３月21日、天気予報で、強風と寒く秋田では吹雪くというので、こ れは雪が見えると、３月の時刻表にも雪見線と紹介されている米坂 線に、急遽出かけた。 家を出たのは4時、前回と同じで4時29分の一番電車に乗り、上野発 5時16分発の電車を赤羽で乗り、6時55分に高崎着、高崎7時10分発水 上行に乗る。高崎は晴れている。渋川の鉄橋では強風のために徐行 運転した。上牧駅を越えた当たりから、空が曇、雪もばらつく。 水上に6分遅れの8時21分着、水上8時24発長岡行に乗り、駅を出たら 突然、吹雪になった。 家を出るとき、吹雪を期待していたが、上越線で目標を達成した。 そして米坂線への期待も高まる。水墨画のような白と黒の濃淡の景 色が広がる。電車が雪を巻き上げるので、吹雪が一層強烈になるよ うに感じる。 上越線の雪害対策は万全であり、ポイントを凍結させないように、 熱水がポイント部分にかけられている。このため、ポイント部分に は雪がない。長いトンネルを抜けると、吹雪が一層激しくなってき た。夢中にカメラのシャッターを切る。新雪が積もりバーククーペ ンのような積雪の黒い筋を隠し始めている。 五日町を過ぎると雪は小ぶりになり、越後滝谷で雪は止んだ。長岡 10時18分着で遅れもない。長岡10時38分新潟経由吉田行に乗る。長 岡から先は、晴れか曇かという天気。しかし、時々雨やみぞれも混 じる複雑な天気である。11時32分新津着。新津発12時12分の新発田 行まで40分あり、駅で特急「いなほ」が動いているか確認後、新発 田から坂町までの特急券と乗車券を買う。900円。駅前も見たが、 デーリー・ストアで、朝食と昼食兼用の弁当を買い、待合室で食べ た。駅の外にも雪はない。 12時12分新津発新発田行の110系ディーゼル１両に乗る。しかし、羽 越本線は新津・新発田間も単線ではあるが直流電化されている。そ れなのにディーゼル車を使うのか疑問であるが、電気機関車で引く トワイライトエクスプレスや貨車だけ電気を通し、あとの時間はデ ィーゼル車で運用しているようである。 電車、貨車が走っていないときは送電を停止し、電車と架線が消費 する電力の電気代と、送電を止めて気動車で運行した場合の燃料代 とを比べた結果、経済的であるからそうしているようだ。 特急「いなほ」は新潟・新発田間は白新線経由であり、この区間を 使用しない。このため、私も新発田で、特急に乗ることになる。 この新津・新発田間も田園風景の新潟平野を走る。柏崎から坂町ま で新潟平野であり、田園風景が続き広いことを実感する。12時40分 に新発田着。12時50分特急「いなほ５号」に乗り、坂町で降りる。 22Km程度しかない。停車は中条、坂町である。しかし、この特急に 乗らないと、今日中に東京に戻れない。羽越本線も普通電車がほと んどない。1時間に1本ある特急が優先の路線である。坂町13時10分着。 坂町13時34分発米沢行を待つが、駅がボロボロであり、待合室は人 がいっぱい。雪はないし晴れているが、駅のホームにいると強風で 非常に寒い。今日は寒いというので冬の格好をしてきても寒い。軽 装の人たちが多いが、寒そうである。待っている高校生も寒そうだ。 ここも110系ディーゼル１両である。羽越本線とその周りの路線で は人口密度が低く、乗客が少ないようである。坂町を出た時点では 立っている人がいたが、３駅先の越後下関駅でほとんどが降りた。 越後片貝から山の中に入り、川沿いに登る。ここから雪の量が増え ている。しかし、天気は晴れで、雪が降る様子はない。 小国の手前でトンネルになり、そこを抜けると雪の量は増している。 しかし、今日は晴れて穏やかである。期待した吹雪ではない。 米坂線の魅力は、迫り来る山と反対側に谷という地形である。 今日は雪が降らずに、穏やかであるが、吹雪ではこの地形を走る列 車からの風景を予想すると、見てみたい気がする。12月の18きっぷ 期間に、もう１度、来てみたいと思った。今回は残念である。 今泉で米沢盆地に入った。乗客も増える。米沢15時36分着。普通電 車福島行は、13時の次は17時46分までない。山形新幹線は1時間1本 の本数があり、それを利用すれば福島へは行ける。しかし、2時間待 つ。17時46分の電車でも東京に今日中に戻れる。 米沢の上杉神社にはもうすでに行っているので、今回は米沢の街を 見ようと観光案内所で聞くと、一瞬考えてから大沼があるアタリが 繁華街であるから、それは平和通を20分歩けば行けると案内された。 繁華街に行って、何か食べようとした。20分歩いてデパート大沼の ある繁華街に行ったが、寂れたシャッター街でレストランなどない 。駅の近くに米澤牛の店があるが、木曜日定休日とある。このため 、駅へ戻り、立ち食いの牛肉ソバを食べた。駅にも立派な食堂はな い。米沢駅で過ごすには、食堂もなく時間を持て余す。 17時46分福島行に乗る。米沢から福島の間も山の中であり、雪が多 い。しかし、徐々に暗くなり、見えなくなる。 大沢、峠、板谷、赤岩の4駅は、駅全体をスノーシェルターで覆って いる。無人駅であり、雪掻きが省くためであろうか？ 福島18時31分着。福島18時53分黒磯行、黒磯で20時53分宇都宮行、 宇都宮21時47分上野行に乗り、新白岡で踏切の安全確認で８分程度 停車した。赤羽で4分程度の遅れで23時32分に着く。それに接続する 電車も人身事故で遅れて、家についたのは1時を回っていた。 強風や吹雪で運行時間が遅れ、家に着かなくなると心配したが、実 は都心の人身事故が一番時間遅れになると思い知らせれた。