4604.日銀総裁人事が確定か?



次期日銀総裁として、元財務官でアジア開発銀行(ADB)総裁の
黒田東彦氏(68)を起用する方針を固めた。黒田氏は、安倍晋三
首相の経済政策「アベノミクス」の柱である大胆な金融緩和を支持
している。海外の一部にくすぶる円安誘導への懸念を払拭(ふっし
ょく)するには国際金融界と太いパイプを持つ黒田氏が適任と判断
したとみられる。

首相は正副総裁人事で官僚、日銀、民間の出身別バランスを重視し
ている。日銀出身の副総裁候補としては、中曽宏理事(59)もし
くは雨宮正佳理事・大阪支店長(57)の昇格が有力視されている。

民間の副総裁候補には、学習院大学の岩田規久男教授を充てる方針。
黒田氏と岩田氏は、市場からリフレ策を推進するために大胆な措置
を取る可能性のあるハト派とみられていた。

この人事が発表されたことで、積極的な緩和策への期待感が再燃し
た。このため、一時94円77銭に円が下落した。

当初、予想していた人事であり、今の状況では最適な人事のように
感じる。どう金融緩和をするかの議論に移ることになる。

外債の積極的な買いについてはG20の声明で制限されたので、他
の方法を行う必要になっている。しかし、国債を積極的に買うのは
禁じ手であり、それもできない。ということで、世界に伸びる会社
やベンチャーへの投資を行うしかない。成長戦略と同一方向の投資
をどうするかが議論になると見る。

さあ、どうなりますか?
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一時94円77銭に円下落、日銀総裁人事めぐる報道で
2013年 02月 25日 07:27 JST 
[シドニー 25日 ロイター] 25日の外国為替市場で円が下
落した。政府が日銀の次期総裁にアジア開発銀行(ADB)の黒田
東彦総裁を起用する人事案を固めたとの日本経済新聞報道を受け、
積極的な緩和策への期待感が再燃した。

報道によると、学習院大学の岩田規久男教授を副総裁の1人に充て
る方針。この両者は市場からリフレ策を推進するために大胆な措置
を取る可能性のあるハト派とみられていた。

ドルは対円で上昇し、2010年5月以来の高値となる1ドル=
94.77円を付けた。22日のニューヨーク市場終盤の取引では
93.39円を付けていた。

ユーロも対円で22日の1ユーロ=123.12円から
125.10円に上昇した。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが英国債格付
けを最上位から1段階引き下げたことを受け、ポンドは22日終盤
に付けた1ポンド=1.5160ドルから1.5079に下落した。
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黒田氏、財務省「主流」の発想とは一線 
2013/2/25 1:05日本経済新聞 電子版
 ADB総裁の黒田東彦氏はフィリピンのマニラに在住している。
ざっくばらんな人柄で、「クロトン」の愛称で呼ばれる。大蔵省(
現財務省)入省は1967年(昭42年)。日銀総裁候補に挙がっていた
武藤敏郎元次官の1年後輩にあたる。

 大蔵省では、若手・中堅時代には主税局を歩んだ。その後、国際
金融局長、財務官を歴任し、堅実な仕事ぶりで知られた。“国際金
融マフィア”の世界でも信頼が厚い。
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日銀総裁、黒田氏起用へ=積極緩和派の元財務官?政府
2013年 2月 25日 05:29 JST
 3月19日に退任する白川方明日銀総裁(63)の後任候補につ
いて、政府は元財務官でアジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦
氏(68)を起用する方針を固めた。既に水面下で打診している。
複数の関係筋が24日明らかにした。

 黒田氏は、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の柱である
大胆な金融緩和を支持している。海外の一部にくすぶる円安誘導へ
の懸念を払拭(ふっしょく)するには国際金融界と太いパイプを持
つ黒田氏が適任と判断したとみられる。

 安倍首相は24日に訪米から帰国、白川総裁と同時に退任する山
口広秀(61)、西村清彦(59)両副総裁の後任候補と併せて日
銀人事案の最終調整に着手した。黒田氏らの了解を得た上で与野党
と調整し、今週中に国会に提示する。

 首相は正副総裁人事で官僚、日銀、民間の出身別バランスを重視
している。日銀出身の副総裁候補としては、中曽宏理事(59)も
しくは雨宮正佳理事・大阪支店長(57)の昇格が有力視されてい
る。民間の副総裁候補には、金融緩和に積極的な経済学者が起用さ
れる公算が大きい。

 任命には衆参両院の同意が必要で、与党が過半数割れしている参
院の動向が焦点。野党の一部には財務省OBの総裁起用に反対する
声もある。

 黒田氏は1999ー2003年に財務官として日本の通貨政策を
担い、円高対策として積極的な円売り介入を行った。財務官在任中
から、物価目標の導入によるデフレ脱却を持論としている。05年
ADB総裁に就任、現在は3期目。 
[時事通信社]



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