4694.習近平とオバマの会談で何か起こるか?



オバマ・習近平の首脳会談が7、8の両日に行われる。この会議で
米中関係はどうなるのかと、日本が影響を受けるかという両方で、
非常に懸念している。この懸念はケリー国務長官の訪中後、中国の
日本対応が大きく変化したことによる。その検討。  津田より

0.経緯
ある人と話していて、ケリー訪中後、中国の対日外交方針が大きく
変化したようであるが、どう思うかと言ったら、証拠を見せて欲し
いというので、この証拠を集めるべく、過去コラムだけではなく、
収集している新聞記事を全文検索で検索すると、いろいろなことが
出てきた。そして、このことで今後の米中関係を考察できると見た。

中国の民間友好団体、中国人民対外友好協会の李小林会長が3月末
に訪日、福田康夫元首相ら首相経験者と会談した。また、中国外務
省の洪磊副報道局長は3月29日の記者会見で、安倍晋三首相が春季例
大祭にあわせた靖国神社参拝を見送る意向を固めたことについて「
日本は歴史を正視することによってのみ、未来を切り開くことがで
きる」と評価していた。日中の苦境を打開する重要なシグナルの交
換ができ、どうなるのかと期待した。3月末までは、日中正常化が進
むと期待できた。

博鰲アジアフォーラムの理事長を務める福田康夫元首相は4月7日、
中国の習近平国家主席と約20分間会談した。習氏は日中関係に直接
触れることはなかったが、アジアの共同発展や、周辺国との摩擦の
対話による平和的解決に触れ、周辺国との関係改善に意欲をにじま
せたという。日本企業とも会談して、日中の経済関係を推進してい
く方針であることをうかがわせた。

しかし、中国外交部の洪磊報道官は4月8日定例記者会見で、米国の
ジョン・ケリー国務長官が4月13日から14日まで中国を訪問する予
定であるとした時点から中国の対日外交の方針は変化する。雰囲気
がわかる。

アジア歴訪中のケリー米国務長官は4月13日、就任後初めて中国を訪
問し、北京で習近平国家主席らと会談した。ケリー国務長官は訪中
時に、中国の言う「新型大国関係」を念頭に置いて、「中国と米国
という2大国が様々な問題を解決するためにどのように効率的に協
力していくべきか、協力関係のモデルとしていかにあるべきなのか
を定義するため、広範囲にわたる協力関係を開始したい」と述べた。

そして、習近平国家主席も「先ごろオバマ大統領との電話会談で中
米の協力関係を強化し、『新型大国関係』の構築を模索することで
合意した。双方が戦略的、長期的な視点から積極的に協力関係を拡
大することを希望する」とケリー長官との会談で、満面の笑みを浮
かべながら語った。この大国間外交とは、米国国務省が、2009年の
COP15以前のG2構想に戻ったとの印象を受けた。

さらに気候変動対策、クリーンエネルギー開発、サイバー攻撃など
の米中間の問題で、合同作業部会を設けて協力することでも合意し
た。いずれもオバマ政権が中国に協力や改善を求めていた問題や課
題だが、胡錦濤前政権の対応は消極的だった問題である。

訪中したケリー米国務長官は、中国関係者から「米国は同盟国であ
る日本に圧力をかけ、日中関係の緊張を緩和すべきだ」と主張され
たという。この一部を認めた感じを受ける。事実、安倍首相はケリ
ーさんと秘密の2者会談を行なって、この部分を批判したはずであ
る。

環球時報(電子版)によると、中国が朝鮮半島問題への関与を通じ
て、一定の対価を得ようとする姿勢は驚くべきことではない。米中
は問題解決の方法が異なる。米国は通常個々の問題に個別に対応す
るが、中国はさまざまな問題を一緒に論じる。各国間の問題で漁夫
の利を得られれば御の字、との考えだ。国際社会での中国の台頭に
伴い、ワシントンは北京の複雑な方法に慣れざるを得ないという。

ケリー国務長官は、中国の巧みな交渉に大きく折れた印象を受ける
が、これに危機感を感じた米国防総省は4月19日、制服組トップのデ
ンプシー統合参謀本部議長が4月21日に韓国と中国も訪れ、その後、
訪日することにした。中国で尖閣諸島での対応で、米国は従来と同
じ立場であると、訪日時に中国に行ったと述べている。これはケリ
ー国務長官が中国で違うことを行った可能性を示唆する。

このため、自民党の高村正彦副総裁は4月8日、首相官邸で安倍晋三
首相と会い、5月の大型連休中に日中友好議員連盟会長として中国
を訪問する意向を伝えた。それまでには中国側の感触が出ていたの
で、安倍首相に意向を伝えたのであるが、4月末までに中国トップ層
との会談が見送りになり、訪中も中止した。これはケリーさんの影
響を受けている。

同様に5月連休に訪中を予定していた経団連も上層部との会談を断
られて、訪中を断念している。経済同友会は5月連休に訪中したは
ずであるが、上層部との会談をしたという記事はないし、5月連休
に訪中した情報も一切ないのである。

その後は、中国はすべての対日会談を中止している。5月下旬の韓
国開催で調整されていた日中韓首脳会談が見送り。5月3日にイン
ドで開かれる予定だった日中韓財務相・中央銀行総裁会議の開催が
見送り。

そして、中国外務省アジア局の熊波副局長は4月24日、「現在の困難
な局面をつくった原因ははっきりしている。両国関係に障害となっ
ている問題を直視すべきだ」と述べ、安倍政権の閣僚による靖国神
社参拝や、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本側の対応を非難した。
3月29日の記者会見とは大きな相違がある。

中国外務省は4月26日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名
・釣魚島)について「釣魚島問題は中国の領土主権の問題であり、
当然中国の核心的利益に属する」と発言したが、上層部から注意が
あり、次の日には曖昧にした。

このケリー国務長官の訪中で、オバマ大統領と習近平国家主席の会
談を予想できる。

1.米中関係を今後
5月30日にドイツ元外相のフィッシャー氏はプロジェクト・シン
ジケート「ミシング・アメリカ」の評論で今後の世界の動向を示し
ている。そして、世界的に話題になっている。

米国がシリアで分かるように、中東での紛争に手を出さない。これ
はアジアでも同じであり、米国が衰えて、米国対応勢力が力を増す
事態である。アジアでは中国であり、中東ではイスラム教勢力であ
る。この流れを止めることができない。
このため、紛争が多発して、周辺国は大変なことになるというのだ。

しかし、米国は中東には手を出さないが、アジアには手を出すとし
た。アジア重視をヘーゲル国防長官はアジア国防相会談でも、言っ
ているが、国防費の削減で現状維持がやっとのようである。

国防費削減で三沢の米部隊でも訓練時間が1/3になっているという。

この状況を見ていると、残念ながらケリー国務長官がアジアのこと
も中国と2国で決めることが重要という枠組みをオバマ大統領も踏
襲することになると見る。

反対に、人民日報は「新自由主義にしろ、民主社会主義にしろ、こ
うした西側(諸国)の理論は中国の国情に合わない」とし、中国独
自の社会主義路線こそが進むべき道だとする論文とした。中国政府
は、多党制など民主主義的制度を拒否する考えを示したことになる。
米国が衰退したと見えることで、中国は独自の立場を明確にしてい
る。

そして、首脳会談が開催されるのが首都ワシントンではなく、カリ
フォルニア州の「サニーランズ」という保養地であることから、儀
礼を廃した実務会談が想定される。中国は、世界の超大国・米国の
大統領と対等な「新型大国関係」の構築を目指すことになる。

ケリー国務長官の訪中以降の米中関係は、中国との「協調」を前面
に出す国務省と、「対抗・脅威」を示す国防総省のコントラストが
あらわに出ている。

オバマ大統領は、国内優先の立場であり、国防費を削減しても社会
保障費を増額したい立場である。このため、海外の紛争には関わら
ないか、口では言うが戦争は同盟国に押し付ける立場である。

中国との紛争でも、日本が対応することであり、米国は領土問題に
は関わらないとしている。軍事的に、現時点では中国軍を日米軍で
圧倒しているので、日本の立場にいるだけである。

このような危うい立場に日本がいることを無視して、ネオコン的な
右翼は、日本を孤立させかねない自国の主張をしている。

それではどうすれば良いのであろうか?

2.日本はどうするか?
日本は早期に集団自衛権を確立して、インド太平洋地域で、第7艦
隊と合同艦隊を組み、中国海軍に対抗できる艦隊を維持することで
ある。勿論、米国の空母が削減されるので、日本が空母を建造か米
国から空母を貰い受けて運用して、インド太平洋で6隻体制を維持
することだ。

憲法を改正する時間はないので、現行憲法で集団自衛権を求めるべ
きである。長島民主党衆議院議員が言うように、外国で自国民を守
ること、自国を共同で守っていただいている他国軍へのミサイルは
打ち落とせる権利は、自衛権の中にあるはずであり、現時点の法制
局の見解を変えるだけである。

中国の軍備拡張に対応した日米同盟、日本の憲法解釈をするべきで
ある。このような体制を取り、ヘーゲル国防長官を助けて、オバマ
大統領に中国に対応して、日本と進むことを強くアピールするべき
である。

さあ、どうなりますか?
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習近平氏、中米・カリブ訪問へ出発 その足で訪米へ
2013年5月31日21時11分
 【北京=林望】中国の習近平(シーチンピン)国家主席は31日
、中米・カリブ海のトリニダード・トバゴ、コスタリカ、メキシコ
の3カ国公式訪問に出発した。発展途上国や新興市場との関係を強
め、国際的な影響力を高める外交戦略の一環。歴訪終了後は米カリ
フォルニア州に赴き、オバマ米大統領と初の米中首脳会談に臨む。
 習主席の外遊は3月のロシア、アフリカ歴訪に続くもので、6月
6日まで3カ国の国家指導者らと会談する。大型投資や教育、医療
分野などでのプロジェクト契約を通じ、経済・社会面の交流拡大に
合意する見通し。伝統的に台湾と外交関係を結ぶ国の多かった中米
・カリブ海地域でも高まる中国の影響力を、一層強固なものにする
狙いがある。
 習主席は3カ国歴訪後の7、8の両日、米カリフォルニア州の保
養地で、国家指導者としてオバマ大統領との初会談に臨む。国営新
華社通信によると、今回の外遊には夫人の彭麗媛氏も同行している。
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「民主主義は国情合わず」 中国共産党機関紙が論文
 【北京共同】31日付の中国共産党機関紙、人民日報は「新自由
主義にしろ、民主社会主義にしろ、こうした西側(諸国)の理論は
中国の国情に合わない」とし、中国独自の社会主義路線こそが進む
べき道だとする論文を掲載した。中国政府は、多党制など民主主義
的制度を拒否する考えを示しているが、民主主義自体を排除する見
解の表明は珍しい。
 政府系シンクタンク、中国社会科学院の学者が執筆したこの論文
では、共産党が打ち出している路線、理論、制度に自信を持つよう
繰り返し強調。インターネットの普及などにより価値観が多様化す
る中、一党独裁の否定につながる思想が広がることへの危機感が背
景にありそうだ。
2013/05/31 19:30   【共同通信】
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米中首脳会談で習近平がゴリ押しすること臆面なく主張する中国の
「正当な権利」
2013.05.31(金) 阿部 純一  JBPRESS
日中関係が行き詰まりを打開できない中、米国と中国は着実に対話
を重ねている。北朝鮮の挑発という、米中が共同で対処すべき課題
が両者を結び付けているが、米中には共通する利害も相反する利害
も共に存在する。
 オバマ政権の外交・安保面でのアジア回帰(リバランス)、中国
排除の自由貿易枠組みとしてのTPPの推進などが中国にとっての懸念
事項であることは間違いないにせよ、だからといって米国が中国と
の抗争を求めているわけではない。台頭する中国との協調は東アジ
ア国際環境の安定に不可欠だからである。
 中国も2012年2月に訪米した習近平副主席(当時)のスピーチで、
「中米両国は共同利益と互恵協力を拡大し、両国の協力関係を21世
紀の新型大国関係に作り上げる」と発言して以来、米中の「新型大
国関係」を外交戦略のキーワードとしてきた。
カリフォルニアの保養地で米中首脳会談を開催
 4月13日のケリー国務長官の訪中を皮切りに米中の対話が進む中で
、6月7〜8日に習近平主席の訪米と米中首脳会談が開催されることが
5月21日に報じられた。首脳会談が開催されるのが首都ワシントンで
はなく、カリフォルニア州の「サニーランズ」という保養地である
ことから、儀礼を廃した実務会談が想定される。オバマ大統領にと
って、中国のニューリーダーを品定めする場となる。
 すでに触れたように、習近平主席は2012年2月にも訪米しているが
、当時は国家副主席の肩書きで、バイデン副大統領の招待によるも
のだった。秋の党大会で党総書記就任を控えていた時期でもあり、
この時の訪米は「安全運転」に徹していた。今回、オバマ大統領と
の首脳会談に臨む習近平主席は、中国の国家・党・軍のトップとし
て、世界の超大国・米国の大統領と対等な「新型大国関係」の構築
を目指すことになる。
 6月の米中首脳会談でどのような成果が予想できるのだろうか。日
本の頭越しに中国が主張する「第2次大戦後の国際秩序の尊重」で米
中が合意し、尖閣諸島問題で中国を利するようなことは起こり得る
のだろうか。
 ケリー国務長官の訪中以降の米中関係は、中国との「協調」を前
面に出す国務省と、「対抗・脅威」を示す国防総省のコントラスト
があらわに出た。
 例えば、ケリー国務長官は訪中時に、中国の言う「新型大国関係
」を念頭に置いて、「中国と米国という2大国が様々な問題を解決す
るためにどのように効率的に協力していくべきか、協力関係のモデ
ルとしていかにあるべきなのかを定義するため、広範囲にわたる協
力関係を開始したい」と述べていた。


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中国・友好協会会長が近く訪日 福田元首相と会談調整
 【北京共同】中国の民間友好団体、中国人民対外友好協会の李小
林会長が今月末に日本を訪問、福田康夫元首相ら首相経験者と会談
する方向で最終調整していることが27日分かった。複数の日中関
係筋が明らかにした。
 故李先念元国家主席の娘である李氏は、習近平国家主席と幼なじ
みで、同じ太子党(高級幹部の子弟)勢力の主要人物の一人とされ
ている。
 表向きは「文化行事への参加」(日中関係筋)との説明だが、沖
縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり対立する日本との関係
改善の糸口を探るため習氏自身の考えを日本側に伝える「密使」(
北京の外交筋)の役割を担っているとの見方もある。
2013/03/28 02:00   【共同通信】
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「密使」訪日、知日派外相就任で日中関係改善の兆し=長期的には
楽観視できず―独メディア
Record China 4月1日(月)12時41分配信
2013年3月29日、独ラジオ局「ボイス・オブ・ドイツ」は、日中関係
に改善の可能性があるとする記事を発表。様々な兆候から、近いう
ちに日中間の「氷が割れる」かもしれないと報じた。31日付で参考
消息(電子版)が伝えた。

日中の苦境を打開する重要なシグナルは、中国の「密使」による訪
日だ。日本のメディアは、中国人民対外友好協会の李小林(リー・
シャオリン)会長が3月末から訪日し、福田康夫元首相らと会談する
と報じている。また、「知日派」とされる王毅(ワン・イー)氏の
外相就任も、日中間系の改善を後押しするものであると言われてい
る。

安倍晋三首相も善意を見せている。3月28日の衆院予算委員会で、「
意思疎通が地域の平和と安定に役立つ」と述べた。また、靖国神社
の春季例大祭での参拝を見送ることも、中国側への積極的なシグナ
ルであるとされる。

安倍政権は2つの難題に直面している。1つ目は日本経済の再生、も
う1つは、民主党の残した外交問題の修復で、その両方が中国と密接
に関係している。経済成長には新興市場である中国が欠かせない。
日本では、経済衰退の主な原因の一つが、日中関係悪化による日本
経済へのダメージであるとみられている。安倍内閣が日本経済を苦
境から救うには、日中関係の改善がきわめて重要だ。

だが、日中関係が短期的には谷底を脱したとしても、長期的には楽
観視することは難しい。アジアでは中国が主導する朝貢体制が続い
てきたが、近代以降、日本は脱亜入欧と富国強兵の実現で覇権を唱
え、アジアに災厄をもたらした。現在、日中二強の並立に、双方が
適応しかねており、この情勢がしばらくの間続く可能性が高い。

また、日本の基本戦略は日米同盟であり、米国はアジア回帰戦略を
取っている。日本が終始米国の世界戦略における駒の一つである限
り、日中関係は根本的な好転を迎えることはないだろう。

3つ目は、経済不振にともなうナショナリズム台頭によって日本全体
が右傾化しつつあることだ。安倍首相は一貫して憲法第九条改正に
よる集団的自衛権の行使を主張している。昨年12月に行われた調査
によると、新たに当選した454名の衆院議員のうち、75.6%にあた
る343人が改正に賛成しており、憲法改正に必要な条件を満たしてい
る。

4つ目に、日中間の不信が増大していることが挙げられる。日本はか
つてアジアに深刻な災難をもたらしたが、平和憲法の鍵となる条項
を取り除くことが、人々の懸念を呼んでいる。また、台頭する中国
の動向にも懸念が集まっている。このような不安を取り除くには、
中国国内では、誰もが豊かになれる市民社会を築き、両国の間で政
府高官、企業家、文化人、とりわけ青年たちによる交流を続けてい
く必要がある。(翻訳・編集/岡本悠馬)
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中国、首相の靖国参拝見送り評価 関係改善模索か 
2013/3/29 19:02nikkei
 【北京=島田学】中国外務省の洪磊副報道局長は29日の記者会見
で、安倍晋三首相が春季例大祭にあわせた靖国神社参拝を見送る意
向を固めたことについて「日本は歴史を正視することによってのみ
、未来を切り開くことができる」と評価した。靖国神社問題には「
日本が侵略の歴史を正視し、被害を受けた中国人民の感情を尊重で
きるかどうかだ」と指摘した。

 一方、中国共産党機関紙の人民日報は29日、抗日戦争を扱う中国
のテレビドラマについて「商業化のために暴力シーンが過激になっ
ている」と批判する記事を掲載した。3月に入って中国メディアで
は日本を批判する記事が少なくなっており、中国政府による対日関
係の改善を模索する動きだとの見方が出ている。
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習主席と福田元首相会談 日中関係に直接触れず 
2013/4/7 18:09nikkei
 【博鰲(ボーアオ・中国海南省)=中沢克二】博鰲アジアフォー
ラムの理事長を務める福田康夫元首相は7日、中国の習近平国家主
席と約20分間会談した。習氏が国家主席就任後、日本の要人と会談
するのは初めて。
 福田氏によると、習氏は日中関係に直接触れることはなかったが
、アジアの共同発展や、周辺国との摩擦の対話による平和的解決に
触れ、周辺国との関係改善に意欲をにじませたという。
 フォーラムでは福田氏があいさつに立ち「共同発展には相手の利
益を考えるアジア的価値観が重要だ」と指摘した。福田氏は訪中で
習氏以外の中国要人らとも会い、日中関係で意見交換した。
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習主席、財界人に日中経済関係推進の方針示す
 【博鰲(ボーアオ)(中国海南省)=五十嵐文、栗原守】中国の
習近平シージンピン国家主席が8日、同国海南省での「博鰲アジア
フォーラム」で、国内外の財界人32人と懇談した。

 出席者によると、中国側が出席を認めた外国企業18社の代表の
うち日本企業は5社と3分の1近くを占め、習政権が尖閣諸島をめ
ぐる日本との政治対立とは別に、日中の経済関係を推進していく方
針であることをうかがわせた。

 約1時間の懇談には日本のほか米国や豪州などの企業の代表が参
加。日本企業を代表して発言した日本郵船の宮原耕治会長(経団連
副会長)は、尖閣問題を念頭に「昨年の不幸な事件を乗り越え、双
方に利益のある経済関係を築き上げるため、日本の経済界は最大の
努力を続ける」と述べた。
(2013年4月8日23時29分  読売新聞)
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高村自民副総裁、5月訪中へ 習主席との会談模索 
2013/4/8 19:51nikkei
 自民党の高村正彦副総裁は8日、首相官邸で安倍晋三首相と会い
、5月の大型連休中に日中友好議員連盟会長として中国を訪問する
意向を伝えた。日中関係改善に向けて中国の習近平国家主席との会
談を探っている。

 副総裁は首相との面会後、「習主席との会談を希望しているが、
まだ返事は来ていない」と記者団に述べた。首相は沖縄県の尖閣諸
島をめぐり悪化した日中関係について「いまのままでいいとは思わ
ないので、頑張ってほしい」と副総裁に伝えた。副総裁を首相特使
として派遣することも検討している。議連の他のメンバーも同行す
る見通し。
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ケリー米国務長官、訪中予定
Jp.xinhuanet.com | 発表時間 2013-04-09 11:39:31
【新華社北京4月9日】中国外交部の洪磊報道官は8日定例記者会
見で、王毅外交部長の招きを受け、米国のジョン・ケリー国務長官
が4月13日から14日まで中国を訪問する予定である、と宣した。
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米国務長官:訪中、対北朝鮮で制裁徹底促す
毎日新聞 2013年04月13日 22時13分(最終更新 04月14日 00時59分)
 【北京・工藤哲】アジア歴訪中のケリー米国務長官は13日、就
任後初めて中国を訪問し、北京で習近平(しゅう・きんぺい)国家
主席らと会談、挑発行為を続ける北朝鮮への対応策を中心に協議し
た。AP通信によると、ケリー長官は会談後、同行記者団に、米中
両国が朝鮮半島の非核化を達成するための具体的な方法を話し合う
高官協議を始めることで合意したと明らかにした。

 ケリー長官は同日午前(日本時間同)、韓国から中国入り。同日
午後、習主席や李克強(り・こくきょう)首相、楊潔?(よう・けつ
ち)国務委員、王毅(おう・き)外相ら新指導部と相次いで会談し
た。

 中国国営メディアによると、ケリー長官との会談で、李首相は北
朝鮮を念頭に「地域の平和と安定に各国には責任があり、結果は自
らが負うべきだ。挑発は各国の利益を損なうもので、自業自得の結
果になる」と述べ、強硬姿勢を転換するよう訴えかけた。

 王外相は「中国の立場に変化はない。いかなる状況になろうと、
朝鮮半島非核化、半島の平和、対話による問題解決を堅持する」と
訴えた。

 これに対し、ケリー長官は一連の会談で中国側に対し、北朝鮮が
新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」発射の構えを見せるなどの挑
発行為をやめるよう影響力の行使を求めたとみられる。

 一方、習主席との会談でケリー長官は、両国の信頼関係を深め、
関係強化を一段と推進する方針を確認した。オバマ政権2期目のア
ジア重視方針を伝えたとみられる。

 このほか、外相会談ではサイバー攻撃についても協議され、王外
相は相互の信頼関係を高めるべきだと強調した。イラン核開発問題
や東シナ海・南シナ海の領有権問題など両国を取り巻く議題につい
ても意見交換したとみられる。
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北京・山本勲 米中関係の「仕切り直し」に備えを
2013.4.20 13:51 sankei[緯度経度]
 この2年余り対立が先鋭化していた米中関係に変化がみられる。
「親米」習近平政権の発足に加え、2期目のオバマ政権が内政・経
済重視に転じ始めたことが影響している。特に中国が「親中派」と
みなすケリー国務長官の13、14両日の訪中は、こうした印象を
強めた。日本も米中関係の“仕切り直し”に備える必要がある。

 「先ごろオバマ大統領との電話会談で中米の協力関係を強化し、
『新型大国関係』の構築を模索することで合意した。双方が戦略的
、長期的な視点から積極的に協力関係を拡大することを希望する」。
習近平国家主席は13日のケリー長官との会談で、満面の笑みを浮
かべながらこう語った。

 李克強首相は北朝鮮の軍事挑発を「持ち上げた石を自分の足に落
とす行為」と批判。米国とともに「朝鮮半島の安定に努める」意思
を表明した。

 王毅外相は「どんな状況下でも半島非核化を堅持する」と強調、
双方が今後の両国関係発展の方策を盛り込んだロードマップを作成
することで合意した。

 さらに気候変動対策、クリーンエネルギー開発、サイバー攻撃な
どの問題で、合同作業部会を設けて協力することでも合意した。い
ずれもオバマ政権が中国に協力や改善を求めていた問題や課題だが
、胡錦濤前政権の対応は消極的だった。

 対照的に習政権は3度目の核実験を強行した北朝鮮に対する国連
安全保障理事会の制裁強化決議(3月7日)に加わるなど、胡前政
権との違いを示している。

 習政権は海洋覇権の拡大では前政権以上に強硬だが、オバマ政権
が北朝鮮の核放棄をめざすには欠かせない協力相手だ。習主席はハ
リウッド映画のファンで、娘を米国の大学に留学させた親米派でも
ある。

 一方、ケリー長官は1月末の米議会上院公聴会で「米国は中国を
敵視せず、協力相手とみなすべきだ」と主張、「アジア太平洋地域
での軍事力増強は中国包囲網との印象を与える」と親中姿勢を鮮明
にしている。

 ブッシュ前大統領と戦った2004年の大統領選でも、「『中国
は一つ』との政策を堅持し、(米国が台湾支援の根拠としている)
台湾関係法には一切言及しなかった」(中国評論新聞)というから
筋金入りだ。

 「母方の上海生まれの祖父が、アヘン貿易で財を成した過去への
反省も影響している」(同)という。米国の「アジア太平洋回帰」
を先導し、中国の海洋覇権拡大に厳しく臨んだクリントン前長官と
は正反対だ。

 習政権にとり、またとない協力相手が登場した。わずか1日余の
訪中で双方が盛りだくさんの合意に達したのもうなずける。

 米中が地域の安定と発展のために協力するのは結構だ。だが習主
席が唱える新型大国関係には、「双方の核心的利益を尊重し合う」
との条件がある。中国のそれは東シナ海や南シナ海、台湾・チベッ
ト・新疆ウイグルなどの領土・領海を含み、周囲の国・地域や民族
の存亡を左右する。

 「第2の大国となった中国にそれ相応の待遇、権益を認めるなら
、当分の間は米国の覇権に挑戦しない」との本音が見え隠れする。

 まさかとは思うがオバマ政権がこれに応じるなら、両大国の野合
だ。北朝鮮の核放棄をめざした6カ国協議も茶番劇に終わった。ニ
クソン以来の米歴代政権は中国の巧妙な外交に謀られ続けてきた。
そうならないよう日米の意思疎通をさらに密にする必要がある。
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米軍トップ、25日に訪日=北朝鮮対応など協議、中韓も歴訪
 【ワシントン時事】米国防総省当局者は19日、制服組トップの
デンプシー統合参謀本部議長が25〜27日の日程で訪日すること
を明らかにした。これに先立ち、21日から韓国と中国も訪れ、挑
発行動を強める北朝鮮への対応を中心に協議する。
 デンプシー議長は日本で自衛隊制服組トップの岩崎茂統合幕僚長
らと会談。北朝鮮の核・ミサイル問題のほか、中国の急速な軍備拡
張や海洋進出をにらんだ自衛隊と米軍の連携強化などをめぐり意見
を交わす見通し。(2013/04/20-05:32)
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米中接近で… 尖閣「侵犯」急増の誤算(真相深層) 
オバマ政権、有事望まず
)2013/5/3 3:30日本経済新聞 電子版
 弾道ミサイル発射の構えを示す北朝鮮の挑発は日米中3カ国の力
学に影響を与えている。北朝鮮への対応で米中が接近。対米関係に
自信を深めた中国は、沖縄県・尖閣諸島を巡り日本に攻勢をかける。
日米関係は強固なままだが、ケリー国務長官のアジア歴訪の直後に
中国が強気に転じた展開は日本側の誤算だった。
■8隻同時に侵入
 「中米関係は新しい重要な時期に入った。良好に発展する勢いを
感じる」。4月23日午前の北京市内の軍…
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中国は北朝鮮問題を利用し、米国が日本に圧力をかけることを望ん
でいる―中国メディア
Record China 5月14日(火)5時39分配信
2013年5月13日、環球時報(電子版)は、緊迫化する日中関係緩和に
向け、「中国は北朝鮮問題を利用し、米国が日本に圧力をかけるこ
とを望んでいる」とする記事を掲載した。以下はその概要。

今年3月以降、北朝鮮は国連による制裁を受け、米韓に対する非難を
強めてきた。一方、先月訪中したケリー米国務長官は、中国関係者
から「米国は同盟国である日本に圧力をかけ、日中関係の緊張を緩
和すべきだ」と主張しているとの情報を得た。

中国が朝鮮半島問題への関与を通じて、一定の対価を得ようとする
姿勢は驚くべきことではないだろう。米中は問題解決の方法が異な
る。米国は通常個々の問題に個別に対応するが、中国はさまざまな
問題を一緒に論じる。各国間の問題で漁夫の利を得られれば御の字
、との考えだ。国際社会での中国の台頭に伴い、ワシントンは北京
の複雑な方法に慣れざるを得なくなった。

日本は米国にとって域内最大の盟友だ。中国は安倍政権発足以降の
歴史問題における混乱について、米国も部分的責任を取るべきだと
考えているのだ。(翻訳・編集/AA)
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日中韓首脳会談、5月は見送りへ=中国が難色
 5月下旬の韓国開催で調整されていた日中韓首脳会談が見送りの
方向となっていることが17日、日韓両政府関係者の話で分かった。
沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張し、日本と対立する中国が参加に
難色を示しているためだ。
 韓国は5月下旬のソウル開催案を日中に打診していたが、韓国政
府関係者は17日、「5月開催は現段階では事実上難しい」と語っ
た。日本政府関係者も5月開催について「風前のともしびだ」と困
難なことを認めた。 
 韓国は6月開催も検討しているが、6月は安倍晋三首相が英国で
の主要国首脳会議(サミット)に出席する予定で、参院選も近いこ
とから、秋以降に先送りされる可能性もある。
 北朝鮮情勢が緊張する中、日本政府は、日中韓首脳会談で安倍首
相と李克強中国首相の初顔合わせを実現させ、日中関係を「リセッ
ト」させることも狙っていた。中国の新指導部は、日中首脳が現段
階で対話しても、関係改善は望めないと判断しているとみられる。
 日韓両政府は、5月の日中韓首脳会談が見送りとなれば、日韓の
みによる外相会談を行う案も検討している。
 日中韓首脳会談は2008年以来、持ち回りで毎年開催されてい
る。(2013/04/17-22:08)
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「日本に核兵器使わない」=異例の具体的国名言及−中国高官
 【ジュネーブ時事】中国外務省の※(※=マダレに龍)森軍縮局
長は19日、ジュネーブの国連欧州本部で「日本に対し核兵器は絶
対に使わない」と述べた。中国は核兵器を先制使用しない政策を掲
げているが、政府高官が具体的な国名に言及するのは異例。核兵器
のない地域で「いかなる状況下でも中国は核兵器を使わない」と強
調した。
 北朝鮮問題については「相互信頼の欠如が最大の課題」と指摘。
対立激化が「危機をあおる悪循環をもたらす。関係国は膝を交え対
話すべきだ」と訴えた。(2013/04/20-07:08)
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麻生氏ら靖国参拝、首相は供物奉納 公明、不快感示す
2013年4月21日23時40分朝日
 麻生太郎副総理と古屋圭司拉致問題相は21日、東京・九段北の
靖国神社に参拝した。新藤義孝総務相も20日に参拝しており、第
2次安倍内閣の3閣僚の参拝が明らかになった。靖国神社は21日
から春季例大祭で、安倍晋三首相は同日、神前に捧げる供え物「真
榊(まさかき)」を奉納した。
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尖閣領海侵犯、中国外務省「今後も強力な措置」
 【北京=五十嵐文】中国外務省の華春瑩フアチュンイン副報道局
長は24日の定例記者会見で、中国公船8隻が尖閣諸島の周辺海域
で領海侵犯し、日本政府が抗議したことについて、「日本の申し入
れは受け入れられない」と述べた。

 華副局長は、中国公船の行動は、日本の漁船の尖閣諸島接近を阻
止するための「必然的な対応」だったと主張した上で、「国家の領
土や主権を守るため、今後も強力な措置を取り続ける」と強調した。
(2013年4月24日19時54分  読売新聞)
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日本が困難な局面つくった、中国外務省幹部
2013.4.24 21:42 [中国]
 中国外務省アジア局の熊波副局長は24日、「現在の困難な局面
をつくった原因ははっきりしている。両国関係に障害となっている
問題を直視すべきだ」と述べ、安倍政権の閣僚による靖国神社参拝
や、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本側の対応を非難した。

 日本大使公邸で開催された木寺昌人駐中国大使の着任レセプショ
ンに出席した際、日本人記者団の日中関係についての質問に答えた。

 24日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、麻生太郎副
総理らの靖国神社参拝を受け「中国人は『小日本』という蔑視を取
り戻すべきだ」との社説を掲載した。中国紙の多くは四川省雅安市
の大地震に紙面を割いているが、靖国参拝や尖閣諸島に関し反日的
記事も増え始めた。(共同)
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日中韓財務相会議、見送り 靖国参拝など巡る対立背景か
2013年4月26日17時56分 
 財務省は26日、5月3日にインドで開かれる予定だった日中韓
財務相・中央銀行総裁会議の開催が見送りになったことを明らかに
した。議長国の中国が26日までに日本側に伝えた。麻生太郎副総
理兼財務相の靖国神社参拝や、尖閣諸島(沖縄県)をめぐる対立が
背景にあるとみられる。

 同会議は、日中韓3カ国が新政権になって初のハイレベル会談に
なる見通しだった。東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(
日中韓)財務相・中央銀行総裁会議にあわせ、ほぼ毎年開かれてき
た。財務省によると、中国側は開催しない理由について「3カ国で
調整すべき議題がない」と説明しているという。

 一方、日韓両国による財務相会談は4日に開かれる見通し。
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中国:尖閣は「核心的利益」…政府当局者、初の公式発言
毎日新聞 2013年04月27日 00時56分
 【北京・工藤哲】中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局
長は26日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島
)について「釣魚島問題は中国の領土主権の問題であり、当然中国
の核心的利益に属する」と発言した。中国政府当局者が尖閣諸島を
安全保障上で譲歩できない問題と位置づける「核心的利益」と公式
に認めたのは初めて。

 中国はこれまで、台湾やチベット、新疆ウイグル両自治区の問題
について「核心的利益」との言葉を使ってきた。尖閣諸島も含めた
ことを国内外に示すことで、日本に主権問題で譲歩しない立場を改
めて鮮明にした形だ。

 米国のデンプシー統合参謀本部議長が訪中した際、中国政府高官
が会談で尖閣諸島について「核心的利益」と発言していたと一部日
本メディアが報道。華副局長は、事実関係を確認する質問に答える
形で明らかにした。

 一方、中国外務省が26日夜に公式サイトに掲載した定例会見の
内容では、「中国は国家主権や安全保障、領土保全などの核心的利
益を断固として守る。釣魚島は中国の領土主権にかかわる」と発言
が変更されており、その真意を巡って臆測を呼びそうだ。

 昨年5月に温家宝(おんかほう)首相(当時)が野田佳彦首相(
同)と北京で会談した際、尖閣諸島を念頭に「中国側の核心的利益
や重大な関心事項を尊重すべきだ」と日本をけん制したが、尖閣諸
島を核心的利益と位置づけたかは見方が分かれていた。



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