4708.シリア混乱から中東紛争拡大へ



シリアの反政府勢力に、米国は武器を援助することを決めた。しか
し、アサド政府はレバノンのイスラム教シーア派武装組織ビスボラ
に最新兵器を提供する代わりに、内戦への参戦を要請したようであ
る。それをビスボラは了解した。アサド大統領の苦戦をひっくり返
した政策が、中東全体の混乱と拡大する可能性が出てきている。
それを検討したい。       津田より

0.シリア政府の逆転
毎日、BBCを聞き、CNNとCBSを見ているが、CNNとBBCはこのところ、
中東問題を大きく取り上げている。CBSは米国の国内問題が中心であ
るが、その中でもシリアの反政府組織に武器を援助することが決ま
ったニュースは大きい。CNNでは米共和党のマケイン上院議員が、
嬉々として米国政府は約束を守ったと言っている。

オバマ大統領は「もし、シリア政府が化学兵器を使ったら、その時
、戦いの意味は一返する」とシリア政府に警告していた。

しかし、戦局がシリア政府に不利になり、首都ダマスカスの近郊ま
で反政府軍が迫っていた。そして、政府崩壊も迫っていた。

これを受けて、米露両外相は、シリア情勢の解決を目指し、同国の
アサド政権や反政府勢力に米露をはじめとした関係国を交えた国際
会議を、5月末にも開催するとし、その国際会議で停戦に向けて、
「アサド退陣」を念頭に置き「移行政府」を樹立することについて
協議するはずであった。というようにシリア政府は弱体化していた。

このため、シリア政府は、戦局転換の為に、化学兵器を使ったよう
であると4月に騒がれた。もう1つが、シリア軍増強の為にビスボ
ラなどシーア派に支援を呼びかけた。

特にビスボラには最新兵器提供する代わりに参戦を要請したようで
ある。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの指導者ナ
スララ師は「シリアは対抗手段として、我々が持っていなかったよ
うな最新兵器を供与するだろう。こうした兵器は、レバノンや(シ
ーア派の)聖地を守るために使う」と述べた。

このように、シリアはビスボラに最新兵器を供給しようとしている
が明らかになった。しかし、この途端に、シリアの首都ダマスカス
近郊にある科学研究施設が5月5日未明、イスラエル軍機の空爆を
受けた。イスラエル高官は「ヒズボラ向けのイラン製ミサイルが標
的だった」と空爆を認めた。

この空爆を受けて、ヒズボラの指導者ナスララ師は、シリア内戦に
アサド政権側として参戦していることを初めて明確に認め、「最後
まで戦い抜く」と強調した。また、イラン、イラクのシーア派もシ
リア政府軍に義勇軍として参戦しているという。

このヒズボラなどの支援を受けたシリア政府軍は5月19日、レバノ
ンとの国境近くにある反体制派の拠点クサイルを奪還するための一
大攻勢をかけた。ホムスの南西にある町クサイルを支配すれば、シ
リア中部や首都ダマスカス周辺への補給が反政府軍はできなくなり
、この結果、政府軍の支配が強まり、アサド大統領が逆転できるこ
とになる。

フランスのファビウス外相は、シリアの内戦で、アサド政権の支援
のために介入している隣国レバノンのシーア派組織、ヒズボラの戦
闘員が最大4千人に上るとするとの見解を明らかにした。旅団か師
団クラスを参戦させていることである。

このビスボラは、最新兵器を持つイスラエル軍をレバノン侵攻時に
苦戦に追いやり、撤退させた強兵集団である。強い火力を持たない
反政府軍などは一捻りである。クサイルはBBCによると1日中、砲撃
が止まらなかったという。そして、簡単に奪還されてしまった。

国連は13日、シリア内戦による死者が今年4月末までに少なくと
も9万3000人に達したと発表した。内訳は、男性が82・6%
、女性が7・6%で、性別が不明な人もいる。未成年者は6561
人に上った。地域別ではダマスカス郊外(1万7800人)、中部
ホムス(1万6400人)、北部アレッポ(1万1900人)、北
部イドリブ(1万300人)などが多い。

このため、イスラエルの戦略問題担当相兼諜報相兼国際関係相のシ
ュタイニッツ氏は、シリアのアサド大統領が同国で2年以上続いて
いる内戦で、恐らく反体制派に勝利するだろうと断言した。

1.内戦の拡大
クサイル奪還を受け、シリアのアサド大統領は、米ロが開催で合意
したシリア問題の国際会議について「シリアの改革を決めるのはシ
リアであり、米国もいかなる国も介入は許されない」と述べ、会議
を否定して「国家はテロリストと交渉しない」と述べ、反体制武装
勢力との対話を拒否した。これで国際会議は破綻した。

また、イラクまで紛争が拡大している。比較的政情が安定していた
イラクで、イスラム教のスンニ派とシーア派の対立が再燃し、情勢
が日々悪化している。隣国シリアの内戦は宗派間抗争の様相を呈し
ており、イラクでは4月、テロや襲撃事件が相次ぎ、民間人を中心
に700人以上が死亡した。これほどの犠牲者が出たのは、03年
のイラク戦争後の混乱がピークに達し、毎月1000人以上が命を
落としていた06〜07年以降では初めてである。

そして、シリア反政府勢力側は、国境を越えてレバノン領内のヒズ
ボラに攻撃を仕掛け、戦闘はレバノンに拡大する様相を見せている。

レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが、反政府側のス
ンニ派アルカイダ系勢力「ヌスラ戦線」と交戦し、過激派同士の戦
いという側面が強まってきた。民主化や政治改革をきっかけに始ま
ったシリア内戦は、外国の介入でシーア派とスンニ派の「代理戦争
」の様相を帯びてきた。

シリア政権支持の武装勢力は、反政府勢力が革命の首都と呼ぶホム
ス一帯でスンニ派を家から追い出している。このため、スンニ派対
シーア派の戦いを益々明確にしている。この状況でスンニ派の最高
権威機関アズハルのタイエブ総長も、「シーア派は宗派対立のわな
に落ちた」とヒズボラなどを批判した。

このような状況で、5月28日シリア政府軍が化学兵器を利用したと
EU外相理事会は、シリア反体制派への武器禁輸解除を決定した。
そして、6月13日、オバマ大統領はシリアの反体制派に武器を提供
することを決定した。しかし、キャメロン英首相は14日、「英国
としては(武器供与について)何の決定もしていない」と慎重姿勢
を示した。

また、国連の潘基文事務総長も、米政府がシリアの反体制派への武
器支援を決めたことについて、内戦のいずれの当事者への兵器供与
も「役に立たないだろう」と述べ、反対の立場を強調した。

そして、トルコ政府当局者は6月15日、シリア軍将校ら70人以上
が14日以降、軍を離脱し、国境を越えてトルコ入りしたことを明ら
かにした。スンニ派の将校がシーア派軍になっているシリア政府軍
から離脱している。

エジプトのモルジ大統領は、シリアとの国交関係を閉じるとし、米
国に飛行禁止空域設定を要求した。エジプトもスンニ派政権であり
、シリア国内でのスンニ派への迫害でとうとう、断交となった。

2.米国はどうするのか?
しかし、ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)はシリア反体制
派の支援で同国領内に飛行禁止空域を設定する案について「著しく
困難で、危険や代償を伴う」との見方を示した。シリアが強力な防
空システムを構築していることなどを理由に挙げた。

ケリー国務長官は14日にイラクのゼバリ外相と電話会談した。長
官はシリア内戦の終結に向けて協力を求めた。イラクからは多数の
シーア・スンニの過激派がシリア内戦に参加している。

ヘーゲル米国防長官は14日、訪米したイスラエルのヤアロン国防
相とワシントン近郊の国防総省で会談した。両国防相は内戦が激化
するシリアや核開発を進めるイランの情勢をにらみ、一段と連携を
強めていくというが、イスラエルとスンニ派であるパレスチナの和
平を促進して、中東の紛争でスンニ派寄りにして、イスラエルを紛
争に参加させないことが必要である。

また、英国で来週開かれる主要国首脳会議(サミット)に合わせ、
オバマ大統領はシリア政府を支援しているロシアのプーチン大統領
と17日に会談する予定で、シリア情勢が主要議題になるとみられる。
ロシアのチェチェンはスンニ派地域であり、シーア派をロシアは支
援することになっている。

これに比べて、米国はスンニ派過激派との戦争も行なっているため
にスンニ派でもシーア派でもなかった。

まお、このシリア情勢で、オバマ大統領はシリア情勢を各国首脳と
会談するために、シリアに関与していない日本との首脳会談を中止
した。

しかし、米国軍将校はシリア紛争に関わることを恐れている。それ
はスンニ派過激派タリガンとの戦いがアフガンで有り、シリアで援
助した兵器が他地域に流れて、米軍攻撃に使われる可能性があるか
らである。

しかし、米国はシーア派対スンニ派の戦争に、スンニ派の味方に立
つ方向である。イラン、シリア、ビスボラを敵にするということは
、それはシーア派を敵にしたことになる。

しかし、イランでは保守穏健派のロウハニ師がイラン大統領選に勝
った。ロウハニ師は「新たな機会が生まれた。民主主義と開かれた
対話を言い立てる各国は、イラン国民に敬意を払って話すべきだし
、イランの権利を認めるべきだ」と訴え、欧米は核問題での譲歩を
期待しているが、それを牽制した。しかし、欧米は、今までの保守
強硬派より期待ができる見ている。

米国が中東から撤退の方向であり、それを見越して、米国は動こう
としているが、どうも米国が撤退すると、中東はシーア派対スンニ
派の戦いの場になってしまう可能性が明確化してきている。

さあ、どうなりますか?
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イランの権利尊重を=大統領選勝利のロウハニ師
 【テヘランAFP=時事】イラン大統領選に勝った保守穏健派の
ロウハニ師は15日、テレビを通じて勝利演説し「新たな機会が生
まれた。民主主義と開かれた対話を言い立てる各国は、イラン国民
に敬意を払って話すべきだし、イランの権利を認めるべきだ」と訴
えた。
 最高安全保障委員会事務局長として2003年から2年間、イラ
ンの核開発をめぐり欧米とわたり合った際も、ロウハニ師はイラン
には核開発を行う権利があると指摘し続けていた。
 自身の大統領当選については「過激主義に対する知性の勝利、穏
健派の勝利、進歩の勝利だ」と意義付けた。(2013/06/16-06:04)
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シリア情勢で協力確認=米イラク外相
 【ワシントン時事】米国務省は15日、ケリー国務長官が14日
にイラクのゼバリ外相と電話会談したと発表した。長官はシリア内
戦の終結に向けて協力を求めた。イラクからは多数の過激派がシリ
ア内戦に参加している。(2013/06/16-00:39)
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シリア軍の将校ら70人離脱=トルコ
 【アンカラAFP=時事】トルコ政府当局者は15日、シリア軍
将校ら70人以上が14日以降、軍を離脱し、国境を越えてトルコ
入りしたことを明らかにした。米国がアサド政権の化学兵器使用を
確認した後の動きで、脱出者には将軍6人が含まれている。
(2013/06/16-01:25)
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シリアへの武器支援に反対=国連総長
 【ニューヨーク時事】国連の潘基文事務総長は14日、米政府が
シリアの反体制派への武器支援を決めたことについて、内戦のいず
れの当事者への兵器供与も「役に立たないだろう」と述べ、反対の
立場を強調した。国連本部で記者団に語った。
 オバマ米政権は、シリアのアサド政権が反体制派に対して化学兵
器を使用したと結論付けた。潘氏はこれに関連し、「出所を特定で
きる説得力ある証拠がなければ、情報の正当性を確保できない」と
指摘。国連のチームが現地に入り、公平な調査を行うことが不可欠
との考えを示した。(2013/06/15-06:09)
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対イラン、シリアで連携強化=米・イスラエル国防相会談
 【ワシントン時事】ヘーゲル米国防長官は14日、訪米したイス
ラエルのヤアロン国防相とワシントン近郊の国防総省で会談した。
両国防相は内戦が激化するシリアや核開発を進めるイランの情勢を
にらみ、一段と連携を強めていく方針で一致した。
 ヘーゲル、ヤアロン両氏はシリア問題に関し、アサド政権による
化学兵器使用やレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの
介入などにより内戦終結が一層難しくなっているとの認識で一致。
反イスラエルの立場を取るヒズボラの動きに対処するため引き続き
緊密に情報共有していくことを申し合わせた。イランの核開発阻止
に向けた協力も確認した。(2013/06/15-10:23)
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シリア:シーア派対スンニ派「代理戦争」の様相も
毎日新聞 2013年06月15日 11時57分
 【カイロ秋山信一】シリアの内戦に隣国レバノンのイスラム教シ
ーア派武装組織ヒズボラが参戦したことに対して、スンニ派からの
反発が強まっている。国外の有力なスンニ派指導者が、アサド政権
を支援するヒズボラと支援国のイランを相次いで非難し、反体制派
への参加を呼びかけた。民主化や政治改革をきっかけに始まったシ
リア内戦は、外国の介入でシーア派とスンニ派の「代理戦争」の様
相を帯びている。
 「戦う準備ができている全てのムスリム(イスラム教徒)よ、シ
リアで同胞を助けるのだ」。世界的に有名なカタール在住のイスラ
ム法学者ユセフ・カラダウィ師は5月31日、ドーハでの金曜礼拝
で、スンニ派信者に檄(げき)を飛ばした。カラダウィ師はヒズボ
ラ(アラビア語で「神の党」の意味)を「悪魔の党」と呼んで非難
。ヒズボラとイランが「スンニ派の虐殺を続ける気だ」と訴えた。
 さらにスンニ派の最高権威機関アズハルのタイエブ総長も今月10
日、「シーア派は宗派対立のわなに落ちた」とヒズボラなどを批判
した。
 ヒズボラは今年4月以降、激戦が続いていたシリア中部クサイル
の戦闘に数千人規模で参戦。今月上旬にアサド政権側がクサイルを
奪還する原動力となった。反体制派の武装組織「自由シリア軍」幹
部によると、クサイルでの戦闘後、北部の主要都市アレッポにもヒ
ズボラの戦闘員が多数向かっているという。
 シリア内戦は、民主化や政治改革を求めるデモをアサド政権が武
力弾圧したことを契機に始まった。反体制派にはスンニ派(国民の
約7割)が多く、アサド政権は大統領と同じアラウィ派(1割強)
が支持基盤で、当初は宗派対立は主要な争点ではなかった。
 ところが外国の介入によって、以前はなかったシーア派とスンニ
派の対立という側面が浮上。シーア派国家のイランやヒズボラがア
サド政権を支援する一方、スンニ派が多いサウジアラビアやカター
ル、トルコは軍事、財政面で反体制派を支えている。アラブ各国や
欧州から若者らが戦闘に加わっている。
 さらにシリアの周辺国でも両派の緊張は高まっている。レバノン
では今月9日、イラン大使館前でシリアへの介入に抗議していたデ
モ隊と、ヒズボラのメンバーが衝突し、デモ隊の1人が死亡した。
イラクでもシーア派主導の政府に対するスンニ派の不満が高まり、
4月以降に衝突が激化。5月だけで1000人以上が死亡した。
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シリア反体制派への武器、英は慎重…米は拡大
 【ロンドン=林路郎】キャメロン英首相は14日、英BBC放送
に出演し、オバマ米政権がシリア反体制派向け軍事支援を拡大する
方針を示したことに関連し、「英国としては(武器供与について)
何の決定もしていない」と慎重姿勢を示した。17日に北アイルラ
ンドで始まる主要8か国首脳会議(G8サミット)の議長として、
シリア反体制派への支援拡大に反発するロシアに配慮したとみられ
る。
 ロイター通信によると、プーチン大統領は米国からアサド政権が
化学兵器を使用した証拠の開示を受けたものの、「説得力がない」
としているという。
(2013年6月15日12時39分  読売新聞)
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「飛行禁止空域は困難」=シリア内戦対応で−米副補佐官
 【ワシントン時事】ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)は
14日の記者会見で、シリア反体制派の支援で同国領内に飛行禁止
空域を設定する案について「著しく困難で、危険や代償を伴う」と
の見方を示した。シリアが強力な防空システムを構築していること
などを理由に挙げた。
 ローズ氏は「(飛行禁止空域を設定した)リビアでは反体制派が
多くの地域を制圧していたが、シリアは各都市の区域レベルで戦闘
が続いている」とも指摘。飛行禁止空域は戦闘を止める「特効薬」
ではないと強調した。(2013/06/15-10:27)
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シリア情勢でロ大統領と会談へ=情報収集活動、各国に説明も−米大統領
 【ワシントン時事】ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)は
14日、記者会見し、英国で来週開かれる主要国首脳会議(サミッ
ト)に合わせ、オバマ大統領がロシアのプーチン大統領と会談する
と発表した。会談は17日の予定で、シリア情勢が主要議題になる
とみられる。
 プーチン氏の大統領復帰後、両首脳による会談は2012年6月
以来2回目。オバマ大統領は、シリアのアサド大統領を支援してい
るプーチン大統領に、アサド退陣に向け協調するよう方針転換を求
める方針だ。
 ローズ副補佐官は、アサド政権が外部の支援を得て延命している
ことで、化学兵器使用という事態に至ったと指摘。「権力放棄に向
けた交渉の席に着くようわれわれと共にアサド大統領に圧力をかけ
ることが、ロシアの利益になる」と強調した。(2013/06/15-06:14)
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Egypt cuts diplomatic ties with Syria
President Mohamed Morsi announces closure of embassies 
in Damascus and Cairo, and calls for imposition of no-fly zone.
Last Modified: 15 Jun 2013 20:45   Al Jazeera English
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米、シリア反体制派に軍事支援―政府軍は化学兵器使用
By ADAM ENTOUS AND JULIAN E. BARNES
2013年 6月 14日 11:52 JST  WSJ
 【ワシントン】米当局者は13日、オバマ大統領がシリアの反体制
派に武器を提供することを認めたことを明らかにした。ホワイトハ
ウスはこれに先立ち、シリア政府が内戦で化学兵器を使用したこと
を確認したとしている。
 中央情報局(CIA)による反体制派への武器供与を秘密裏に決定し
たことは、武器以外の支援に限ってきた米国の長期にわたる方針の
転換となる。ホワイトハウスは、オバマ大統領は反体制派への「軍
事支援」を「範囲、規模」ともに拡大することを決めたとしている
だけで、秘密命令についてはコメントを拒否した。
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、反体制派は、
シリア北部の都市アレッポの同派拠点に近づいている政府軍とレバ
ノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラを撃退するために武器
の供与を求めていると報じていた。反体制派の指揮命令系統を担う
最高軍事評議会(SMC)は米当局者らに対して武器供与を訴えていた。
 米当局者はWSJに対して、米軍の反体制派への軍事支援提案にはシ
リア上空を含む限定的飛行禁止空域の案も入っていることを明らか
にした。軍は、ヨルダンに入ったシリア難民やここで訓練を受ける
反体制派を守るため、ヨルダン領空を含めて同空域を設定すること
を考えている。
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米、反体制派に武器支援へ=シリア政権の化学兵器使用認定
−100〜150人死亡
 【ワシントン時事】ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)は
13日、電話で記者会見し、シリアのアサド政権が反体制派に対し
て神経ガス・サリンを含む化学兵器を使用したと結論付けたことを
明らかにした。100〜150人が死亡したと推定される。米メデ
ィアによれば、オバマ大統領はこれを受け、反体制派への武器供与
を含む支援の拡大を決めた。
 アサド政権が「レッドライン」(越えてはならない一線)を越え
たことを明確にし、17日からの主要国首脳会議(サミット)など
の場で国際社会の一層の対応を強く迫る狙いがある。
 アサド政権による化学兵器の使用は、政権高官が使用を計画して
いたことや時間、場所、攻撃手段、被害者の状況などに関する情報
を基に結論付けた。過去1年間に北部のアレッポ内外で使用された
とみられている。
 ローズ補佐官は、オバマ大統領が反体制派に対する軍事を含む直
接支援の拡充を決めたと明言。ただし具体的な内容については言及
を避けたほか、飛行禁止空域の設定など軍事作戦は「決定していな
い」と述べた。米メディアによれば、小火器や弾薬などが供与され
る見通しだ。(2013/06/14-12:34)
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Why the Pentagon really, really doesn't want to get involved in Syria
Posted By Gordon Lubold   Friday, June 14, 2013 - 2:51 PM  FP
Top Pentagon brass have been ambivalent in the extreme 
about getting involved in the Syrian crisis since it began 
more than two years ago. And now, even as the Obama administration signals 
its intention to provide direct military aid to opponents 
of the Syrian regime, there remains deep skepticism 
across the military that it will work.
With some notable exceptions, top brass believe arming Syrian rebels
, creating a no-fly zone and intervening in other ways militarily
, amounts to a risky approach with enormous costs 
that won't likely give the Syrian opposition the lift it needs. 
The announcement Thursday from the White House 
that its intelligence now confirms that the Assad regime has used 
chemical weapons signaled the Obama administration's apparent plan 
to lean forward militarily in Syria. 
But it does not appear to be the result of any change of thinking 
in the military.
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シリア内戦死者、9万3千人に…未成年6千人超
 【ジュネーブ=石黒穣】国連のピレイ人権高等弁務官は13日、
シリア内戦による死者が今年4月末までに少なくとも9万3000
人に達したと発表した。
 国連が、反体制デモが始まった2011年3月以後に確認された
死者9万2901人の名簿を作成した。死亡の日時や場所が不明確
なため名簿に載せなかったケースも多く、実際にはこの数を上回る
という。
 内訳は、男性が82・6%、女性が7・6%で、性別が不明な人
もいる。未成年者は6561人に上った。地域別ではダマスカス郊
外(1万7800人)、中部ホムス(1万6400人)、北部アレ
ッポ(1万1900人)、北部イドリブ(1万300人)などが多
い。
(2013年6月13日23時14分  読売新聞)
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シリア内戦打開、オバマ米大統領の誤算(真相深層) 
2013/6/12付日本経済新聞 朝刊
 内戦が長引くシリアの事態打開に向け、オバマ米大統領が描いた
シナリオが崩れつつある。ロシアなど関係国を引き込んで6月に国
際会議を開く計画が頓挫。7月以降も開催のめどは立っていない。
米政府の内部の議論をたどると、オバマ大統領の誤算の連鎖が浮か
び上がる。
■「もう開けない」
 米国とロシア、国連がシリア問題を巡る国際会議の6月中の開催
を断念したのは今月5日。米国務省のサキ報道官は「関係国は7月
開催を目標に…
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シリアで暴力の悪循環続く─政府軍の攻撃拡大で
By SAM DAGHER
2013年 6月 11日 21:37 JST  WSJ
 【ホムス(シリア)】シリアのアサド政権に忠実な政府軍が、ホ
ムスにいる反政府勢力の拠点の中心部に食い込んでいる。このため
、反政府勢力はかつて自らが非難していた残虐な戦術に駆り立てら
れており、同国を取り返しのつかない宗派間闘争に追い詰めている。
 ホムスから10マイルほど離れた戦略上重要な都市であるクサイル
で勝利したばかりのシリア政府と同政府に加勢するヒズボラ勢力は
10日、反政府勢力が支配するこの地域を攻撃した。ここは宗派と政
府支持者によって既に分断されている地方の中心都市だ。
 政権支持の武装勢力は、反政府勢力が革命の首都と呼ぶこの地域
一帯でスンニ派を家から追い出している。一方、反政府勢力は政権
支持の民間人の居住地域に向けて頻繁にロケットを発射していて、
一般市民を人間の盾として利用している。双方がこう説明した。
 米国が反政府軍に武器供与をするかどうかの議論が今週、息を吹
き返すなか、一部の主要高官はアサド大統領が現在、この戦いを生
き残り、権力に固執するもようだとの見方を強めている。協議に詳
しい複数の関係者が明らかにした。しかし、シリアの各勢力が残忍
さを増していることから、シリア内戦の3年目に入り、和平交渉や反
政府勢力の形勢を変える措置への期待は劇的に弱まっている。
 アサド大統領に反対するホムスを本拠とする地域のリーダーは、
反政府勢力支持のスンニ派とアサド大統領のシーア派と結びついた
アラウィー派の「和解のチャンスは銃や暴力によって消滅した」と
失望感をあらわにした。
 アサド大統領の支持勢力とヒズボラの武装勢力は先週、イランが
支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラの援助を受けて、反政府
勢力の拠点を占領した後、北部の都市アレッポに戦闘を拡大した。
アレッポでは反政府勢力が1年以上にわたり地盤を維持してきた。シ
リアの治安当局の上級幹部は差し迫った大がかりな攻撃について公
言している。
 アサド大統領の支持勢力とヒズボラのメンバーは、クサイルの町
を追われた反政府勢力やその家族らが、周辺の農地や村で保護を求
める際にいかに追撃され、捕まっているか自慢げに語った。
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イスラエル:アサド大統領は反体制派に勝利する
10.06.2013, 20:16VOR
   シリアのアサド大統領は、同国で2年以上続いている内戦で、恐
らく反体制派に勝利するだろう。イスラエルの戦略問題担当相兼諜
報相兼国際関係相のシュタイニッツ氏が10日、記者団に伝えた。
   シュタイニッツ氏は、アサド大統領はイランと「ヒズボラ」の援
助により、反体制派より優位に立つことができるだろうと指摘した
ほか、アサド大統領とシリア政府は助かるだけでなく、失った領土
を取り戻すことができるとの考えを表した。
   一方でイスラエル政府は、シュタイニッツ氏とは別の見解を持っ
ている。イスラエルの外交官やイスラエル首相府のレゲフ報道官は
、シュタイニッツ氏の発言について、個人的な発言だと指摘した。
   インターファクス
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ゴラン高原検問所を一時支配=政府軍の奪還許す−シリア反体制派
 【カイロ時事】シリアでアサド政権打倒を目指す反体制派は6日
、ゴラン高原の対イスラエル非武装地帯との境界にあるクネイトラ
検問所を支配下に置いた。しかし、現地からの報道によると、シリ
ア政府軍が同日中に検問所を奪還した。
 検問所は、イスラエルとシリアの停戦合意に基づく非武装地帯と
シリアの間にあり、イスラエルと陸路で結ばれる唯一の経路上に位
置する。
 検問所一帯では反体制派とシリア軍が激しい交戦を展開。シリア
側から飛来した砲弾2発が、非武装地帯に展開中の国連兵力引き離
し監視軍(UNDOF)のキャンプに着弾した。(2013/06/06-21:53)
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シリア向け兵器積載か、地中海にロシア艦船3隻 米国防総省
2013.06.06 Thu posted at 16:32 JST
(CNN) 米国防総省当局者は5日、シリア内戦に関連しアサド政
権向けとみられる兵器を積んだ可能性があるロシア軍艦船3隻を地
中海東部で確認したことを明らかにした。米情報機関の情報として
いる。
国防総省当局者によると、水陸両用船の3隻はロシアを数日前に出
港。これ以降、米衛星が動向を追跡してきた。船上にコンテナとみ
られるものを発見したという。
ロシアがシリアに供与を約束したとされる地対空ミサイルS300
の部品や他の兵器を積載している可能性もある。シリア政府が増強
を望んでいるとされる軍事用ヘリコプターを積んでいる形跡はない
という。
米政府はここ数週間、ロシアに対しシリアの対空防衛力を強化する
同ミサイルの供与を見合わせるよう要求してきた。引き渡した場合
、将来的にシリアの地上の標的破壊に出動する可能性がある米国や
イスラエル、北大西洋条約機構(NATO)などの航空機に脅威と
なりかねないとの懸念が背景にある。
ロシアはこれまで地中海東部で定期的に海軍戦力を誇示してきた。
シリアのタルトス港にはロシア海軍の燃料補給拠点もある。
シリア内戦では、反体制派に肩入れする欧米諸国で最近、武器支援
論議が高まっている。アサド政権寄りのロシアは反体制派への武器
供与に反発する一方、S300などの兵器供与は内戦激化前の契約
事項として実行する構えを見せている。
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国際会議、6月開催を断念=シリア戦闘停止の難航露呈−米ロ国連
 【ジュネーブ時事】シリア内戦の事態打開を目指す米国とロシア
、国連の代表は5日、ジュネーブの国連欧州本部で会談したが、シ
リアのアサド政権、反体制派が直接対話する当地での国際会議につ
いて、6月中の開催を断念した。戦闘停止に向けた国際社会による
調整の難航ぶりが浮き彫りになった形だ。
 会談は国際会議開催に向けた準備が目的だった。シャーマン米国
務次官(政治担当)、ロシアのボグダノフ外務次官(中東担当)、
ブラヒミ国連・アラブ連盟共同特別代表らが参加した。
 ブラヒミ氏は会談後、記者団に対し「国際会議の6月開催は困難
との結論で一致した」と発表した。アサド政権、反体制派とも「参
加準備が整っていない」として、25日に改めて3者が会談し調整
すると説明した。「7月中の実現を期待している」と語り、会議実
現に向けて作業を続けることを約束した。(2013/06/06-01:00)
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レバノン国境の要衝奪還 アサド政権、戦況有利に
2013.6.5 18:01
 シリア国営メディアによると、内戦が続く同国でアサド政権の部
隊は5日、反体制派が支配してきたレバノン国境近くの要衝クサイ
ルを制圧、奪還した。反体制派は重要な補給路を失い、首都ダマス
カス攻略は当面困難になりそうだ。アサド政権にとり戦況は有利に
なった。
 米国やロシアが開催を目指しているシリア和平のための国際会議
を前に、政権側は有利な立場を確保した。劣勢の反体制派は会議出
席を留保しており、会議実現に向けた調整が一層難航する可能性が
ある。(共同)
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シリア政府の兵器工場などに北朝鮮将校 人権監視団が十数人目撃
2013.6.5 13:46 [政変・反政府デモ]
 英国を拠点とするシリア人権監視団は5日までに、内戦中のシリ
ア北部アレッポで北朝鮮の朝鮮人民軍将校十数人が目撃されたと明
らかにした。アレッポ南方にあるシリア政府の兵器工場など主要施
設に配置されていると指摘している。
 北朝鮮とシリアの軍事協力をめぐっては、北朝鮮がシリアの軍事
関連施設に技術者を派遣するなどの協力関係にあることを米国に認
めたことが、2008年に明らかになっている。
 監視団のアブドルラフマン代表がアラブ紙アッシャルク・アルア
ウサトとのインタビューで話したと、韓国紙朝鮮日報が伝えた。
 アブドルラフマン代表によると、アレッポの戦場で、アラビア語
を話す北朝鮮の将校11〜15人がシリア政府軍と一緒にいるのを
見たとの報告があったという。(共同)
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サリン使用確認と仏外相 シリア、サンプル調査で
 【パリ共同】フランスのファビウス外相は4日、内戦状態が続く
シリアで、化学兵器サリンが使われたことをサンプル調査で確認し
、国連に調査結果を提出したことを明らかにした。ロイター通信が
報じた。
 ファビウス氏は「複数のサンプルがサリンの存在を示している」
としている。
 シリアのアサド政権、反体制派のどちらが使用したかなど詳細は
明らかにしなかった。
2013/06/05 05:08   【共同通信】
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タリバン代表がイラン訪問=和平交渉主導が狙いか−アフガン
 【ニューデリー時事】アフガニスタンの反政府勢力タリバンの報
道官は3日、代表団が隣国イランを訪問し、イラン政府高官らとア
フガン情勢について協議したと明らかにした。
 イスラム教スンニ派のタリバンはシーア派の大国イランと対立す
る一方、アフガンのカルザイ政権との対話を拒否してきた。今回、
イランとの関係改善を演出することで、カルザイ政権に圧力をかけ
、和平交渉で主導権を握ろうとする狙いがあるとみられる。
(2013/06/03-22:18)
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アサド政権「優位に」=シリア情勢でマケイン氏
 【ワシントン時事】米共和党のマケイン上院議員は2日放映の
CBSテレビの番組で、内戦が続くシリア情勢について、5月下旬
に現地入りし、反体制派と協議した結果を踏まえた分析として「不
幸なことにアサド政権が優位に立っている」との見方を示した。
(2013/06/03-08:19)
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シリア反政府勢力 国境越えヒズボラと戦闘
6月3日 4時34分NHK
内戦が続くシリアに、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズ
ボラが戦闘員を送り込んでアサド政権を支援しているのに対し、反
政府勢力側は、国境を越えてレバノン領内のヒズボラに攻撃を仕掛
け、戦闘はレバノンに拡大する様相を見せています。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、アサド政権を支援
するためシリアに戦闘員を送り込んでおり、それを受けてシリア政
府軍はレバノンとの国境に近い町クサイルや首都ダマスカスの郊外
などで攻勢を強めています。
これに対し、シリアの反政府勢力側は、北部のアレッポなどから多
くの民兵をレバノンとの国境近くに集め、2日、NHKの電話取材
に対し、国境を越えてレバノン側に入りヒズボラと激しい戦闘を交
わしていることを明らかにしました。
現地からの報道によりますと、レバノン東部の町バールベックでは
、反政府勢力とヒズボラによる戦闘で死傷者が出ているということ
です。
シリア情勢を巡っては、アメリカとロシアが事態を打開するために
国際会議の開催を目指していますが、反政府勢力側は停戦が実現す
ることを参加の条件としています。停戦が実現しないうえ、戦闘が
隣国のレバノンにも広がる様相を見せ始めたことで、米ロによる国
際会議の開催がさらに難しくなることが懸念されます。
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5月の犠牲者、1000人超=宗派抗争さらに激化−イラク
 【カイロ時事】国連イラク支援派遣団(UNAMI)は1日、イ
ラク国内で5月に発生したテロなどの暴力行為により、1045人
が死亡したと発表した。2008年6月以降最悪だった今年4月の
712人を大きく上回り、宗派抗争が一層激化していることが浮き
彫りになった。
 イラクでは、マリキ政権の支持基盤であるイスラム教シーア派と
、政権に批判的なスンニ派がそれぞれのモスク(イスラム礼拝所)
などを標的とした無差別攻撃の応酬を繰り広げている。
 一部情報によれば、隣国シリアの内戦で、レバノンのシーア派武
装組織ヒズボラがアサド政権を支援するため戦闘員を派遣したこと
に共鳴し、イラクのシーア派も義勇兵としてシリアに渡る動きが出
ているという。(2013/06/01-21:44)
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アフガン撤収へ来年首脳会議=米大統領、NATO事務総長と会談
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は31日、ホワイトハウスで
北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長と会談した。
大統領は会談後、2014年末までのアフガニスタン撤収に関する
NATO首脳会議の同年中の開催が検討されていることを明らかに
した。ロイター通信が報じた。(2013/06/01-04:46)
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イラン支援のテロ増大=アルカイダは弱体化−米報告書
 【ワシントン時事】米国務省は30日、国際的なテロリズムの動
向に関する2012年版報告書を公表した。報告書は東南アジアや
欧州、アフリカでイランが支援するテロやイスラム教シーア派武装
組織ヒズボラによるテロ活動が1990年代以来、著しく増加して
いると指摘した。
 また、国際テロ組織アルカイダについて、「指導者を失った結果
、攻撃能力は弱体化している」と分析。一方で、アルカイダ系組織
が独自の活動に乗り出し、誘拐などで資金調達をしているとの見方
を示した。アルカイダ系組織は北アフリカ・中東地域に分散してい
る。(2013/05/31-08:16)
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地対空ミサイル「既に入手」=ロシアに謝意−シリア大統領
 【カイロ時事】シリアのアサド大統領は、ロシアの地対空ミサイ
ル「S300」供与について、「既に第1便を受け取り、残りも間
もなく到着する」と述べた。30日付のレバノン紙アルアフバルな
どが、同日テレビで放送予定のインタビューでの発言として伝えた。
 この中で、アサド大統領はロシアの「変わらぬ支援」に謝意を表
明。「ロシアはシリア政府を守ることが、ロシア政府やその利権を
守ることになると考えている」と述べ、両国が戦略的な協調関係に
あることを強調した。(2013/05/30-18:23)
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ヒズボラ戦闘員、最大4千人参加 仏外相が推計
2013.5.30 11:27sankei
 【ベルリン=宮下日出男】フランスのファビウス外相は29日、
シリアの内戦で、アサド政権の支援のために介入している隣国レバ
ノンのシーア派組織、ヒズボラの戦闘員が最大4千人に上るとする
仏政府の見解を明らかにした。仏国民議会(下院)で語った。
 外相はヒズボラ戦闘員の介入について3千〜1万人とも見積もら
れていることを指摘した上、「われわれの見立てでは3千〜4千人
だ」と述べた。内戦が激化しているレバノン国境付近クサイルでは
、このうち1700人が戦闘に加わっているとの見方も示した。
 シーア派大国イランが支援するヒズボラの軍事力はレバノンの国
軍を上回るとも指摘される一方、最近はシーア派の一派、アラウィ
派が実権を握るアサド政権を支援するためシリア内戦への介入を強
めており、懸念が深まっている。
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EU武器禁輸解除、シリアの武装闘争加速化へ「政治解決」遠ざけ
る可能性
2013.5.29 11:42SANKEI
 【カイロ=大内清】シリア反体制派への武器禁輸解除を決めたEU
外相理事会の決定は、武器供与に期待する反体制派をいっそうの武
装闘争に押しやり、対話や交渉から遠のかせる可能性がある。
 「待ちに待った瞬間だ」。反体制派代表組織「シリア国民連合」
の報道官は28日、EUの決定を歓迎する声明を出した。
 反体制派は昨年以降、シリア北部のトルコ国境地帯を中心に支配
地域を固めている。しかし最近は、政権側と同盟関係にあるレバノ
ンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが内戦に本格関与したことで
、西部の要衝クサイルなどで苦戦を強いられている。実際に英仏な
どからの武器供与が行われれば、「戦況を一変させることができる
」(国民連合幹部)との期待は大きい。
 その一方で国際社会では、交渉による政治解決を模索する動きが
加速している。米国とロシア主導で来月にも開かれる国際会議には
、アサド政権側が一応は参加の意向を表明した。
 ただ、会議を実効性のあるものとするには、反体制派の参加が不
可欠だ。にもかかわらず、多くの組織が乱立する反体制派は、「ア
サド退陣前に交渉はしない」との従来の立場もあり、会議参加の可
否さえ決められない状況にある。
 そんな中で行われた今回の武器禁輸解除の決定は、もともと政治
解決路線に消極的な反体制派内に、武闘路線を推し進めることで武
器支援を引き出せるとの観測を生んでいる。国民連合幹部のアフマ
ド・ラマダン氏は「近い将来、欧州の一部から武器支援が始まる」
と楽観的に語った。
 シリア国内の反体制派には、国際テロ組織アルカーイダ系の過激
派勢力の台頭も確認されており、国際社会の警戒感は強い。政治解
決路線が再び頓挫した場合、反体制派が米欧などへの軍事支援要求
を強めるのは必至とみられるが、過激派か否かを見極めての支援は
難しいのが現実だ。
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シリア:「アサド政権側として参戦」 ヒズボラ認める
毎日新聞 2013年05月26日 20時57分(最終更新 05月26日 23時26分)
 【カイロ秋山信一】内戦状態にあるシリアの隣国レバノンで26
日朝、首都ベイルート近郊のシーア派居住地域に2発のロケット弾
が着弾した。シリア内戦が始まってからベイルート近郊に攻撃があ
ったのは初めてで、戦闘がレバノン全体に波及する恐れが出てきた
。これに先立ち25日、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒ
ズボラの指導者ナスララ師はテレビ演説でシリア内戦にアサド政権
側として参戦していることを初めて明確に認め、「最後まで戦い抜
く」と強調。シリア反体制派はヒズボラに対する報復を示唆してい
た。
 ナスララ師は25日の演説で、シリアとレバノンがイスラム教ス
ンニ派の過激派集団の脅威にさらされており、米欧諸国が過激派を
操っていると主張。アサド政権と共闘していることを認め、「我々
が勝利をもたらす。犠牲はいとわない」と述べた。
 ヒズボラは今年4月、アサド政権側と反体制派の激しい戦闘が続
くシリア中部クサイル周辺に3000人規模の部隊を進駐させてい
た。ナスララ師はこれまで「シリアに住むヒズボラメンバーを守る
ためなら戦う」と説明するにとどまっていたが、今回の演説では参
戦を明確に認めた。
 一方、シリアの反体制派はヒズボラへの反発を強めている。26
日には、ヒズボラの影響力が強いベイルート南部のシーア派居住地
域で、アパートや商店に2発のロケット弾が着弾し、ロイター通信
によると5人が負傷した。26日の攻撃にシリア反体制派が関与し
たかは不明だが、北部アレッポを拠点とする反体制派の有力司令官
は22日、インターネットの動画投稿サイトで、レバノン南部のヒ
ズボラ支配地域に報復攻撃すると予告していた。
 またヒズボラが参戦を認めたことで、レバノン国内でもスンニ派
勢力などから反発が強まることが懸念される。昨年以降、北部トリ
ポリや南部サイダなどでは、シーア派とスンニ派の住民間の銃撃戦
が散発。またヒズボラに対する「聖戦」を呼びかけ、シリア反体制
派に戦闘員を送り込んでいるスンニ派指導者もいる。首都ベイルー
トまで戦闘が波及したことで緊張が高まるのは必至で、レバノンの
国内勢力同士による戦闘が起きる可能性もある。
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「決断の時」と米国務長官 イスラエルとパレスチナに
2013.5.25 00:07 [米国]
 イスラエルとパレスチナ自治区を訪問したケリー米国務長官は24
日、報道陣に「(イスラエルとパレスチナの)指導者たちが厳しい
決断をする必要がある時に近づいている」と述べ、停滞している和
平交渉の再開へ向け、双方に譲歩を求めた。ロイター通信が報じた。
 ケリー氏は、イスラエル、パレスチナ双方が直接交渉へ前進する
ことに集中すべきだと指摘、「挑発的な言動の自制」を呼び掛けた。
 ケリー氏は23日、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自
治政府のアッバス議長とそれぞれ会談。自治政府高官によると、パ
レスチナ側は再開へ向けて「ユダヤ人の入植活動凍結やイスラエル
側が拘束するパレスチナ人の釈放」などを要求。イスラエル側は「
前提条件なしでの交渉再開」を主張したという。(共同)
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宗派対立再燃、悪化の一途=シリア内戦も背景に−イラク
 【カイロ時事】中東の長期独裁政権が民主化要求運動で相次いで
倒れた2011年の「アラブの春」以降、比較的政情が安定してい
たイラクで、イスラム教のスンニ派とシーア派の対立が再燃し、情
勢が日々悪化している。隣国シリアの内戦は宗派間抗争の様相を呈
しており、これがイラクにも影を落としているようだ。
 イラクでは4月、テロや襲撃事件が相次ぎ、民間人を中心に700
人以上が死亡した。これほどの犠牲者が出たのは、03年のイラク
戦争後の混乱がピークに達し、毎月1000人以上が命を落として
いた06〜07年以降では初めて。5月に入ってからも、17日だ
けで少なくとも72人の死者が出るなど状況は改善していない。
(2013/05/20-14:24)
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シリア大統領、国際会議に懐疑的 「他国介入は許されない」
2013年5月20日 09時21分
 【カイロ共同】19日の国営シリア・アラブ通信によると、シリ
アのアサド大統領はアルゼンチン紙クラリンなどとのインタビュー
で、米ロが開催で合意したシリア問題の国際会議について「シリア
の改革を決めるのはシリアであり、米国もいかなる国も介入は許さ
れない」と述べ、会議の成果に懐疑的な見方を示した。
 また「国家はテロリストと交渉しない」と述べ、反体制武装勢力
との対話をあらためて拒否した。国際会議にはアサド政権と反体制
派の双方が招かれる見通しだが、いずれも出欠を明らかにしていな
い。
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シリア政府軍、反体制派の拠点クサイルに大攻勢
By SAM DAGHER
2013年 5月 20日 09:45 JST WSJ
 【ダマスカス】レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ
の支援を受けたシリア政府軍は19日、レバノンとの国境近くにある
反体制派の拠点クサイルを奪還するための一大攻勢をかけた。シリ
ア国営メディアや反体制活動家らが伝えた。
 ホムスの南西にある町クサイルを支配すれば、シリア中部や首都
ダマスカス周辺での政府軍の支配が強まり、アサド大統領を一段と
勢いづけることになる。同大統領は先週末、アルゼンチンの新聞と
のインタビューで、自身の進退は来年に予定されている選挙によっ
て決まると述べた。
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パレスチナ:ファタハとハマス 統一政府樹立で合意
毎日新聞 2013年05月15日 23時54分
 【マナマ(バーレーン)大治朋子】AP通信によると、パレスチ
ナ自治政府の主流派組織ファタハと、対立組織でガザ地区を実効支
配するイスラム原理主義組織ハマスは14日、今後3カ月をめどに
統一政府(内閣)を樹立することで合意した。パレスチナ評議会(
国会に相当)の議員でファタハの交渉責任者、アルアハマド氏が14
日、エジプトの仲介によりカイロでハマスの幹部と会談した後、明
らかにした。事実であれば、双方による和解協議が急速に進む可能
性がある。

 AP通信によると、双方は自治政府議会の選挙を実施するための
選挙管理法の制定に向けた日程協議でも合意した。両組織は2011
年5月、1年以内に統一政府を結成することで一致したが、意見の
対立などから、その後の交渉は暗礁に乗り上げていた。
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ヒズボラ:「シリアから最新兵器」 イスラエル攻撃を示唆
毎日新聞 2013年05月10日 22時23分
 【カイロ秋山信一、ローマ福島良典】レバノンのイスラム教シー
ア派武装組織ヒズボラの指導者ナスララ師は9日、テレビ演説し、
隣国シリアのアサド政権がイスラエルの空爆に対抗するため、盟友
関係にあるヒズボラに最新式の兵器を供与するとの見方を示した。
ロイター通信が報じた。ナスララ師は「(イスラエルが占領を続け
るシリアの)ゴラン高原の解放に協力する」と述べ、イスラエルへ
の攻撃を示唆した。

 イスラエルは今月、2度にわたり、シリアの首都ダマスカス近郊
を空爆したとみられている。イスラエル当局者は地元メディアに「
ヒズボラ向けに搬送されるイラン製の兵器を狙った」と説明し、ア
サド政権への攻撃ではないと主張。だがアサド政権は「反体制派と
つながっている証拠だ」と非難、報復を示唆していた。

 ナスララ師は演説で「シリアは対抗手段として、我々が持ってい
なかったような最新兵器を供与するだろう。こうした兵器は、レバ
ノンや(シーア派の)聖地を守るために使う」と述べた。

 ヒズボラはイランとともにアサド政権を支援し、イスラエルとは
長年敵対している。AP通信によると、イスラエル外務省報道官は
ナスララ師の発言に対し、「我々は言葉にではなく、行動に対して
応える」と述べた。

 一方、ケリー米国務長官は9日、訪問先のローマで記者会見し、
ロシアがシリアに地対空ミサイルS300の輸出を検討していると
の米紙報道に関連して「ミサイルはイスラエルを不安定にする可能
性がある」と反対の考えを示した。その上で、シリア安定にとって
の適切な支援策は「ジュネーブでの(国際会議の)交渉の一部とな
るのは明らかだ」と指摘した。
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アサド退陣後「移行政府」樹立へ国際会議 シリア停戦へ米露が一致
2013.5.8 11:51sankei
 【モスクワ=佐々木正明】米国のケリー国務長官は7日、モスク
ワでロシアのラブロフ外相と会談した。米露両外相は会談で、シリ
ア情勢の解決を目指し、同国のアサド政権や反政府勢力に米露をは
じめとした関係国を交えた国際会議を、可能であれば今月末にも開
催する方針で一致した。

 会談後に両外相が共同記者会見で明らかにしたところによると、
国際会議では、停戦に向けて、「アサド退陣」を念頭に置き「移行
政府」を樹立することについて協議するという。会議の場所には言
及しなかった。

 「移行政府」は昨年6月に米露を含む国連安全保障理事会の5常
任理事国や、トルコなどシリア周辺国、国連、アラブ連盟、欧州連
合(EU)などがジュネーブでいったんは合意した。その後、アサ
ド氏退陣を求める米国が反政府勢力を支援し、ロシアと中国は安保
理制裁に反対、合意は棚上げ状態が続いていた。
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イスラエル、シリアを空爆 「イラン製ミサイルが標的」
2013年5月6日0時4分
 【ドバイ=村山祐介】シリアの首都ダマスカス近郊にある科学研
究施設が5日未明、イスラエル軍機の空爆を受けたとシリア国営通
信が同日報じた。イスラエル高官は「(レバノンのイスラム教シー
ア派組織)ヒズボラ向けのイラン製ミサイルが標的だった」とAF
P通信に空爆を認めた。

 メクダド・シリア副外相は米CNNとのインタビューで、イスラ
エルによる「宣戦布告」と非難した。アラブ連盟も、空爆を「アラ
ブ諸国の主権への危険な侵害」と非難。国連安全保障理事会に対し
、イスラエルに攻撃を停止させるよう働きかけることを求めた。

 イスラエル政府は公式には確認していないが、空爆は3日に続き
2度目だった可能性が高い。米国がシリア反体制派への武器供与を
検討し始める中、イスラエルがシリアへの軍事攻撃を続けると、周
辺国を巻き込み、情勢がさらに流動化する懸念がある。



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