4631.新政権・中国の方向は?



中国と日本の尖閣諸島領有権問題もやっと、落ち着いてきた。この
先、中国はどうなるのかを検討しよう。津田より

0.安倍構想の破綻
安倍構想は、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって
、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイアモ
ンドを形成することにあるとした。中国封じ込めと思われる構想で
ある。

しかし、オーストラリアのボブ・カー外務大臣は「中国を封じ込め
るいかなる方法についても、豪政府はこれを拒否する」と述べた。
これは安倍構想の否定である。

続いて、中国の習近平国家主席はインドのシン首相と会談し、シン
首相は「インドは自主独立の外交政策を取っており、中国を封じ込
める手段として使われることはない。両国はライバルではなく、協
力パートナーだ」との認識を示した。というように安倍構想をここ
でも否定している。

中国・習近平主席の外交攻勢が始まって、安倍外交の成果を覆して
いる。中国の経済力が日本を仰臥しているために、中国は優位にこ
とを運んでいる。日本は既に、中国に単独で対抗しても無理がある。

事実、中国の習近平国家主席は24日、アフリカ最初の訪問地・タ
ンザニアのダルエスサラームでキクウェテ大統領と会談し「タンザ
ニアは中国の主権と領土保全の問題では断固として中国を支持する
」とし、中国側はタンザニアへの多額な支援と引き換えに、沖縄県
・尖閣諸島などを含む主権問題でタンザニア側の支持を引き出した
形である。

ロシアでも中国の習近平国家主席は、メドベージェフ首相やプーチ
ン大統領と首脳会談をして「相互利益の国際的・地域的問題で意見
交換し、目的は達成できた」と評価。調印された共同声明で、中国
が提起した「核心的利益」の問題がロシア側に受け入れられたとし
た。その裏には、ロシア国営の石油大手ロスネフチが、中国へ25年
間、原油供給を2倍余り拡大することになる協定を交わしたことがあ
り、中国が大得意先であることが反映している。

1.尖閣問題について
人民日報(海外版)は「行動で海上に明確な線を引く」と題する評
論記事を1面に掲載。沖縄県・尖閣諸島や南シナ海の領有権をめぐ
る周辺国との対立で中国が具体的な行動に出たことで、自国にとっ
て有利な状況が生まれたと強調した。中国が昨年、自らの主張に沿
った尖閣周辺の領海基点を公表したことで、日本による実効支配を
「打破した」と主張している。

防衛省のシンクタンク・防衛研究所の「東アジア戦略概観2013」
でも、中国による沖縄・尖閣諸島の領有権主張活動について「かな
り早い段階から周到に主張を行う準備をしていたことがうかがわれ
る」と記述し、中国が日本の出方を見極めつつ戦略的に活動をエス
カレートさせている実態を指摘した。

ナショナリストの石原慎太郎・維新の会代表は、中国が準備してい
るその時に、餌を与えてしまったということだ。日本の国益を結果
的に毀損してしまった。状況を見て、頭の良い対応をしないと熱情
だけで行動すると、相手の思うつぼになることを示した事実は大き
い。中国の機関紙が言うように完全に中国が得をした状態になって
いる。

しかし、日本も対応してきた。日米両政府が尖閣諸島(中国名:釣
魚島)問題を念頭においた「共同作戦計画」を夏までに策定すると
した。中国海軍が領海内で武力を使用した場合、日米共同の行動指
針となる。このため、中国から見ると、中国が単独で日米共同作戦
に対応することになり、分が悪い。

このため、日本との関係正常化を進めるしかない状態になった。そ
して、中国外務省の洪磊副報道局長は29日、安倍晋三首相が春季例
大祭にあわせた靖国神社参拝を見送る意向を固めたことについて
「日本は歴史を正視することによってのみ、未来を切り開くことが
できる」と評価した。

同日に、程永華(てい・えいか)駐日中国大使は、5月下旬にソウ
ルでの開催が調整されている日本、中国、韓国3カ国首脳会談に関
し、期間中の日中首脳会談について、「中国側として避けるもので
はない」と述べた。ただ、首脳会談実現には、尖閣諸島の扱いを「
避けては通れない」と指摘。「日本側が問題を適切に処理し、ハイ
レベルの交流対話のための条件作りをし、双方が力を合わせる必要
がある」と語った。

中国の意味するところは、領土問題があり、その上で棚上げを認め
よということである。日本側のできることは、引き続き、尖閣諸島
への設備や人の移動を制限するということである。現状維持を続け
ることを宣言するしかない。石原構想の否定である。それしかない。

日本側は、現状維持、中国側は棚上げと捉えられるような表現にし
て、両国の国内での政治的な解決をすることだ。

2.中国の経済面
中国の李克強首相は、「持続的な経済発展を目指し、2020年まで年
平均7%以上の経済成長を実現する。これは容易ではないが、中国
には巨大な内需という有利な条件がある」と述べた。この巨大な内
需として打ち出したのが「都市化政策」である。農村部の一部を「
都市化」することによってインフラ整備や不動産投資への需要を創
出し経済成長の新たな原動力にしていくというものである。しかし、
都市化というが、現在でもゴーストタウンが多数出来ている。これ
だけでは年7%は無理がある。

現在、中国の労働賃金が上昇して、低付加価値商品に国際的な競争
力がなくなっている。高付加価値製品を輸出するしかないが、この
分野で輸出できる企業は中国国内でも少ない。

よって、経済発展のためには、今後も外資依存体制を続けるしかな
い。そして、この分野では日本の存在は依然として大きい。この点
で、日本に厳しい姿勢をとり続けるのは困難で、ゆっくりと経済面
で妥協をはかるしかない。政権ができたことで徐々に始めている。

李克強首相が挙げた第2の目標として民生の改善を挙げ、「低所得
者の収入増により、中所得者層の拡大を目指す」と述べた。また農
民や都市住民などの社会公正の確保にも言及した。一方、行政改革
については「改革は容易ではないが、現在1700以上ある国務院(政
府)各部門の行政認可事項を3分の1以上減らす」と述べた。

そして、中国政府は、中国の国内総生産(GDP)は2020年前
後に米国を抜いて世界首位になり、30年前後には米国の1・5倍
に達する見通しを明らかにした。

経済規模が大きくなり、中国人民銀行の周小川総裁は、人民元資本
取引の自由化を段階的に実現するとした。香港上海匯豊銀行(HSBC
)の最新報告で人民元は世界で最も急速に台頭する通貨となり、国
際金融システムの根本的な再構築が始まったとした。

3.中国の政治面
習近平には独自の派閥がないことが露呈し、これからの政局運営は
団派(共産主義青年団)が主導し、上海閥の張徳江は全人代委員長
、愈正声は全国政治協商会議主任といずれも閑職に追いやられた。
副首相の張高麗は江沢民の腰巾着だったが、周りが団派に囲まれて
の四人の副首相体制では色が出せなく変身せざるを得ない。その結
果、「上海派 < 団派+太子党」という権力構造がはっきりした。

そして、党官僚の団派が中心であることで、習近平国家主席、李克
強首相体制はトップダウンというより調整型の政府になるとみられ
、習総書記は自らの地盤が不安定なので、強硬な姿勢を見せ軍の支
持を背景に安定化させようとするだろうと見る。

しかし、実態は、共産党内部の政策対立で「学級崩壊」状態との見
方もある。道路閥、石油閥、鉄道閥などの利益団体の対立や、社会
保障重視の左派、保守派と、経済発展第一の右派、革新派の対立軸
もある。江沢民派と胡錦濤派、さらに太子派の三つ巴とよく言われ
るが、それほど単純なものではないようだ。政治局員25名以上の
派閥があると見たほうがよいという意見もある。

25名の投票で重要政策が決定するので、習近平国家主席の合意を
得たからといって、安心してはいけない。25名の政治局委員の動
向を見ないとわからない。

習近平国家主席は「全面的な小康社会(国民の衣食が満たされた状
態)、富強の民主文明、調和の取れた社会主義、近代的国家の建設
という努力目標を実現するため、中華民族の偉大な復興という中国
の夢を実現する」と語った。

しかし、李克強首相は、「大切なのは行動すること。のどが破れる
ほど叫ぶよりも、(実際の仕事に)全力を注ぐべき」と発言した。

習主席が「愛国」、「忠義」などの“スローガン”を多用している
一方で、「のどが破れるほど叫ぶよりも、(実際の仕事に)全力を
注ぐべき」などと、“あてこすり”とも受け止められかねない表現
をするのは異様であり、この2人はうまくいかないような感じだ。

政権内部の権力闘争が今後も続くとすると、軍の支持を得たい習主
席が強硬姿勢を取ることになる。

というように、中国の動向は複雑な方程式でできているので、複眼
で見るしかないようだ。

さあ、どうなりますか?
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中国大使:「尖閣避けて通れず」…日中首脳会談実現へ向け
毎日新聞 2013年03月29日 21時46分
 程永華(てい・えいか)駐日中国大使は29日、東京都内で記者
会見し、5月下旬にソウルでの開催が調整されている日本、中国、
韓国3カ国首脳会談に関し、期間中の日中首脳会談について、「中
国側として避けるものではない」と述べた。ただ、首脳会談実現に
は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の扱いを「避けては通れない」と
指摘。「日本側が問題を適切に処理し、ハイレベルの交流対話のた
めの条件作りをし、双方が力を合わせる必要がある」と語った。

 程大使は、日中関係の現状について、「もっとも引っかかってい
るのは釣魚島。双方の立場と主張に違いがあるのも事実で、整理し
てプラスの方向へ進めるにはどうすればいいか。解決策を探し、両
国関係が正常発展の軌道に戻るように望んでいる」と述べた。

 程大使は習近平(しゅう・きんぺい)新指導部は「中日関係を重
視する方針に変わりない」と指摘。一方で、知日派の王毅(おうき
)元駐日大使の新外相就任により習指導部が対日関係改善に積極的
だと推し量る見方については「中国政府の対日政策の方針やウエー
トが変わったとは思わない」と否定的な見解を示した。【石原聖】
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中国、首相の靖国参拝見送り評価 関係改善模索か 
2013/3/29 19:02nikkei
 【北京=島田学】中国外務省の洪磊副報道局長は29日の記者会見
で、安倍晋三首相が春季例大祭にあわせた靖国神社参拝を見送る意
向を固めたことについて「日本は歴史を正視することによってのみ
、未来を切り開くことができる」と評価した。靖国神社問題には「
日本が侵略の歴史を正視し、被害を受けた中国人民の感情を尊重で
きるかどうかだ」と指摘した。

 一方、中国共産党機関紙の人民日報は29日、抗日戦争を扱う中国
のテレビドラマについて「商業化のために暴力シーンが過激になっ
ている」と批判する記事を掲載した。3月に入って中国メディアで
は日本を批判する記事が少なくなっており、中国政府による対日関
係の改善を模索する動きだとの見方が出ている。
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尖閣活動、戦略的エスカレート 「中国、周到に準備」 防衛研分析
2013.3.29 08:18 sankei
 防衛省のシンクタンク・防衛研究所は29日付で、日本周辺の安
全保障環境を分析した「東アジア戦略概観2013」を公表した。
中国による沖縄・尖閣諸島の領有権主張活動について「かなり早い
段階から周到に主張を行う準備をしていたことがうかがわれる」と
記述し、中国が日本の出方を見極めつつ戦略的に活動をエスカレー
トさせている実態を指摘した。

 同書はその例として、日本政府が昨年9月11日に尖閣を国有化
した前後の中国側の対応を列挙。反日デモの拡大や公船の領海進入
などに加え、尖閣周辺の「領海基準線」公表▽海図を国連に提出▽
周辺の天気予報の放映開始−など、準備に時間がかかる対抗策を矢
継ぎ早に打ち出したことを挙げた。尖閣国有化に先立つ中国側の布
石にも触れ、昨年3月に日本政府が尖閣周辺を含む39島の名称を
確定した翌日、中国側も尖閣周辺島嶼(とうしょ)に名称を付けた
と発表した経過などを記述。「尖閣をめぐる緊張は(国有化)以前
から予兆があった」とした。

 また、習近平中国国家主席の過去の言動を検証し「共産党統治体
制を維持するためには民族主義を強調することもいとわない政治家
」と分析した。
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中国、尖閣で日本の実効支配「打破した」 機関紙評論
2013.3.28 22:46 [尖閣諸島問題]
 28日付の中国共産党機関紙、人民日報(海外版)は「行動で海
上に明確な線を引く」と題する評論記事を1面に掲載。沖縄県・尖
閣諸島や南シナ海の領有権をめぐる周辺国との対立で中国が具体的
な行動に出たことで、自国にとって有利な状況が生まれたと強調し
た。

 評論は中国国際問題研究所の研究員が寄稿。中国が昨年、自らの
主張に沿った尖閣周辺の領海基点を公表したことで、日本による実
効支配を「打破した」と主張。

 フィリピンと領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄
岩島)では、海洋監視船などによるパトロールの常態化を実現し、
実効支配を強めたとした。

 評論はこれらのケースを「海洋権益を守る新たなモデル」とし、
“成功例”として紹介。「わが国が関わる海域での形勢に根本的な
変化が生じた」と結論づけた。(共同)
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中国・習主席「軍事交流拡大を」=インド首相と会談
 【北京時事】中国の習近平国家主席は27日、滞在先の南アフリ
カ・ダーバンでインドのシン首相と会談した。28日の中国外務省
発表によると、習氏は「軍隊の交流協力を拡大し、軍事面での相互
信頼を深めねばならない」と強調。戦略経済対話などの枠組みを利
用し、大規模なインフラ建設での協力を進めたいとの考えを伝えた。
 シン首相は「それぞれの核心的利益と重大な関心事」を尊重し、
戦略的な信頼関係を深めていく必要性を指摘。「インドは自主独立
の外交政策を取っており、中国を封じ込める手段として使われるこ
とはない。両国はライバルではなく、協力パートナーだ」との認識
を示した。(2013/03/28-18:35)
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出足からつまずいた李首相
2013.3.28 08:30 産経[石平のChina Watch]
 今月17日、中国の李克強首相が就任後に初めて開いた記者会見
で、彼の率いる新政府の行く末を案じさせるような際どい場面があ
った。国営新華通信社の記者が李首相の唱える「都市化政策」につ
いて質問したときである。

 過去10年間、前任の温家宝首相の施政下で中国経済は高度成長
を継続していたものの、その末期においては成長の勢いが完全に失
われた。2012年の成長率が13年ぶりに8%台を割ったことや
、同じ12年において中国の大手鉄鋼メーカー80社の平均利益が
前年度比で98%減となったことなどが、中国経済の凋落(ちょう
らく)ぶりを如実に語っている。紙幣の乱発によって支えられた公
共事業投資の拡大で成長を引っ張っていく「温家宝式」の成長戦略
は確実にその終焉(しゅうえん)を迎えたのである。

 こうした中で李氏が自前の成長戦略として打ち出したのは「都市
化政策」である。農村部の一部を「都市化」することによってイン
フラ整備や不動産投資への需要を創出し経済成長の新たな原動力に
していくというもくろみだ。

 たとえば李氏は去年の7月中旬に副首相として地方視察を行った
際、「内需拡大の最大の潜在力は都市化にある」と語っているが、
それが「都市化政策」の狙いを端的に示している。

 昨年11月28日、李氏と北京訪問中のアジア銀行総裁との会談
においても、総裁から中国今後の経済成長の見通しを聞かれたとき
、彼はやはり、「未来数十年の潜在的成長力は都市化だ」と胸を張
ってみせた。

 だが、この政策が打ち出された当時から国内ではさまざまな批判
が上がってきた。インフラ投資の拡大で成長を牽引(けんいん)し
ていく発想は今までの成長戦略の単なるコピーではないのか、人為
的な都市化の推進は結局不動産バブルのさらなる膨張を助長するこ
とになるのではないか、等々である。

 昨年来、都市一つ丸ごと新造されていても誰も住まないという「
鬼城(ゴーストタウン)現象」が全国的に広がったことや、既存都
市の存続自体を脅かす大気汚染がより深刻化したことなど、いわば
「都市化政策」に冷や水を浴びせるような出来事が続出した。李氏
の「新成長戦略」は実施される前から早くも行き詰まりの様相を呈
した。

 そして、冒頭に記した件の記者会見では、質問に立った新華社記
者は何と、「社会の一部での議論」を代弁するような形で「都市化
はもともと近代化の自然の結果であって、わざわざ推進するもので
はないのではないか」と、李首相肝いりの「都市化政策」に真っ正
面からの疑問を呈した。

 新首相のメンツすら一顧だにしない厳しい「質問」が、政府主催
の記者会見において国営通信社の記者の口から出されたことは、現
代中国の政治史上前代未聞の大珍事である。李首相自身の政治的権
威の欠如と、彼の「都市化政策」に対する体制内批判の高まりがそ
の背後にあるのだ。

 そして、この質問に対する答えの中で、李首相の口からは「内需
拡大の最大の潜在力」うんぬんという自信満々の言葉がついに出る
ことはなかった。彼は結局、「人々の幸福のために」とかの抽象的
な表現を使って記者からの疑問をかわすのに精いっぱいだった。

 このようにして、中国の新首相はその「成長戦略」のつまずきと
ともに出足から迷走した。今後5年あるいは10年、彼は一体どう
やってこの国の経済を運営していくのか。そして政権にとっての生
命線である経済の持続的成長は一体どうやって達成できるのだろう
か。船出したばかりの李克強政府と中国経済の今後は前途多難であ
る。
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わが国は日米共同作戦に単独で対応すべきではない=中国報道
2013/03/27(水) 12:14 searchina
  中国網日本語版(チャイナネット)によれば、中国社会科学院
栄誉学部委員の昭奎氏はこのほど、中国は日米共同作戦に単独で対
応すべきではないと論じた。以下は同記事より。
**********
  日本メディアはこのほど、日米両政府が尖閣諸島(中国名:釣
魚島)問題を念頭においた「共同作戦計画」を夏までに策定する方
針だと報じた。中国海軍が領海内で武力を使用した場合、日米共同
の行動指針となる。

  日米軍事同盟が交わされてすでに半世紀以上が経過した。1990
年代半ば、中国の台頭を受け、米国はアジア太平洋地域での主導的
地位を維持するため、また、仏独主導の欧州連合のように東アジア
の一体化を日中が主導することを防ぐため、日本をつなぎとめる対
アジア政策を策定した。96年に日米同盟に対する「再定義」が行わ
れ、両国の軍事同盟関係が強化された。

  2006年5月、日米は共同作戦計画の策定、作戦情報の共有、共同
訓練の拡大、軍事基地の共同利用などで合意。今回の「共同作戦計
画」は日中の尖閣諸島をめぐる有事を念頭に置いている。

  米軍高官は、「米国は日本が出す経費に基づいて日本にどれだ
けの防衛義務を提供するかを決める」と述べ、日本に対する米国の
保護は日本がカネで買っているものと露骨に語った。日本の米軍基
地への「出資」は日本が直面する脅威に比例する。つまり、米国が
日本が直面する脅威を誇張するほど、保護提供を名目に日本からカ
ネを巻き上げることができるのだ。

  米国が策定した日米「共同作戦計画」は、自衛隊を米国の支配
下に置き、グローバル軍事戦略で思い通りに使える特別部隊にする
狙いがある。共同作戦の実態は、米国の尖閣諸島問題を利用した日
本に対する戦略提携であり、中国に対する抑止力でもある。

  もちろん中国の国家主権を守る決意は動じないし、おじけづく
こともないが、中国が単独で日米共同作戦に対応するのは分が悪い。
第2次大戦の勝利の成果を守るため、戦勝国とともに闘うべきだろう。
(編集担当:米原裕子)
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「中国封じ込め策は拒否する」と豪外相、安倍首相提案の4カ国同盟
にも反対表明―SP華字紙
Record China 3月26日(火)14時31分配信
2013年3月25日、シンガポール華字紙・聯合早報によると、オースト
ラリアのボブ・カー外務大臣は「米国と中国のどちらかを選択する
必要はない」と発言。さらに、「中国を封じ込めるいかなる方法に
ついても、豪政府はこれを拒否する」と述べた。

カー外相は「われわれは米国とも中国とも深い接触を図っていく。
もし米国と中国が共にわれわれと非常に友好な関係にあるというな
らば、われわれは問題の解決のために大きな力を発揮する。豪州が
どちらかを選ぶジレンマに陥る必要はない」と断言した。

日本の安倍晋三首相が提案した日本、米国、インド、豪州の4カ国同
盟についても、カー外相は不支持を表明。「具体的なグループを組
織することを豪州は支持しない。4カ国同盟は安倍首相が野党時代に
真っ先に掲げたものだが、これも支持はできない。この同盟は誤解
を生じやすい。私は最近インドを訪問したが、この問題が話題に上
ることはなかった」と話した。
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習体制は調整型で強硬路線、日本は安易な妥協避けよ
2013.02.26 (火) 国家基本問題研究所
 川島真・東大大学院総合文化研究科准教授は2月8日、国家基本
問題研究所で「中国政治・外交の動向」について語り、国基研企画
委員と意見交換した。中国は3月の全国人民代表大会(全人代)で
習近平国家主席、李克強首相体制が正式に発足するが、トップダウ
ンというより相当調整型の政府になると思われ、不安定な軍との関
係もあり、習総書記は自らの地盤が不安定なうちは、一般に強硬な
姿勢を見せるだろう、との見通しを明らかにした。日本は安易に妥
協すべきではなく、中国側の体制が固まって、特に経済面などで日
本を必要とする段階まで待って折り合えばよい、との見解を述べた。

 尖閣諸島国有化についても、日本は中国側と調整していて戴秉国
国務委員らある部局の人々は国有化やむなしとの判断に至ったはず
なのが、おそらく8月になってひっくり返ってしまった。つまり習総
書記体制の下では、中央が集団指導体制化しているので、中央の誰
かがYESと言っても、たえずそれに変更が加えられる可能性があ
ること認識していなければならない、と川島准教授は強調した。危
険なのは軍部で、尖閣で海監とか漁船の争いならまだいいが、人民
解放軍が出てくると、たぶん習総書記には依然それをコントロール
する力は十分に備わってはいないだろう、との見方を示した。今回
の中国側の射撃管制用レーダー照射事件も、中央政府の判断ではな
く、恐らく軍の現場の一定の地位のところの判断で実行してしまっ
たのではないか。このような行為について、中国軍には敵対のルー
ルが分かっていない向きもあるようで、川島准教授は、突発的な事
故が起こりやすいことを懸念した。

 経済から安保優先路線に転換、2006年から2008年にかけ
 川島准教授によると、共産党内部の政策対立は比較的明確になっ
ており、「学級崩壊」しているとの見方もある、という。また、道
路閥、石油閥、鉄道閥などの利益団体の対立や、社会保障重視の左
派、保守派と、経済発展第一の右派、革新派の対立軸もある。江沢
民派と胡錦濤派、さらに太子派の三つ巴とよく言われるが、それほ
ど単純なものではない、という。
 中国が直面している諸問題について、川島准教授は、第一に労働
力の減少や賃金の上昇に伴って必要となる経済の構造転換の可否、
第二に、地方と都市部子弟の間にある教育や就職の機会を巡る不平
等や農民工の存在など社会的不公正の是正と対策、第三に、人口増
のなかでも急速な高齢化がもたらす、不安定な社会保障体制の確立
、第四に、ナショナリズムと尽きぬ被害者意識の調整、第五に急速
に強化されている軍事力の問題などがあるという。
 日中関係も、2006年から2008年にかけての中国外交の大
きな転換で変化してきた。経済を重視して諸外国との協調を重視し
た温家宝グループが後退し、安全保障や主権を経済と同等、あるい
は優先させる路線に転換したため、それまでは政経分離であったも
のが、政治の冷たさが経済に及ぶようになった、と川島准教授はみ
る。
 中国の脅威について、米欧は地理的に離れているので、受け止め
方が弱い。これに対し、アジア諸国は経済面での対中依存があって
も、領土問題を抱え、また中国の脅威を感じているので、反中感情
が急速に高まっている。だが、中国の経済もまた盤石ではない。中
国共産党は国民の豊かさを保障する経済発展を必要としており、外
資依存体制をなかなか脱せず、日本の存在は依然として大きい。こ
の点で、日本に厳しい姿勢をとり続けるのは困難で、やがてゆっく
りと経済面で妥協をはかってくるのではないか、と川島准教授はい
う。(文責・国基研)
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中国:尖閣問題 多額支援でタンザニアから支持引き出す
毎日新聞 2013年03月25日 21時01分
 【北京・工藤哲、ヨハネスブルク服部正法】最高指導者となって
初となる外遊中の中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席は24
日、アフリカ最初の訪問地・タンザニアのダルエスサラームに到着
した。キクウェテ大統領は会談で「タンザニアは中国の主権と領土
保全の問題では断固として中国を支持する」と述べた。中国側はタ
ンザニアへの多額な支援と引き換えに、沖縄県・尖閣諸島(中国名
・釣魚島)などを含む主権問題でタンザニア側の支持を引き出した
形だ。
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ロスネフチが中国と期間25年の石油協定、供給倍増へ
2013年 3月 25日 14:10 JST  WSJ
 ロシア国営の石油大手ロスネフチは22日、中国への原油供給を2倍
余り拡大することになる協定を交わした。世界最大のエネルギー生
産国であるロシアと最大の消費国である中国のエネルギー協力の緊
密化を進める協定になる。

 ロスネフチのイーゴリ・セチン最高経営責任者(CEO)は調印式後
の記者会見で、ロスネフチは中国に原油を25年間供給する見返りに
同国国家開発銀行から20億ドル規模の融資を受ける、と述べた。
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中ロ首脳 温度差も 共同声明「核心的利益」めぐり
2013年3月24日 tokyo朝刊
 【モスクワ=原誠司】ロシアを訪れている中国の習近平国家主席
は二十三日、モスクワでメドベージェフ首相と会談し、プーチン大
統領との二十二日の首脳会談について「相互利益の国際的・地域的
問題で意見交換し、目的は達成できた」と評価。調印された共同声
明で、中国が提起した「核心的利益」の問題がロシア側に受け入れ
られたとの認識を示した。 
 一方、ロシア大統領府が公表したロシア語の共同声明では、「核
心的」にあたるとされる用語は「カレノイ(根本的な)」、または
さらに穏やかな「クリュチェボイ(要の)」と表現された。二〇〇
八年五月の共同声明では「カレノイ」だけが使われており、今回の
声明はむしろトーンが弱まったともとれる。
 外交文書に詳しいカーネギー・モスクワセンターのトレーニン所
長は、「中ロの温度差を反映している」と指摘しつつ、北方領土問
題の最終的解決に言及しているプーチン氏は中国に全面的に追随し
てはいないと分析している。
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中国GDP「20年前後に米国抜く」 政府系機関見通し
2013年3月23日19時52分
 【北京=吉岡桂子】中国政府直属の研究機関国務院発展研究セン
ターの劉世錦副主任は、中国の国内総生産(GDP)は2020年
前後に米国を抜いて世界首位になり、30年前後には米国の1・5
倍に達する見通しを明らかにした。

 内外の企業や学識者らを招いたフォーラムで述べたもので、中国
政府は20年に10年前と比べてGDPを倍増させる計画だが、米
国の規模を抜く時期の見通しを明言するのはめずらしい。

 ただ、「世界首位」となる20年前後でも、1人あたりのGDP
は日本や欧米先進国の2割強にとどまるという。前提として、15
〜19年までの経済成長率を7%前後、20年は6%台に下がるい
っぽうで、人民元相場は緩やかな値上がりを続けるとみている。米
国については「過去の成長を参考にした」と述べ、具体的な数値は
明かさなかった。
が根強く、これが中ロ首脳の危機感の背景にある。(2013/03/23-18:40)
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中国の2013年経済成長率は8.5%に、来年さらに加速=OECD
2013年 03月 22日 19:11 JST 
[北京 22日 ロイター] 経済協力開発機構(OECD)は22
日、中国経済は2013年に8.5%成長し、14年にはさらに成
長が加速するとの調査報告書を発表した。投資と改革が現在のペー
スで続けば2010年代の平均成長率は8%になるとの見方を示し
、インフレと輸出需要が短期的に最大のリスクだと指摘した。

161ページに及ぶ「中国経済調査」は北京で公表され、主要機関
による中国経済見通しとしては最も楽観的な部類に入る。OECD
による同様の報告書は2010年以来。
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中国、尖閣監視への治安部門関与を強化 国家海洋局人事
2013年3月19日19時52分産経
 【北京=奥寺淳】中国政府は、尖閣諸島などに海洋監視船を派遣
している国家海洋局に公安省の関与を強める。19日、公安次官が
海洋局副局長を兼務する人事を発表した。海洋権益を守る「海監」
や漁業監視の「漁政」などの公船は公安省の指導を受け、権益保護
に国の治安部門の関与が深まる。

 海洋局の副局長を兼務するのは孟宏偉・公安次官。公安省の指導
のもとで実際に権益保護や主権維持活動をになう「中国海警局」の
局長にも就いた。農業省や公安省などが担ってきた海上での取り締
まり業務を統合する国家海洋局の局長ポストには劉賜貴氏が留任する。

 海上での権益保護活動の効率を高め、監視を強める一連の組織再
編は、17日に閉幕した全国人民代表大会(全人代)で承認された。
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人民元の国際決済機能が強化、世界13位の決済通貨に―中国メディア
配信日時:2013年3月19日 9時30分  recordchina    
2013年3月18日、人民日報(電子版)の報道によると、中国人民銀行
の周小川(ジョウ・シャオチュワン)総裁は今月13日、人民元資本
取引の自由化を段階的に実現する方針を表明した。一部外国メディ
アは人民元相場が同日2カ月ぶりの高値で引けたことに注目した。香
港上海匯豊銀行(HSBC)が今月11日に発表した最新報告「人民元の
台頭II」は、人民元は世界で最も急速に台頭する通貨となり、国際
金融システムの根本的な再構築が始まったとしている。 
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「政治体制改革」盛り込む 中国の政府活動報告
2013.3.18 21:26 [中国]
 中国国務院(政府)は18日、第12期全国人民代表大会(全人
代=国会)第1回会議が採択した政府活動報告の全文を発表、「政
治体制改革の推進」を新たに盛り込むなど、温家宝前首相が5日の
全人代開幕日に発表した政府活動報告案から7カ所が修正された。

 報告案で「経済、政治、文化、社会などの領域で改革を進める」
としていたのを「経済体制改革を総合的に深め、政治体制改革を積
極的かつ適切に進め、速やかに社会体制改革を進め、速やかにエコ
文化制度を建設する」と具体的な表現に変更した。

 「人民の権利」に言及した部分には、新たに「社会の公平と正義
を守る」を盛り込んだ。

 昨年の報告では「民主的選挙」や「民主的政策決定」の実行など
政治改革への具体的な言及があったが、今年の報告からはなくなっ
た。(共同)
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中国新体制、習主席−李首相の発言にやはり“ねじれ”
2013/03/18(月) 15:17 searchina
  中国では日本の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が
17日に閉幕した。今回の全人代は、今後長ければ10年続く、中国政
府の新体制を選出する、いわが「節目」の大会だった。しかし、習
近平国家主席と李克強首相の発言に依然と“ねじれ”が見られるな
ど、中国政治の今後を占う上での“不透明感”はぬぐわれていない。

  胡錦濤前政権は、前代の江沢民政権下で拡大した「社会のひず
み」、「日本などとの関係改善」に取り組もうとした。しかし江沢
民派の抵抗も大きく、十分に成果を挙げられなかった。次期指導者
の問題でも、当初は同一派閥である李克強氏を共産党総書記、国家
主席に置こうとしたが、党内保守派や軍の支持を受けた習近平氏が
トップの座に就くことを認めざるをえなかったとされる。

  習新主席は17日の全人代閉幕に際しての演説で、「中華民族の
偉大なる復興という中国の夢を実現するために奮闘努力しよう」な
どと、愛国心を煽(あおる)言い回しを多用。「祖国への忠義」、
「国のために尽力」などと繰り返す“精神主義”が目立つ演説だっ
た。

  「中国の夢を実現するためには、中国精神を必ずや発揚せねば
ならない。これは、愛国主義を核心とする民族精神であり、改革と
刷新を核心とする時代精神である」と、改革を推進するに当たって
も、精神面を強調した。

  一方、李克強首相は全人代閉幕に当たっての記者会見で、改革
の推進に産して「大切なのは行動すること。のどが破れるほど叫ぶ
よりも、(実際の仕事に)全力を注ぐべき」と発言。

  李首相は現在の中国社会ついて「公平さを実現するための障害
となる規則を絶えず整理せねばならない」として、構造改革が必要
との考えを強調した。経済や金融、収入の分配など、かなり具体的
な方策についても言及した。

  元首である「国家主席」と、行政面の最高責任者である「首相
」という立場の違いから、今後の方針について李首相の方が具体的
に述べたことについては、不思議ではない。しかし、習主席が「愛
国」、「忠義」などの“スローガン”を多用している一方で、「の
どが破れるほど叫ぶよりも、(実際の仕事に)全力を注ぐべき」な
どと、“あてこすり”とも受け止められかねない表現をするのは異
様だ。)(編集担当:如月隼人)
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習近平氏「強国路線」打ち出す=「国家主権守り抜く」−主席就任
後初の演説・中国
 【北京時事】中国の習近平国家主席は17日、全国人民代表大会
(全人代、国会に相当)で閉幕演説を行い、人民解放軍などに対し
て「共産党の指揮を聞き、戦争に打ち勝つ『強軍目標』に基づき、
断固として国家主権や安全、発展の利益を防衛し、人民の生命・財
産・安全を守り抜かなければならない」と指示した。沖縄県・尖閣
諸島や南シナ海問題を念頭に「強国路線」を打ち出した形だ。
 習氏が14日に国家主席に就任し、党・軍・国家の三権を掌握し
て以降、公の場で演説するのは初めて。対外政策に関しては「終始
変えることなく平和発展の道を歩み、果たすべき国際的な責任と義
務を履行する」とも述べ、世界各国との友好を推進する意向も表明
した。(2013/03/17-12:50)
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中国全人代が閉幕 李首相「20年まで7%成長めざす」 
2013/3/17 12:03nikkei
 【北京=土居倫之】中国の李克強首相は17日、全国人民代表大会
(全人代、国会に相当)閉幕後に首相として初めて記者会見し、施
政目標について「持続的な経済発展を目指し、2020年まで年平均7
%以上の経済成長を実現する。これは容易ではないが、中国には巨
大な内需という有利な条件がある」と述べた。また第2の目標とし
て民生の改善を挙げ、「低所得者の収入増により、中所得者層の拡
大を目指す」と述べた。また農民や都市住民などの社会公正の確保
にも言及した。一方、行政改革については「改革は容易ではないが
、現在1700以上ある国務院(政府)各部門の行政認可事項を3分の
1以上減らす」と述べた。
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上海派が少数派に転落した「習・李体制」は基軸がずれた三派鼎立政権
  李源潮、王洋、劉延東ら団派指導陣が政権中枢を囲んで
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2013/03/18no.3905

 「愛国主義による中華民族の復興は中国の夢」と習近平は二十数
回も繰り返した。ブッシュ・ジュニアの就任演説では聖書から引用
が二十数カ所あったことをつい連想してしまった。

 全人代は3月17日に李克強首相の演説をもって終了したが、尖
閣の「せ」の字はでてこないまでも、軍事大国路線を確認し、国防
費と治安対策は狂気の増大、環境汚染対策は、その半分にも満たな
い。

 李首相が記者会見で力説した、基本方針のなかで注目して良いの
は政府がもつ許認可権の三分の一を不要とすること、行政改革に大
なたが振るわれ、鉄道省が解体されたことなどだ。
しかし鉄道省の解体は向こう受けを狙ったジェスチャーでしかなく
、三つの部門に再編されるが、結局、その軍事優先(軍事物資と軍
人の運搬が優先し、鉄道省は軍OBの天下り先でもある)と汚職の
温床という宿痾的体質は変わらないだろう。

 しかし全人代の諸決定より、最も注目すべき変化は人事面ででた。
 昨秋党大会でトップセブン(政治局常任委員会)入りが出来なか
った李源潮、王洋、劉延東の三人の団派ライジング・スターが、国
家副主席と副首相にそれぞれ選出され、事実上のトップテンを形成
したことである。

 常任委委員の王岐山、劉雲山、張徳江、張高麗、愈正声らは六十
代後半のため、五年後には引退である。後者四人はいずれも上海派
である。

張徳江は全人代委員長(本来なら序列二位だが、李克強が上になり
序列三位)、愈正声は全国政治協商会議主任といずれも閑職)。
副首相の張高麗は江沢民の腰巾着だったが、ここまで周りが団派に
囲まれての四人の副首相体制では、(あと三人の副首相は王洋、劉
延東、馬凱。いずれも団派)これまでの風見鶏になお拍車をかけて
、カメレオンのごとく変身するだろう。

 もうひとつの人事は最高裁長官が周強(団派。前湖南省書記)に
なったことで、反腐敗キャンペーンの責任者=王岐山と呼吸が合え
ば、これからの政治的効果を劇的に上げる可能性もある。

 五年後に胡春華、孫政才(現在ふたりとも政治局に抜擢されてい
る)のふたりが常務委員会入りする可能性も大きく開けた。

 ともかく従来の「上海派+太子党 vs 団派」という三羽鼎立
構造が、「上海派 < 団派+太子党」という権力構造になって権
力中枢の基軸がずれたという事実に刮目しておきたい。
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新たな中国国務院の顔ぶれ
2013年 03月 17日 08:41 JST 
[16日 ロイター] 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に
相当)は16日、国務院(内閣に相当)の人事案を承認した。副首
相や国務委員(副首相級)、財政相などの閣僚、国家発展改革委員
会(NDRC)主任、人民銀行(中央銀行)総裁が決まった。
決定した人事は以下の通り。

<首相>李克強
<副首相>張高麗、劉延東、汪洋、馬凱
<国務委員>楊晶、常万全、楊潔チ(ヨウ・ケツチ)、郭声コン、王勇
<外相>王毅
<国防相>常万全
<国家発展改革委員会主任>徐紹史
<教育相>袁貴仁(留任)
<科学技術相>万鋼(留任)
<工業情報相>苗ウ(留任)
<国家民族事務委員会主任>王正偉
<公安相>郭声コン(留任)
<国家安全相>耿恵昌(留任)
<監察相>黄樹賢
<民政相>李立国
<司法相>呉愛英(留任)
<財政相>楼継偉
<人事社会保障相>尹蔚民(留任)
<国土資源相>姜大明
<環境保護相>周生賢(留任)
<住宅都市農村建設相>姜偉新(留任)
<交通運輸相>楊伝堂
<水利相>陳雷(留任)
<農業相>韓長賦(留任)
<商務相>高虎城
<文化相>蔡武(留任)
<国家衛生計画生育委員会主任>李斌
<中国人民銀行総裁>周小川(留任)
<審計署審計長>劉家義(留任)



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