唆して以後、好調だったトレーディングと住宅
融資が下降に転じた。
米銀では最大手のJPモルガン・チェース とウェルズ・ファーゴが
12日に第2四半期決算を公表し、来週も発表が続く予定だ。
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焦点:アジア市場からの資本逃避、米緩和策縮小で加速へ
2013年 07月 11日 16:31 JST
[シンガポール 11日 ロイター] - 5月と6月にアジア市場が
見舞われたパニックは、米連邦準備理事会(FRB)が実際に緩和
策縮小に乗り出した際の、一段と深刻なキャピタルフライト(資本
逃避)に向けた序曲となるのかもしれない。
どれほど早くFRBが債券買い入れプログラムを縮小するのかによ
り、アジアからどれくらいのスピードで資本が引き揚げられるのか
決まることになるだろう。
アナリストらによると、インドネシアやタイ、マレーシアといった
、大きな経常赤字を抱え、株式や国債における外国人投資家の保有
割合が高い国は影響を受けやすいとみられる。資本が流出すれば、
債券利回り上昇と自国通貨安につながるだろう。
ドルを借り入れているものの、自国通貨で収益を得ているアジア企
業も影響を受けやすそうだ。こうした企業は不動産や通信、肥料業
界では珍しくはなく、ドル建てのハイイールド債市場で資金を調達
している。
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FRB議長発言でポジション巻き戻し、QE3縮小時期は後ずれの見方も
2013年 07月 11日 16:28 JST
[東京 11日 ロイター] - 当面の緩和継続をあらためて示した
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長発言をきっかけに、市
場ではポジションの巻き戻しが進んでいる。
ドルは下落し、新興国株は急上昇。発言内容は従来通りだが、過度
に量的緩和縮小を織り込んでいた反動が出たとみられている。市場
では円安・株高の流れは変わらないとの見方は多いものの、FRB
の景気認識は国際通貨基金(IMF)などと比べるとやや強い。米
経済の回復が遅れるようであれば、緩和縮小時期が市場予想よりも
後ずれする可能性もある。
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ドル下落、前日のFRB議長発言受け=NY外為市場・午前中盤
2013年 07月 12日 00:17 JST
[ニューヨーク 11日 ロイター] -11日午前中盤のニューヨ
ーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対して下落。バーナンキ米
連邦準備理事会(FRB)議長の前日の発言を受け、資産買い入れ
縮小開始時期の予想を見直す動きが出ている。
バーナンキ議長は10日に行った講演後の質疑応答で、米インフレ
率は依然低水準で、失業率は雇用の健全性を誇張している可能性が
あるため、当面は金融緩和策を継続する、との方針を示した。
ドル指数 .DXY は一時82.418に低下し、6月25日以来の低
水準をつけた。


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