中国と韓国は、北朝鮮との6カ国協議の枠組みをロシアと日本を除 いて4カ国協議にする方向で外交を進めていた。安倍首相の歴史見 直し問題で米国も日本を弁護していたが、日本が一層歴史見直しを 進めるなら、4カ国協議も仕方がないという方向に傾いていた。 この外交の方向を崩さないと、日本は東アジアでの位置がなくなり 、中国と韓国の協議で進めることになったいた。非常に心配な状況 であった。 それを飯島内閣官房参与の訪朝で崩した。北朝鮮と独自のルートで 協議することで、日本の存在が中国と米国にも無視できないことに なる。 米国の中国傾斜にも歯止めが掛り、中国の制裁で北朝鮮の中国憎し を利用できることになる。日本は拉致解決というカードを切って、 この孤立している北朝鮮から人質を返してもらえる。 ここが、解決の丁度よいチャンスである。いろいろな意味でこの手 は、久々の外交での得点を得たような気がする。 安倍首相が歴史見直しを出さないで、このカードを使い存在感を出 せるかどうか、非常に面白い。 さあ、どうなりますか? ============================== 飯島氏、金永日書記と会談 北朝鮮の対日窓口 2013/5/15 23:15nikkei 【ソウル=加藤宏一】朝鮮中央通信によると、北朝鮮を訪問中の 飯島勲内閣官房参与が15日、金永日(キム・ヨンイル)労働党書記 と会談した。内容は明らかになっていないが、拉致問題など日朝間 の懸案について話したとみられる。ラヂオプレスによると、金氏は 党国際部長のほか、朝日友好親善協会顧問なども務め、対日関係の 窓口の役割も果たしている。 ラヂオプレスが伝えた同日付の労働党機関紙、労働新聞は、飯島 氏が北朝鮮に到着したことを伝えるとともに、「今からでも理性を 持って過去の清算の一歩を踏み出すのが日本にとっては賢明な選択 だ」として日本に過去の清算を求める論評を掲載している。 ============================== 北制裁の拡大要請か…米特別代表、中国側と会談 北朝鮮に非核化に向けた対話復帰を促すため、対北朝鮮制裁など での協力拡大を求めた模様だ。 デービース氏は会談後、記者団に対し、「米中は、北朝鮮との外 交を進める場合、朝鮮半島の非核化が絶対に必要になるとの認識を 共有している」と強調。「中国には協力拡大を求めている」と述べ た。 中国銀行が最近、北朝鮮の朝鮮貿易銀行の口座を凍結する措置を とったことについては「重要な措置で、北朝鮮に(非核化に向けた 対話の)選択を迫る助けとなる」と評価した。 (ワシントン支局 山口香子) (2013年5月15日23時24分 読売新聞) ============================== 「前向き」安倍対北外交を米韓中が注視 2013.5.16 00:44 sankei[安倍首相] 「拉致、核、ミサイル」問題解決に向け、日朝首脳会談に前向き な姿勢を示した安倍晋三首相。北朝鮮をめぐる情勢は今後、どのよ うな展開をみせるのか。米韓中3カ国の出方や思惑を探った。 ■韓国、「腹いせに牽制球」 飯島勲内閣官房参与が訪朝し、安倍晋三首相が日朝首脳会談に前 向きとも取れる姿勢を見せたことに対し、韓国政府は、「趣旨を見 極める必要がある」(大統領府筋)とし、飯島氏の帰国後、日本政 府に北への対処を含む情報交換を申し入れることを検討している。 一方、15日の韓国メディアは飯島氏の訪朝について「韓国や米 国はもちろん、中国までが対北制裁に出る中、日本が国際協調を破 って首相側近を平壌へ送ったのは拉致問題解決に絡んだ動きだ」( 朝鮮日報)と指摘。訪朝により、自国の都合で国際社会の対北包囲 網に“抜け穴”をつくりかねないとする見方が強い。 東亜日報は「韓国政府が、日本を排除して米中との3カ国で北朝 鮮に対処しようとする動きを見せていることに、安倍首相が腹いせ に牽制(けんせい)球を投げた」と批判した。 外交筋は「北朝鮮にとって米、中はそれぞれ一定の存在感があり 、情勢次第では対話の余地があるが、韓国は無視されている」と指 摘。韓国の北朝鮮専門家は「日朝関係が先走るようだと、韓国が北 への傾斜を強め、結果的に足並みが乱れる可能性がある」との見方 を示した。(ソウル 加藤達也) ■米国、緊密な情報求める方針 飯島氏の訪朝について、米国務省のベントレル副報道官は14日 の会見で、「今月16〜18日に訪日予定のデービース北朝鮮担当 特別代表が、日本側から詳しい説明を聞くだろう」と述べた。 昨年末にミサイル発射、今年2月に核実験を行った北朝鮮に、米 国は中国などと連携して金融制裁などを実施してきた。飯島氏の訪 朝について日本政府から事前に連絡を受けていたかは不明だが、訪 米中の斎木昭隆外務審議官は14日、米国務省でシャーマン次官( 政治担当)と会談、飯島参与の訪朝について説明したもようだ。 首相が日朝首脳会談に意欲を示したこともあり、米側としては日 韓との足並みが乱れないよう、今後も日本側に緊密な情報提供を求 めていく方針とみられる。 米朝間の問題では、北朝鮮で拘束され労働教化15年の判決を受 け、14日に「特別教化所」に収容されたとされる韓国系米国人、 ペ・ジュンホ氏の問題があり、米国のキング北朝鮮人権担当特使は 近く訪韓して韓国政府関係者と意見交換する予定だ。 米政府としては、こうした動きを日本側に説明しながら、事態の 進展を見守っていく構えだ。(ワシントン 佐々木類) ■中国、ジレンマ抱え静観 北朝鮮の後ろ盾となり、一貫して話し合いによる「朝鮮半島の平 和と安定の実現」を主張してきた中国は、安倍晋三首相の意思表示 については静観している。ジレンマを抱えつつその行方を注視して いるものと思われる。 共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版) によると、在米中国大使館の前参事官、尹承徳氏は15日付の寄稿 で「朝鮮半島の災いの始まりは、米国が対北敵視政策を堅持してい ることに源を発する」と指摘。全面的な経済制裁や外交上の孤立を 狙う姿勢を戒めていた。 その立場からすれば、飯島勲内閣官房参与の訪朝や、日朝首脳会 談の実現を支持してもおかしくない。しかし、自らが議長国を務め る6カ国協議の枠組みの中での解決を訴えてきた中国にすれば、米 国と同盟関係にある日本の北朝鮮接近は問題が生じかねない。 中国は北朝鮮の体制崩壊と同時に、北朝鮮が米国側に傾くことを 懸念しているとみられる。中国が6カ国協議にこだわるのは、北朝 鮮への影響力を維持したいからであり、展開次第では対北経済制裁 を強化するポーズを取りつつ、北朝鮮をつなぎ留めるために“アメ ”を差し出すことも考えられる。(北京 川越一) ============================== 飯島氏、朝鮮労働党書記と会談…北メディア 【ソウル=門間順平】ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮の 朝鮮中央放送と平壌放送は15日夜、訪朝中の飯島勲・内閣官房参 与(67)が同日、金永日キムヨンイル朝鮮労働党書記(国際部長 )と会談したと伝えた。 会談の内容については触れていない。金氏の序列は、最高人民会 議が開催された4月1日時点で20位。 金氏は外務次官だった2004年には拉致問題での日本政府との 協議を担当しており、拉致に関して協議した可能性がある。飯島氏 も同行した同年の小泉元首相の2回目の訪朝時には平壌の空港で一 行を出迎えている。 (2013年5月15日21時39分 読売新聞) ============================== 日朝首脳会談も視野=拉致解決へ交渉進める−安倍首相 安倍晋三首相は15日午後の参院予算委員会で、北朝鮮による日 本人拉致問題について「首脳会談をやることが(解決に向けた)重 要な手段であれば、そうしたことも当然考えながら交渉していかな ければならない」と述べ、金正恩第1書記との会談も視野に日朝交 渉を進めていく考えを示した。白真勲氏(民主)への答弁。 首相は「かつて小泉純一郎首相が訪朝し、5人の被害者と家族の 方々が帰国できた」とトップ会談の重要性を指摘。「会うことその ものは目的ではなく、結果を出さなければならない」と強調した。 飯島勲内閣官房参与の訪朝に関しては「事柄上コメントを控える 」と繰り返しつつ、「圧力をかけながら彼らの政策を変え、対話に よって問題を解決したい。その中でさまざまな努力をしている」と 語った。(2013/05/15-17:03) ============================== 飯島勲内閣官房参与が訪朝 日朝関係の打開探る 飯島内閣官房参与が訪朝 日朝関係の打開探る 安倍内閣の飯島勲内閣官房参与が14日、北朝鮮の平壌を訪問した。 飯島氏は小泉政権時代に首相秘書官として日朝交渉に関与しており 、宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使ら北朝鮮政 府高官と面会して停滞する日朝関係の打開を探る狙いがあるとみら れる。 北朝鮮外務省の金哲虎(キムチョルホ)アジア局副局長(日本担当 )が空港で出迎えた。北朝鮮は空港での出迎えを一部報道陣に公開 しており、日朝の接近を演出して日米韓の連携を揺さぶる狙いがあ るとみられる。 飯島氏は小泉純一郎首相(当時)の政務秘書官を務めた。小泉氏は 2002年と04年に訪朝し、金正日(キムジョンイル)総書記( 当時)と会談。飯島氏も同行した。 (朝日新聞デジタル 2013/5/14 21:48)