4616.北朝鮮の暴発とは?



南北の軍事境界線に近い砲兵部隊を視察した金第1書記は、軍事衝
突が発生した場合の第一目標は黄海の南北境界水域にある韓国領・
ペイヨン島と指定した。攻撃目標を明示すること自体が、戦争を知
らないか、戦争をしないことを宣言しているようなものである。

しかし、若く、新しい指導者であるために、金第1書記の行動の予
測が難しい。しかし、経験不足の可能性も高く、延坪島の攻撃のよ
うに攻撃を行う可能性も否定できない。

しかし、今回は不意を付くことはできずに、韓国の攻撃を受けるこ
とになる。もう1つが、攻撃を明示すること自体も異常であり、相
手に準備をさせることになる。

このため、一連の発表はおおかた威嚇に過ぎないと捉えられている。

北朝鮮が朝鮮戦争休戦協定の破棄を表明し、板門店の南北直通電話
を遮断するなか、南北共同事業の開城工業団地は全面稼働を続けて
いる。戦争手前であれば、この工業団地も閉鎖しないと筋が通らな
い。

しかし、韓国統一省のPark Soo-jin報道官は「開城は最終手段とみ
なされている。ここを閉鎖することは南北間のすべてを遮断するこ
とになる」と述べ、制裁で閉鎖することはないようだ。

韓国高官は、「よく啼く犬は、かまない」と北朝鮮の暴発を否定し
たが、そうもどうかわからない。

さあ、北朝鮮はどう出てくるのだろうか?

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北の移動式ICBM、実戦配備の「初期段階」 米長官が警戒 
2013.3.13 12:08 sankei[北朝鮮] 
 【ワシントン=犬塚陽介】クラッパー米国家情報長官は12日、
上院情報特別委員会で証言し、北朝鮮は3度目の核実験や移動式と
みられる新型ミサイル「KN−08」を軍事パレードで披露するな
ど、米国の脅威となる大量破壊兵器を誇示していると指摘。こうし
た武器システムを実戦に「投入するため、初期段階の作業をしてい
るとみている」と述べ、警戒感を示した。

 クラッパー長官はKN−08が「移動式の大陸間弾道ミサイル
(ICBM)のようにも見える」と証言したが、現段階では展示さ
れただけで、発射テストは行われていないとも強調した。

 専門家の間には、核兵器の実戦配備には弾頭の小型化が必要で、
未発射のミサイルの性能にも懐疑的な見方が強い。ただ、実戦配備
されれば移動式で探知が難しいため、クラッパー長官は米政府とし
て、ミサイル技術の向上に警戒を強めていることを示した。

 一方、長官は委員会に提出した準備書面で、金正恩第1書記が「
若く、新しい指導者」で、行動の予測が難しいと指摘。北朝鮮軍に
は「事前の兆候なしに限定的攻撃を行う態勢がある」と分析し、新
たな挑発行為を「非常に懸念している」と述べた。
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金第1書記、韓国領の島を「せん滅」と威嚇
2013年03月12日 18:40 発信地:ソウル/韓国
【3月12日 AFP】国連安保理が前週採択した制裁決議で新たな経済的
・外交的窮地に立たされた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim
 Jong-Un)第1書記は、米韓軍事演習が開始された11日、黄海(Yellow 
Sea)上にある韓国領の島を「せん滅する」と述べ、威嚇姿勢をさら
に強めている。
 
 南北の軍事境界線に近い砲兵部隊を視察した金第1書記は、軍事衝
突が発生した場合の第一目標は黄海の南北境界水域にある韓国領・白
ニョン島(Baengnyeong Island)だと述べ、部隊に細かく指示を出し
た。

 金第1書記の視察は、北朝鮮が南北休戦協定の白紙化と、続いて不
可侵条約の破棄を宣言する引き金となった韓米合同軍事演習の初日
にあたった。また北朝鮮は、米国と韓国に対する核先制攻撃にまで
言及している。

 こうした一連の発表はおおかた威嚇に過ぎないと捉えられている。
ただ一方では、2010年に同島沖で起きた韓国軍の哨戒艦「天安(Cheonan)
の沈没(乗員46人死亡)や、同年の延坪島(Yeonpyeong Island)に
対する砲撃(4人死亡)の前例もあり、警告が現実味を帯びているこ
とも事実である。白ニョン島には、韓国軍部隊に加え民間人5000人
が住んでいる。
 
 国営朝鮮中央通信(Korean Central News Agency、KCNA)が12日
に報じた内容によると、金第1書記は視察した砲撃部隊の指揮官らに
「島ごと火の海にせよ」と述べるなど、その指示の詳細さと敵意が
際立っていた。

 他方、国連(UN)は11日、北朝鮮による休戦協定の白紙化宣言は
無効であると反論。マーティン・ネシルキー(Martin Nesirky)国
連報道官は「休戦協定が依然、有効であることを強調したい。休戦
協定の条項は、どちらの側にも一方的に同協定の拘束から逃れるこ
とを認めていない」と述べた。(c)AFP
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北朝鮮の開城工業団地は通常稼働、南北緊張でも変わらない見通し
2013年 03月 12日 11:00 JST 
 [パジュ(韓国) 11日 ロイター] 北朝鮮が朝鮮戦争休戦
協定の破棄を表明し、板門店の南北直通電話を遮断するなか、南北
共同事業の開城工業団地は全面稼働を続けている。

 同団地は南北国境地帯の北朝鮮側に位置する。韓国企業123社
がここを拠点に衣服、靴などの日用品を製造し、5万人以上の北朝
鮮労働者を雇用。2012年の韓国への輸出額は10億ドルを超え
た。

 北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射や核実験、国連の対
北朝鮮制裁強化などを経ても、開城工業団地が変わることはなさそ
うだ。

 外国との経済的つながりをほとんど持たない北朝鮮にとって、開
城工業団地は命綱と言える。韓国政府の統計によると、2012年
の北朝鮮の中国との貿易額は59億3000万ドルだった。

 靴を仕入れに韓国から開城工業団地を訪れたPark Heung-jin氏は
「北朝鮮の労働者は、韓国はわれわれの相手ではない、われわれは
米国と戦わなければならない、と冗談を言っていた」と話す。

 開城工業団地事業は韓国の対北朝鮮「太陽政策」が残した唯一の
産物だが、ここに外貨が大量に流入するため、国際社会は北朝鮮の
核開発阻止に失敗してきた。ただ、韓国政府も北朝鮮政府も南北統
一のシンボルである同事業から手を引くつもりはないように見える。

 韓国統一省のPark Soo-jin報道官は「開城は最終手段とみなされ
ている。ここを閉鎖することは南北間のすべてを遮断することにな
る」と述べた。


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