4626.米国のオフシェア・バランシング



昨年12月の北朝鮮のミサイル発射に備え、日米両国の担当者が自
衛隊と米軍の迎撃態勢について調整したとき、米国がオフシェア・
バランシングのオペレーションに変化していることを思い知らされ
る。

昨年4月には米イージス艦は日本海に2隻、鹿児島県沖に1隻を配
置していたのが、昨年12月の状況は一変し、日本海と鹿児島県沖
には米海軍イージス艦は1隻もいなかったという。

米海軍も4隻のイージス艦を投入した。ベンフォード、フィッツジ
ェラルド、シャイロー、ジョン・S・マケインであるが、この配置
は、グアム近傍や太平洋になったようだ。太平洋への配置は、ミサ
イルがハワイに向かうのを警戒するためにほかならない。

迎撃オペレーションに限っていえば、米海軍が米領土の防護しか眼
中になかったと指摘せざるを得ない。

しかし、これは当然である。「自分の国は自分で守る」のは自明の
理だからだ。弾道ミサイルで自国が攻撃される危険性が高まれば、
持てる能力を自国向けにあてるのは当然だ。

そして、日本を射程に収める北朝鮮・中距離弾道ミサイル「ノドン
」(射程1300キロ)は150〜250発保有しているとされ、
ノドンに搭載可能な核の小型化はすでに終えたとの分析もある。

仮にノドンを連続発射されれば、SM3と航空自衛隊の地対空誘導
弾パトリオット(PAC3)ですべて迎撃することはできない。

ということは、このノドンミサイルなどから自国を自衛隊で守るこ
とになると、それ相応な兵器を持つ必要が出ている。核ミサイルや
敵基地攻撃能力が必要だ。そして、沖縄基地、グアム基地なども守
るためには「米軍を日本防護に引きずり込む」ことになるだろう。

しかし、米海兵隊は、グアム移転を本格的に検討している。
2月に行った日米首脳会談で、浦添市の米海兵隊牧港まきみなと補
給地区(キャンプ・キンザー、約274ヘクタール)の先行返還を
求めたが、拒否されていない。沖縄基地の放棄を検討し始めている
可能性もある。

米国防総省も22日、嘉手納基地以南の土地返還計画を近く策定す
る方針も明らかにした。

米上院は、財政赤字削減案を可決し、本格的な国防予算の減額に乗
り出している。

日本は、対北朝鮮・中国への軍事戦略的な対応を自国の軍備で行う
羽目になりそうである。それへの準備を本格的に行う必要があるの
ではないだろうか?

さあ、どうなりますか?

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米ミサイル防衛の「最高機密」 日本守る気ゼロ
2013.3.24 18:00 sankei[防衛オフレコ放談]
 北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため、米国防総省は2017年
末までに14基の迎撃ミサイルをアラスカ州に配備する方針を決定
した。北朝鮮が米本土を射程に収める長距離弾道ミサイルを保有す
ることが現実味を帯び、危機感を強めている証しだ。日本国内に2
基目となる早期警戒レーダーの配備も決め、にわかに対北朝鮮での
防護網強化を加速させているが、日本政府内には「対米不信」とも
いえる大きな不安がつきまとっている。

北は米本土を射程
 北朝鮮は昨年12月、長距離弾道ミサイルを発射した。過去に発
射したミサイルに比べ、姿勢制御や分離技術を格段に向上。射程は
1万キロとみられ、ロサンゼルスなど米西海岸の主要都市を射程内
に収めたと指摘されている。

 米軍がアラスカの迎撃ミサイルを増強するのも、このミサイル発
射を受けた措置だ。アラスカとカリフォルニアにはすでに30基の
迎撃ミサイルを配備しているが、北朝鮮の弾道ミサイルと核兵器の
開発が「予測よりやや早く進行した」(統合参謀本部)と分析し、
警戒感を強めている。

 米政府が、米軍のミサイル防衛(MD)網の強化に踏み切ること
は日本にとってもプラスとなるはずだ。

 ところが、日本政府内には懐疑的な見方が広がっている。

 それは不信感のあらわれでもある。

険悪な日米調整
 「あのときはかなり険悪な雰囲気だった」

 政府高官がそう指摘するのは、昨年12月の北朝鮮のミサイル発
射に備え、日米両国の担当者が自衛隊と米軍の迎撃態勢について調
整したときのことだ。

 ここで昨年12月のミサイル発射の際の日米の迎撃態勢を振り返
っておこう。

 海上自衛隊は、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイ
ージス艦を沖縄近海に2隻、日本海に1隻配置した。

 一方、米海軍も4隻のイージス艦を投入。ベンフォード、フィッ
ツジェラルド、シャイロー、ジョン・S・マケインだ。

 日本側が不満を抱き、日米調整の場が険悪になったのは、この4
隻という数に原因がある。昨年4月の北朝鮮によるミサイル発射に
際しては、米海軍はイージス艦を7隻投入していたからだ。3隻も
減らした理由を米側に問いただすと、「修理中のイージス艦が多い
」とつれない回答だった。

 さらに日本側に不満を抱かせたのは、米イージス艦が展開した海
域だ。

 昨年4月には米イージス艦は日本海に2隻、鹿児島県沖に1隻を
配置していた。これらはミサイルが日本領土・領海に落下する場合
には迎撃にあたる、いわば「日本防護」のためのイージス艦と位置
づけられた。

 しかし、昨年12月は状況は一変。米軍の軍事オペレーションは
「最高機密」にあたるため、取材では展開された海域の特定は難航
を極めたが、複数の政府高官の証言を総合すると概要はつかめた。

日本周辺は皆無
 ポイントは2つある。第1に、昨年4月には配置されていた日本
海と鹿児島県沖には米海軍イージス艦は1隻もいなかったというこ
とは断言できる。

 では、4隻のイージス艦はどこに展開していたのか。それが第2
のポイントで、グアム近傍や太平洋に散っていたようだ。太平洋へ
の配置は、ミサイルがハワイに向かうのを警戒するためにほかなら
ない。

 これをみれば、ミサイルの探知・追尾での情報共有は別にして、
迎撃オペレーションに限っていえば、米海軍が米領土の防護しか眼
中になかったと指摘せざるを得ない。

 これには米海軍との「一体感」に自信を示してきた海自には落胆
する幹部も多かったという。

 ただ、海自内には「米軍の非」ととらえる雰囲気はない。「自分
の国は自分で守る」のは自明の理だからだ。弾道ミサイルで自国が
攻撃される危険性が高まれば、持てる能力を自国向けにあてるのは
当然だ。

 北朝鮮のミサイルによる日本への脅威も格段に高まっている。日
本を射程に収める中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キ
ロ)は150〜250発保有しているとされ、ノドンに搭載可能な
核の小型化はすでに終えたとの分析もある。

 仮にノドンを連続発射されれば、SM3と航空自衛隊の地対空誘
導弾パトリオット(PAC3)ですべて迎撃することはできない。

北の暴言を逆手に
 であれば、日本として何をすべきか。ヒントは北朝鮮が教えて
くれている。

 「B52が離陸するグアム島も、原子力潜水艦が出航する日本本
土と沖縄も、われわれの打撃圏にあることを忘れてはならない」

 朝鮮人民軍最高司令部報道官は今月21日、こう米国に警告した
。この暴言を逆手にとり、グアムも日本本土も沖縄も守るための能
力を高めていくことが不可欠といえる。

 その最たるものとして、北朝鮮のミサイル発射施設を攻撃できる
「敵基地攻撃能力」があげられる。それを保有することにより、言
葉は悪いが、「米軍を日本防護に引きずり込む」(防衛省幹部)こ
との実効性も高まるだろう。(半沢尚久)
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沖縄「牧港」先行返還を…首相、2月首脳会談で
 安倍首相がオバマ米大統領と2月に行った日米首脳会談で、昨年
4月に合意した沖縄県の嘉手納基地以南の米軍施設・区域の返還に
関して、浦添市の米海兵隊牧港まきみなと補給地区(キャンプ・キ
ンザー、約274ヘクタール)の先行返還を求めていたことが23
日、分かった。

 日本政府関係者が明らかにした。オバマ大統領は米政府関係者に
実現性の調査を指示したが、対応については明言しなかったという。

 政府関係者によると、首相は首脳会談で、宜野湾市の米軍普天間
飛行場の名護市辺野古への移設に関連し、「辺野古移設をやるなら
、まずキャンプ・キンザーを返すべきだ」と主張した。これに対し
大統領は、米側の同席者に対し、「調べるように」と告げたという。
(2013年3月24日03時11分  読売新聞)
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ロケット16回打ち上げ 中国 2013年中に
2013.3.23 19:29 sankei[中国]
 中国の宇宙開発を手掛ける国有企業、中国航天科技集団の関係者
は23日までに、今年は運搬ロケットなどを計16回打ち上げる計
画だと明らかにした。ロケットには有人ドッキング実験に向けた有
人宇宙船「神舟10号」など計20機を搭載する予定。国営中央テ
レビが伝えた。

 同集団の関係者は「2020年までに、宇宙空間で中国の衛星は
200機余りに達する」との見通しを示した。

 日本の宇宙航空研究開発機構関係者によると、中国の年間ロケッ
ト打ち上げ回数は11年から2年連続で米国を上回り、ロシアに次
いで2位となった。
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管制塔149カ所を閉鎖へ=強制削減の影響で−米連邦航空局
 【ワシントン時事】米連邦航空局(FAA)は22日、3月初め
に発動した強制歳出削減の影響で、4月7日から149カ所の空港
の管制塔を閉鎖すると発表した。地方の小規模空港が中心で、日本
からの観光客が一般的に利用する大規模な国際空港は対象外。また
、管制塔は閉鎖しても、空港自体は閉鎖せずに利用が可能という。
(2013/03/23-11:38)
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米が土地返還計画を策定へ 辺野古埋め立て申請受け
2013年3月23日12時34分
 【ワシントン=大島隆】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の
名護市辺野古への移設で、日本政府が沖縄県に埋め立て申請をした
ことについて、米国防総省は22日、「日米の長年の取り組みの中
で節目となる」と歓迎する声明を発表し、嘉手納基地以南の土地返
還計画を近く策定する方針も明らかにした。

 声明でリトル報道官は、申請は「米軍再編の非常に重要な一歩だ
」と評価した。また、「海兵隊のグアム移転と普天間飛行場移設の
前進によって、嘉手納基地以南の多くの土地の返還が可能になる。
返還計画を近く策定するため、日本政府との協議を進める」とした。

 米上院外交委員会のメネンデス委員長も歓迎の声明を発表し、「
持続可能な米軍の沖縄駐留は日米関係強化につながる。同時に、土
地の返還を含め、沖縄県民への影響を軽減する努力も重要だ」とし
た。
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海保も人手不足、新年度に実質120人定員増
 尖閣諸島を巡っては、周辺の領海警備を担う海上保安庁でも増員
が急がれている。

 昨年9月の同諸島の国有化以降、中国の監視船が周辺海域を航行
するケースが常態化し、同庁は全国の巡視船を第11管区海上保安
本部(那覇市)に派遣し、24時間体制で尖閣警備を続けている。

 慢性的な人手不足状態を解消するため、同庁は新年度、実質120
人程度の定員増を目指す。さらに、15年度末までに「尖閣専従部
隊」を創設する方針で、新たに500人の船員が必要になる。
(2013年3月23日16時06分  読売新聞)
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米上院、財政赤字削減案を可決=修正案百出で徹夜審議−下院との
一本化も難航必至
 【ワシントン時事】米上院は23日、富裕層の税負担増や歳出削
減によって10年間で財政赤字を大幅に削減するとした民主党提案
の予算決議案を可決した。米メディアによると、上院が予算決議案
を可決するのは4年ぶり。400を超える修正案が出され、23日
朝方まで夜を徹しての審議となった。結果は賛成50、反対49と
ぎりぎりの通過だった。
 予算決議は予算の大枠を示すもので、上院は今後、共和党提案の
決議案を可決した下院と、統一案の作成を目指す。これを両院が可
決すれば正式な決議となり、具体的な歳出法案に反映される。ただ
、民主党が求める富裕層の税負担増に共和党は強硬に反対しており
、協議は難航が予想される。(2013/03/23-20:57)



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