次期日銀総裁として、元財務官でアジア開発銀行(ADB)総裁の 黒田東彦氏(68)を起用する方針を固めた。黒田氏は、安倍晋三 首相の経済政策「アベノミクス」の柱である大胆な金融緩和を支持 している。海外の一部にくすぶる円安誘導への懸念を払拭(ふっし ょく)するには国際金融界と太いパイプを持つ黒田氏が適任と判断 したとみられる。 首相は正副総裁人事で官僚、日銀、民間の出身別バランスを重視し ている。日銀出身の副総裁候補としては、中曽宏理事(59)もし くは雨宮正佳理事・大阪支店長(57)の昇格が有力視されている。 民間の副総裁候補には、学習院大学の岩田規久男教授を充てる方針。 黒田氏と岩田氏は、市場からリフレ策を推進するために大胆な措置 を取る可能性のあるハト派とみられていた。 この人事が発表されたことで、積極的な緩和策への期待感が再燃し た。このため、一時94円77銭に円が下落した。 当初、予想していた人事であり、今の状況では最適な人事のように 感じる。どう金融緩和をするかの議論に移ることになる。 外債の積極的な買いについてはG20の声明で制限されたので、他 の方法を行う必要になっている。しかし、国債を積極的に買うのは 禁じ手であり、それもできない。ということで、世界に伸びる会社 やベンチャーへの投資を行うしかない。成長戦略と同一方向の投資 をどうするかが議論になると見る。 さあ、どうなりますか? ============================== 一時94円77銭に円下落、日銀総裁人事めぐる報道で 2013年 02月 25日 07:27 JST [シドニー 25日 ロイター] 25日の外国為替市場で円が下 落した。政府が日銀の次期総裁にアジア開発銀行(ADB)の黒田 東彦総裁を起用する人事案を固めたとの日本経済新聞報道を受け、 積極的な緩和策への期待感が再燃した。 報道によると、学習院大学の岩田規久男教授を副総裁の1人に充て る方針。この両者は市場からリフレ策を推進するために大胆な措置 を取る可能性のあるハト派とみられていた。 ドルは対円で上昇し、2010年5月以来の高値となる1ドル= 94.77円を付けた。22日のニューヨーク市場終盤の取引では 93.39円を付けていた。 ユーロも対円で22日の1ユーロ=123.12円から 125.10円に上昇した。 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが英国債格付 けを最上位から1段階引き下げたことを受け、ポンドは22日終盤 に付けた1ポンド=1.5160ドルから1.5079に下落した。 ============================== 黒田氏、財務省「主流」の発想とは一線 2013/2/25 1:05日本経済新聞 電子版 ADB総裁の黒田東彦氏はフィリピンのマニラに在住している。 ざっくばらんな人柄で、「クロトン」の愛称で呼ばれる。大蔵省( 現財務省)入省は1967年(昭42年)。日銀総裁候補に挙がっていた 武藤敏郎元次官の1年後輩にあたる。 大蔵省では、若手・中堅時代には主税局を歩んだ。その後、国際 金融局長、財務官を歴任し、堅実な仕事ぶりで知られた。“国際金 融マフィア”の世界でも信頼が厚い。 ============================== 日銀総裁、黒田氏起用へ=積極緩和派の元財務官?政府 2013年 2月 25日 05:29 JST 3月19日に退任する白川方明日銀総裁(63)の後任候補につ いて、政府は元財務官でアジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦 氏(68)を起用する方針を固めた。既に水面下で打診している。 複数の関係筋が24日明らかにした。 黒田氏は、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の柱である 大胆な金融緩和を支持している。海外の一部にくすぶる円安誘導へ の懸念を払拭(ふっしょく)するには国際金融界と太いパイプを持 つ黒田氏が適任と判断したとみられる。 安倍首相は24日に訪米から帰国、白川総裁と同時に退任する山 口広秀(61)、西村清彦(59)両副総裁の後任候補と併せて日 銀人事案の最終調整に着手した。黒田氏らの了解を得た上で与野党 と調整し、今週中に国会に提示する。 首相は正副総裁人事で官僚、日銀、民間の出身別バランスを重視 している。日銀出身の副総裁候補としては、中曽宏理事(59)も しくは雨宮正佳理事・大阪支店長(57)の昇格が有力視されてい る。民間の副総裁候補には、金融緩和に積極的な経済学者が起用さ れる公算が大きい。 任命には衆参両院の同意が必要で、与党が過半数割れしている参 院の動向が焦点。野党の一部には財務省OBの総裁起用に反対する 声もある。 黒田氏は1999ー2003年に財務官として日本の通貨政策を 担い、円高対策として積極的な円売り介入を行った。財務官在任中 から、物価目標の導入によるデフレ脱却を持論としている。05年 ADB総裁に就任、現在は3期目。 [時事通信社]