4715.ロンドン便り



ロンドン便り
From: 木野

皆様
ご無沙汰しております。木野です。今年は異例の寒さが続いたロン
ドンでしたが、ようやく屋外でビールを飲める程度の暖かさとなり
夏が近づいてきた感じがしております。

今週水曜日にロンドンで安倍首相の講演があり参加してきました。
ギルドホールという古い伝統と格式のある会場でおこなわれたスピ
ーチには約400名の参加があり満員でした。観客にはメージャー元首
相や経済学者の伊藤元重教授もみかけるなど識者、有名人もかなり
いたようでした。

スピーチは日本語で行われ同時通訳が提供されました。内容はこれ
まで報道されてきたこと以外に特段あたらしいものはありませんで
したが、首相自信が「私の責任でやりとげる」と何度も「私」を強
調してだれでもできるわけではない困難な仕事を「私」だから遂行
できるというメッセージを伝えた点は参加した外国人も評価してい
ました。

あと有能なスピーチライターのかたの工夫だと思いますが、導入に
高橋是清がロンドンに資金調達のためにきたとき現在のキャメロン
首相の祖先の方が当事HSBCの幹部で尽力したというくだりがあり受
けていました。

英語でスピーチをしないことに初めは多少がっかりしましたがいざ
聞き終わってみると大事なことはいかに自信をもって語るかであっ
て、無理して英語でつまづきながら語るより堂々と日本語で語るの
もこうした講演ではむしろいい印象を持ちました。

実はロンドンにはABENOというお好み焼きのお店がありそこで講演後
に一緒に参加した同僚とミックス焼きをいただき、これぞ「アベノ
ミックス」と盛り上ることもできました。

お後がよろしいようで。
皆様のご健康お祈りしております。
木野
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木野さん、
久しぶりのロンドン便り、有り難うございます。
懐かしく拝見しました。

安倍首相の講演模様は、このところ熱心にアベノミクスの喧伝に努
めているNHKニュースでも結構長く伝えておりました。会場に木野さ
んが見当たりはしないか、テレビ画面をキョロキョロ見回してみた
のですが、残念、会場の様子は2度ほど総なめ的に映っただけでし
た。

ただ、その印象からは6、7割は邦人?であったように見えました。
首相が訪問先で講演する場合、大使館が日本人商工会、プレス、相
手国側の友好団体に働きかけて人集めをするのが長年の慣行でした
が、今回はどんなものでしょう。
邦人が多いからわざわざ英語でやるよりは日本語ですませる、とい
うことなのかもしれません。

いずれにしても、大事なのは、首相講演が現地のメディアにどのよ
うに取り上げられるか、ではないかと思うのです。テレビ、新聞な
どの報道振りはいかがだったでしょうか。プライムタイムのニュー
スで紹介されたのであれば、おぬし、やりおるのう、とお膳立てし
た筋に言ってあげてよいでしょう。安倍首相の学界応援団の伊藤教
授を客席に配しておくあたり、態勢固めはしっかりのようですね。

アベノミクスを巡っては、三菱総研で長年、ロンドン駐在員をして
いた浜矩子・同志社大教授がABEとはAsset Bubble Economicsの頭
文字、と言っています。バブルでデフレを退治する大仕掛け、とい
う見方です。どんなもんでしょう。

首相が「私」を強調したのは、多分にこの講演が日本国内のテレビ
に流れるのを見越してのことと言え、なんと言っても参院選とその
前の都議選を意識したからこそではないかと思います。

いや、つい勝手なことを。アベノミクスと聞くと、どうも大丈夫か
な、という貧者の憂慮が先に立つものですから。

日本経済活性化の最前線を担っておられる木野さんにはアベノだろ
うがナニミクスだろうが、大いに稼いでいただかなければなりませ
ん。ご苦労も多いことかと思いますが、存分のご活躍を念じており
ます。

またときどき、ロンドン便りを読ませてください。
有り難うございます。失礼の儀、ご容赦を。

岩村
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岩村さん
コメントありがとうございます。

まずこちらでの報道ですが、さっぱりです。とくに今週は米国のFOMC
に注目が集まっていたこともありタイミングとしても間の悪いもの
となりました。
そもそもG8に関して日本の報道はほとんどありませんでした。
やはりもっともっと世界にメッセージを発するべきなのでしょう。

一方集客ですがチケットの入手が結構大変で苦労しました。参加し
たかったのにあきらめた方もおられたと聞いております。

木野
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From: KUMON KIMIAKI TOKUMARU

木野さん、岩村さん、

木野さんのロンドン便り、ならびに岩村さんのコメント、興味深く
読みました。

僕は安倍首相がロンドンに行ってたことすら知らなかったのですが
、落ちの「ABENOミックス」焼きができすぎに旨いなと思いました。

先月のテキストを読んで、経済学は資本主義の端女であると思い至
りました。資本主義は、拝金主義で自然破壊・選民思想の新興宗教
、日本経済新聞な んて聖教新聞とまったく同じレベルのプロパガン
ダ新聞。

安倍首相の演説が、まがりなりにも絵になるのは、ロンドンがBANK
発祥の地であり、資本主義の聖地だからなのでは。

僕が駐在していた1990年代なかばのロンドンには、すでにたくさん
のホームレスがいて、靴が買えないから足にビニール袋を巻いて歩
いていた人を 見た記憶があります。資本主義の終焉は、日本より一
歩先んじていたロンドン。

日本が20年前のロンドンに追いついた今、ロンドンの庶民や貧困層
はいったいどんな生活をしているのか、何か希望があるのか、興味
深いです。

得丸

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