4629.ロシアは漁夫の利を狙う?



最初の訪問国ロシアで中国の習近平国家主席は23日、モスクワで
メドベージェフ首相と会談し、プーチン大統領との22日の首脳会
談で「相互利益の国際的・地域的問題で意見交換し、目的は達成で
きた」と評価。調印された共同声明で、中国が提起した「核心的利
益」の問題がロシア側に受け入れられたとした。 

そして、中国の習近平国家主席はロシア軍即応司令センターを訪れ
た最初の外国指導者となった。それだけ中国を優遇するようにロシ
アは対応した。

この裏では、天然ガス、石油などの購入を中国が20年に渡り行う
という契約が調印された。ロシアの国家経済はエネルギーによって
いるので、中国は大事なお得意先である。

そして、中国国営中央テレビは25日、中国が習近平国家主席のロ
シア訪問を前に、ロシアから新世代潜水艦「ラーダ級」4隻や最新
鋭戦闘機スホイ35を24機購入する合意文書に署名したと伝えた。

これに対して、小野寺五典防衛相は26日、アファナシエフ駐日ロ
シア大使と防衛省で会談し、中国の急速な軍備増強に懸念を示した
上で「ロシアが中国に戦闘機や潜水艦を売却するとの報道に関心を
持っている」と伝えた。

すると、タス通信によると、ロシアで外国との軍事技術協力を担当
する部門の消息筋は、中国がロシアと潜水艦や戦闘機の購入契約を
結んだとする中国中央テレビの報道を否定した。

ロシアの了解が取れたので、中国海軍南海艦隊の艦船は、南シナ海
に乗り出し、南端にあたる曽母暗沙(英語名・ジェームズ礁)に到
達し、「曽母暗沙は自国領土の最南端」と主張し、到達時に艦船上
で式典を開いた。

また、中国沿岸警備隊は、ベトナム漁船に射撃を行いパレセル諸島
周辺海域からの退去を強いた。しかし、ベトナム外務省は中国に抗
議を申し入れた。アメリカ国務省も、「領有権の主張を通すための
実力行使に強く反対する」と、中国をけん制した。

また、フィリピンは、中国の南シナ海での国境係争を国際海洋法裁
判所に申し出た。中国は、この提出した仲裁関連の文書は「南シナ
海における関係国の行動宣言」でのASEAN諸国と中国の共通認識に違
反しているうえ、事実面でも法律面でも深刻な誤りがあり、中国側
がその受け入れを拒絶し、突き返したという。裁判所への提訴を拒
否したことになる。

そして、ロシアは28日、アデン湾の海賊取り締まりに向かってい
る太平洋艦隊所属の大型対潜艦「アドミラル・パンテレエフ」など
が、南シナ海で実弾砲撃訓練を行ったことを明らかにした。ロシア
はベトナムのトンキン湾に海軍基地を構築する方向であり、ロシア
の軍事演習は中国を刺激する可能性がある。

中国が提起した「核心的利益」の問題は「カレノイ(根本的な)」
、またはさらに穏やかな「クリュチェボイ(要の)」と表現された。

ロシア側ではカーネギー・モスクワセンターのトレーニン所長は、
「中ロの温度差を反映している」と指摘しつつ、北方領土問題の最
終的解決に言及しているプーチン氏は中国に全面的に追随してはい
ないと分析している。

ロシアは、皆にいい顔して、経済的な利益最大を目指しているよう
に感じる。中国の味方のようでそうでもなく、ベトナムの味方のよ
うでそうでもない。

日本はロシアとの交渉では、経済的なメリットを強調して、中国と
の友好的な関係を薄めることである。ロシアも日本との交渉を控え
て、日本に対して、交渉のカードを増やしたような感じになってい
る。

プーチン大統領は、凄腕である。経済的な利益のために行動が単純
ではなく、意図を隠している。そのため、日本も単純に考えないで
、プーチンの国家意識を意識して交渉するべきである。

さあ、どうなりますか?

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ロシア艦が砲撃訓練=南シナ海−中国「核心的利益」刺激も
 【モスクワ時事】インタファクス通信によると、ロシア海軍当局
者は28日、アデン湾の海賊取り締まりに向かっている太平洋艦隊
所属の大型対潜艦「アドミラル・パンテレエフ」などが、南シナ海
で実弾砲撃訓練を行ったことを明らかにした。
 南シナ海では、中国とベトナムが南沙(英語名スプラトリー)諸
島の領有権を争っており、ロシアの軍事演習は中国を刺激する可能
性がある。中国の習近平国家主席は最近、初外遊として訪ロし、プ
ーチン大統領と「(領土保全など)核心的利益の相互支持」で合意
したばかり。(2013/03/28-19:09)
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南シナ海問題、国際レベルに持ち込まれる
エレーナ ニクーリナ
28.03.2013, 16:40VOR
ベトナム外務省は、ベトナム漁船に射撃を行いパレセル諸島周辺海
域からの退去を強いた中国沿岸警備隊の振る舞いついて、中国に抗
議を申し入れた。地元メディアの報道によれば、2013年初頭より、
南シナ海のスプラトリー諸島・パラセル諸島周辺海域において中国
船がベトナム漁船を攻撃する頻度は増加している。

   中国が南シナ海政策を強硬化させていることは、2013年1月1日に
発行した中国の新法(複数)にも表れている。新法は海南省沿岸警
備隊の活動を後押しする。新法は地元警備艇に「スプラトリー諸島
・パラセル諸島から12海里の水域に入り、そこで投錨その他同諸島
およびその周辺水域に対する中国の主権を侵害するかのような行為
を行った外国船を、視察のため停船させ、拿捕し、中立水域へ退去
させる権利」を与える。

   これは、南シナ海の自由航行に対する、中国による侵害である。
「新法は第3国からも激しい非難を呼んでいる」と、ロシア科学アカ
デミー極東研究所東南アジア・大洋州研究センターのドミートリイ
・モシャコフ所長は語っている。

   ―中国側は「どうぞ自由に航行してください、それを許可します
」と言っている。しかし、筋違いな話だ。かつては自由航行という
ことが、国際法に基づき自然に行われていた。しかし今や、自由航
行は中国側が「許可する」ものとなったのだ。状況は変わった。

2013年、南シナ海をめぐる情勢は、またひとつの転機を迎えている
。1月末、スプラトリー諸島をめぐる紛争のもうひとりの当事者であ
るフィリピンが、国連の国際海洋法裁判所に中国との紛争を審査す
るよう申請した。これは意表をついた、強力な一手である、とドミ
ートリイ・モシャコフ氏。

   ―それまで、紛争は、中国とフィリピン、中国とベトナムなど、
2国間の枠内に保たれていた。中国・ASEAN間の効果的対話への努力
も実らなかったほどである。というのも、カンボジアその他の親中
国家が、全体決議の採択にかけるフィリピンのイニシアチブを妨害
したためだ。しかし今や、事は国際レベルに引き揚げられた。米国
の夢想が成就し、中国の反対が押し切られた形だ。国際レベルにお
いては、全く別の可能性が生じる。中国への批判も、中国への圧力
も起こりうる。そして、自由航行に関して中国が下した決定の全て
は、国連付属の特別裁判所の決定が下されるまでは、法的効力を発
しないものとされる。中国側のリアクションは極めて興味深いもの
であった。中国は、これは根本的に事態を変容させることであり、
よく考えなければならぬ、と語っている。しかし、海洋大国の一角
であり、国連安保理常任理事国のひとつである中国が、国連付属の
国際法廷を無視することは、もちろん、不可能である。もちろん、
法廷の審査には長い時間がかかる。しかし、状況打開の最初の一歩
は踏み出されたのである。

   南シナ海問題解決のための最も賢い道は、妥協である。自由航行
の問題、また、この水域の極めて豊かな鉱物資源・生物資源を共同
利用する問題における全ての国の国益を勘案しての、妥協である。
しかし、その妥協のためには、対話プロセスにおいて中国が正面か
ら、パートナー諸国と対峙する必要がある。今のところ、その兆候
は見られない。ベトナムは南シナ海、自国沿岸部、島嶼部における
権益保護のため、ロシアの協力を仰いで自国海軍に現代的軍艦を編
入し、強力な潜水艦隊を創設しようとしている。
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中国海軍、ベトナム漁船発砲は「ねつ造」 
2013/3/27 19:36nikkei
 中国海軍は、ベトナム政府が南シナ海の西沙(パラセル)諸島付
近で操業していた同国漁船が中国船から発砲されたと発表したこと
に「捏造(ねつぞう)だ」と反発した。中国軍機関紙の解放軍報が
27日伝えた。記事によると、中国海軍の護衛艇がベトナム漁船に対
し「空に向けて2発の赤い信号弾を撃って警告した」とし、武器の
使用を否定した。ベトナムの国営メディアが漁船が発砲されて出火
したと伝えていることにも「信号弾は空中で燃え尽き、漁船も出火
していなかった」としている。(中国総局)
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中国海軍艦隊、南シナ海南端に到達 領有権保持を強調 
2013/3/27 20:03nikkei
 【北京=島田学】中国海軍南海艦隊の艦船が27日までに、南シナ
海の南端にあたる曽母暗沙(英語名・ジェームズ礁)に到達した。
同艦隊は「曽母暗沙は自国領土の最南端」と主張し、到達時に艦船
上で式典を開いた。中国の国営中央テレビが伝えた。同海域には埋
蔵量が豊富な海底油田があるとされ、マレーシアも領有権を主張し
ている。中国は同海域で式典を開き、領有権保持を既成事実化する
狙いがある。

 国営新華社によると、曽母暗沙は北緯3度58分、東経112度17分で
カリマンタン島のマレーシア領沖に位置する。巡航していた艦船は
「井崗山」艦など4隻で19日に海南省三亜を出発した。
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フィリピンの南シナ海関連の仲裁文書、中国は「深刻な誤りがある
」と拒絶―中国メディア
配信日時:2013年3月27日 13時21分 recordchina
2013年3月26日、中国外交部(外務省)の洪磊(ホン・レイ)報道官
は定例記者会見で、フィリピンが提出した仲裁関連の文書は「南シ
ナ海における関係国の行動宣言」でのASEAN諸国と中国の共通認識に
違反しているうえ、事実面でも法律面でも深刻な誤りがあり、さら
に中国側に対する事実と異なる非難が多く含まれていることから、
中国側がその受け入れを拒絶し、突き返したことを明らかにした。

また「中国はフィリピンが約束を恪守(かくしゅ)し、問題の複雑
化や拡大を招くいかなる行動も取らず、2国間の交渉による係争解決
という正しい軌道に戻ってくることを希望する」と述べた。一方、
フィリピン・デイリー・インクワイアラー紙ウェブサイトは同日、
南シナ海をめぐるフィリピンと中国の係争を仲裁するグループのメ
ンバーとして国際海洋法裁判所が裁判官1人をまた任命したことをフ
ィリピン外務省が今月25日に確認したと伝えた。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)
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ベトナム漁船への警告射撃で着弾・炎上、中国側に強い抗議
―ベトナム外務省
配信日時:2013年3月26日 15時38分  recordchina
2013年3月25日、ベトナム外務省は、南シナ海・パラセル諸島海域で
漁を行っていた同国船籍の漁船が中国の艦船に銃撃を受けたことに
ついて、「強い抗議の意を示し、賠償を求める」とした。ベトナム
側の説明では、発砲された漁船は着火したという。中国新聞社が26
日付で報道した。 

パラセル諸島(中国名・西沙群島)は中国が実効支配を続けている
が、ベトナムと台湾も領有権を主張している。その排他的経済水域
(EEZ)に豊富な海洋資源が眠っていることがその原因でもある。 

今月13日、ベトナム船籍の漁船が同海域で漁を行っていると、中国
国土資源部海洋局の海洋監視船「海監」2隻がこの駆逐を試みた。
それでも漁船は漁を続行。20日に同海域を離れる際、中国海軍南海
艦隊所属の大型半潜水艦護衛艦「万寧」がこれを発見し、30分の追
跡の後、警告射撃を行った。その際、信号弾が着弾し、船の一部が
炎上したという。 

ベトナム外務省は、これを「領土主権への深刻なる侵害」と非難の
声明を発表し、「不正かつ非人道的な行為に対してただちに調査と
賠償を求める」と抗議している。(翻訳・編集/愛玉)
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米国務省、西沙諸島発砲問題で中国をけん制
 中国とベトナムが領有権を争う南シナ海の西沙諸島の海域で、中
国の船がベトナムの漁船に発砲したとされる問題について、アメリ
カ国務省は26日、「領有権の主張を通すための実力行使に強く反
対する」と、中国をけん制しました。
(27日05:29)TBS
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中国、ロシア戦闘機24機購入 新世代潜水艦も
2013.3.25 13:36 [中国]
中国国営中央テレビは25日、中国が習近平国家主席のロシア訪問
を前に、ロシアから新世代潜水艦「ラーダ級」4隻や最新鋭戦闘機
スホイ35を24機購入する合意文書に署名したと伝えた。

 習氏は22日から24日までロシアを公式訪問し、両国軍の連携
を深めることでも一致。武器の購入は、アジア太平洋地域で軍事的
な影響力を強める米国や、沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立する日本
をけん制する狙いがあるとみられる。

 中央テレビによると、ラーダ級は優れた静音性が特徴。4隻のう
ち2隻をロシアで建造し、残り2隻は中国で組み立てるという。

 戦闘機の契約額について、ロシアメディアはこれまで、15億ド
ル(約1400億円)以上と伝えている。(共同)
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中国国家主席 ロシア軍即応司令センターへの最初の外国訪問者
24.03.2013, 17:33VOR
   中国の習近平国家主席はロシア軍即応司令センターを訪れた最初
の外国指導者となった。
   ロシア軍参謀本部のワレリー・ゲラーシモフ参謀長は国家主席
と会談したなかで、ロシア軍は軍の現代的システムを10年から15年
、先駆けて準備を始めていることを紹介したほか、ロシアでソーシ
ャル・オペレーション部隊が創設されていることにも触れた。

   習近平国家主席とセルゲイ・ショイグ国防相との会談の後、ア
ナトリー・アントノフ国防次官は、MDに関するロシアと中国の見解
は多くの点で合致しており、両国とも対話を続けている必要性を認
めたという。またアントノフ次官は、会談のなかで「両国の優先的
軍事協力・軍事技術協力の発展の必要性が強調された。」という。

   アントノフ次官は、「特に指摘しておくべきは、わが国と中国と
の友好関係は第三国に向けられたものではなく、地域発展や相互協
力、安定性と世界の安全を強化することを目的としている、という
ことだ。」としている。
ロシアの各通信社
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中ロ首脳 温度差も 共同声明「核心的利益」めぐり
2013年3月24日 tokyo朝刊
 【モスクワ=原誠司】ロシアを訪れている中国の習近平国家主席
は二十三日、モスクワでメドベージェフ首相と会談し、プーチン大
統領との二十二日の首脳会談について「相互利益の国際的・地域的
問題で意見交換し、目的は達成できた」と評価。調印された共同声
明で、中国が提起した「核心的利益」の問題がロシア側に受け入れ
られたとの認識を示した。 
 一方、ロシア大統領府が公表したロシア語の共同声明では、「核
心的」にあたるとされる用語は「カレノイ(根本的な)」、または
さらに穏やかな「クリュチェボイ(要の)」と表現された。二〇〇
八年五月の共同声明では「カレノイ」だけが使われており、今回の
声明はむしろトーンが弱まったともとれる。
 外交文書に詳しいカーネギー・モスクワセンターのトレーニン所
長は、「中ロの温度差を反映している」と指摘しつつ、北方領土問
題の最終的解決に言及しているプーチン氏は中国に全面的に追随し
てはいないと分析している。
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対中武器売却、ロ大使に懸念=防衛相
 小野寺五典防衛相は26日、アファナシエフ駐日ロシア大使と防
衛省で会談し、中国の急速な軍備増強に懸念を示した上で「ロシア
が中国に戦闘機や潜水艦を売却するとの報道に関心を持っている」
と伝えた。これに対し、大使は「ロシアと中国は以前から防衛協力
を行っている。中国とは対話が重要だ」と述べるにとどめた。
(2013/03/26-17:49)
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中国への兵器売却報道、ロシア消息筋が否定
 【モスクワ=緒方賢一】タス通信によると、ロシアで外国との軍
事技術協力を担当する部門の消息筋は25日、中国がロシアと潜水
艦や戦闘機の購入契約を結んだとする中国中央テレビの報道を否定
した。


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