4648.中国経済はどうなるのか?



中国統計局が発表した今年1〜3月期の実質国内総生産(GDP
)は前年同期比7・7%増となり、予想外の減速となった。だが、
中国経済の実態はもっと深刻かもしれない。

中国経済の実態に近いとされる鉄道貨物輸送量は、このところ前年
割れや横ばいが続いていることから、「本当はゼロ成長に近いので
はないか」との観測もある。

中国統計の精度が改めて問われているが、問題というのか相場であ
る。

そして、フィッチは、中国の地方政府による債務について、その他
の分析調査に比べてはるかに悲観的な見方を示したが、最近の政府
当局者らの発言をみると、フィッチの見方ですら楽観的すぎる可能
性も出ている。

フィッチは、中国全体の政府債務が2012年末時点で国内総生産
(GDP)の74%に相当し、そのうち49%ポイントが中央政府
の債務で、25%ポイントが地方政府の債務だと指摘している。

また、フィッチは、政府債務に企業や家計部門の債務も含めた中国
全体の債務規模は対GDP比で198%に達するとしている。

中国の審計署(会計検査院に相当)トップは最近、地方と中央政府
を合わせた債務残高(訂正)は2012年末時点で15兆─18兆
元に達したとの推計を示した。これはGDPの29─35%に相当
する水準だ。しかし、地方の債務が債務不履行(デフォルト)に陥
った際、どの債務を政府債務として扱うか決めかねているようだ。

地方融資平台向けの債権は暗黙の政府保証が付いていると信じてい
る銀行や債券投資家にとって、思い違いだったとの結果に陥る可能
性を意味している。

どうも、2つのことから、中国経済は公共工事などで、経済成長さ
れていたが、それが限界に来ていることが分かる。民間製造業が盛
んかというと、鉄道貨物輸送量は、このところ前年割れや横ばいが
続いていることから、これもおかしい。

この経済的な問題点は、2006年当時に石平さんが指摘していた。

「生産能力の過剰」と中産階級の不在と社会保障の欠如で、中国の
個人消費の割合は、GDPのわずか37%で日本の60%や米国の70%より
大きく違う。内需が盛り上がらないということである。

政治体制の改革がないと、中国経済はこれ以上の発展がないことと
政府債務も限界になり、公共工事もできなくなるということになり
そうである。

さあ、政治改革で、中産階級を作るために民主化や分配の変更をで
きるか、中国の問題点を見ている必要がある。このため、民主化し
た胡耀邦の名誉復活や改革派の王洋を副首相に指名している。

どちらに、中国は向かうのか、見るしかない?
さあ、どうなりますか?

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アングル:中国の地方債務、フィッチの見方ですら楽観的すぎる可
能性も
2013年 04月 16日 15:20 JST 
[上海 12日 ロイター] 格付け会社のフィッチ・レーティン
グスは、中国の地方政府による債務について、その他の分析調査に
比べてはるかに悲観的な見方を示したが、最近の政府当局者らの発
言をみると、フィッチの見方ですら楽観的すぎる可能性も出ている。

フィッチは今週、中国の長期自国通貨建て格付けを「AAマイナス
」から「Aプラス」に引き下げた。フィッチは、中国全体の政府債
務が2012年末時点で国内総生産(GDP)の74%に相当し、
そのうち49%ポイントが中央政府の債務で、25%ポイントが地
方政府の債務だと指摘している。

地方債務に関するシステミックリスクへの対処は、習近平政権の優
先課題の1つだとみられている。

中国政府は2008年の金融危機時に4兆元の景気刺激策を発表。
地方債務への懸念が初めて浮上した。

2011年に危機をめぐる情勢が安定化したことを受け、政策当局
者らは減速している景気を下支えするために新たにインフラ投資を
打ち出した。最近のデータによると、地方債務は昨年に再び拡大し
た。

フィッチによる中央と地方を合わせた中国の対GDP政府債務比率
は、スタンダード・チャータードの推計である50%よりもはるか
に高い。北京に本拠を置く調査会社GKドラゴノミクスは49%、
バークレイズは62%とみている。

ただ、実際にはフィッチの見方も楽観的すぎるのかもしれない。

中国の審計署(会計検査院に相当)トップは最近、地方と中央政府
を合わせた債務残高(訂正)は2012年末時点で15兆─18兆
元に達したとの推計を示した。これはGDPの29─35%に相当
する水準だ。

中央政府の債務残高である8兆2700億元を除くと、地方債務残
高は6兆7300億─9兆7000億元となるが、審計署は以前、
地方債務残高の推計値は2010年末時点で10兆7000億元に
なると示しており、これでは2年間で劇的に債務が減少した計算と
なるため、あまりに低すぎるとみられる。

また、審計署の推計は、旧鉄道省や国家開発銀行といった政策銀行
の債務など、アナリストが指摘しているさまざまな中央政府の偶発
債務を含んでいないことが示唆されている。

<あいまいな分類>
フィッチは、政府債務に企業や家計部門の債務も含めた中国全体の
債務規模は対GDP比で198%に達するとしている。これはその
他のアナリストの推計にほぼ沿っている。

中国の債務をめぐっては、分類が不明確なため不満が渦巻いている。

中国の法律では、地方政府が債券を直接発行することはできず、地
方政府による資金調達のための特別目的会社「地方融資平台」(L
GFV)を通じて数兆元を借り入れている。

しかし、どの事業体が地方政府の債務を抱える地方融資平台なのか
、もしくは公有企業が運営する事業会社なのか定かではなく、どち
らのケースでも企業債務と計上されている。

フィッチは格下げに伴って発表した声明で、「企業と(地方政府)
セクター間における融資分類があいまいだ。地方政府の債務をめぐ
る透明性の欠如は他国と比して中国の欠点だ」と指摘した。

中国の銀行監督当局は2011年、地方融資平台のブラックリスト
を作成。地方融資平台が銀行からの融資を受けにくくして以来、融
資分類はますます分かりにくくなった。多くの地方融資平台が地方
財政を支える役割を覆い隠すようになったためだ。

スタンダード・チャータード(香港)の大中華圏調査部門トップ、
スティーブン・グリーン氏は最近の調査ノートの中で、地下鉄を建
設している地方都市のある地方融資平台幹部との会議に触れ、「わ
れわれは彼らが公共インフラプロジェクトに主としてかかわると考
慮し、どのように銀行融資を受けるのか尋ねた。これに対し、立腹
したこの財務マネジャーは、自分たちは地方融資平台ではない、と
回答した」と指摘。「この結果、われわれが『企業』のレバレッジ
とみていたうちの一部分は政府のバランスシートに移されるべきだ
ということになった。しかし、どのくらいかということについては
分からない」と説明した。

実際のところ、少なくとも現時点では、地方政府の債務規模は単純
に分からないのではなく、知りようがないのかもしれない。

過去1年間における当局の声明をみると、政府自身ですら、地方融
資平台が債務不履行(デフォルト)に陥った際、どの債務を政府債
務として扱うか決めかねているようだ。

規制当局は、地方債務を財源としたプロジェクトの種類を基に、地
方債務の分類を進めている。

これは、地方融資平台向けの債権は暗黙の政府保証が付いていると
信じている銀行や債券投資家にとって、思い違いだったとの結果に
陥る可能性を意味している。
(Gabriel Wildau記者;翻訳 川上健一;編集 吉瀬邦彦)
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中国GDPに粉飾疑惑 「減速」どころか実態深刻か 水増し報告
当たり前…
2013.04.16ZAKZAK
 中国統計局が発表した今年1〜3月期の実質国内総生産(GDP
)は前年同期比7・7%増となり、予想外の減速となった。だが、
中国経済の実態はもっと深刻かもしれない。GDPの算出について
デタラメぶりが暴露されたほか、貿易統計では輸出額の大幅な水増
し疑惑も浮上、世界の投資家の不信感は募るばかりだ。

 8%台を回復するとの市場予想を下回った要因について、中国国
家統計局の盛来運報道官は15日の記者会見で、先進国の金融緩和
が人民元の対ドル相場上昇を招き、輸出に悪影響を与えたことなど
を挙げた。日中関係の悪化で両国間の貿易や投資が低迷しているこ
とも影響したとみられる。

 鳥インフルエンザ拡大も「世界第2の経済大国」の指標を下押し
すると懸念されているが、問題の根はもっと深い。疑われているの
は中国の経済指標そのものなのだ。

 今年2月にこんな報道があった。中国紙・新京報によると、中国
の省や直轄市など地方政府が発表した昨年のGDPを合計したとこ
ろ、中国政府発表の名目GDPを5兆7600億元(約91兆4700
億円)も上回った。その差額は広東省のGDPに相当する規模だと
いう。

 中国に詳しいジャーナリストの宮崎正弘氏は「地方政府は成績を
良く見せようと、2倍、3倍に水増しした報告は当たり前。国家統
計局は地方政府から上がってきた数字を減らして発表するのが仕事
ともいえるが、本当の数字は誰も知らない」と指摘する。

 そうした問題点が指摘されながらも、1〜3月期のGDPが期末
からわずか15日後に公表されるという不可解な状況も続いている
。米国の1〜3月GDPが今月26日、日本が5月16日という公
表予定と比較しても極端に早い。

 中国のGDPの存在意義について「市場を操作したり安心感を与
えるなどの一定の役割はある」と宮崎氏。7・7%という数字につ
いても「中国政府が掲げる7・5%成長を達成するというメッセー
ジとして受け取れる」(国内系シンクタンクエコノミスト)。

 ただ、中国経済の実態に近いとされる鉄道貨物輸送量は、このと
ころ前年割れや横ばいが続いていることから、「本当はゼロ成長に
近いのではないか」(同)との観測もある。

 異常な経済統計はこれだけではない。中国税関総署が今月10日
に発表した3月の貿易統計で、香港向けの輸出額が、前年同月比
92・9%増と「仰天する」(外資系調査会社)ような伸び率を示
した。

 本来なら、香港側の中国からの輸入額も同様な伸び率になるはず
だが、今後発表される香港政府側の貿易統計は中国側の発表を大き
く下回るのは確実とみられている。

 というのも、中国本土側の統計では、今年1月の香港への輸出額
は88・3%増、2月は35・6%増だったのに対し、香港政府側
の統計では、中国本土からの輸入額は1月が34・2%増、2月は
18%減とかけ離れた数字が続いているのだ。

 3月の中国本土から台湾向け輸出も44・9%増だったのに対し
、台湾側発表の中国からの輸入は1・2%減と、もはや統計の体を
なしておらず、中国税関総署は水増しの疑いがあることを暗に認め
ざるを得なかった。

 輸出の水増しが横行する背景について、中国本土の業者が架空の
輸出により、輸出税の還付金を受け取るため、または香港から本土
に資金を移し、株式や不動産などに投資している、などの推測もあ
る。

 前出の宮崎氏はこう語った。

「中国では共産党の独裁が続く限り、数字のごまかしは永遠に続く」
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中国成長率もっと低かった? 精度にまたも疑念 
「政治を斟酌」の声も 2012/10/22 16:39 情報元 日本経済新聞 
【NQN香港=長尾久嗣】2012年7〜9月期の国内総生産(GDP
)が実質で前年同期比7.4%増と、通年目標の7.5%を下回った中国
経済。それでも多くの指標が9月の持ち直しを示唆し、10〜12月期
の回復に期待をつないだ。いわば土俵際で踏みとどまった中国経済
だが、ここにきて「7.4%成長」には物言いも聞かれる。中国統計の
精度が改めて問われている。

 「まさか」ではなく「またか」か。中国の統計の信頼度はも…
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中国高度経済成長の虚構と崩壊の危機  石平
http://www.seki-hei.com/journal/kyokoutohoukai.html

▼中国高度経済成長の牽引力とその限界
2002年から2007年までの6年間、中国経済は毎年連続10
%前後の高い成長率を記録し、止まるところの知らない繁栄と膨張
を続けているように見える。

しかし、その内実を見てみれば、一つの大きな問題点が潜んでいる
ことが一目で分かる。たとえば2007年度において、経済全体の
成長率は11.4%であったのに対して、全国の固定資産投資の伸び
率は前年比24・8%となっている。

つまり、経済全体の成長に対して、固定資産投資だけはその二倍以
上の伸びを見せている。固定資産投資の拡大が経済成長全体に占め
る割合の異常な大きさは一目瞭然である。それは要するに、固定資
産投資の拡大が大きな原動力となって経済全体の成長を引っ張って
きた、という経済成長の構図である。2007年度に限らずにして
、それまでの6年間、中国経済はずっとこのような構図でやってき
たものである。実際、2007年以前、固定資産の伸び率はさらに
高かった年度もある。

しかし、早くも2006年度から、こうした固定資産投資頼りの経
済成長はもはや限界に来ているのである。今までの固定資産投資増
大の一翼を担ってきたのは、いうまでもなく不動産投資の連続的拡
大である。それが、1998年から2006年までの9年間、中国
における不動産販売面積が毎年に平均して25%の伸び率を記録し
てきたという驚きの実績からも分かる。

その結果、中国国民の住宅事情が急速に改善されている。都市部住
民の場合、2006末の時点では、「住居私有率」(日本でいう持ち
家率)がすでに80%に達しており、一人当たりの平均住居面積は
26平米を超えている。だとすれば、少なくとも中国の都市部にお
いては、不動産業はもはや以前のような急成長を望めなくなるのは
当然のことである。今まで中国経済全体の成長を牽引してきた原動
力の一つである不動産産業の成長は、もはや頭打ちに来ていること
が明らかである。

不動産投資と並んで、固定資産投資のもう一つの重要部分はすなわ
ち企業による設備投資である。過去六年間、それはまた、中国の経
済成長を支えてきたもう一つの柱である。しかし今、「成長のエン
ジン」とされるこの領域にも、異変が生じてきているのである。
2006年に入ってから、中国のマスメディア、特に経済関係の専
門紙・専門誌などで、「産能過剰」という新造熟語が目立つように
なってきた。それは文字通り、「生産能力の過剰」という意味であ
る。

2006年4月に、中国人民銀行天津分行研究処の研究員グループ
が発表したレポートによると、中国の主要工業品目で軒並み生産力
が過剰になっており、一部には生産能力全体の六割が余剰であると
いう深刻な業界も出ている。

主要工業品目のうち、たとえば鋼材が年間生産力の四億七〇〇〇万
トンに対し余剰生産力が一億トンであり、セメントが十三億五千万
トンに対し余剰が三億トンであるという。

これからの成長がもっとも見込まれている自動車産業の場合、
2005年末の時点で、現存している自動車工場の年間生産力の
800万台のうち、230万台が過剰となっていた。もう一つの花
形産業である通信機器業となると、たとえば携帯電話の年間販売量
は7千万程度であるのに対して、生産能力だけが5億台にも達して
いるのである。

中国商務部の高虎城副部長もこの年の4月中旬に開かれた関連会議
において、「一部業界における過度投資の結果、産能の過剰は日を
益して深刻化している。鉄鋼・セメント・電力・石炭・紡績などの
主幹産業はすべて過剰状態となった」と指摘している。

以上は、2006年の時点における中国の「産能過剰」の実態であ
るが、「産能」の過剰はそのまま、商品の供給能力の過剰を意味す
る。2007の年初に中国商業部から発表された一つの統計数字が
それを裏付けている。それによると、2006年度において、国内
の主要消費品品目の七割近くは「供給過剰」になったという。例え
ばたばこ・酒類などの嗜好品の「供給過剰率」は36%に達してお
り、薬品類となると、実は五割の品目が供給過剰になっている

言ってみれば、鉄鋼業から自動車産業まで、たばこの供給から薬品
の供給まで、中国の経済と人々の生活を支えている重要産業の大半
は「産能過剰」に陥っている。中国経済はかつて経験したことのな
い深刻な事態に直面するようになったのである。

経済というのはもともと供給と需要のバランスの上に成り立つもの
だから、生産=供給能力がそれほど過剰してしまうと、経済全体のバ
ランスが完全に崩れたと言ってよい。

実は当の中国政府も危機感を募らせている。2006年11月に、
国家発展開発委員会の主任を務める馬凱氏が公の場で「過剰投資の
取り締まりは中国の急務だ」と発言したのも、こうした危機感の現
れであろうが、2007年3月に、中国の経済運営の総責任者であ
る温家宝首相は全国人民大会閉幕の記者会見にて、「中国経済が経
済全体のアンバランスなどの構造上の巨大問題を抱えている」と率
直に認めていたのである。危機感を覚えた中国政府は、この問題へ
の対応策として、2007年に入ってから「内需拡大」の経済政策
を打ち出した。国内需要を拡大させることによって「産能過剰」を
解消する方策である。しかし1年間経ってみると、中国政府の内需
拡大政策はそれほどの成果をあげているとはとても言えない。
2007年度の各経 済指標を見ていますと、固定資産投資の伸び率
は前述の24・8%であったのに対して、消費者小売総額の伸び率
はそれを大きく下回った16.8%という数字に止まっている。需
要の増大は依然として生産能力の増大に追いつかない状況である。

▼ネックとなる社会保障の欠如と中産階級の不在
中国政府の内需拡大政策はどうして功を奏することができなかった
のか。その最大の原因はもちろん、国民の消費意欲の低迷にある。
2000年代に入って以来、中国は固定資産投資の継続的な拡大に
よって驚異の高度経済成長を維持してきた一方、政府と経済界が常
に頭を悩まされている大問題の一つはすなわち、中国全体における
構造的な消費不振である。

中国の消費不振は、多くの統計数字によって確認されている。一国
のGDP(国内総生産)に占める個人消費の割合を示す「個人消費率」と
いう数値があるが、アメリカのそれはたいてい70%程度で、日本の
場合は常に60%前後である。しかし中国の場合、2006年度の数
字では、それがわずか37%であった。

経済全体に占める消費の割合はいかに低いかがよく分かる。しかも
、1991年年度における中国の個人消費率は48.8%だったから
、16年間連続の経済高度成長のなかで、個人消費の割合はむしろ
縮小する傾向にあることも分かった。言ってみれば、経済が成長す
ればするほど、庶民たちの財布のひもがますます堅くなっている、
という不思議な現象が起きているのである。

それは一体どういうことなのか。1つの大きな原因はやはり、中国
における社会保険システムの不備である。たとえば医療保険の場合
、2005年11月に中国政府が公表した資料によると、2005
年の段階では、中国全土で、都市部住民と農村部住民を含めた国民
の何と85%以上は、いっさいの医療保険(健康保険)に入っていな
いのである。


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