4641.現時点でのアベノミックス評価



アベノミックス評価するには、まだ早い。1の矢:金融緩和と2の
矢:財政出動の2つが終わった段階である。日本のようなローカル
通貨が米国並みの金融緩和したら、英国のような衰退となるか、米
国のバブル経済になるか、もしくは、英米とは違い経済復活するか
、よくわからない。

ムーディーズは「この規模の金融緩和はまだ試されておらず、意図
されたポジティブなマクロ経済効果を上げるための日銀の政策の有
効性およびスケジュールがともに不透明だ」と指摘し、緩和策は、
信頼に足る構造改革および財政再建計画を日本政府が実施するまで
の時間を稼ぎにしかならないとの見解を示した。

というように、今後の3の矢:成長戦略での規制緩和などがでない
と評価できないということのようである。

アナリストや日本政府当局者も、日銀が次の手を打つまで時間を置
く公算が大きいとの見通しを示した。また、浜田宏一内閣官房参与
も、「日銀政策がモノやサービスの価格、それに消費と投資に影響
するかどうか見極める必要がある」とした。

しかし、その実、政府の成長戦略を待つということのような気もす
る。

また、 与謝野馨・元経済財政相は「異次元」緩和策に対し、「財
政ファイナンス」であることは明らかで、健全な金融財政政策とは
言えないと警告した。現時点では、この考え方もできる。

アベノミックスの結果を評価できるのは、3の矢:成長戦略の全体
像が出た時のようである。それまで、様子見の状態が続く可能性が
高い。円安がどこまでいくのか、資産バブルになる可能性があるの
かなど評価はまだのようである。

さあ、どうなりますか?
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日銀、大胆な緩和策のあとは一休みか―効果見極めで
By TATSUO ITO
2013年 4月 10日 09:11 JST  WSJ
 【東京】アナリストや日本政府当局者は9日、日本銀行は黒田東彦
総裁の下で前任者の白川方明氏の時代よりも次の手を打つまで時間
を置く公算が大きいとの見通しを示した。これは大胆な金融緩和策
がデフレ脱却の闘いで成果を上げられるかどうか見極めなければな
らないためだ。

 日銀はこれまでの徐々に緩和をしていく政策から大きくかじを切
り、これが今度は何をするのかという思惑をなくすのに役立った。
一方で、日銀がいつまで様子見を続けるかは円安が持続するかどう
かにかかっている、とアナリストらは指摘する。

 浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)は、黒田氏が大胆
な措置を取ったことを称賛するとともに、日銀が変わったとの見方
に同意した。浜田氏は、日銀の政策で円相場が下落し、株価が上昇
したことからみて、今やこれらの措置が実体経済に伝わるかどうか
を見極める時だと指摘した。

 同氏は最近、「日銀政策がモノやサービスの価格、それに消費と
投資に影響するかどうか見極める必要がある」とし、年末までに雇
用情勢に大幅な改善が見られるだろうと付け加えた。また、効果が
なければ、日銀はもっと多くの資産を買うことができるとしている。

 こうした状況から、3月の全国消費者物価指数が引き続きマイナス
になり、2%の物価上昇目標の実現が遠くても、4月26日の日銀金融
政策決定会合で追加的な緩和策が取られると予想する日銀ウオッチ
ャーはほとんどいない。

 ある政府当局者は先日の緩和策を行き過ぎだと言う人はいるかも
しれないが、これが不十分だとは決して言えないとし、このため、
円安傾向が続く限り、日銀が比較的長期にわたって政策を維持して
も驚くには当たらないと付け加えた。
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焦点:黒田日銀が引き起こしかねない「逆運用部ショック」
2013年 04月 9日 16:53 JST 
[東京 9日 ロイター] 黒田日銀がマーケットとの対話力を問
われている。長期国債の7割を吸い上げる異次元緩和は、需給を過
度に締め上げる「逆・運用部ショック」とも言える危機を引き起こ
しかねないからだ。

国債をいつ買うかの具体的な日程開示や、買い取り手法を巡る市場
からの要望にどう耳を傾けるかは、今回の政策を成功させられるか
どうかの一里塚になる。

「いっそのことオペの日取りを発表したらどうか」。ある大手銀行
幹部はこう漏らす。異次元緩和へのシフトで長期国債の購入額は月
額4兆円から7.5兆円に増やされたが、実際にいつ買い取られる
かは市場関係者には分からない。

これまでの輪番オペでも購入日程そのものは公表されていなかった
が、「国債入札の多い火曜や木曜日には通告しないなどの『暗黙の
ルール』が存在し、オペは、あうんの呼吸で打たれていた」(邦銀
)ほか、万が一、足並みが乱れても額が今ほど大きくはなかったた
め、その影響は限定的だった。だが、日銀による大量購入時代に入
り、事情は変わった。

財務省が毎月発行する利付国債は10兆円余り。日銀はこの7割を
吸い上げるのに1回のオペで、1日1兆円超を購入する。
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インタビュー:熱狂は失敗へ、財政ファイナンスに警鐘
=与謝野元経済財政相
ロイター2013年04月09日16時59分
[東京 9日 ロイター] 与謝野馨・元経済財政相は、ロイター
のインタビューに応じ、2%の物価目標を2年で達成することを大
命題として黒田日銀新体制が打ち出した「異次元」緩和策に対し、
「財政ファイナンス」であることは明らかで、健全な金融財政政策
とは言えないと警告した。
期待に働きかけることで円安・株高が進行しマインドが好転してい
るが、国民が大熱狂する政策はたいてい失敗に終わると警鐘を鳴ら
した。
デフレ脱却のための金融政策の柱に2%の物価目標を掲げる「アベ
ノミクス」について、与謝野氏は「インフレを政治家が政策手段と
して使ってはいけない。アベノミクスはインフレーションをあてに
した政策論で、私は批判的だ」と述べた。物価目標達成の可能性に
ついては「日銀が物価を動かすことができるかというと、そんな道
具は持っていない。能力も持っていない。そういう人に物価目標を
作らせるのは無責任極まりない」と批判した。
異次元緩和を好感して、金融市場では連日のように円安と株高が進
行。マインド好転による経済の好循環への端緒となっている。
しかし、与謝野氏は「日本経済が本当によくなるためにはやはり、
人が良く働き、新しい技術を作り、海外でモノを売る努力を一生懸
命するという、従来と変わらない努力が必要なのであって、レーガ
ノミクスも失敗、サッチャリズムも失敗した。問題は政策が長い期
間の評価に耐え得るかということにかかっている」と指摘。「ここ
一週間、株が上がって、円が安くなったからといって、皆が喜んで
、お祭りしているのは、この政策がダメだということを証明してい
るようなものだ」と皮肉った。
続けて「ギリシャ、ローマの時代から、国民が大熱狂する政策は大
抵失敗に終わっている」と指摘。円安による政策効果については「
日本経済にそんなに恩恵を与えるわけではない」との見方を示した。
2%の物価目標については「2%も物価が上がれば国民は怒り、(
利払い費の膨張で)財政の大赤字がどんどんどんどん増えていく」
とし、取るべき手法ではないと批判した。
とりわけ、日銀による大量の国債買い入れについて、政府と日銀が
「これは財政ファイナンスではない」と言っても、「財政ファイナ
ンスであるということは明らかだ。決して健全な金融財政政策とは
言えない」と指摘。「長期金利は理由もなくある日突然上がり始め
る。誰も打つ手がない。そういう性質のものだ」と懸念を示した。
*インタビューは8日に行った。
(ロイターニュース 吉川裕子;編集 石田仁志)
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主要先進国の緩和政策、すべての関係国に有益=米FRB議長
2013年 04月 9日 09:18 JST 
[ワシントン 8日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)の
バーナンキ議長は8日、世界の主要先進国の緩和的な金融政策は全
般的にすべての関係国にとって有益だとの見解を示した。
議長は「大半の主要先進国は緩和的な金融政策を実施している。差
し引きすると相互に建設的だ」と述べた。
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日銀の緩和策、構造改革が実施されるまでの時間稼ぎ=ムーディーズ
2013年 04月 8日 11:50 JST 
[東京 8日 ロイター] 米格付け会社ムーディーズ・インベス
ターズ・サービスは8日付のリポートで日銀が4日に発表した大胆
な金融緩和策について、格付けにはポジティブだが構造問題の解決
にはならないとの見方を示した。

ムーディーズは「この規模の金融緩和はまだ試されておらず、意図
されたポジティブなマクロ経済効果を上げるための日銀の政策の有
効性およびスケジュールがともに不透明だ」と指摘し、緩和策は、
信頼に足る構造改革および財政再建計画を日本政府が実施するまで
の時間を稼ぎにしかならないとの見解を示した。

また、日銀の大胆な緩和にリスクがないとは言えず、成長を促進で
きなかったり、日本国債市場の不安定化につながったりした場合に
は、国債利回りの上昇をもたらす可能性もあると警告。さらに、日
銀の緩和策は日本の銀行の格付けにはポジティブだが、保険会社の
格付けにはネガティブだと指摘した。
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アベノミクスは「資産バブル経済」…野田前首相
 野田前首相は7日、千葉県佐倉市のパーティーであいさつし、安
倍首相の経済政策について、「海外投資家と食事する機会があり、
その1人が『ABE』と言った。Aはアセット。Bはバブル。Eは
エコノミー。資産バブル経済、という意味だ」と述べ、首相の名前
にひっかけて批判した。

 野田氏は「日本の状況はバスタブに巨象が足を片足つっこんだ状
況だ。象が足を抜くとどうなるか」と述べ、首相の政策がバブルを
生み出していると指摘した。
(2013年4月7日21時09分  読売新聞)


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