3月末に国家予算の強制削減が決定的になるなか、国防費の大幅な 削減は、もはやオバマの既定路線になっているように感じる。 オバマ大統領は、社会保障費の削減には反対しているが、国防費の 削減には大きな反対をしていない。 予算削減で、米国のアジア回帰政策は実行できないのではないかと 心配されている。米国内でも中国を刺激するアジア回帰政策はする べきではないとの意見がある。 これと関連して、中国が費用を肩代わりし、ロビイストを通じて米 連邦議会の議員やスタッフを自国への視察旅行に招待する例が増え ている。2006〜11年の6年間で、外国政府持ちの視察旅行は 800件超に上り、うち221件が中国と突出。これに台湾106 件、サウジアラビア62件が続いている。日本は13件だった。 というように、米国の対中融和派は、中国から買収されている。そ れに比べると、日本の少なさはどういうことでしょうね? 米国の一般的な議員は、アジアのことは他人事であり、金を出す国 を支援したいはず。日本より中国の方が実入りが大きい。 さあ、どうなりますか? ============================== 米軍事費の大幅削減は もはやオバマの既定路線? 2013年02月19日(Tue) 岡崎研究所 WEDGE 1月19日付米The Diplomat誌のサイトで、Cindy Williams米MIT研究 員は、米国防予算の削減のために、米国のアジア回帰政策は実行で きないのではないかという一部の心配に対して、予算削減こそ、こ の計画を実施するのに適合したものである、と論じています。 すなわち、アジア・太平洋における戦闘は主として、海と空を舞 台として行われる。今の計画では、陸から海空へのシフトはまだ微 小であるが、今後の予算にはそれが反映されなければならない。 陸軍は既に現存の37旅団から8ケを削減する予定であるが、ヨーロ ッパからそのほとんどを引き上げて、全体を26旅団まで削減すべき である。ただ、緊急時の必要性に備えて、陸軍州兵及び予備軍は保 持すべきである。空軍は現在の60飛行隊から6ケを削減する予定であ るが、もう8ケの戦闘機飛行隊を削減して、950機態勢とすべきであ る。 それで浮いた経費を海軍と海兵隊にまわせば、国防省全体の予算 の10%カットが実現しても、現在の計画を進めるのに十分な予算が ある、と述べています。 ◆ ◆ ◆ 陸海空軍間の熾烈な権限争いを度外視して単純化すれば、こうい う議論になるのでしょう。 こういうことが公然と議論される背景には、軍事費の大幅削減は 、もはやオバマ政権の既定路線として受け止めざるを得ない雰囲気 となっているのかもしれません。 ただ、この論文では、国防予算削減が既定路線化されている中で も、「アジア・ピボット」(米国のアジア回帰政策)を守ろうとし ています。日本としては、日本が防衛力を増強しようとしている最 中に、米国に国防費削減をされては困るのですが、それがアジア・ 太平洋復帰の枠内で議論されているのならば、それは日本の国益や 日米関係に与える悪影響を極限することとなりますので、その点は 評価できます。 ============================== 中国が突出「お抱え」視察旅行 米議員らに外国から攻勢 【ワシントン共同】飛行機はビジネスクラス、高級ホテルに滞在 し、万里の長城を見学―。米紙ワシントン・ポストは18日、中国 をはじめとする外国政府が費用を肩代わりし、ロビイストを通じて 米連邦議会の議員やスタッフを自国への視察旅行に招待する例が増 えていると報じた。 同紙の調査によると、2006〜11年の6年間で、外国政府持 ちの視察旅行は800件超に上り、うち221件が中国と突出。こ れに台湾106件、サウジアラビア62件が続いている。日本は 13件だった。 同紙は、外国政府のために働くロビイストらは旅行同行で議員ら と関係を築き、旅行後の接触回数も増えると指摘した。 2013/02/19 06:08 【共同通信】