4711.中国の混乱をどうするか?



昔、マラバルテの「クーデターの技術」を読んだが、今
"FROM DICTATORSHIP TO DEMOCRACY"(GENE SHARP)を読んでいる。
この本はミャンマー、ボスニア、エジプトなどで自国語に翻訳され
ているという。この影響を受けて、独裁政府を倒した解放運動が行
われたと言っている。残念ながら、必要もないから日本語への翻訳
はないし、注目もされていない。

そして、とうとう、中国の抵抗運動が、やっと戦略を持って進めら
れる状況になったように感じる。まず最初に、ある抵抗運動から初
めて、徐々に一般大衆を巻き込んでいくことが必要であるという。

天安門事件では学生だけが運動したが、徹底的に弾圧されて失敗し
たが、違う人と方法で再度、抵抗運動が盛り上がっている。地方政
府の役人の腐敗から農民が土地を取られて、その抵抗運動が全国的
に広がっているという。

中国の習近平共産党総書記(国家主席)は18日、党の重要会議で
講話を行い、「人心を掌握できるかどうかは党の存亡に関わる問題
だ」と述べ、民衆の支持がなくなれば、党の滅亡につながるとの認
識を示した。

しかし、政府の要人が複数の会社の顧問になることを認めている。
その顧問就任は合法であり、1社からその会社の役員と同程度の報
酬を受けている。しかし、それだけでは腐敗ではない。その会社が
土地が欲しいというと、それに便宜を提供しても、その件では金を
貰っていないので腐敗という認識がない。

このため、「形式主義、官僚主義、享楽主義、ぜいたくざんまい」
の四つを挙げ、「民衆が深く恨み徹底して嫌うことだ」と行動を制
限する方向である。会社の便宜を図るのは、腐敗ではない。行動が
腐敗なのである。

このため、各級政府の要人全員は、日本の意味での腐敗は当たり前
である。このため、行動が悪いというように恣意的に腐敗を摘発で
きる。これは権力闘争に利用できるのである。この部分を習近平は
抑えたので権力を把握できた。

中国共産党政治理論誌「求是」の最新号(16日付)は、インター
ネット上に官僚の腐敗や不祥事などの情報が氾濫していることに危
機感を示し、「(いくら)ののしろうと、党や政府を倒すことはで
きない」として、こうした風潮を批判する論文を掲載して、意見を
表明するなら公共秩序を尊重し、社会や法律的な責任を負うべきだ
と警告したが、民主国的な腐敗は合法であり、何も意見を表明でき
ないことになる。

この事実を述べるマスコミも評論家もいないことに危機を感じる。

そして、銀行を介さない「影の銀行(シャドーバンキング)」を使
った資産運用が急拡大し、2013年上半期だけで約2200億元(約3兆
4000億円)が新たに流入した。この資金の多くは地方の不動産開発
に使われている。しかし、地方政府の債務リスクが高まるなか、融
資焦げ付きの影響が連鎖的に拡大しかねない。米サブプライム崩壊
と同じことになる。経済的に弱い人たちが、一番影響を受けるはず
である。経済的な危機は政治危機を引き起こすはずである。

このため、この抵抗運動を組織化して、戦略を持って進めていくこ
とが重要である。明石元二郎大佐と同じような工作員を欧米日は送
り込まないのであろうか?

中国の独裁政治を民主化にするチャンスであると思うが?

さあ、どうなりますか?

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「人心失えば共産党滅ぶ」=習氏、腐敗一掃を指示−中国
 【北京時事】新華社電によると、中国の習近平共産党総書記(国
家主席)は18日、党の重要会議で講話を行い、「人心を掌握でき
るかどうかは党の存亡に関わる問題だ」と述べ、民衆の支持がなく
なれば、党の滅亡につながるとの認識を示した。その上で「形式主
義、官僚主義、享楽主義、ぜいたくざんまい」の四つを挙げ、「民
衆が深く恨み徹底して嫌うことだ」と危機感をあらわにし、腐敗の
一掃を指示した。(2013/06/19-06:13)
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「影の銀行」マネー、中国まん延 連鎖破綻の懸念 
2013/6/19 1:26日本経済新聞 電子版
 【上海=土居倫之】中国の大手企業で、銀行を介さない「影の銀
行(シャドーバンキング)」を使った資産運用が急拡大している。
銀行から借り入れた資金をほかの企業にまた貸しする枠組みで、2013
年上半期だけで約2200億元(約3兆4000億円)が新たに流入した。
資金の多くは地方の不動産開発に使われている。地方政府の債務リ
スクが高まるなか、融資焦げ付きの影響が連鎖的に大手企業に及び
かねない。
■財テクに走る
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中国、ネットに危機感 「党や政府は倒せない」
 【北京共同】中国共産党政治理論誌「求是」の最新号(16日付
)は、インターネット上に官僚の腐敗や不祥事などの情報が氾濫し
ていることに危機感を示し、「(いくら)ののしろうと、党や政府
を倒すことはできない」として、こうした風潮を批判する論文を掲
載した。
 同誌は、意見を表明するなら公共秩序を尊重し、社会や法律的な
責任を負うべきだと警告した。
 中国では5億人以上がネットを利用。政府や党幹部のスキャンダ
ルが暴露され、失脚につながるケースも増えている。習近平指導部
は民意に耳を傾ける姿勢を見せながら、独裁体制を揺るがしかねな
いネット情報の管理を徹底する構えだ。
2013/06/18 15:47   【共同通信】


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