4661.安倍首相の訪ロで



安倍晋三首相は、モスクワのクレムリン(大統領府)でプーチン・
ロシア大統領と会談し、焦点の北方領土問題について両首脳は、「
双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる」とし
て交渉の再スタートで合意。首脳の定期相互訪問や外務・防衛担当
閣僚の「2プラス2」創設でも一致した。

しかし、安倍さんは本当にロシアとの領土問題を解決する気がある
のであろうか?
今、日本は中国の同盟国ロシアを離間させて、中国との戦争に備え
る必要がある。このためには、ロシアとの友好を回復して、中国の
味方をしないようにしないといけない。

そのとき、領土問題を全面に立てると合意できない。
中国では、上海交通大学日本研究センターの王少普(ワン・シャオ
プー)主任は、「ロシアに対する日本の経済外交で、膠着する領土
問題を突破するのは難しい」と見ている。

日露間のエネルギー・極東開発分野での協力協定については、経済
構造転換が急務であるロシアと、資源・エネルギーに乏しい日本に
とって、相互補完性がある。

しかし、経済協力の推進はロシアが領土問題において原則的な譲歩
を行うことを意味するものではない。事実、ロシアは最近、両国の
懸案地域で武力を誇示しており、航空自衛隊機のロシア機に対する
緊急発進(スクランブル)が増えている。

イルクーツク声明の線から日本は一歩踏み出すことである。最低2
島の引渡しの上にどれだけ、積み上げるかである。

イルクーツク声明とは2001年3月、ロシアのイルクーツクで森
喜朗首相とプーチン大統領が署名した共同声明。平和条約締結後の歯
舞、色丹2島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)を
「平和条約締結に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的な
法的文書」と確認。東京宣言(93年)に基づき、択捉、国後両島
を含む四島の帰属問題を解決するとしている。

しかし、安倍首相を取り巻く右翼ネオコンたちは、4島返還が重要
であり、一歩も折れてはいけないという。国際情勢を考えないオバ
カたちが多い。そのオバカの意見を安倍さんは尊重する。

これでは、ロシアとの平和条約は永遠にできないことになり、日本
と中国が戦争になれば、中国の味方をして、日本は2正面作戦を強
いられる。中国だけでも難しいのに、ロシアが敵にあったら、それ
は負ける。

そろそろ、オバカな右翼ネオコンと安倍さんは別れるべきである。
安倍さんは、現実の国際情勢を見るリアリストになるべきである。

さあ、どうなりますか?

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安倍首相の訪ロ、「経熱」でも「政熱」は困難―香港紙
Record China 4月29日(月)22時10分配信
2013年4月29日、香港紙・文匯報は安倍首相のロシア訪問について、
「『経熱』は『政熱』につながらない」とする記事を掲載した。

安倍首相は28日、100人以上からなる通商代表団を引き連れて、3日
間のロシア訪問をスタートした。安倍首相はこれに先立ち、今回の
訪問でロシアとの経済協力を拡大するだけでなく、日本が領土問題
について協議する「政治意欲」を示すと述べた。

しかし、上海交通大学日本研究センターの王少普(ワン・シャオプ
ー)主任は、「ロシアに対する日本の経済外交で、膠着する領土問
題を突破するのは難しい」とみる。

王主任は、「中国との緊張が高まるなか、日本は地域における政治
的地位を高めるため、ロシアとの経済協力を強化しようとしている
」と指摘。今回締結される予定のエネルギー・極東開発分野での協
力協定については、経済構造転換が急務であるロシアと、資源・エ
ネルギーに乏しい日本にとって、相互補完性があるとしている。

ただし、経済協力の推進はロシアが領土問題において原則的な譲歩
を行うことを意味するものではない。事実、ロシアは最近、両国の
懸案地域で武力を誇示しており、航空自衛隊機のロシア機に対する
緊急発進(スクランブル)が増えている。

王主任はまた、たとえ両国が「経熱(経済交流が活発な状態)」と
なっても、真の「政熱(政治交流が活発な状態)」とはなりがたく
、ましてや中ロ関係に悪影響を及ぼすことはないと指摘。その理由
として、国際戦略の違いや、中国・ロシアが国際関係の民主化を支
持しているのに対し、日本が米国主導による枠組みを支持している
ことなどを挙げている。

日本が「中国包囲網」を形成しようとしているという見方について
は、「日本にその気はあっても力はない」とし、日本経済の先行き
が今なお不透明であることや、安倍政権の右翼的言動で韓国などと
の関係が緊張し、米国の不満を買っていると指摘している。
(翻訳・編集/KU)
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領土交渉再開で合意=首相「直接取り組む」−大統領、信頼関係が
重要−日ロ首脳会談
 【モスクワ時事】安倍晋三首相は29日午後(日本時間同日夜)
、モスクワのクレムリン(大統領府)でプーチン・ロシア大統領と
会談した。焦点の北方領土問題について両首脳は、「双方に受け入
れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる」として交渉の再ス
タートで合意。首脳の定期相互訪問や外務・防衛担当閣僚の「2プ
ラス2」創設でも一致した。
 両首脳はこの後、共同記者会見に臨み、会談の成果をまとめた共
同声明を発表。交渉再開に関し首相は「大きな成果」とした上で、
「この問題に直接取り組み、解決に向けて全力を挙げる」と決意を
示した。プーチン氏は「問題解決には環境整備が必要で、信頼関係
が重要だ」と述べ、経済協力の拡大を通じた関係強化の重要性を指
摘した。
 共同声明で両首脳は「第2次世界大戦後67年を経て日ロ平和条
約が締結されていない状態は異常」との認識を共有。1956年の
日ソ共同宣言や2001年のイルクーツク声明など、両国が交わし
た諸文書に沿って交渉を加速するよう、両国外務省に対してそれぞ
れ指示することを明記した。
 停滞していた領土交渉の再開を共同声明に盛り込んだことで、平
和条約締結に向け両首脳が政治的意志を明確にした形だ。
 領土交渉をめぐり日本側は、「四島(択捉島、国後島、歯舞群島
、色丹島)の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」ことを基
本方針としている。帰属問題が決着すれば返還の時期や形態は柔軟
に対応する構えだ。 
 ただ、プーチン氏は日ソ共同宣言に明記された歯舞、色丹両島の
引き渡し以上の譲歩はしない意向とみられ、交渉のハードルは高い。
共同会見で首相は「双方の立場の隔たりが大きいのは事実だが、腰
を据えて今後の交渉に当たる」と強調した。具体的な作業は両国の
次官級で進める。
 一方、会談で両首脳は、定期的な相互訪問などを通じ、政治対話
を強化することで合意。首相は14年のプーチン氏の訪日を招請し
、両国政府で日程を調整することになった。
 安全保障分野での連携を強化するため、閣僚レベルの「2プラス
2」を開催するほか、外務省とロシア安全保障会議との定期協議実
施、防衛当局間の部隊交流なども決めた。
 両首脳は、弾道ミサイル発射の構えを見せる北朝鮮を厳しく非難。
日本人拉致問題の解決を求める立場でも一致した。極東・東シベリ
ア地域での開発協力や、日本企業によるロシアへの投資促進など、
経済分野の交流を深めることでも合意。両国のエネルギー協力の拡
大も確認した。(2013/04/30-00:57)
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共同記者会見要旨=日ロ首脳
 【モスクワ時事】安倍晋三首相とプーチン・ロシア大統領の共同
記者会見要旨は次の通り。
 〔冒頭発言〕
 大統領 日ロの協力関係、国際関係について話し合いができた。
平和条約締結問題についても議論した。相互に受け入れ可能な解決
策に向けた作業を活発化するよう、両国の外務省に指示した。国際
場裏における緊急の問題について意見交換を行った。特に重視した
のが朝鮮半島の情勢だ。
 首相 今回、日本の首相として10年ぶりに公式訪問した。安全
保障、防衛分野では外務、防衛閣僚による2プラス2会合の立ち上
げで合意した。
 大統領と私は、第2次世界大戦後67年を経て日ロ間で平和条約
が締結されていない状態は異常との認識を確認した。双方に受け入
れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させていくとの指示を両国
外務省に共同で与えることで合意した。会談の大きな成果だ。私は
日ロ最大の懸案であるこの問題に直接取り組み、解決に向けて全力
を挙げる。
 大統領との会談は私にとって4回目になるが、今回、平和条約交
渉を含め幅広い問題について胸襟を開いてじっくり話し合い、個人
的信頼関係が生まれたと実感している。私から大統領の2014年
の訪日を招請した。
 〔質疑応答〕
 −平和条約交渉再開が日ロの経済協力発展にどんな弾みを与えるか。
 大統領 経済協力が(交渉)プロセスで最も良い役割を果たすと思う。
 −交渉をどんなスピード感で進めたいか。
 首相 戦後67年たっても解決しない問題を一気に解決する魔法
のつえは存在しない。双方の立場の隔たりが大きいのは事実だが、
腰を据えて今後の交渉に当たる。
 大統領 この問題をあした解決することはあり得ないと思うが、
作業をこれから進めて、この難しくて重要な問題を解決すると期待
する。
 −北方領土でロシアの実効支配が強まっている。
 首相 日本の立場と相いれないが、重要なことはそのような問題
を根本的に解消するために北方領土問題を解決するしかないという
ことだ。
 大統領 問題解決には環境整備が必要で、信頼関係が重要だ。も
し(交渉)プロセスを妨げたいなら、激しい質問をし、同じような
激しい回答をもらうことだ。(2013/04/30-00:56)
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領土の質問に不快感=プーチン大統領−共同記者会見
 【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領が29日の安倍晋三首
相との共同記者会見で、北方領土をめぐる日本側の同行記者の質問
に不快感を示す一幕があった。
 記者は、ロシア政府が北方四島の開発を進めて実効支配を強めて
いると指摘し、「こうしたことを続けるのか」とただした。これに
対し、プーチン氏はあからさまにため息をつき、「(領土交渉)プ
ロセスを妨げたいならば、激しい質問をして、同じように激しい回
答を得ることになる」と早口でまくしたてた。 
(2013/04/30-02:00)
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イルクーツク声明
 イルクーツク声明 2001年3月、ロシアのイルクーツクで森
喜朗首相とプーチン大統領が署名した共同声明。平和条約締結後の
歯舞、色丹2島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)
を「平和条約締結に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的
な法的文書」と確認。東京宣言(93年)に基づき、択捉、国後両
島を含む四島の帰属問題を解決するとしている。
 森氏は今年2月、安倍晋三首相の特使としてモスクワを訪問。プ
ーチン大統領と通算16回目の会談を行い、今後の領土交渉に当た
って声明に盛り込まれた合意内容の重要性を確認した。
(2013/04/29-15:52)



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