4731.エジプトの混乱状態3



エジプトでは7日、解任されたモルシ大統領の支持派と反対派双方
が、首都カイロや北部の都市アレクサンドリアで大規模なデモを行
った。

この内、エジプトの首都カイロ郊外の軍施設近くで8日未明(日本
時間同日午前)、ムルシ前大統領を支持する「ムスリム同胞団」の
デモ隊に軍や治安部隊などが発砲した。救急当局は少なくとも51
人が死亡、35人が負傷したと明らかにした。同胞団は「軍や治安
部隊による虐殺だ」と非難する声明を出した。

軍当局は、先にデモ隊から発砲があり、仕方なく応戦したという。
兵士と警察官の各1名が死亡したと。マンスール暫定大統領は「犠
牲者に哀悼の意を表する」とし、調査委員会の設置を指示した。

ロシアのプーチン大統領は、エジプト軍が大統領を解任したことか
ら、同国は今後内戦状態に陥る恐れがあるとの見方を示した。
「シリアはすでに内戦状態となっている。エジプトも同じ方向に進
みつつある」とした。

このような事態でも、米与野党の有力議員は、米政府によるエジプ
ト支援の見直しに慎重な姿勢を示した。
 野党共和党のロジャーズ下院情報特別委員長は「エジプト軍への
支援を続けるべきだ。軍は政治的反目を抑えることができる安定化
勢力だ」と強調。民主党のリード上院議員も「支援停止には極めて
慎重であるべきだ」と指摘した。共和党のコーカー上院議員は、見
直しの議論を急ぐ必要はないと語った。

米国は、シリアでのスンニ派を支援し、エジプトではスンニ派を支
援しないということになるが、実を言うと、シリアへの支援法案が
上院、下院ともに通らないために、支援できていないということで
ある。

米国の外交は、この中東地域で誰を敵に、誰を味方として、紛争を
構成していこうとしてるのか、米国外交もおかしくなっている。

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エジプト軍発砲、ムルシ派51人死亡 400人以上けが
2013年7月9日0時2分
 【カイロ=北川学、神田大介】エジプトの首都カイロ郊外の軍施
設近くで8日未明(日本時間同日午前)、ムルシ前大統領を支持す
る「ムスリム同胞団」のデモ隊に軍や治安部隊などが発砲した。救
急当局は少なくとも51人が死亡、435人が負傷したと明らかに
した。同胞団は「軍や治安部隊による虐殺だ」と非難する声明を出
した。
 2011年2月のエジプト革命以来、軍とデモ隊の衝突で最大規
模の犠牲が出たことになり、エジプト情勢のさらなる混乱は必至だ
。マンスール暫定大統領は「犠牲者に哀悼の意を表する」とし、調
査委員会の設置を指示した。
 同胞団の声明によると、カイロ郊外ナスルシティーにある大統領
警護隊本部前で、イスラム教の早朝の礼拝中だったデモ参加者に対
し、兵士が発砲したという。周辺では大統領解任に抗議するムルシ
派が座り込みを続けていた。複数の目撃者は朝日新聞の取材に「軍
側が先に発砲した」と証言した。
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エジプトは内戦に向かいつつある=ロシア大統領
2013年 07月 8日 10:53 JST
[モスクワ 7日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は7日、
エジプト軍が大統領を解任したことから、同国は今後内戦状態に陥
る恐れがあるとの見方を示した。
カザフスタンを訪問中のプーチン大統領は国営RIAノーボスチ通
信に対し。「シリアはすでに内戦状態となっている。エジプトも同
じ方向に進みつつある」と述べた。
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エジプト支援見直し慎重に=米与野党議員
 【ワシントン時事】米与野党の有力議員は7日、CNNテレビな
どの番組に相次いで出演し、米政府によるエジプト支援の見直しに
慎重な姿勢を示した。
 野党共和党のロジャーズ下院情報特別委員長は「エジプト軍への
支援を続けるべきだ。軍は政治的反目を抑えることができる安定化
勢力だ」と強調。民主党のリード上院議員も「支援停止には極めて
慎重であるべきだ」と指摘した。共和党のコーカー上院議員は、見
直しの議論を急ぐ必要はないと語った。(2013/07/08-10:50)
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エジプトでモルシ支持派と反対派が大規模デモ、暫定首相の選出難航
2013年 07月 8日 07:48 JST
[カイロ 7日 ロイター] - エジプトでは7日、解任されたモル
シ大統領の支持派と反対派双方が、首都カイロや北部の都市アレク
サンドリアで大規模なデモを行った。デモは大きな混乱なく行われ
、5日のデモで14人の死者がでたアレクサンドリアでも犠牲者は
でていない。
暫定首相の選出は進展がみられていない。6日には国際原子力機関
(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏の任命で合意しかけたが
、イスラム原理主義政党の光の党が反対。7日にはエルバラダイ氏
を副首相と社会民主系のバハエルディン氏を首相とする案が示され
たが、これも光の党が反対して頓挫した。
光の党は「両氏とも(反モルシ大統領だった)救国戦線系だ」とし
て反対した。光の党はイスラム主義政党だがムスリム同胞団に対抗
しており、軍主導の政権移行に合意。イスラム系を代表する政党と
して暫定政権樹立への関与が求められている。
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エジプト軍、イスラム系テレビを規制 スタッフら逮捕
2013年7月8日7時27分
 【カイロ=神田大介】ムルシ大統領を解任したエジプト軍がイス
ラム系メディアへの規制を強めている。ムバラク政権を崩壊に追い
込んだ2011年の「アラブの春」以降、報道の自由が一気に広が
ったが、軍の意向に沿わないものは圧力にさらされている。
 カイロにあるテレビ局「ミスル25」のスタジオに3日夜、兵士
たちが突然侵入した。軍最高評議会のシーシ議長がムルシ氏の解任
を発表した直後だった。ニュース番組の生放送中だったキャスター
や解説者、スタッフら十数人が逮捕された。翌日釈放されたが、放
送は今も禁じられている。
 同局はムバラク政権が崩壊した11年に、ムルシ氏の出身母体・
ムスリム同胞団によって設立された。ゼネラルマネジャーのハゼム
・グラーブさんは、ムバラク政権が報道を厳しく制限していたこと
に触れながら、「革命前に逆戻りだ。ムルシ政権は反対派デモの報
道を禁じなかった。軍は何の説明もしない」と話す。


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