4652.北朝鮮の交渉構築で米中接近か?



北朝鮮が米韓との交渉開始条件を言い始めた。挑発から出口戦略に
移行したが、その交渉開始をセットするのは、中国になる。このた
め、米中は接近して秘密の協定を結んだ可能性がある。この可能性
を検証しよう。   津田より

0.経緯
昨年11月、中国の李建国(リー・ジエングオ)中央政治局委員が北
朝鮮を訪問。携えた習近平(シー・ジンピン)総書記の書簡は極め
てシンプルな内容。「弾道ミサイルを発射するな」というものだっ
た。しかしその12日後、北朝鮮は発射を強行する。親密さで知られ
る中朝関係だが、金正恩第一書記が立て続けに習総書記に抗う姿勢
を見せてからというもの、その関係は暗礁に乗り上げている。一方
、中国と韓国が急接近し、蜜月関係が生まれている。

このため、怒った中国が北朝鮮に対する経済的な封じ込めを始め、
対北朝鮮国境の都市、丹東では北朝鮮への観光ツアーをストップ。
また、中国の企業が相次いで北朝鮮への投資を中止し、中朝の合弁
で進められている羅先地区の開発も電力、道路などのインフラ投資
が相次いで延期されている。

中国は、北朝鮮の貿易額の80%、エネルギーの90%を握っているが、
そのライフラインを断てば北朝鮮は生きていけない。しかし北朝鮮
に対する影響力を失う可能性もあると中国は懸念している。この中
「中国は中朝関係を再評価するべき」の論文は、中朝関係はすでに
過去のものであり、中国は北朝鮮を放棄し朝鮮半島の統一を推進す
るべきだと主張しているが、この間接的な方式で北朝鮮に強いメッ
セージを送った。

もう1つ、北朝鮮はまもなく田植えのシーズンを迎える。田植えは
、北朝鮮の国家の一大行事とされていて、大学生や公務員、軍人の
一部までその作業に借り出される。今、戦時態勢にあり、そこに人
員を割かれている。この人員を遅くとも5月には農作業に回さなけ
ればならない。もし、田植えができないと食料が今より無くなる。
そして、なるべくなら韓国から農薬などを援助させたい。

このため、北朝鮮も挑発を止めて対話へにシフトせざるを得ないこ
とになった。

北朝鮮は2月12日の核実験後、訪朝を求めた中国高官に対し、協
議を拒否。北京の北朝鮮大使館も一時、中国との接触に応じていな
かった。しかし、4月に入り、北朝鮮が今月中旬、中国との対話を
受け入れる考えを示していたことがわかった。

このため、日本政府の高官も16日夜、弾道ミサイル発射の構えを
みせている北朝鮮の最近の動きについて、「発射の兆候がなくなっ
てきた」との見方を示した。事実、北朝鮮は19日現在、中距離弾
道ミサイル「ムスダン」などを日本海側に展開したままだが、一部
の部隊は前線から撤収を始めた。

北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会は18日、「(北朝
鮮への)敵対行為と侵略策動が続く限り、北南対話や関係改善は絶
対にない」としたが、これは条件でもある。

米韓合同野外機動訓練「フォール・イーグル」が予定通り4月末に
終わった時点で、「北朝鮮の力の前に『米韓はなすすべなく撤退し
た』と宣言する」ということで対話に応じる可能性がある。

反対に、米中韓は北朝鮮の政権が崩壊した場合、誰も北朝鮮を再建
するコストを担えないことである。朝鮮半島統一の複雑性とコスト
は東西ドイツ統一をはるかに上回る。このため、日米中韓が北朝鮮
の生命維持システムを継続する理由でもある。 

このため、北朝鮮が挑発を止めて対話に応じるなら、日米中韓とも
に対話での解決を目指すしかない。

1.対話への裏舞台
このような状態になり、習近平国家主席とケリー米国務長官の13
日の会談で、北朝鮮問題で高官級の米中協議を迅速に始めることで
合意。この合意で18日、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の議長
を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が21〜24日の日程
でワシントンを訪れ、デービース北朝鮮担当特別代表らと会談、北
朝鮮への対応策を協議する。

また、19日、尹炳世(イ・ビョンセ)外相が24日に中国を訪問
し、王毅(おう・き)外相と会談すると発表した。両外相の就任後
、初の公式会談で、米韓への威嚇を続ける北朝鮮への対応や中韓関
係の強化策などについて協議する。

米国防総省当局者は19日、制服組トップのデンプシー統合参謀本
部議長が25〜27日の日程で訪日することを明らかにした。これ
に先立ち、21日から韓国と中国も訪れ、挑発行動を強める北朝鮮
への対応を中心に協議する。

2.交渉条件に
これで交渉開始の条件をどうするかの議論になっている。

北朝鮮の国防委員会は18日、米韓との対話開始の前提条件として
核実験強行に伴う国連安全保障理事会の制裁決議の撤回など具体的
な内容を明らかにした。

中国外務省の華春瑩報道官は18日、朝鮮半島の緊張状態を解消す
る唯一の正しい方法は話し合いだとの考えを示し。北朝鮮の対話開
始宣言を評価した。

これに対して米ホワイトハウスのアーネスト副報道官は18日、北
朝鮮との対話を再開する条件として、金正恩政権が非核化に取り組
むという真摯(しんし)な姿勢を示す必要があるとした。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は20日、論説で、米国と
の間では「軍縮のための会談はあっても、非核化に関する会談は絶
対にない」と主張した。

オバマ大統領が就任以来、明確に打ち出した立場は今回の北朝鮮の
ような挑発的な行動に報償は与えないということだという。国連安
全保障理事会の制裁決議の撤回などしないし、非核が前提であると
いう。

この中、日本の小野寺防衛相は20日、北朝鮮が危機回避に向けた
対話に応じる条件として、国連制裁決議の撤回などを要求している
ことについて「核・ミサイル計画の廃棄という要求は緩めてはいけ
ない。この問題についての譲歩は絶対にあってはいけない」と強調
した。

北朝鮮は20日、米国や韓国が対話を呼び掛けていることについて
、「朝鮮半島の緊張激化の責任を認定し、本当の平和のための政策
的勇断を下したなら、これほど幸いなことはない」として、交渉を
否定しない立場を示した。

2.ケリー国務長官の立場
ジョン・ケリーの祖父はアシュケナージである。また「母方の上海
生まれの祖父が、アヘン貿易で財を成した過去への反省も影響して
いる」ともいう。このため、イスラエルや中東に思い入れがあり、
その分、中国以外のアジアには冷淡な印象を受ける。

事実、「米国は中国を敵視せず、協力相手とみなすべきだ」と主張
、「アジア太平洋地域での軍事力増強は中国包囲網との印象を与え
る」と親中姿勢を鮮明にしている。特に中国の位置づけが、前任の
クリントンより融和的である。G2の関係を目指しているようにも
見える。

このため、安倍首相は15日、ケリー米国務長官との約1時間の会
談が終わりにさしかかると突然、会談に同席していた岸田外相やル
ース駐日米大使に退席を促した。2人だけの会談になった。

首相は7分間の会話で、ケリー氏にクギを刺そうとしたのではない
かというが、米国と中国が近くなり、何かの密約ができた可能性が
あると見たのではないか?

中国は、ロシアと日本を抜いた朝韓米中の4ケ国会議にする方向を
志向している。また、中国は、日中戦争になったとき核戦争になら
ない時は米国の介入を排除しようとしている。事実、中国外務省は
19日、ジュネーブの国連欧州本部で「日本に対し核兵器は絶対に
使わない」と述べた。中国は核兵器を先制使用しない政策を掲げて
いるが、政府高官が具体的な国名に言及するのは異例。

しかし、ケリー米国務長官は15日、都内の東京工業大で講演し、
「米国は太平洋国家として地域の力の再均衡を図っていく」と述べ
、第2期オバマ政権によるアジア重視の姿勢を強調した。これは今
までの主張とは違うように感じる。

何があるのか、日本の位置づけには不安な状態が続くことになる。
日本が相当な武装をしないことで、米国にとっても中国より下にな
っているようにも感じる。特にケリー国務長官によってだとは思う
が、日本は、米国の中国重視政策に苦しむことになる。

さあ、どうなりますか?

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北朝鮮「軍縮会談なら」 米との対話受け入れ示唆の報道 
2013/4/20 21:44nikkei
 【ソウル=内山清行】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は20
日、論説で「今後、わが方と米国間に軍縮のための会談はあっても
、非核化に関する会談は絶対にない」と強調した。対話の条件に非
核化を掲げる米国を批判する一方で、北朝鮮を核保有国として認め
たうえでの米朝軍縮会談であれば受け入れると示唆する内容だ。同
紙ウェブサイトの報道をラヂオプレスが伝えた。

 北朝鮮は18日、米韓両国との対話再開に国連制裁の撤回など3条
件を提示した。これ以降、北朝鮮メディアでは「対話は平等の原則
に基づかなければならない」「米国が対話をわめくのはずるい計略
にすぎない」などと、米朝対話を扱う報道が増えている。ただ、北
朝鮮の主張に米国が理解を示す可能性は低い。

 20日の労働新聞論説は「米国が敵視政策を放棄しない限り、核抑
止力を強化する措置がとられる」と、米国の譲歩がなければ威嚇を
続ける考えもにじませた。
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もし北朝鮮が崩壊したならば……そのコストとリスクは誰も担えな
い―英紙
配信日時:2013年4月20日 7時10分recordchina
2013年4月18日、英紙フィナンシャル・タイムズは記事「北朝鮮問題
に関する最悪の予想」を掲載した。新華網が伝えた。 

2月末、中国共産党中央党校の機関紙・学習時報の●聿文(デン・ユ
ーウェン、●は登におおざと)氏はフィナンシャル・タイムズに論
文「中国は中朝関係を再評価するべき」を寄稿した。同論文は、中
朝関係はすでに過去のものであり、中国は北朝鮮を放棄し朝鮮半島
の統一を推進するべきだと主張している。 

中国政府は間接的な方式で北朝鮮に強いメッセージを送ったわけだ
が、そのメッセージが北朝鮮に受け止められた兆候はない。中国は
北朝鮮の貿易額の80%、エネルギーの90%を握っているが、そのラ
イフラインを断てば逆に北朝鮮に対する影響力を失う可能性もある
と中国は懸念している。 

日米中韓は北朝鮮において「損害を出さないこと」を方針としてい
る。北朝鮮が求める承認や制裁撤回を与える理由はない。しかし北
朝鮮の指導者に勝利を宣告させ、メンツを与える余地は残している。 

最も危惧するべきこと、それは遅かれ早かれ北朝鮮の政権が崩壊す
るということだ。そうなった場合、誰も北朝鮮を再建するコストを
担えないだろう。朝鮮半島統一の複雑性とコストは東西ドイツ統一
をはるかに上回る。この点もまた日米中韓が北朝鮮の生命維持シス
テムを継続する理由でもある。 

それでも朝鮮民主主義人民共和国が永遠に存続することはない。北
朝鮮崩壊のリスクとコストはアジア地域における巨大な負担として
のしかかるだろう。核兵器をのぞけば、この問題こそが最も懸念さ
れている問題だ。(翻訳・編集/KT)
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米国は責任認定を=北朝鮮
 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、米国や韓国が対
話を呼び掛けていることについて、「朝鮮半島の緊張激化の責任を
認定し、本当の平和のための政策的勇断を下したなら、これほど幸
いなことはない」として、交渉を否定しない立場を改めて示す論評
を伝えた。
 ただ論評は、「(米韓の意図に)懐疑心を持たざるを得ない」と
批判。米国が危機を醸成していると主張した。(2013/04/20-19:43)
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北京・山本勲 米中関係の「仕切り直し」に備えを
2013.4.20 13:51 sankei[緯度経度]
 この2年余り対立が先鋭化していた米中関係に変化がみられる。
「親米」習近平政権の発足に加え、2期目のオバマ政権が内政・経
済重視に転じ始めたことが影響している。特に中国が「親中派」と
みなすケリー国務長官の13、14両日の訪中は、こうした印象を
強めた。日本も米中関係の“仕切り直し”に備える必要がある。

 「先ごろオバマ大統領との電話会談で中米の協力関係を強化し、
『新型大国関係』の構築を模索することで合意した。双方が戦略的
、長期的な視点から積極的に協力関係を拡大することを希望する」。
習近平国家主席は13日のケリー長官との会談で、満面の笑みを浮
かべながらこう語った。

 李克強首相は北朝鮮の軍事挑発を「持ち上げた石を自分の足に落
とす行為」と批判。米国とともに「朝鮮半島の安定に努める」意思
を表明した。

 王毅外相は「どんな状況下でも半島非核化を堅持する」と強調、
双方が今後の両国関係発展の方策を盛り込んだロードマップを作成
することで合意した。

 さらに気候変動対策、クリーンエネルギー開発、サイバー攻撃な
どの問題で、合同作業部会を設けて協力することでも合意した。い
ずれもオバマ政権が中国に協力や改善を求めていた問題や課題だが
、胡錦濤前政権の対応は消極的だった。

 対照的に習政権は3度目の核実験を強行した北朝鮮に対する国連
安全保障理事会の制裁強化決議(3月7日)に加わるなど、胡前政
権との違いを示している。

 習政権は海洋覇権の拡大では前政権以上に強硬だが、オバマ政権
が北朝鮮の核放棄をめざすには欠かせない協力相手だ。習主席はハ
リウッド映画のファンで、娘を米国の大学に留学させた親米派でも
ある。

 一方、ケリー長官は1月末の米議会上院公聴会で「米国は中国を
敵視せず、協力相手とみなすべきだ」と主張、「アジア太平洋地域
での軍事力増強は中国包囲網との印象を与える」と親中姿勢を鮮明
にしている。

 ブッシュ前大統領と戦った2004年の大統領選でも、「『中国
は一つ』との政策を堅持し、(米国が台湾支援の根拠としている)
台湾関係法には一切言及しなかった」(中国評論新聞)というから
筋金入りだ。

 「母方の上海生まれの祖父が、アヘン貿易で財を成した過去への
反省も影響している」(同)という。米国の「アジア太平洋回帰」
を先導し、中国の海洋覇権拡大に厳しく臨んだクリントン前長官と
は正反対だ。

 習政権にとり、またとない協力相手が登場した。わずか1日余の
訪中で双方が盛りだくさんの合意に達したのもうなずける。

 米中が地域の安定と発展のために協力するのは結構だ。だが習主
席が唱える新型大国関係には、「双方の核心的利益を尊重し合う」
との条件がある。中国のそれは東シナ海や南シナ海、台湾・チベッ
ト・新疆ウイグルなどの領土・領海を含み、周囲の国・地域や民族
の存亡を左右する。

 「第2の大国となった中国にそれ相応の待遇、権益を認めるなら
、当分の間は米国の覇権に挑戦しない」との本音が見え隠れする。

 まさかとは思うがオバマ政権がこれに応じるなら、両大国の野合
だ。北朝鮮の核放棄をめざした6カ国協議も茶番劇に終わった。ニ
クソン以来の米歴代政権は中国の巧妙な外交に謀られ続けてきた。
そうならないよう日米の意思疎通をさらに密にする必要がある。
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核・ミサイルで譲歩せず=小野寺防衛相
 小野寺五典防衛相は20日、北朝鮮が危機回避に向けた対話に応
じる条件として、国連制裁決議の撤回などを要求していることにつ
いて「核・ミサイル計画の廃棄という要求は緩めてはいけない。こ
の問題についての譲歩は絶対にあってはいけない」と強調した。防
衛省で記者団に語った。(2013/04/20-14:13)
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米国とは「非核化の会談は絶対にしない」と北朝鮮 対米協議は
「軍縮」主張
2013.4.20 15:27
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」
は20日、論説で、米国との間では「軍縮のための会談はあっても
、非核化に関する会談は絶対にない」と主張した。

 非核化への措置を対話の条件にする米国の主張は受け入れられず
、核保有国として認めることをあらためて要求した形。

 論説は、米国の核の脅威によって「朝鮮戦争の停戦協定が白紙化
された状態」にあると主張。米国が北朝鮮への敵視政策を放棄しな
ければ「核抑止力を質的、量的に強化するさらなる措置」を続ける
と警告した。
(共同)
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「日本に核兵器使わない」=異例の具体的国名言及−中国高官
 【ジュネーブ時事】中国外務省の※(※=マダレに龍)森軍縮局
長は19日、ジュネーブの国連欧州本部で「日本に対し核兵器は絶
対に使わない」と述べた。中国は核兵器を先制使用しない政策を掲
げているが、政府高官が具体的な国名に言及するのは異例。核兵器
のない地域で「いかなる状況下でも中国は核兵器を使わない」と強
調した。
 北朝鮮問題については「相互信頼の欠如が最大の課題」と指摘。
対立激化が「危機をあおる悪循環をもたらす。関係国は膝を交え対
話すべきだ」と訴えた。(2013/04/20-07:08)
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韓国外相が24日に訪中 王外相と北朝鮮問題協議
2013.4.19 22:51
 韓国外務省は19日、尹炳世(イ・ビョンセ)外相が24日に中
国を訪問し、王毅(おう・き)外相と会談すると発表した。両外相
の就任後、初の公式会談で、米韓への威嚇を続ける北朝鮮への対応
や中韓関係の強化策などについて協議する。

 両外相が3月中旬に電話会談した際、王氏が尹氏の訪中を要請し
ていた。尹氏は、北朝鮮に一定の影響力を持つ中国が、態度を軟化
し、非核化に向けた対話に応じるよう北朝鮮への働き掛けを強める
ことを求めるとみられる。(共同)
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北朝鮮、米韓との対話開始の条件を列挙 制裁決議撤回など
2013.04.18 Thu posted at 16:39 JST
(CNN) 北朝鮮の国防委員会は18日、米韓との対話開始の前提
条件として核実験強行に伴う国連安全保障理事会の制裁決議の撤回
など具体的な内容を明らかにした。国営メディアが伝えた。
米韓合同軍事演習の恒久的な放棄や両国による挑発行動の停止、挑
発への謝罪表明なども含まれる。国防委は声明で、米韓が北朝鮮軍
と人民による報復の鉄槌(てっつい)の打撃を避け、真の対話と交
渉を欲するなら、軍事演習の放棄などを実行すべきだと主張した。
また、核問題の解決については米国が最初の行動を示すべきだと強
調。「朝鮮半島の非核化は米国が(半島に)もたらした核戦争手段
の撤収で開始されるべきだ」とし、この措置が世界の非核化につな
がるとも述べた。
北朝鮮は今年2月の3度目の核実験を受けた国連安保理の追加制裁
決議に強く反発、弾道ミサイル発射の示唆や朝鮮戦争休戦協定の白
紙化、唯一残った南北協力事業の開城(ケソン)工業団地への韓国
人立ち入り禁止など軍事、経済などでの強硬措置を相次いで打ち出
している。
この中でオバマ米大統領は16日、米NBCテレビとの会見で北朝
鮮の最高指導者、金正恩(キムジョンウン)第1書記に対し米韓に
対する威嚇は北朝鮮の孤立化をさらに進めるだけだと警告。
北朝鮮による最近の挑発的な行動については、父の故金正日(キム
ジョンイル)総書記、祖父の故金日成(キムイルソン)主席が以前
見せていた行動パターンと同一と指摘。その上で、大統領就任以来
、明確に打ち出した立場は今回の北朝鮮のような挑発的な行動に報
償は与えないということだと強調した。
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中国高官、21日から訪米 北朝鮮への対応協議
2013.4.19 10:05 [米国]
 米国務省当局者は18日、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の議
長を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が21〜24日の日
程でワシントンを訪れ、デービース北朝鮮担当特別代表らと会談、
北朝鮮への対応策を協議すると明らかにした。

 習近平国家主席らは中国を訪問したケリー米国務長官との13日
の会談で、北朝鮮問題で高官級の米中協議を迅速に始めることで合
意していた。

 米側は会談で、北朝鮮の挑発行為中止や非核化に向けて、中国が
本格的に影響力を行使するよう求める。(共同)
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米軍トップ、25日に訪日=北朝鮮対応など協議、中韓も歴訪
 【ワシントン時事】米国防総省当局者は19日、制服組トップの
デンプシー統合参謀本部議長が25〜27日の日程で訪日すること
を明らかにした。これに先立ち、21日から韓国と中国も訪れ、挑
発行動を強める北朝鮮への対応を中心に協議する。
 デンプシー議長は日本で自衛隊制服組トップの岩崎茂統合幕僚長
らと会談。北朝鮮の核・ミサイル問題のほか、中国の急速な軍備拡
張や海洋進出をにらんだ自衛隊と米軍の連携強化などをめぐり意見
を交わす見通し。(2013/04/20-05:32)
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ミサイル発射可能性低下か 北朝鮮、中国と対話意向示す
2013年4月20日5時30分
 【機動特派員・牧野愛博】弾道ミサイル発射の構えを見せていた
北朝鮮が今月中旬、中国との対話を受け入れる考えを示していたこ
とがわかった。北朝鮮関係筋が明らかにした。日米韓は警戒態勢を
維持する一方、弾道ミサイル発射の可能性は低くなったとみている。

 北朝鮮は2月12日の核実験後、訪朝を求めた中国高官に対し、
協議を拒否。北京の北朝鮮大使館も一時、中国との接触に応じてい
なかった。今後、北朝鮮核問題をめぐる6者協議の議長を務める中
国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表かハイレベルの高官が訪朝し、
米朝対話や6者協議に応じるよう求める見通しだ。

 北朝鮮は19日現在、中距離弾道ミサイル「ムスダン」などを日
本海側に展開したままだが、一部の部隊は前線から撤収を始めた。
25日の北朝鮮軍創建記念日に合わせた軍事行動の兆候もみられな
いという。30日に米韓合同軍事演習が終了した後、対話の動きが
より加速しそうだ。
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北朝鮮の条件「受け入れられず」=非核化への決断必要−米国務長官
 【ワシントン時事】ケリー米国務長官は18日、北朝鮮が米韓と
の対話の条件として全面謝罪や国連制裁決議の撤回などを要求して
いることについて「受け入れられない」と明言した。上院外交委員
会で証言した。
 長官はこの中で、北朝鮮の声明に関して「一連の挑発が始まって
以来、初めて交渉という言葉が出てきた。少なくとも(交渉への)
最初の糸口とみられるが、受け入れられない」と強調した。
 また、交渉再開のためには非核化に向けた北朝鮮の決断が必要と
の認識を示し、「このことは中国にも明確に伝えた」と述べた。
(2013/04/19-06:37)
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非核化への姿勢必要=北朝鮮との対話で−米
 【ワシントン時事】米ホワイトハウスのアーネスト副報道官は18
日、記者団に対し、北朝鮮との対話を再開する条件として、金正恩
政権が非核化に取り組むという真摯(しんし)な姿勢を示す必要が
あると強調した。(2013/04/19-00:20)
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朝鮮半島の緊張解消、話し合いが唯一の正しい方法=中国外務省
2013年 04月 18日 17:33 JST 
[北京 18日 ロイター] 中国外務省の華春瑩報道官は、18
日の定例記者会見で、朝鮮半島の緊張状態を解消する唯一の正しい
方法は話し合いだとの考えを示した。

北朝鮮は同日出した声明で、米国および韓国との対話の条件として
、国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁決議の撤回などを求めて
いた。
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北朝鮮「関係改善、絶対にない」 対話提案の韓国揺さぶり
2013.4.18 13:46 [北朝鮮]
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一
委員会は18日、「(北朝鮮への)敵対行為と侵略策動が続く限り
、北南対話や関係改善は絶対にない」との報道官談話を発表した。

 北朝鮮は17日、稼働が中断した南北協力事業、開城工業団地へ
の韓国側関係者の訪問申請を拒否したばかり。南北対話に簡単には
応じないことを重ねて示し、対話を提案した韓国の朴槿恵政権を揺
さぶる狙いがあるとみられる。

 談話は核・ミサイル開発について「交渉で使う駆け引きの道具で
はない。そうした問題を論ずる対話は永遠にない」とあらためて主
張。「こうした原則的な立場は不変だ」と結論づけた。(共同)
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米国務長官、北朝鮮対応「中国と協力重要」 
2013/4/18 11:09nikkei
 【ワシントン=中山真】ケリー米国務長官は17日、米下院公聴会
での証言で、挑発を続ける北朝鮮への対応について「中国の存在が
なければ北朝鮮は崩壊するのは明らかだ。だからこそ中国と協力し
ていくことが重要だ」と強調した。自らの中国訪問も踏まえ「中国
政府もこの問題で米国と協力していく意思を示している」と指摘し
た。

 ケリー長官はこれまで北朝鮮が経済援助などを与えるたびに非核
化の合意を破棄してきた経緯に触れて、「過去の間違いを繰り返す
つもりはない」と訴えた。そのための方策として「これまでと全く
異なる形で中国との協力関係を築くことが欠かせない」と述べた。
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中国に近づく韓国、中国が対北朝鮮政策を転じる可能性も
―香港メディア
Record China 4月19日(金)6時10分配信
2013年4月17日、香港のアジア・タイムズ・オンラインによると、北
朝鮮が挑発的な言動を繰り返し、戦争勃発の危険性が高まっている
中、中国と韓国が急接近し、蜜月関係が生まれている。中国は最終
的には北朝鮮を見限るのではないかとみられている。

日米韓3カ国ラインの中で韓国は最も弱い存在であり、中国は韓国と
接近し北朝鮮に厳しい態度を取ることで3カ国の同盟関係を崩そうと
していると、ソウルにある誠信女子大学の専門家は指摘している。
米国が構築するアジア太平洋同盟において日本と韓国の関係は重要
な要素だが、歴史問題や領土問題などで日韓関係はこじれており、
韓国は同様の問題を抱える中国に接近しやすいと中国は考えている
という。

また、米韓関係にも課題が生じていると中国はみている。米国は日
本には核燃料加工を認めているが、韓国には認めておらず、北朝鮮
に関する情報共有の面でも韓国は米国から重視されていないなど、
韓国は自国の意見が反映されにくい状況に不満を抱いているとされ
、米韓の同盟関係に亀裂が生じかねない状態となっている。

中国と韓国は共に自国寄りの姿勢を取るよう働きかけている。中国
は内部では対北朝鮮政策で意見が分かれていると韓国はみており、
現時点では対北朝鮮政策に変更がなくとも中国は最終的には政策を
転じると確信しているという。韓国は中国に近づくとともに、米国
が中韓の接近に注目して韓国に対して譲歩することも意図している
と、記事は指摘している。(翻訳・編集/岡田)
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北朝鮮“対話”に移行?背景には“ある事情”が…(04/17 17:18)ANN
 挑発行為を繰り返す北朝鮮が、「非核化」を巡る対話に応じなけ
ればならなくなる理由とは何なのでしょうか。
 (野村友弘記者報告)
 ソウルの伝統的な商店街では、夕方の時間帯ということもあり、
多くの買い物客でにぎわっています。こちらの商店街は、どのお店
も店頭にずらりと食材があふれています。北朝鮮が今後、対話を引
き伸ばせない理由がここにあります。その代表的なのが、お米です。
北朝鮮はまもなく田植えのシーズンを迎えます。田植えは北朝鮮に
とって国家の一大行事とされていて、大学生や公務員、軍人の一部
までその作業に借り出されるということです。今、戦時態勢にあり
、そこに割かれている人員を遅くとも5月には農作業に回さなければ
ならない事情を抱えています。また、それを裏付けるように、政府
関係者によりますと、北朝鮮の軍内部では「戦時態勢を継続しろ」
という指示に合わせて「農作業を頑張れ」といった指示も平行して
出されているということです。また、この緊張状態を続けるという
ことは油などを大量に消費するため、北朝鮮にとっては、こういう
状況が続けば続くほど自らの首を絞めることになります。今後、緊
張状態が続いて、万が一、田植えが十分にできないことになり、食
糧事情をさらに悪化させることになると、金正恩体制にとっては体
制維持の目的が自ら内部崩壊してしまうという危険もはらんでいま
す。
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政府高官「発射の兆候、なくなってきた」 北朝鮮ミサイル
産経新聞2013年04月17日08時10分
 政府高官は16日夜、弾道ミサイル発射の構えをみせている北朝
鮮の最近の動きについて、「発射の兆候がなくなってきた」との見
方を示した。
 政府はミサイル発射に備えて警戒監視を続けているが、新型中距
離弾道ミサイル「ムスダン」を搭載した発射台が移動したり、上空
に向いたりするなど具体的な兆候がみられなくなったとの認識を示
した。
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<北朝鮮>冷え込みがあらわになった中朝関係=中国依存軽減を狙
う金正恩―米紙
Record China 4月18日(木)12時11分配信
2013年4月16日、ニューヨーク・タイムズは記事「明らかになった中
朝関係の疎遠」を掲載した。

昨年11月、中国の李建国(リー・ジエングオ)中央政治局委員が北
朝鮮を訪問。携えた習近平(シー・ジンピン)総書記の書簡は極め
てシンプルな内容。「弾道ミサイルを発射するな」というものだっ
た。しかしその12日後、北朝鮮は発射を強行する。

親密さで知られる中朝関係だが、金正恩第一書記が立て続けに習総
書記に抗う姿勢を見せてからというもの、その関係は暗礁に乗り上
げている。中朝関係がどこまで冷え込んでいるのか。この問題は中
国メディアでも議論されたことがあるが、深刻なものとはとらえら
れていない。しかし中国政府内部では金書記をどう扱うか、激烈な
議論が繰り広げられているようだ。

2月の核実験後、中朝関係は緊張した。中国は高官を派遣しようとし
たが、金書記は拒否した。この態度によって金書記は父親の時代よ
りも中国への依存を減らそうとしていることが中国にはよく伝わっ
た。

両国関係の冷え込みは明らかだが、中国メディアはそれでも金書記
に敬意を払っている。少なくともブッシュ前米大統領を“小ブッシ
ュ”と呼んだような非礼はない。だが中国のインターネットには金
書記をばかにするような小話や図像があふれている。中国は不都合
なネットの書き込みは削除しているが、金書記をばかにする書き込
みは容認されているようだ。

また、敬意を払っているとはいえ、中国官制メディアも手厳しく北
朝鮮を批判している。環球時報は中国の我慢にも限度がある、もし
中国の利益を深刻に損なうならば容赦はしないとの社説を掲載した。
人民日報電子版も北朝鮮の国連安保理決議違反を責め、「情勢を見
誤ることなかれ」と警告した。(翻訳・編集/KT)
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米中が対北朝鮮で急接近 日本、存在感低下の恐れ 
2013/4/15 21:09nikkei
 安倍晋三首相は15日のケリー米国務長官との会談で、北朝鮮の非
核化に向けて日米の連携を深めていく方針を確認した。一方、ケリ
ー氏は中国で北朝鮮の非核化に向けた2国間高官協議の開始で合意
するなど、米中を軸とした新たな枠組みに強い意欲をみせている。
日本は沖縄県の尖閣諸島を巡る対立で中国との対話は滞ったまま。
米中が急接近すれば、北朝鮮問題での日本の存在感が低下する恐れ
もある。

 「朝鮮半島の非核化に強く関与しようとする中国の姿勢を歓迎す
る」。ケリー米国務長官は15日のオバマ政権のアジア外交に関する
演説で、わざわざ中国を持ち上げた。その後の安倍晋三首相との会
談でも中国を評価する言葉を口にした。

 ケリー氏の言葉からは北朝鮮に影響力を持つ中国との連携をうま
く運べた安堵感がうかがえる。対北朝鮮での米中の接近は、双方の
利害が一致している事情が大きい。

 北朝鮮問題はオバマ外交にとって内政への得点にはならず、優先
順位を上げたくないのが本音だ。半面、北朝鮮の弾道ミサイルが米
国を射程に入れる現状は看過できない。中国の力を利用しながらそ
の危機を封じ込めることが好ましい展開だ。

 中国にとっても核保有にまい進する北朝鮮は苦々しく映る。中国
はこれまで北朝鮮の体制崩壊が自国の情勢不安定化につながること
を懸念し、擁護する立場を取ってきた。しかし、北朝鮮の核兵器保
有は、中国の安全保障にも重大な脅威となるため、何としても阻止
したい考えだ。

 日本は中国と国際社会の連携に異論はないものの、複雑な思いは
避けられない。日米同盟では、日本には東アジア情勢の安定に寄与
する役割が期待されている。中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表は
英語よりも日本語が堪能で、日本は本来、米中のパイプ役とならな
ければいけない存在だ。

 朝鮮半島情勢に詳しい外交筋は「過去には関係国の中で米中韓と
北朝鮮の4カ国協議の枠組みが浮上したことがある」と指摘。「日
本抜き」の可能性が潜むことを示唆する。14日に開かれた日米外相
の共同記者会見では、ケリー氏は中国との連携を何度も強調したが
、岸田文雄外相は「日米韓3カ国の連携をさらに深める枠組みの必
要性を感じている」と語った。
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北ミサイル、4月下旬〜5月上旬か…不意打ちも
 【ソウル=門間順平】北朝鮮は15日、国家最大の祝祭日とされ
る金日成キムイルソン主席の誕生日を迎えたが、懸念された中距離
弾道ミサイル発射は、同日中には確認されなかった。

 日米韓は、北朝鮮が日本海側に配置した弾道ミサイル群が、いつ
でも発射可能な状態で維持されているとみて警戒を続ける。

 ミサイル発射時期については、北朝鮮が平壌駐在の外交使節に「
10日以降の安全を保証できない」と通告、11日や13日が金正
恩キムジョンウン氏の指導者ポストの就任記念日と重なることから
、国威発揚に好都合な10〜15日の可能性が高いとみられてきた。

 日韓両政府関係者や北朝鮮問題専門家は、次に発射可能性が高ま
るのは「4月下旬から5月上旬だろう」と話す。4月25日は朝鮮
人民軍創設記念日で、前後なら軍の士気高揚につながる。4月下旬
に発射に踏み切り、米韓合同野外機動訓練「フォール・イーグル」
が予定通り4月末に終わった時点で、「北朝鮮の力の前に『米韓は
なすすべなく撤退した』と宣言することを狙ってもおかしくない」
(防衛省幹部)との指摘もある。
(2013年4月16日01時34分  読売新聞)
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首相「北朝鮮には何度も裏切られてきた」 ケリー氏にくぎ刺す
2013.4.16 00:56 sankei[安倍首相]
 「2人だけで話をさせてもらえませんか?」

 安倍晋三首相は15日、ケリー米国務長官との約1時間の会談が
終わりにさしかかると突然、こう切り出し、会談に同席していた岸
田文雄外相やルース駐日米大使に退席を促した。

 首相とケリー氏の2人だけの会談は「予定にはなかった」(政府
関係者)ハプニングだ。通訳だけを介した約7分間のやり取りで、
2人がどんな会話を交わしたのかは不明だ。

 しかし、2人きりになる前、首相がケリー氏に投げかけた次の言
葉に謎を解くヒントが隠されている。

 「北朝鮮は3代にわたり瀬戸際外交を繰り返してきた。『対話』
というが何度も裏切られてきている。北朝鮮は危機を醸成してある
ものを与えろ、というやり方だ。そのことを忘れないでください」

 会談でケリー氏は「韓国、中国は北朝鮮の非核化を目指すという。
関係国との協力で目的を実現したい」と述べていた。

 対中融和派と目されるケリー氏の動きによっては、米国が北朝鮮
との対話路線に急転回することもありうる−。こんな疑念を抱き、
それを払拭するために、首相は7分間の会話で、ケリー氏にクギを
刺そうとしたのではないか。

 そもそも、今回のケリー氏のアジア初歴訪の事前調整でも、首相
はある仕掛けを施していた。

 「来日は一番後回しで構わない」。日本側が米側にこんな提案を
持ちかけたのが、ケリー氏のアジア歴訪の直前。中国から「最初の
訪問国」に選ぶよう要請を受けていた米側は「本当に最後でいいの
か」と念押ししたが、日本は「最後でいい。その代わり、訪韓と訪
中の話をしっかりと教えてほしい」と回答したという。最終的に歴
訪は韓国、中国、日本の順になった。日本は「メンツ」より、北朝
鮮をめぐる米国の考えを知る「実利」を重視した。

 首相には苦い経験がある。前回首相を務めていた平成19年6月
、米国のヒル国務次官補(当時)が電撃訪朝。その後、米国は6カ
国協議という舞台をテコに北朝鮮との対話路線に舵(かじ)を切っ
たが、今に至るまで北朝鮮の核・ミサイル開発の野望を食い止める
ことができないでいる。

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で「北朝鮮がミサイル発射を
やめ、非核化に動き始めることが(対話の)前提条件だ」と強調し
た。これが、過去の教訓に基づく日本政府の揺るぎない方針だ。

 一方で、韓国政府が対話を呼びかける姿勢に転換し、米国がこれ
を歓迎するという現状を踏まえ、菅氏は「非核化に向けて動き始め
るのであれば、日本も対話の窓は閉ざすことはない」とも述べた。

 挑発行為を容認しないという日本政府の基本姿勢を強調しつつ、
米中韓の思惑と北朝鮮の出方によっては対話に応じる可能性をにじ
ませるギリギリの表現だ。

 日本政府は北朝鮮に圧力をかけつつ、米国、中国、韓国の意図を
慎重に見極めようとしている。(杉本康士)
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「情勢は最悪の局面に」=北朝鮮大使が米国批判
 【北京時事】北朝鮮の池在竜駐中国大使は15日、中国国営新華
社通信のウェブサイト「新華網」に文章を寄せ、「今日の朝鮮半島
情勢は米国の執拗(しつよう)な核戦争挑発策動のせいで最悪の局
面に達した」と米国を強い調子で批判した。
 池大使は米国が韓国との合同軍事演習でB52戦略爆撃機による
爆弾投下訓練などを行ったことを非難し、「侵略のための核戦争演
習を狂乱的に行い、緊張激化の悪循環を意図的に醸成している」と
、米国に責任があるとの論理を展開した。(2013/04/15-23:04)
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ケリー長官、中国に「大国の責任」要求 初のアジア外交演説 
2013.4.15 14:15 [アジア・オセアニア]
 来日中のケリー米国務長官は15日、都内の東京工業大で講演し
、「米国は太平洋国家として地域の力の再均衡を図っていく」と述
べ、第2期オバマ政権によるアジア重視の姿勢を強調した。北朝鮮
については、「交渉する用意はある」とする一方、非核化など国際
的義務を果たす意思を示すことをその条件とした。

 2月に就任したケリー氏が、包括的なアジア戦略について言及す
るのは初めて。急成長するアジア太平洋地域が「今後の世界の繁栄
に大きく影響する」と指摘。日本の環太平洋戦略的経済連携協定(
TPP)交渉参加についても歓迎した。

 演説では、アジア地域の安定を脅かす喫緊の課題として朝鮮半島
情勢を挙げ、日中韓の3カ国がこの問題で「一致している」と述べ
て北朝鮮を牽制した。北朝鮮の非核化に向けた中国の姿勢も評価し
た。

 一方、地域の安定の課題として核兵器、領海問題、気候変動を挙
げ、台頭する中国に「大国の責任」を要求。サイバー攻撃や人権問
題などにも触れ、名指しを避けつつ中国にクギを刺した。(吉村英輝)
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 ジョン・ケリー国務長官でアメリカ外交は大丈夫か?
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2013年4月15日no.3924

アシュケナージの出自、ベトナム戦争反戦運動という不名誉な履歴

 ジョン・ケリー新国務長官は訪日前に北京に寄って習近平、李克
強ならびにカウンターパーツの王毅外相と会談した。おもに北朝鮮
の核問題で中国の強い協力を要請した。

しかし長旅に疲れたわけでもないだろうに全体に覇気がなく、動作
が弱々しく、画像をみていると北朝鮮問題での北京の介入におおき
な期待を寄せていることが分かる。
 ひょっとして前任者ヒラリー・クリントンほうが鷹派で、ケリー
は対中恐怖論者ではないか。

というのも、北朝鮮の横暴、でたらめの暴力的振る舞いでマスコミ
は振り回されつつ、例によって大事なニュースの報道を軽視した。

ベトナムである。
中越戦争を経験している両国は、ベトナム戦争直後、アメリカ軍か
ら奪い取ったりした近代的兵器を保有したベトナムが中国に勝った
。しかしそれから三十年、中国は狂気の軍拡を成し遂げ、その軍事
費はベトナムの四十倍! (ドルベースで中国は915億ドル、ベ
トナムは26億ドル)。

これでは軍事衝突がおきても勝負はみえている。それでもベトナム
は健気にナショナリズムを鼓吹し、中国との対決姿勢に躊躇はない。
問題はあまりにも劣化した海軍力では中国の侵略に対抗できないこ
とである。

中国は心理戦争では激しくベトナムを刺激している。中国製の地図
にはベトナム領土の一部の島嶼が中国領に編入されている。
両国は「交渉による平和解決」を目ざすと共同コミュニケを発表し
ているが、2011年以後、一度の話し合いはもたれず、ベトナム
のネット世論は完全に反中国である。

すでに中国は海南島に14000隻の漁船を登録し、3万5000
人の漁民が待機している。
ベトナムは「この多くは漁船ではない。軍人の隠れ蓑である」と批
判している。

 ▼ベトナム戦争に従軍し名誉勲章も受けたケリーだったが。。。
除隊後、ケリーはベトナム反戦運動に積極的に荷担し、共和党マケ
インのようにベトナムの囚われていた本物の強者からみれば軟弱、
信念がない、金持ちの火遊びなどと批判された。

大学時代のかれはブッシュと秘密結社スカルアンドボーンズで同席
したし、しかもブッシュ家とジョン・ケリー一家は遠戚でもある。
 
ジョン・ケリーの祖父はアシュケナージである。母がフランス系で
、このためケリーはスイスでも暮らしたことがあり、フランス語が
流暢。
 アシュケナージとは欧州へのがれたユダヤ人のことを意味し、祖
父の代にアメリカへ渡り、カソリックに改宗した。

 そのDNAから、かれが国務長官就任後、まっさきに飛んだのは
イスラエルとエジプトであり、その出自からしても、またアメリカ
の伝統的なイスラエルへの加担ぶりからみても、ケリーの活躍の場
所である。しかしアジア方面は暗く、興味も薄く、活発な姿勢がな
にも感じられない。

 ケリーは尖閣諸島に関して「どちらに帰属するかは米国は干渉し
ないが、日本の施政権が及んでいることは明か。この現状を一方的
に変えようとするいかなる試みには反対である」といかにも抽象的
表現だが、尖閣が急襲されても米軍は護らないと言外に言っている
のである。

南沙、西砂、東沙は、すでに一部の島嶼を中国が侵略したままであ
る。尖閣はまだ軍事占領されていないが、日本が油断したら必ず軍
を「偽装漁民」として軍人を上陸させるだろう。
北京もすでにケリーの訪問を受け、その頼りない外交力を把握した
ことだろう。



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