4686.アベノミックスはどうなるか?



5月23日・24日の両日、日経平均は大きく乱高下した。特に、
23日の急落は、下げ幅は前日比1143円28銭安と、下げ幅と
しては2000年4月17日の同1426円04銭安以来となる歴
代11位の記録である。

「ファンダメンタルズをきちんと判断したわけではないギャンブル
的な買いが目立っていた」最近の過熱感が崩れたのである。この流
れを引き継いで、24日も午前中、上げ幅は一時500円を超え、
1万5000円を回復するが、午後は一転、ヘッジファンドなどの
投機筋が先物に売りを仕掛けたとみられ、下げ幅は一時500円を
超えた。

「ここ2週間ほどの異常な上げ相場の反動が出て、パニック売りが
加速した」(松井証券の窪田氏)との見方が大勢だが、経済の実態
が改善されるのかとアベノミックスの成長戦略、財政戦略の政策が
、今後評価されることになる。

詳しいことは、有料版で検討するが、やっと、雰囲気ではなく安倍
政権、自民党の政策が評価されることになる。今までは心理的な景
気で、期待先行であったが、ここからは海外の投資家も含めて、金
融緩和の「出口戦略」も含めた財政戦略と成長戦略が評価されるこ
とになる。

基本的には、日本のファンダメンタルズは弱い。少子高齢化で将来
的には人口が減ることになる。そして、現時点でも貿易赤字が拡大
しているが、その原因の原油、LNGの輸入は原発が再稼働しないので
円安で高くなるのに、それに見合う輸出が増えていない。特にAVが
復活していないために、輸出品の著しい増加がない。

このままでは、日本の衰退を海外投資家から評価されて、元に戻る
ことになる。そして、アベノミックスは偽物という評価になる。

これをどう変化させるのか、財政・成長戦略であるが、それが徐々
に明らかになってきたが、期待値が高かったので、その期待値に比
べて、非常に寂しい事態である。

これでは7月の参議院選挙までには、アベノミックス効果は、大き
くはげ落ちでいる可能性が高い。このため、安倍首相は北朝鮮から
拉致被害者を連れ帰る方向で動くことになるが、景気が落ちている
と、選挙結果は圧勝できるのであろうか?

自民党の圧勝を阻止するため、民主党など野党は、このアベノミッ
クスに対応する財政・成長戦略を作るべきである。そのお手伝いは
できる。

早く、頼んで来て欲しいですね。安倍自民党の限界が見えている。

さあ、どうなりますか?
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米緩和「出口」の衝撃、試したFRB  編集委員 梶原誠 
2013/5/24 11:00日本経済新聞 電子版
 22日から23日にかけて世界を一周した連鎖株安。浮き彫りになっ
た断面が3つある。
 カネ余りを背景に、マネーが当事者も怖くなるほどリスクを取っ
ていること。衝撃が襲えば、ひずみが露呈してパニックになりかね
ないこと。そして、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の
「出口戦略」が、衝撃の候補として意識されていること――。
 まず、世界株安の伏線といえる22日のニューヨーク市場を振り返
ろう。この日の注目は…
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日経平均反発、投機筋の先物売買で乱高下
2013年 05月 24日 15:53 JST
[東京 24日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発した
。朝方は前日の米国株の下げが限定され、日本発の世界同時株安に
歯止めがかかったことで安心感が広がり、幅広い銘柄に買いが先行
。上げ幅は一時500円を超え、1万5000円を回復する場面が
あった。
しかし、後場になると一転、円上昇やアジア株安をきっかけに先物
売りが加速。下げ幅は一時500円を超えた。アルゴリズムを駆使
したヘッジファンドなどの投機筋が先物に売りを仕掛けたとみられ
、日経平均は激しく乱高下した末、結局プラス圏で引けた。「投機
筋の先物売買に振り回されている。前日急落の余韻が残り、恐怖感
から処分売りが加速したものの、25日移動平均線がサポートにな
り反発に転じた」(大手証券)という。日銀のETF買い観測も出
ていた。東証1部売買代金は4兆8811億円で今年2番目の高水
準だった。
現状の為替水準では国内企業の業績拡大シナリオは不変だが、「前
日の急落で追い証(追加保証金の差し入れ)発生なども意識し、投
資家が浮足立っていた」(SMBC日興証券株式調査部部長の西広
市氏)とされ、投機筋に狙われる結果となった。
個別銘柄では、東京海上ホールディングス(8766.T: 株価, ニュース
, レポート)が反発。グループの東京海上日動火災保険が全国共済農
業協同組合連合会(JA共済連)と幅広い分野での業務提携に向け
た協議を始めることで合意したと発表し、材料視された。シャープ
(6753.T: 株価, ニュース, レポート)もしっかり。同社は23日、
今後新たに出荷するスマートフォン・タブレット端末のうち、最新
液晶「IGZO」搭載の比率を高め、2014年度に100%にす
るとの計画を発表した。
東証1部騰落数は、値上がり912銘柄に対し、値下がりが718
銘柄、変わらずが84銘柄だった。
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日銀の買い入れ能力を売りが圧倒−「理性的投資家の逆説」か
  5月24日(ブルームバーグ):日本国債の投資家は、日本銀行
の購入をしのぐほどの売りを出しており、日銀は今後、国債の買い
入れを「劇的に増やす」必要に迫られると米ヘイマン・アドバイザ
ーズのJ・カイル・バス氏が指摘した。米国のサブプライム(信用
力の低い個人向け)住宅ローン危機の際に5億ドル(現在の為替レ
ートで512億円)を稼ぎ出したことで同社は知られている。
長期金利の指標となる日本の10年国債 利回りは23日、昨年4月以来
で初めて1%台に乗せた。2010年から日本の財政破綻を警告し続い
ているバス氏は電子メールで質問に回答し、「安倍晋三首相と日銀
は『理性的な投資家のパラドックス(逆説)』と私が呼ぶ状況に直
面している」と分析。「アベノミクスが成功すると日本国債の投資
家が信じ始めれば、日本国債を売って外債や株式を購入するのが合
理的な反応になる」と述べた。
バス氏は、日本国債の投資家による売りが日銀の買い入れ能力を圧
倒しているとした上で、「日銀が金利上昇をうまく抑制しようとす
れば、日本国債の買いオペレーションを劇的に拡大せざるを得なく
なる」と予想した。
さらに「日本国債の保有者は誰もが合理的に行動し、日本国債の一
部を売って外債や国内の株式を購入する可能性が高い。50兆円の保
有額のわずか5%が売りに出されただけでも、日銀が計画する買い
入れ規模は十分でなくなる」と警告した。
更新日時: 2013/05/24 10:10 JST
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首相、国債を適切管理 長期金利上昇で 
2013/5/24 12:34nikkei
 安倍晋三首相は24日午前の参院本会議で、長期金利が上昇傾向に
あることについて「日銀の適切な対応に期待している。政府として
は国債管理政策に適切に取り組み、持続可能な財政構造確保を着実
に推進する」と強調した。東京株式市場の日経平均株価の動向につ
いては「お答えできない」と述べるにとどめた。
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「プチバブル崩壊」の日本株、オプション絡みのヘッジ売りで下げ
拡大
2013年 05月 23日 19:01 JST
[東京 23日 ロイター] - 日本株急落の背景には、デリバティ
ブ市場でのテクニカルな売り需要があったと指摘されている。米金
融緩和策の早期解除観測の強まりや中国経済への不安感などでリス
クオフが強まった格好だが、その背景には膨らんでいたオプション
引受業者による順張りヘッジの加速があったという。

これまでの上昇ピッチが速かっただけに調整幅も大きくなる可能性
もあるが、日本経済の回復やデフレ脱却期待がはく落したわけでは
なく、市場心理が落ち着きを取り戻せば金融相場による株高が再開
するとの見方も依然根強い。

「プチバブル崩壊」──松井証券シニアマーケットアナリストの窪
田朋一郎氏は、きょうの株価急落に対してこう表現した。日経平均.
N225は大型連休明け後から23日の高値1万5942円まで約3週
間で1948円(16%)上昇。昨年11月半ばからはほとんど調
整がないまま84%上昇した。日経平均全体のPER(株価収益率
)やPBR(株価純資産倍率)に割高感があったわけではないが、
原発再稼働が依然不透明な電力株の急騰など「ファンダメンタルズ
をきちんと判断したわけではないギャンブル的な買いが目立ってい
た」(準大手証券ストラテジスト)という。

23日の市場では、そうした過熱感が一気に解消されるかのように
株価は急落。下げ幅は前日比1143円28銭安と、下げ幅として
は2000年4月17日の同1426円04銭安以来となる歴代11
位を記録。終値は1万4483円98銭で安値引けし、朝方に更新
した年初来高値1万5942円60銭から1500円近く水準を切
り下げた。通常、7%が過熱といわれる25日移動平均線とのかい
離率は22日時点で10.06%にまで拡大していたが、23日終
値では1.66%まで縮小した。

相場急落の材料とされたのは、中国の5月製造業PMIのやバーナ
ンキ連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で、米資産買い入れ
規模の縮小観測が強まったことだったが、あくまできっかけに過ぎ
ないという。「ここ2週間ほどの異常な上げ相場の反動が出て、パ
ニック売りが加速した」(松井証券の窪田氏)との見方が大勢だ。
一部特定銘柄に投機的な買いが集中するなど「歪み」が出ていたこ
とも下げ幅を広げる背景となった。
(ロイターニュース 杉山容俊;編集 伊賀大記)


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