4593.日中戦争の防止とは



中国艦船の自衛隊艦船への射撃管制用レーダーの照射を中国は正式
に否定したが、戦争準備も十分に行なっている。この考察。
             津田より

0.レーダー照射問題
小野寺五典防衛相は2月5日夜、防衛省で緊急記者会見を開き、東
シナ海の公海上で1月30日、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛
艦に対し、射撃管制用のレーダーを照射したと発表した。これに対
して、中国外務省は「事実関係を確認したい」と答えた。

元米国務省日本部長のケビン・メア氏は、火器管制レーダー照射に
ついて、「米軍であれば、(自らへの)攻撃と判断して反撃する」
と述べた。というように戦争になる可能性が高い行為であるという。

カーニー米大統領報道官は7日の記者会見で、射撃管制用レーダー
照射に関連し、状況を注視しているとした上で「地域の同盟国と共
に関与していく」と述べ、日本と緊密に連携する考えを示した。

中国外務省は8日、火器管制レーダー照射に関連し、「日本の言い
方は完全に捏造(ねつぞう)だ」と非難した。照射を否定した国防
省とともに中国政府の統一見解を打ち出した形で、日本政府の再調
査要求に応じない姿勢を鮮明にした。

また、環球時報では「日本側が説明する詳細な状況の真実性と、今
回の世論戦を仕掛けた魂胆には疑問符を付けざるを得ない」と主張
し、照射の公表は国際社会で日本の立場を有利にするための世論戦
との認識を示した。

なお、小野寺五典防衛相は、レーダー照射があった海域について、
日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線に定めている「日中中間
線」より日本側だったと明らかにした。

政府が5日に中国海軍艦艇の射撃管制用レーダー照射を発表して以
降、東シナ海での中国軍の挑発が沈静化していることが8日、分か
った。フリゲート艦は沖縄県・尖閣諸島の北方海域に展開している
ものの動きは小さく、連日続いていた戦闘機などの領空接近は途絶
えた。中国共産党指導部が挑発を自粛するよう指示したためとみら
れ、政府は照射が「軍の独断」だったとの見方を強めている。

これは中国の春節休暇で軍兵士を休養させているためとも見えるの
で、春節以後の状態を見ないと、まだ即断はできない。

事実、中国海軍の北海艦隊に属する艦船3隻が9日から、西太平洋
で春節の連休を返上して遠洋訓練を開始。3隻は南シナ海でパトロ
ールと訓練を行った後、西太平洋に移動したという。というように
活動はしている。

中国の狙いは、日米同盟の強さを知るために調査しているようにも
見える。中国と日本との戦争に米国がどれほど関与してくるかとい
うことであるように感じる。

そして、人民日報など中国各紙は、射撃管制用レーダー照射をめぐ
り、安倍晋三首相が中国側に謝罪を求めたことについて報じなかっ
た。事態の沈静化に向け、対日強硬策を求める世論が高まらないよ
う配慮した可能性もある。

東シナ海における日中の偶発的な軍事衝突を回避するため、日本政
府が呼びかけている防衛当局間のホットライン設置など緊急連絡体
制「海上連絡メカニズム」の構築について、中国側も必要性を認め
ているようだ。緊急的な戦闘回避が行えることは良いことであるが
、これだけでは、戦争回避は出来ない。

中国の矛盾が増大している。そして、中国は石油や米の輸入・備蓄
を拡大している。このことを「有事に備えた戦時備蓄ではないか」
と見る向きがある。

「中国では、著しい格差、党や軍幹部の腐敗、環境汚染などに反発
して、庶民によるデモや暴動が年間20万件も発生している。一部
の幹部は母国に見切りを付け、資産や家族を外国に逃している。
国家体制は崩壊の危機にある。中国は1979年に、国内矛盾を転
嫁する意図もあって、ベトナムに侵攻した(中越戦争)。今回も『
尖閣を取り戻す』『琉球(沖縄)を解放する』などと理屈を付けて
、同じことをする可能性がある」。

中国共産党の習近平・中央軍事委員会主席は今月4日、甘粛省の蘭
州軍区で重要講話を行い、「軍事闘争への備えの拡充と深化に力を
入れ、部隊の即応、即戦、必勝の態勢を確保しなければならない」
と強調した。

1.米国の動き
米国のケリー新国務長官は、対中融和派であり、このレーダー照射
についても声明を出していない。この時期、米ケリー国務長官と中
国楊外相は数度、北朝鮮核実験の問題で電話会談をしている。

レーダー照射について米記者が「これは同盟国日本だけではなく、
米国も試されているとの認識はないのか」と食い下がったが、国務
省ヌランド報道官は「不測の事態への懸念」を表明するのにとどめ
た。また、ヌランド報道官は、ケリー氏が会談でレーダー照射を取
り上げたかどうかをただされても言及しなかったが、中国の対応が
沈静化した裏には、ケリーさんの働きがあると見る。

しかし、日本のTPP反対で、米国の安全保障だけを要求する身勝手な
対応にもケリー国務長官は不満であり、日本を利する発言もしない
のであろう。

このような米国の雰囲気を感じたのか、安倍首相は9日、環太平洋
経済連携協定(TPP)の交渉参加問題について、「聖域なき関税
撤廃を前提条件とする以上、交渉に参加しない、これは不動の方針
だ。聖域なき関税撤廃なのかどうかの感触を私自身がつかむことが
できるか、日米首脳会談の場で判断していくことになる」と述べた。
2月下旬のオバマ米大統領との会談で交渉参加の是非を判断し、
TPPに参加表明するしかないはず。もし、そこで参加しないのな
ら、日米同盟を破棄される可能性も出てくる。日本の安保タダ乗り
論が米国で大きな問題になっているからである。

この上、米国は3月末の強制財務削減が迫り、米国防省は3月末の
防衛費削減のために、中東周辺海域へ展開する予定だった原子力空
母「ハリー・S・トルーマン」の出港延期を発表した。また、米軍
の配備する核弾頭を約1千発まで減らせるとの結論に達した。

クリントン前国務長官はアジアシフトをして防衛費をアジアに回し
て、対中に備えるとしたが、ケリー国務長官は、中東も重視してい
るために、アジアでの軍備削減も行うとしている。

中国とは、友好な関係を保ち、中国包囲網を形成しないというので、
安倍首相が提案している安全保障のダイヤモンドにも乗り気ではな
い。

2.リアリストの立場
日本国民の生命・財産・文化を守ることが国として、一番最初にす
るべきことである。一番最初に安全保障上の問題を解決することが
国家の使命であり、これが危機的な状況にあれば、それを最優先に
解決しなければならない。

現状、中国が戦争を仕掛けてくる可能性がある。その原因が尖閣諸
島の領有権である。日本も主権を譲れないし、中国も主権を譲れな
い。このため、両方共に軍備を増強して、相手に勝てるようにして
いるのかというと、それは違う。

日本は通常兵器では、中国より上かもしれないが、核ミサイル攻撃
に対しての備えには不安がある。中国は通常兵器より先に核兵器を
優先して開発したことで、日本が戦後、核兵器を持たないとしたこ
とで、この部分で劣勢になっている。

現状がこのような状態である。このため、軍事評論家は、最初から
核兵器を使わないので、当初は日本が勝つという。それが過去の例
を踏襲する評論家の考察である。

中国の将軍になった気持ちで考えるなら、通常兵器で負けるなら、
最初から核ミサイルを使って、日本の通常兵器をなくしてから攻め
るとなる。戦争初頭から核ミサイルを使用する。国連安保理が開催
される前に、日本を滅亡させて、安保理に最初に日本が攻めてきた
という。

このようなシナリオを私が中国の軍トップなら考える。リデル・ハ
ートの間接戦略論でいう、敵の常識とは違う方法で、敵を唖然させ
る戦術を生み出し、それで圧勝することを考える。

このため、開戦直後に、米軍は日本から西太平洋に下がるという戦
術を取るという。それがオフシェア・バランシング戦略であり、エ
ア・シー・バトルという戦術になっている。

このように中国と戦うためには、どうしたらよいか、米国は戦略研
究をしている。米国の国益を守るために、日本などは犠牲にして、
その上で、中国が出てきたら叩くし、中国を海上封鎖して長期戦で
勝つという戦略を取る。

この戦略であると、日本は最前線にいるために、滅亡しかねない。
米国の戦略を知っているので、これを心配している。

しかし、日本の右翼・国粋主義者は、この事実を無視して米国が守
ってくれると盲信している。しかし、同じ人間が米国は信用できな
いので、TPPは反対という。この論理は国際的に通用しないし、矛盾
している。右翼やネトウヨなどは、お馬鹿な人たちなのである。

しかも、米国の軍事費はGDP4.5%であるのに、日本の軍事費はGDP
の1%しかない。これで米国に守れということはおかしいと、どう
して思わないのは、非常に不思議な考え方をする人たちである。

自分の国は自分で守る。敵の長所を知って、それに対応した兵器の
開発を行い、どのような奇襲作戦を取られても、それを打ち負かし
て、相手を滅亡させることである。核戦争時代では、相手を滅亡さ
せることが必要である。そうしないと、いつ車載型の核ミサイルが
飛んでくるかわからない。核ミサイル搭載の潜水艦も全て粉砕しな
いと、危ない。

中国との戦争を考えたら、日本が滅亡しないためにはいろいろなこ
とをすることが必要になる。時間が必要になる。

その時間を稼ぐ必要になる。尖閣諸島を中国から見ると棚上げ論、
日本から見ると現状固定論という考え方で、ここ当分は折り合うし
かない。そして、時間を稼いで、そこで戦争準備をする。通常兵器
の増強ではなく、100%の核ミサイル防衛を行う研究を早く始め
ることである。

それまでは、米国から核弾頭を買い、有事には中距離ミサイルに装
着することも考えるべきである。日本も中国への抑止力を持つしか
ない。

さあ、どうなりますか?

==============================
駐日中国大使:「日中は努力で春迎えられる」
毎日新聞 2013年02月09日 23時58分
 中国の程永華駐日大使は9日、日中平和友好条約締結35年を記
念して山梨県富士吉田市の観光施設で開かれた日中観光交流記念式
典後の記者会見で「(中国では)きょうは大みそかで明日から巳年
(みどし)が始まる。冬が終わり春となる。中国と日本には寒い風
が吹いているが、努力で春を迎えられる」と述べた。尖閣諸島をめ
ぐり対立が続く日中関係を改善するために話し合いが必要との認識
を示したとみられる。また「(両国は)引っ越しができない隣人(
同士)で、相互依存を深め、困難はあるが、現実を直視して乗り越
えなければならない」とも述べた。【小田切敏雄】
==============================
尖閣海域で中国船が巡視 西太平洋では海軍訓練 新華社報道
2013.2.9 22:34 [尖閣諸島問題]
 中国国営通信の新華社は、春節(旧正月)連休の初日に当たる9
日、中国の海洋監視船が沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺
海域をパトロールしたと報じた。

 一方、新華社電によると、中国海軍の北海艦隊に属する艦船3隻
が9日から、西太平洋で春節の連休を返上して遠洋訓練を開始。3
隻は南シナ海でパトロールと訓練を行った後、西太平洋に移動した
という。(共同)
==============================
安倍首相の謝罪要求報じず 中国各紙、沈静化狙いか
2013.2.9 21:41 [メディア]
 9日付の中国共産党機関紙、人民日報など中国各紙は、中国海軍
艦船による海上自衛隊護衛艦への射撃管制用レーダー照射をめぐり
、安倍晋三首相が中国側に謝罪を求めたことについて報じなかった。

 各紙とも、射撃管制用レーダーの照射を否定した国防省や外務省
の公式見解を紹介したが、日本を批判するような独自の論評記事な
どは掲載しなかった。

 事態の沈静化に向け、対日強硬策を求める世論が高まらないよう
配慮した可能性もある。(共同)
==============================
TPP交渉参加「日米首脳会談で判断」…首相
 安倍首相は9日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加問
題について、「聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上、交渉に参
加しない、これは不動の方針だ。聖域なき関税撤廃なのかどうかの
感触を私自身がつかむことができるか、日米首脳会談の場で判断し
ていくことになる」と述べた。

 2月下旬のオバマ米大統領との会談で、関税を撤廃しない例外品
目を設けることが出来るかどうかを見極めた上で、交渉参加の是非
を判断する考えを示したものだ。視察先の岩手県陸前高田市内で記
者団に語った。
(2013年2月9日21時31分  読売新聞)
==============================
中国の出方見極め判断 証拠データ開示で政府
2013.2.9 19:20sankei
 日本政府は、海上自衛隊護衛艦への中国海軍艦船の射撃管制用レ
ーダー照射に関する証拠データ開示について、中国側の出方を見極
めながら判断する方針だ。当面は証拠開示に言及することで中国を
けん制する。中国側が引き続き「日本の捏造」と主張すれば開示に
踏み切る。ただ、国民や国際社会に訴えやすい映像や写真にとどめ
、電波データは安全保障上の機密保持のため公開しない方向だ。

 政府関係者によると、証拠の中心となるのは、中国艦が照射した
レーダーの電波データだ。海自護衛艦は、相手から照射されたレー
ダーを感知して周波数を分析するシステムを搭載している。今回は
データを国内に持ち帰り、専門の部隊に分析させて射撃用レーダー
だったと特定。自衛隊関係者は「監視用レーダーと比べ射撃管制用
レーダーの電波は周波数が高い」と分析結果に自信を示す。
==============================
中国、戦争準備本格化 石油、米の輸入量拡大
 「尖閣国有化」前から備蓄…
ZAKZAK(夕刊フジ)2013年02月09日17時12分
 中国海軍艦艇が、海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照
射したことを受け、日本は米国と連携して「武力による威嚇」を牽
制している。こうしたなか、中国が石油や米の輸入・備蓄を拡大し
ていることを「有事に備えた戦時備蓄ではないか」と見る向きがあ
る。中国では、貧富の差や、党や軍幹部の腐敗、環境汚染などをめ
ぐり、庶民の不満は爆発寸前という。共産党政府は批判をそらすた
めに、日本を“敵”に仕立てて、沖縄県・尖閣諸島の強奪に踏み切
るつもりなのか。 
 「レーダー照射は大変遺憾だが、対話の窓口は閉ざさない。中国
こそ、戦略的互恵関係の原点に立ち戻ってほしい」
 安倍晋三首相は7日午後の衆院予算委員会で、こう語った。一方
的に脅威レベルを上げている中国に自制を求めたものだが、同国に
ついては見逃せない動きがある。
 ロイター通信は先月10日、中国税関当局発表のデータとして、
2012年の中国の原油輸入が前年比6・8%増の2億7102万
トン(日量542万バレル)だったと報じた。このうち、
1億6190万トンが1−7月に輸入された。中国は20年をメド
に、石油備蓄量を世界第2位、約5億バレルまで増やすプロジェク
トを進めている。
 日経新聞電子版は昨年12月7日、中国税関総署の調べとして、
中国の2012年1−10月期の米の輸入量が198万トンにのぼ
り、11年の輸入量(57万8000トン)を大幅に上回ったと報
じた。
 これらの動きについて、国内外のメディアは「(産油国が多い)
アフリカや中東地域で混乱が続いており、エネルギー危機に備える
ため」「石油備蓄戦略の一環」「中国は穀物の純輸入国に転落した
」と解説する。
 だが、「月刊中国」の発行人である鳴霞(めい・か)氏は「中国
国内では『戦争準備用』とも報じられている。日中激突を視野に、
戦時備蓄を進めている可能性がある」といい、こう続ける。
 「中国では、著しい格差、党や軍幹部の腐敗、環境汚染などに反
発して、庶民によるデモや暴動が年間20万件も発生している。一
部の幹部は母国に見切りを付け、資産や家族を外国に逃している。
国家体制は崩壊の危機にある。中国は1979年に、国内矛盾を転
嫁する意図もあって、ベトナムに侵攻した(中越戦争)。今回も『
尖閣を取り戻す』『琉球(沖縄)を解放する』などと理屈を付けて
、同じことをする可能性がある」
 確かに、7日付の軍機関紙、解放軍報によると、中国共産党の習
近平・中央軍事委員会主席(党総書記)は今月4日、甘粛省の蘭州
軍区で重要講話を行い、「軍事闘争への備えの拡充と深化に力を入
れ、部隊の即応、即戦、必勝の態勢を確保しなければならない」と
強調した。
 同紙によると、軍総政治部は同日までに、2013年の「軍事訓
練中の政治工作に関する指示」を出し、習氏と軍事委員会が決定し
た思想の堅持を求めたうえで、「苦難を恐れず、死をも恐れぬ戦闘
精神を育成せよ」と鼓舞している。
 国営中央テレビ(CCTV)など官製メディアも、尖閣諸島をめ
ぐる軍事衝突を想定した番組を頻繁に放送している。
 一連の動きで注目すべきは、中国が石油や米の輸入・備蓄を拡大
させた時期である。
 中国は、日中緊張について、野田佳彦前首相が昨年9月、尖閣を
国有化したことを理由に挙げるが、輸入・備蓄拡大が有事を想定し
たとすれば、それより前から動いていた可能性がある。レーダー照
射についても「国有化前からあった」という一部報道もある。
 尖閣諸島を守る航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・
元空将は「一般論として」と前置きして、こういう。
 「ある国が新たな軍事的行動を想定した場合、作戦計画に合わせ
て、事前に燃料や弾薬、食糧などを積み上げて確保する。輸入や備
蓄が増えているなら、早急に『何を想定しているか』を情報収集す
べきだ」
 前出の鳴霞氏も「日本の一部メディアや政党、評論家は『野田氏
や石原慎太郎前東京都知事が日中関係を悪化させた』と批判してい
るが、まったく違う。中国は20年以上前から、尖閣を含む沖縄県
全体を取り込むため、着々と準備を進めてきた。沖縄での浸透工作
も進んでいる。最近、沖縄県内で『尖閣諸島の共同管理案』が広ま
っているそうだが、日本の主権を放棄させる、中国共産党の対日戦
略と一致している」と語る。
 安倍首相は、中国の覇権拡大を阻止するため、日米同盟を強化す
るとともに、「自由」「民主主義」「基本的人権」「法の支配」と
いった、価値観をともにする友好諸国との連携を深め、それを安全
保障にもつなげる「セキュリティー・ダイヤモンド」構想を打ち出
している。
 日本はどう対応すべきか。
 前出の佐藤氏は「日本人は『まさか、そんなことはしないだろう
…』と性善説で考えるが、外交・安全保障では最悪の場合を想定し
て、性悪説で対応するべき。特に、政治体制がまったく違う国が相
手の場合はそうだ。『話し合えば分かる』なんて、甘過ぎる。自分
たちの常識や意見が通じない国として、隙を見せずに対処しなけれ
ばならない」と語っている。
==============================
「海上連絡メカニズム」必要性、中国側も認める
 東シナ海における日中の偶発的な軍事衝突を回避するため、日本
政府が呼びかけている防衛当局間のホットライン設置など緊急連絡
体制「海上連絡メカニズム」の構築について、中国側も必要性を認
めていることが9日、わかった。

 関係者によると、中国の程永華駐日大使が8日、外務省で河相周
夫次官と面会した際、「不測の事態を回避するためにも、両国間の
意思疎通が重要だ」と述べた。

 一方、小野寺防衛相は9日午前、東京都内で記者団に対し、「海
上連絡メカニズム」の協議について、7日に外交ルートを通じて中
国側に申し入れたことを明らかにした。

 日中両政府は2011年7月の防衛次官級協議で、連絡体制の早
期構築で一致、12年中の運用開始を目指して協議を続けてきた。
しかし、12年9月の尖閣諸島国有化で協議は中断している。
(2013年2月9日13時35分  読売新聞)
==============================
自衛隊法改正で特別委も=石破氏
 自民党の石破茂幹事長は9日午前のBS朝日番組で、自衛隊によ
る在外邦人の救出や領海に侵入した外国公船の排除を可能にするた
め、自衛隊法の改正が必要だと指摘した上で、「必要があれば(国
会に特別)委員会でもつくっていいし、専任大臣を置くのも一つの
考え方だ」との認識を示した。
 また、中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダ
ー照射に関し、「中国共産党が人民解放軍をコントロールできてい
るのか。コントロールが利いてないなら何が起こるか分からない」
と強い懸念を示した。(2013/02/09-12:25)
==============================
日中「ホットライン」構築を=衝突回避へ、7日に協議提案
−小野寺防衛相
 小野寺五典防衛相は9日午前、都内で記者団に、東シナ海での偶
発的な衝突回避を目的とした日中防衛当局の「海上連絡メカニズム
」に関し、日本政府が7日に北京の日本大使館を通じて中国側に協
議再開を提案していたことを明らかにした。中国海軍艦艇による海
上自衛隊護衛艦へのレーダー照射を踏まえ、防衛相は「大切なこと
はホットラインをつくって、このような事案があった場合は速やか
に現場で意思疎通できる態勢を取ることだ」と強調した。 
 海上連絡メカニズム構築に向けた日中協議は、昨年9月の日本政
府による尖閣諸島国有化以降、中断しているが、防衛相は「中国側
からも、海上のさまざまな事案に対応するお互いの連絡態勢はつく
りたいというメッセージは感じている」と述べた。
(2013/02/09-11:51)
==============================
国防費削減「理屈に合わない」=米軍に深刻な影響−オバマ大統領
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は8日、バージニア州フォー
トマイヤーで行われたパネッタ国防長官の離任式で演説し、国防費
を中心とした歳出の強制削減について「全く理屈に合わない」と述
べ、回避に向け歩み寄るよう野党・共和党に求めた。
 大統領は「軍事的な備えに深刻な影響を及ぼしかねない大規模で
一律の歳出削減が、財政再建に必要なわけではない」として、歳入
増加策も含んだ財政健全化を認めるよう野党・共和党に要請。また
「政治的得点を挙げようとするのではなく、国にとって正しいこと
をなすべきだ」と与野党に前向きな対話を促した。
(2013/02/09-11:12)
==============================
政府、レーダー情報の開示検討=防衛相「証拠持っている」
−中国公船の動きは沈静化
 中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダーの照
射に関し、日本政府は護衛艦が捕捉した電波データや撮影した画像
などの一部開示に向け、検討に入った。中国政府が日本側の発表を
「完全な捏造(ねつぞう)」と全面否定したことを受け、レーダー
照射の事実を裏付ける証拠を国際社会に示す必要があると判断した。
 小野寺五典防衛相は9日午前、都内で記者団に「証拠はしっかり
持っている。政府内で今(どこまで開示できるか)検討している」
と表明。「防衛上の秘密にも当たる内容なので慎重に考えていきた
い」とも語った。
 防衛省内には「自衛隊の解析能力を相手に教えることになる」と
して、開示に否定的な意見が強い。このため日本政府は、中国側の
今後の出方も見極めながら、外務・防衛両省を中心に、公開できる
情報の範囲を慎重に検討する方針だ。
 (2013/02/09-10:58)
==============================
米の核弾頭配備「1000発に削減可能」 専門誌報道
2013年2月9日10時20分
 【ワシントン=望月洋嗣】米国の外交専門誌フォーリン・ポリシ
ー電子版は8日、複数の米政府高官の話として、オバマ政権が、米
軍の配備する核弾頭を約1千発まで減らせるとの結論に達した、と
報じた。オバマ政権はこの指針を近く公表し、ロシアとの新たな核
軍縮交渉を始めたい考えだという。
==============================
中国軍の挑発沈静化 日本政府、「軍独断」の見方
2013.2.9 08:21 sankei[尖閣諸島問題]
 政府が5日に中国海軍艦艇の射撃管制用レーダー照射を発表して
以降、東シナ海での中国軍の挑発が沈静化していることが8日、分
かった。フリゲート艦は沖縄県・尖閣諸島の北方海域に展開してい
るものの動きは小さく、連日続いていた戦闘機などの領空接近は途
絶えた。中国共産党指導部が挑発を自粛するよう指示したためとみ
られ、政府は照射が「軍の独断」だったとの見方を強めている。

 東シナ海上空では昨年9月以降、中国海軍のY8哨戒機とY8情
報収集機が日本領空に連日接近。12月からはY8を護衛する形で
空軍戦闘機J10も近づき始めた。緊急発進(スクランブル)する
航空自衛隊のF15戦闘機や警戒監視中の海上自衛隊P3C哨戒機
などが入り乱れ、偶発的な衝突が懸念されていた。

 政府高官は「年末から一触即発の状態が続いていたが、6日以降
は驚くほど静かになった」と指摘。別の高官も「フリゲート艦を尖
閣北方から後退させることはないが、この3日間の領空接近は皆無
だ」と語る。

 レーダー照射では、党指導部の指示か、軍の現場の独断だったか
が焦点。防衛省幹部は「指導部の指示であれば照射を即座に正当化
した上で、反発のメッセージとして別の形で挑発に出る準備をして
いたはずだ」と分析する。

 逆に、挑発が沈静化したことで、国際社会の批判を恐れた指導部
が慌てて挑発の自粛を軍に命じたとの指摘が多い。パネッタ米国防
長官も中国に自制を求めており、政府の積極的な公表が中国軍の挑
発を封じる上で奏功したといえる。

 中国では今月10日に春節(旧正月)を迎え、政府は祝賀ムード
の中で軍が挑発を再開させるかにも注目している。仮に挑発に出て
くれば、今度は指導部の指示であることは明白だ。
==============================
NSC創設有識者会議に谷内元外務次官ら
2013.2.9 02:07SANKEI
 国家安全保障会議(日本版NSC)創設を検討する政府の有識者
会議に、谷内正太郎元外務次官や中西輝政京大名誉教授らがメンバ
ー入りすることが8日、分かった。

 両氏のほかのメンバーは、漆間巌元警察庁長官▽青山繁晴独立総
合研究所社長▽折木良一前統合幕僚長▽金子将史PHP総研主席研
究員▽西原正平和・安全保障研究所理事長▽増田好平元防衛事務次
官▽宮家邦彦立命館大客員教授▽宮崎緑千葉商科大政策情報学部長。
==============================
レーダー照射:中国「日本の言い方は捏造だ」
毎日新聞 2013年02月09日 01時26分
 中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は8日の定例
記者会見で、中国軍艦船による日本の護衛艦などへの火器管制レー
ダー照射に関連し、「日本の言い方は完全に捏造(ねつぞう)だ」
と非難した。照射を否定した国防省とともに中国政府の統一見解を
打ち出した形で、日本政府の再調査要求に応じない姿勢を鮮明にし
たものと言える。

 華副局長は国防省の8日の見解と同様に「日本が虚偽の状況を計
画的にまき散らして中国のイメージに泥を塗り、中国脅威論を宣伝
して緊張をつくり出しながら国際世論を誤った方向に導こうとして
いる」と批判した。
うにしたいのではないか」と話す。
【北京・成沢健一、西田進一郎】
==============================
尖閣問題:米太平洋軍司令官「日中両国は挑発行為自制を」
毎日新聞 2013年02月08日 18時39分
 【ジャカルタ佐藤賢二郎】ロックリア米太平洋軍司令官は8日、
ジャカルタでの公開討論会で「日中のいずれかが対応を誤れば、尖
閣諸島問題は武力衝突につながる恐れがある」と懸念を表明。両国
に挑発的な行為をやめるよう求め、自制を促した。ロイター通信な
どが伝えた。司令官は「一連の対立が深刻な衝突に変わることを防
ぐ規範作りが急がれる」と述べ、法的拘束力のあるルール策定の必
要性を強調した。
==============================
キャンベル・米国務次官補が退任
2013年2月8日10時52分
 米国務省のキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が8
日に退任する。国務省が明らかにした。

 キャンベル氏は国務省で対日外交や対中外交などの責任者を務め
、オバマ政権の中で、アジア重視戦略を推進する中心的な役割を担
った。日米関係では、米軍普天間飛行場の移設問題や東日本大震災
後の米国の原発事故対応や被災地支援、環太平洋経済連携協定(T
PP)の交渉参加を巡る問題などに携わった。

 国務省によると、後任の国務次官補は未定で、当面はジョセフ・
ユン筆頭次官補代理が代行する。
==============================
日米豪、中国狙って合同軍事訓練
2013年02月08日09時01分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
  米空軍374輸送飛行団の将兵が7日(現地時間)、米国領グア
ムのアンダーセン空軍基地で実施された「コープノース」軍事訓練
中、C−130輸送機を点検した。 

  米国・日本・豪州の3カ国が参加する今回の訓練は、中国など潜
在的脅威勢力が引き起こす可能性がある西太平洋地域の軍事危機に
対応するため実施する。
==============================
安保基本法制定を提言へ 参院選前に報告書 きょう集団的自衛権
有識者懇談会
2013.2.8 08:29 sankei[安全保障]
 集団的自衛権行使容認に向けた有識者会議「安全保障の法的基盤
の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が、集団
的自衛権の行使を明記する「国家安全保障基本法」の制定を提言す
る方針であることが7日、分かった。安倍晋三首相は、この内容を
柱とする新たな報告書を今夏の参院選前に提出させ、選挙後に法案
化に着手。懇談会では前回検討した「4類型」の拡大も検討する。

 懇談会が新たに作成する報告書は、政府が「権利は有するが行使
はできない」との解釈に立つ集団的自衛権の行使を可能とするため
、安保基本法をその法的根拠と位置づける。

 基本法では「自衛権行使」との条文で、「わが国と密接な関係に
ある他国への武力攻撃」に際し「支援の要請がある」場合の集団的
自衛権行使を規定することが想定される。

 それに伴い自衛隊法も改正し、集団的自衛権に関する任務規定も
必要になる。

 懇談会は8日、第2次安倍内閣発足後では初めてとなる会合を官
邸で開く。前回の安倍首相辞任で福田康夫元首相に提出した報告書
を安倍首相に出し直す。

 前回の懇談会は集団的自衛権に関し、(1)公海上で自衛隊艦艇
と並走する米艦艇が攻撃された場合の反撃(2)米国を狙った弾道
ミサイルを日本のミサイル防衛(MD)システムで迎撃−について
検討、集団的自衛権の行使を認めるよう求めた。

 国連平和維持活動(PKO)などについても、(3)一緒に活動
する他国部隊や隊員への「駆け付け警護」(4)補給・輸送・医療
といった後方支援のあり方−を例示。武器使用基準の緩和や「武力
行使との一体化」論の見直しを提言した。

 この報告書が作成された平成20年6月から5年近く経過してい
るため、首相は数回にわたり安全保障環境の変化について懇談会メ
ンバーから意見を聞き、問題意識を整理する。脅威認識では中国の
海・空軍力の増強や国際テロ組織の拡散が論点となる。日米両国の
MDシステム拡充や共同対処能力の強化も踏まえ、首相は新たな類
型が必要と判断すれば検討を指示する。
==============================
米軍の大規模な撤退を
―― 控えめな大戦略への転換を図れ
The Case for a Less Activist Foreign Policy
バリー・R・ポーゼン マサチューセッツ工科大学教授
 フォーリン・アフェアーズ リポート 2013年2月号
米財政の健全さを取り戻すために、社会保障支出の大幅な削減を検
討せざるを得ない状況にあるというのに、ワシントンは依然として
ドイツや日本の安全保障に事実上の補助金を出している。これでは
富裕層(国)に社会保障給付を提供しているようなものだ。アメリ
カが覇権的で拡大的な大戦略を維持してきたために、同盟国の安全
保障をアメリカが肩代わりする事態が続き、同盟国は応分の負担を
するのさえ嫌がるようになった。それだけではない。敵を倒すたび
に新しい敵が作り出され、中ロなどの他の大国は連帯してアメリカ
の路線に反対するソフトバランシング路線をとるようになった。状
況を正し、現実的な安全保障戦略へと立ち返るには、現在の大戦略
をより抑制的な戦略へと見直し、アメリカは前方展開基地から部隊
の多くを撤退させ、同盟国が自国の安全保障にもっと責任をもつよ
うにする必要がある。
==============================
キャンベル米国務次官補が退任へ=後任にラッセル氏有力
 【ワシントン時事】知日派外交官として日米関係強化に努めてき
たキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が8日、退任
する。キャンベル氏はクリントン前国務長官と共にオバマ政権の「
アジア重視」戦略をけん引、東日本大震災の復興支援にも尽力した。
 退任後はシンクタンクでの研究活動を再開し、執筆なども行う予
定。後任が決まるまで、ユン国務副次官補(同)が次官補代理を務
める。
 後任には、ラッセル国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長
が有力視されている。ラッセル氏は大阪・神戸総領事や国務省日本
部長などを歴任した知日派の一人。シファー前国防次官補代理(東
アジア担当Michael Schiffer)の名前も挙がっている。
(2013/02/08-08:21)
==============================
日本と連携 ホワイトハウス報道官
2013.2.8 01:30
 カーニー米大統領報道官は7日の記者会見で、中国海軍艦船によ
る射撃管制用レーダー照射に関連し、状況を注視しているとした上
で「地域の同盟国と共に関与していく」と述べ、日本と緊密に連携
する考えを示した。

 カーニー氏は沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題について「平和的な
解決」の必要性を強調した。

 その上で「米国には太平洋国家として重要な役割がある」と述べ
、レーダー照射を含め、この問題に密接に関わっていく姿勢を示し
た。(共同)
==============================
米の歳出強制削減で国防総省が危機感、西太平洋の活動3分の1削減も
2013.2.7 20:18 sankei[米国]
 【ワシントン=犬塚陽介】米国議会で与野党の合意がなければ3
月1日に発動される歳出の強制削減に対し、国防総省が危機感を強
めている。

 同省のリトル報道官は6日、不透明な財政状況を理由に、中東周
辺海域へ展開する予定だった原子力空母「ハリー・S・トルーマン
」の出港延期を発表した。米軍は2010年ごろから、イランの核
問題が誘発しかねないペルシャ湾封鎖などの緊急事態に備え、周辺
海域に空母2隻を展開してきたが、出港延期で当面は1隻態勢とな
る。

 歳出の強制削減は、新たな立法措置がなければ3月1日に発動さ
れるが、与野党は対決姿勢を続けており、妥結の見通しは立ってい
ない。パネッタ国防長官は6日、強制削減の可能性が「米国の安全
保障を危うくしている」と批判し、議会に早期の妥結を訴えた。

 削減発動が決定すれば、国防総省は9月末までに約460億ドル
(約4兆3千億円)の削減を義務づけられる。職員約80万人の一
時的な解雇、飛行訓練の短縮や調達契約の先送りなどを検討してい
るが、それでも米軍の運用費など約350億ドルが不足することに
なる。

 パネッタ長官は、西太平洋での「海軍の活動を約3分の1、減ら
さなければならなくなる」と警告し、アジアでの軍事力の再均衡に
影響を与えかねないと懸念を示した。また、北アフリカやホルムズ
海峡、シリア、北朝鮮など「世界が不安定さを増す中、われわれの
対処能力は後退する」とした上で、今回の事態は議会が招いた「自
作の危機」と不快感をあらわにした。

 オバマ大統領は強制削減をさらに数カ月先送りし、小規模な歳出
削減と税制改正を含む暫定的な予算案の可決を議会に要請している
が、成立の見通しは立っていない。
==============================
歯切れ悪い米政権 ケリー氏の「中国重視」影響の見方も
2013.2.7 20:01 sankei[中国]
 【ワシントン=佐々木類】中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦
への射撃管制用のレーダー照射について、米政府内では、退任間際
のパネッタ国防長官が6日、「制御不能の事態」になることへの懸
念を示したが、ホワイトハウスは静観したままだ。国務省は新旧長
官の交代時期と重なったせいか、この問題への歯切れの悪さは否め
ない。

 5日の国務省での会見では、レーダー照射について米記者が「こ
れは同盟国日本だけではなく、米国も試されているとの認識はない
のか」と食い下がったが、ヌランド報道官は「不測の事態への懸念
」を表明するのにとどめた。

 また、ケリー国務長官は中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎
に)外相と5日に電話で会談したが、ヌランド報道官は、ケリー氏
が会談でレーダー照射を取り上げたかどうかをただされても言及し
なかった。

 歯切れの悪い国務省の反応の背景には、ケリー氏の「中国重視」
の姿勢があるとの見方も一部にある。

 ケリー氏は、長官就任直前の1月下旬の上院公聴会で「日米同盟
」には一切触れなかった半面、米中関係の強化に取り組む意向を示
した。特に、東、南シナ海などにおける中国の海洋進出に対し、「
(域内での)米国の軍事力増強が不可欠とは考えていない」「中国
を敵対者とみなすべきではない。中国は世界の経済大国であり、関
係の強化が重要だ」と述べ、中国への軍事的な牽制(けんせい)に
消極姿勢さえみせた。

 ケリー氏は岸田文雄外相との3日の電話会談でも、日米同盟の重
要性に積極的な言及はなかった。「日米同盟は米外交の礎石」と唱
え続けてきたクリントン前長官とは対照的だ。

 一方、米専門家の間では中国の挑発行為への厳しい批判が高まっ
ている。
 米海軍大のジェームズ・ホルムズ教授は、「冷戦時代も米国と旧
ソ連の艦艇同士のニアミスはたくさんあり、敵の探知能力や対抗手
段を探る格好の機会にもなっていた」と指摘する。

 しかし、「米ソ間には今の日中間と異なり、瀬戸際政策の中にも
危機を回避する柔軟性があった」と強調。中国と日本の間では、よ
り不測の事態が起きやすいと指摘。今回の中国軍の行為を「恐ろし
いことだ」と批判した。米紙ワシントン・ポストも6日の論説記事
で、日中間には冷戦期に米ソ間に存在した衝突防止システムがなく
、「死傷者を出す可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。
==============================
習総書記「戦えば必ず勝利せよ」=威嚇能力向上指示、尖閣けん制
か−中国
 【北京時事】7日付の中国人民解放軍機関紙・解放軍報によると
、習近平・共産党中央軍事委員会主席(総書記)は、甘粛省・蘭州
軍区を視察し、「部隊は『招集されれば直ちに駆け付け、駆け付け
れば戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利する』よう確保しろ」と
指示した。1月に軍は習氏の指示に基づき「戦争の準備を行え」と
命じたが、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題を受けた「臨
戦態勢」に向け、軍内の士気を高める狙いがあるとみられる。
 習氏は2日に空軍試験訓練基地と、有人宇宙船の打ち上げ基地で
ある酒泉衛星発射センターを、4日には蘭州軍区をそれぞれ視察。
同軍区では「軍事闘争準備の開拓と深化に力を入れ、情報化建設の
加速・発展を推進しなければならない」とも訴えた。
 7日付の解放軍報はこのほか、「戦争に打ち勝つ」との要求に向
け、軍事訓練の実践化水準の向上のため、軍の政治工作を統括する
総政治部が発出した「2013年軍事訓練の政治工作指示」の内容
を伝えた。それによると、「指示」は習氏の指示に思想を統一させ
、軍事訓練において「情報化という条件下で敵への武力威嚇と実戦
能力を高める」よう求めた。 
 中国海軍の艦艇が1月30日、海上自衛隊の護衛艦に射撃用の火
器管制レーダーを照射したことが判明。日本政府内では「武力の威
嚇に当たるのではないか」(小野寺五典防衛相)との見方が強まっ
ているが、中国軍が軍事訓練といえども「威嚇」を指示したことは
日本へのけん制と言えそうだ。
 一方、習氏は、軍事委主席就任後、わずか約2カ月半の間に、陸
・海・空軍や武装警察部隊を相次いで視察したほか、第2砲兵(戦
略ミサイル部隊)代表とも会見。大学卒業後に中央軍事委弁公庁で
務め、地方勤務時代も軍の肩書を持っていた習氏は、「江沢民、胡
錦濤両氏ら最近の軍事委主席に比べ、早く軍の権力基盤を固めてい
る」(共産党筋)。(2013/02/07-16:35)
==============================
レーダー照射海域は日中中間線より日本側
2013.2.7 15:27 sankei[日中関係]
 小野寺五典防衛相は7日の衆院予算委員会で、中国海軍艦船によ
る海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射があった海域について、日本
が排他的経済水域(EEZ)の境界線に定めている「日中中間線」
より日本側だったと明らかにした。
 また、小野寺防衛相は、1月30日に発生したこの問題について
報告を受けたのは2月5日だったと明らかにした。
==============================
国防費削減なら、中国軍監視に影響…米国防長官
 【ワシントン=中島健太郎】パネッタ米国防長官は6日のワシン
トンでの講演で、国防費の強制削減が現実となった場合の対応につ
いて、「西太平洋で海軍の作戦活動は、最大3分の1削減すること
になる。(アジア太平洋を重視する戦略の)構想全体に影響がある
」と述べ、与野党の財政再建案がまとまらない現状に危機感を表明
した。

 長官の発言は、国防費削減により、米海軍が海上自衛隊と共同で
行っている中国軍の監視活動などに影響が出る可能性を示唆したも
のだ。米国の財政問題が、日本の安全保障に影響を与える懸念が強
まっている。

 米国で与野党が2月中に財政再建案で合意できなければ、201
3〜21会計年度で約5000億ドル(約47兆円)が強制削減さ
れる。オバマ大統領は強制削減の延期を議会に要請しているが、増
税に抵抗する野党共和党、社会保障削減に反対する民主党の溝は埋
まらず、合意成立のメドは立っていない。
(2013年2月7日14時33分  読売新聞)
==============================
「日本が仕掛けた世論戦」 中国・共産党系紙「『1発目』覚悟で
きている」
2013.2.7 11:48 [中国]
 中国海軍艦船による海上自衛隊の護衛艦への射撃管制用レーダー
照射について、7日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報は社
説で「日本側が説明する詳細な状況の真実性と、今回の世論戦を仕
掛けた魂胆には疑問符を付けざるを得ない」と主張し、照射の公表
は国際社会で日本の立場を有利にするための世論戦との認識を示した。

 その上で「(レーダー照射の)ニュースは中国社会で驚きはない。
中国の民衆は東シナ海での緊張に慣れており、中日間で『1発目が
発せられる』ことに覚悟はできている」と強調した。

 また同日付の中国紙、新京報は中国人学者の寄稿を掲載。今月下
旬に予定されている安倍晋三首相の訪米を控え、日本側は今回の事
件で「中国脅威論」を宣伝し、米国から平和憲法改正の支持を取り
付けようとしていると分析。レーダー照射の公表は「安倍内閣によ
る苦心惨憺の末の策だ」と指摘した。(共同)
==============================
<レーダー照射>中国軍幹部「戦争も辞さない」 連日の強硬発言
2013年02月07日09時40分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
  中国軍艦による日本の艦艇・ヘリコプターに対する射撃管制レー
ダー照射事件後、中国軍将星らが「戦争も辞さない」として強硬発
言を続けている。また、今回の事件は中国軍最高指揮部の指示に基
づくものだという分析も出てきた。 

  劉源人民解放軍総後勤部政治委員(上将、韓国軍の大将)は4日
、「いま国家の最も重要な目標は平和と発展を成し遂げる戦略的な
機会を維持することだが、戦争が避けられない場合は戦争をするい
う点を排除してはならない」と主張した。環球時報で報道された「
第18回党大会精神学習報告書」でだ。 

  劉政治委員は「大きな戦争をしてはならないが、いったん戦えば
すべての部門が戦時状態に転換されなければならない。米国と日本
が中国の追撃を恐れ、いかなる方法を動員してでも中国の発展を抑
えようとするが、私たちはだまされてはいけない」と強調した。ま
た「党中央が決定すれば、いかなる状況でも武力を動員して戦争を
する」と警告した。 

  戚建国人民解放軍副総参謀長(中将)もこの日、海上安全協力問
題討論会に出席し、「中国の安全に対する脅威は主に海上で発生す
る」とし「(軍は)国家主権を必ず守らなければならず、一寸の領
土も減らしてはならない」と強調した。続いて「中国が先に海上衝
突を誘導したり、ある国家の安全を脅かすことはないが、領土と海
洋主権と利益は決して放棄しない」と述べた。戚副参謀長のこうし
た発言は5日、国防省のホームページで伝えられた。 

  黄東マカオ国際軍事学会会長は6日、香港明報で「射撃管制用レ
ーダーを照射するというのは事実上、発砲直前の行動であるため、
軍最高指揮部の指示がある場合に限り可能な措置」と述べた。また
「中国軍は今回のレーダー照射で日本に対して最高水準の警告をす
るには成功したが、損失もかなりあった」と主張した。 

  レーダー照射は相手に味方の周波数帯域を露出するため、平和時
にはほとんど試みない軍機密事項に属する。黄会長は「したがって
今回の事件で中国軍はレーダー周波数が日本海上自衛隊に露出した
ため、周波数帯域を変えなければならず、相当な期間と関連訓練が
必要となる」と説明した。
==============================
レーダー照射、「米軍なら反撃」メア元日本部長
 元米国務省日本部長のケビン・メア氏は6日、国会内で講演し、
中国海軍の艦艇による海上自衛隊艦艇への火器管制レーダー照射に
ついて、「米軍であれば、(自らへの)攻撃と判断して反撃する」
と述べた。

 そのうえで、「中国海軍は規律が良くないし、あまり訓練もされ
ていない。非常に危ない」との懸念を示した。

 「中国は尖閣諸島だけでなく(沖縄本島などの)琉球諸島も狙っ
ている」との見方も示した。
(2013年2月7日08時57分  読売新聞)
==============================
日中の紛争防止、米国の双肩に=「愚かな過ちで戦争」−米紙
 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は6日、
海上自衛隊護衛艦に対する中国海軍フリゲート艦による射撃用レー
ダー照射があったのを踏まえ、「一つの愚かな過ちが戦争の引き金
になりかねない」と警告、日中両国の紛争防止は日米安全保障条約
で対日防衛義務を負う米国の双肩にかかっていると主張する論説記
事を掲載した。
 論説は、日中両国がこの数カ月間、沖縄県・尖閣諸島をめぐり「
チキンゲーム」を展開し、周辺海域に艦船や航空機を増派してきた
と指摘。冷戦期に米ソ間に存在した衝突防止システムがないことに
触れ、「死傷者を出す可能性は高い」と分析した。
 また、米国は歴史的に見てアジア地域で戦争を回避させた実績が
なく、今回も難題に直面していると強調。中国との関係を損なわず
同盟国である日本を支えていくバランスの取れた方策が求められる
と訴えた。 (2013/02/07-00:05)
==============================
尖閣沖で中国船が海自艦船に射撃レーダー照射 政府、厳重抗議
2013.2.5 18:34 sankei[尖閣諸島問題]
 小野寺五典防衛相は5日夜、防衛省で緊急記者会見を開き、東シ
ナ海の公海上で1月30日、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦
に対し、射撃管制用のレーダーを照射したと発表した。同月19日
にも別の艦艇が海自のヘリコプターに同様の照射を行った可能性が
高いことも明らかにした。レーダーはミサイルなどを発射する際に
対象を捕捉するためのもので、攻撃を前提とする中国側の挑発行為
が判明したのは初めて。

 日本政府は5日、在日中国大使館や中国の外務、国防両省に厳重
抗議し、中国側は「事実関係を確認したい」と答えた。
==============================
中国外交トップに楊外相 対米重視、鮮明に 
国家副主席、李源潮氏に
2013/2/5 2:02日本経済新聞 電子版
 【北京=島田学】中国政府は4日、外交担当トップにあたる国務
委員(副首相級)に楊潔●(ち)外相を充てることで最終調整に入
った。後任の外相には張志軍外務次官が昇格する見込み。3月の全
国人民代表大会(全人代、国会に相当)で決める。国家主席に就任
する習近平国家副主席(共産党総書記)の後任には李源潮・共産党
政治局員が内定したもようだ。

 外交担当の国務委員は、総書記をトップとする党中央外事工作指
導小組の秘書…
==============================
軍高官「戦争は最後の選択」=戦略的好機を優先−中国
 【北京時事】4日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報
は、人民解放軍の劉源・総後勤部政治委員(上将)が行った報告を
掲載した。劉氏はこの中で「戦争は軍人からすれば唯一の選択だが
、国家から言えば最後の選択だ」と述べ、国家や国民の富強に向け
た「戦略的好機」の確保を優先する重要性を訴えた。
 劉氏は、故・劉少奇元国家主席の息子で、高級幹部子弟「太子党
」に属する習近平総書記とは幼なじみで関係が深い。軍機関紙・解
放軍報は1月14日、党中央軍事委員会主席を兼ねる習氏の指示に
基づき、総参謀部が「戦争の準備をしっかりと行え」と全軍に指示
を出したと伝えたが、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐ
り日中関係が悪化する中で強硬論を打ち消した劉氏の発言掲載は波
紋を広げそうだ。(2013/02/04-17:22)


コラム目次に戻る
トップページに戻る