4713.中国で資金逼迫が



新興国の経済は各所でおかしくなっている。ブラジルは物価上昇で
大衆がストライキを打ち、トルコの経済拡大の力になったイスラム
化を、大衆はストライキで反対する。

そして、中国の経済もおかしくなっている。2つの問題があり、1
つが金融問題であり、もう1つが輸出の採算性が悪くなっているこ
とである。

そこにドルの量的緩和を止めると、投資していた米国の投資会社が
資金を引き上げることになる。特に中国ではサブプライム問題と同
じ問題が起きている。

このため、中国人民銀行(中央銀行)による信用の急速な伸び抑制
に向けた断固たる姿勢で、中国の銀行間金利は急上昇した。
銀行間金利の指標である7日物レポ金利は20日の取引で25%に急騰す
る場面もあった。銀行は能力以上に貸し出しを膨らませ、資産の質
を低下させた結果、日々の運転資金に詰まって短期金融市場を利用
せざるを得なくなっている。

政府は、金融機関に対して富裕層向け金融商品の販売など、非中核
事業を圧縮させるよう圧力をかけている。金融機関は、短期金融市
場の預金や社債、銀行融資などを証券化した富裕層向け商品を、預
金金利よりも高利回りを求める顧客に販売している。
また中国では、シャドーバンキング(影の金融、私的融資や信託ロ
ーン、ノンバンクからの借り入れなど)が拡大しており、格付け会
社のフィッチ・レーティングスはシャドーバンキングが金融の安定
を損ねるリスクが高まっていると指摘する。

米ヘッジファンドのパトリック・ウルフ氏は、中国の腐敗や不良債
権の増加が危険な状態に達しており、今後株価が急落する可能性が
ある、との見方を示した。「米連邦準備理事会(FRB)のことば
かり話題になっているが、中国のことはあまり気にされていない」
とし「米国は最も安全な投資先だが、中国はクラッシュがいつ起き
てもおかしくない、とわれわれはこれまでも指摘している」と。

ここ10年世界経済をけん引した中国経済について「ひどい状態だ
」と述べ「中央政権により腐敗や不適切な資本の割り当ては必然的
に起こる。銀行間金利は急騰し多くの企業は資金繰りに窮している
」と指摘した。

もう1つ、日本円の為替変動が影響し、中国の輸出企業が苦しい状
況に置かれている。

しかし、これは中国だけではなく、ブラジルも南アメリカもそうで
ある。新興国への投資がバブル化していた。このバブルが破裂する
ようである。

しかし、これは一連の大恐慌の流れの中にある。

月曜日有料版の検討でその一連の考察をしたい。

さあ、どうなりますか?
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中国経済を資金逼迫が襲う
2013年 6月 21日 15:48 JST  WSJ
 【北京】中国当局は同国の銀行をどれだけ懲らしめようとしてい
るのだろうか。その答えは既に経済全体に表れている。
 短期金利の高さは、中国の金融システムの疲弊の程を示す。銀行
間金利の指標である7日物レポ金利は20日の取引で25%に急騰する場
面もあった。銀行は能力以上に貸し出しを膨らませ、資産の質を低
下させた結果、日々の運転資金に詰まって短期金融市場を利用せざ
るを得なくなっている。
 中国人民銀行(中央銀行 …
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中国短期金利の急上昇、信用の急速な伸び抑制に向けた人民銀の決
意示す
2013年 06月 21日 12:16 JST
[上海 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)による信
用の急速な伸び抑制に向けた断固たる姿勢で、中国の銀行間金利は
20日、急上昇した。一部の金融機関は資金調達難に直面。市場で
はパニックやデフォルト(債務不履行)のうわさが広がった。
20日の上海短期金融市場では、指標となる7日物レポ金利(加重
平均)が380ベーシスポイント(bp)上昇し、過去最高の
12.06%をつけた。翌日物レポ金利も598bpと急上昇し、
13.85%となった。
市場では資金供給の期待が高まったが、人民銀行は通常の公開市場
操作でのレポ業務は行わないと発表した。
市場関係者によると、短期金融市場では、多額の負債をかかえる小
規模銀行など、一部の金融機関が資金繰りに窮している。人民銀行
は、金融機関に債務負担を減らすよう強制しているようだ、との指
摘もある。
政府は、金融機関に対して富裕層向け金融商品の販売など、非中核
事業を圧縮させるよう圧力をかけている。金融機関は、短期金融市
場の預金や社債、銀行融資などを証券化した富裕層向け商品を、預
金金利よりも高利回りを求める顧客に販売している。
また中国では、シャドーバンキング(影の金融、私的融資や信託ロ
ーン、ノンバンクからの借り入れなど)が拡大しており、格付け会
社のフィッチ・レーティングスはシャドーバンキングが金融の安定
を損ねるリスクが高まっていると指摘する。
野村はリポートで、中国の新指導部はこうした金融リスクを十分に
認識しているとし「指導部の任期が10年であること踏まえると、
長期の政策目標達成のためにある程度の短期的な苦痛は受け入れる
方針だろう」と指摘。そのうえで、数カ月以内に製造業やノンバン
クセクターで一部企業がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が
ある、との見方を示した。
エコノミストは、短期金利が高止まりした場合、ファイナンスコス
トの上昇を招く可能性があると指摘する。
ただ、21日の中国短期金融市場では、7日物レポ金利は351ベ
ーシスポイント(bp)低下して8.12%となった。翌日物レポ
金利は378bp低下の7.96%。市場では、中国人民銀行が、
主要国有銀行にキャッシュオファーのガイダンスを行ったとの観測
が広がっている。
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中国株式はいずれ急落、腐敗や不良債権増加で=パトリック・ウルフ氏
2013年 06月 21日 13:57 JST
[モンテカルロ(モナコ) 20日 ロイター] - 米ヘッジファン
ド、グランドマスター・キャピタル・マネジメントのパトリック・
ウルフ氏は、中国の腐敗や不良債権の増加が危険な状態に達してお
り、今後株価が急落する可能性がある、との見方を示した。
今週モンテカルロで開催されているヘッジファンドマネジャー業界
コンフェレンス、GAIMの合間に述べた。
同氏は「米連邦準備理事会(FRB)のことばかり話題になってい
るが、中国のことはあまり気にされていない」とし「米国は最も安
全な投資先だが、中国はクラッシュがいつ起きてもおかしくない、
とわれわれはこれまでも指摘している」と語った。そのうえで、中
国株をショートに、米国株をおおむねロングにしていると明らかに
した。
米緩和策の縮小に対する警戒感から、ここ数週間金融市場は混乱し
ている。ただ同氏は、米経済の過熱の証拠なしにFRBが金融引き
締めに動く可能性は非常に低いとし、市場の反応に対して「取るに
足らない問題」だ、と述べた。
さらに、米経済の他国成長への依存の低さや住宅市場の回復、銀行
セクターが十分に資本を確保していることなどから、米経済の先行
きを楽観視しているとした。
同氏のコメントは、バーナンキFRB議長の連邦公開市場委員会(
FOMC)後の記者会見前のもの。
一方、ここ10年世界経済をけん引した中国経済について「ひどい
状態だ」と述べ「中央政権により腐敗や不適切な資本の割り当ては
必然的に起こる。銀行間金利は急騰し多くの企業は資金繰りに窮し
ている」と指摘した。
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中国景気減速―政府は刺激策を取らない姿勢貫けるか
By RICHARD SILK IN BEIJING AND SHEN HONG IN SHANGHAI
2013年 6月 21日 09:32 JST  WSJ
 【北京】中国の景気減速の兆候が増え、同国金融システムでの緊
張が高まる中で、景気刺激策に頼らずに減速を乗り切るとの同国政
府の決意が試されている。
 20日に発表された速報値によると、同国経済にとって非常に重要
な製造業部門は6月に、前月よりも急速に縮小した。同国では既に、
5月の輸出、鉱工業生産、設備投資が全て鈍っていることが明らかに
なっている。これらの統計は、中国の成長鈍化の波及への懸念から
、20日のアジア各地の金融市場や商品市場に打撃を与えた。
 中国は同時に、資金不足の高まりと苦闘しており、銀行間金利が
高騰している。この資金ひっ迫は、同国の成長見通しに懐疑的にな
っている外国資本の流入が鈍っていることなどによるものだ。
 このいずれもが、短期的には成長が鈍化かもしれないが経済改革
を進める覚悟を示している同国の新指導部にとっての課題となる。
同国の輸出品への需要の構造的な減退、鉄鋼、セメントといった重
要部門の過剰生産能力、過去の刺激策の遺産としての不良債権の増
加といった状況の中で、その決意の強さが問われている。
 HSBCのエコノミスト、Qu Hongbin氏は「過去5年ほどは成長の安
定化が優先課題だった」とし、「減速がみられるといつでも政府は
成長が安定的になるような何らかの措置を導入した。だが、新政権
は景気刺激よりも改革を優先することが明らかになった」と指摘し
た。
 中国の経済成長への懸念は、米連邦準備制度理事会(FRB)が米景気
刺激策をやめるかもしれないとの兆候に不安を抱いていた投資家に
とっては追い打ちとなった。20日は上海株式総合指数が前日比2.8%
、香港ハンセン指数は2.9%、日経平均は1.7%、それぞれ下落した。
アジアの石油先物も2.2%下落し、中国の動向に敏感な豪ドルの対米
ドル為替レートも下げた。
 中国で検討されている改革には、金融システムの自由化、市場実
勢に近い電気・ガス料金の設定、社会福祉事業の向上および社会的
格差への対応などが含まれている。多くのエコノミストは、国内消
費を押し上げ、輸出と過度の投資への依存から脱却するには社会的
格差への対処が必要だと見ている。詳細は今秋の共産党の会議で明
らかにされる予定だ。
 しかし、経済の行き詰まり状態から、政府は現状の改善という誘
惑にかられるだろう。今年第1四半期(1?3月)の中国の国内総生産
(GDP)の伸びは7.7%に鈍化。多くのエコノミストは第2四半期には
さらに落ちると予想している。当局は昨年の同様の景気減速に対し
て、金利引き下げと社会基盤整備計画の前倒しで対応した。
 RBSのLouis Kuijs氏は「この種のデータは政府が現在のマクロ政
策スタンスを維持する決意があるかどうかを試すことになる」と指
摘した。
 中国国務院(内閣)は19日、「慎重な」金融政策を維持し、シス
テミックリスク(金融システムの混乱)の発生を防ぐことを明言す
るとともに、金利は市場が決定できるようにするとの目標をあらた
めて表明した。また、生産能力が過剰な部門への資金の流れを止め
ることも約束した。
 中国の銀行は5月末以来、突然の資金不足に直面しており、この結
果、小銀行は特に融資条件の厳格化を検討している。
 同国の中央銀行には、やろうと思えば資金不足を解消するに十分
な資金があるが、レバレッジが高まることを懸念して、これを使っ
ていない。規制の緩やかな「影の金融システム(シャドー・バンキ
ング)」の急成長によって、金融システムの危機への不安が高まっ
ている。
 UBSのエコノミストWang Tao氏は「期待外れの経済指標と低いイ
ンフレ率から、市場関係者の多くは中国人民銀行(中銀)は流動性
供給を続けると予想していた」とし、「しかし、同銀行はこの10日
間に、過度に急激な信用の拡大は受け入れられないことを明確にし
た」と話した。
 20日に発表されたHSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)の6
月の速報値は48.3で、前月の49.2から低下し、過去9カ月間で最低と
なった。同指数は50を下回ると景気縮小を示すと言われている。同
指数は中小企業・輸出業者に偏る傾向があり、先に発表された、国
営企業部門の比重がより大きい公式PMIはわずかながらプラスを維持
した。
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中国の輸出業が苦しい状況に、円安の影響で利益霧散―中国
Record China 6月21日(金)17時50分配信
2013年6月20日、第一財経日報によると、日本円の為替変動が影響し
、中国の輸出企業が苦しい状況に置かれている。
19日、広東省東莞市で行われた「2013中国加工貿易産品博覧会」に
おいて、ある会社の社長は「利益を上げても、円安が進むたびに利
益がなくなる」と不満をあらわにして話した。台湾資本のこの会社
は扇風機を生産して1970年代から日本に輸出しているが、日本向け
の輸出は年70万台と安定しているにもかかわらず、為替の変動で利
益の多くが食いつぶされてしまうという。
そのため契約に円高になった場合には中国側の利益とし、円安にな
った場合には中国側に顧客が補填(ほてん)することを明記したと
し、「こうでもしなければ安心してビジネスができない」と話した。
しかしこうした要求は信頼関係を築いてからでなければできず、取
引を始めたばかりの段階では相手を警戒させてしまうだけだと注意
する。
中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元対日本円レートの基準値
を100日本円に対し人民元6.4470元とすることを発表。安倍晋三首
相が政権を奪取した2012年末の時点では7.3742元と高い水準にあっ
た。中国税関総署の統計によると、2013年1〜5月の輸出成長は13.5
%だったが、5月には輸出が伸び悩み、わずか1%の成長となった。
中国商務部が企業1000社を調べたところ、7割を超える企業が現在の
元高を輸出に影響する主要原因だと回答した。
元高の企業に対する具体的な影響から見ると、83.7%の企業が輸出
から得られる利益が減少しており、50.7%の企業で受注が減少。
38.1%の企業は短期的な受注しか受けず、長期的な受注は受けない
などの対策をしており、21.2%の企業は受注を断ったり契約を破棄
せざるを得なくなったりしているという。(翻訳・編集/岡田)



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