4585.集団的自衛権「中国刺激」と難色



 2月に予定されている日米首脳会談に向けた事前調整で、米国が
日本の集団的自衛権行使容認へのオバマ米大統領の支持表明は「中
国を刺激する懸念がある」として難色を示している。

集団自衛権を日米で結び、米国の海外に絡む戦争に日本の自衛隊も
参加する道を開くことを従来の米国政府は望んでいたが、現時点で
は、それが中国と刺激するので良くないという。同盟強化も米国は
しないし、望まないということである。

安倍自民党政権は日米関係を悪化させると予測したが、とうとう首
脳会談でも日本を問題視していることが明らかになった。

その原因は、「河野談話見直し」であるが、それを政府としては、
まだ、止めないようである。ニューヨーク州議会でも慰安婦の批判
決議が出たし、それを問題視したことで、問題が拡大している。

しかし、安倍晋三首相は31日午後の衆院本会議で、従軍慰安婦問
題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の河野洋平官房
長官談話の扱いについて「当時の河野官房長官により表明されたも
ので、首相である私からこれ以上申し上げることは差し控え、(菅
義偉)官房長官による対応が適当だ」と述べ、自らは関与しない意
向を示したが、政府はあきらめないとも言っているようなものであ
る。

しかし、安倍首相は「根底についての思いは歴代首相と変わりはあ
りません。私としては、この問題を政治問題、外交問題化させるべ
きではないと考える」と述べたが、そのとおりであるので、早く、
政府としても「河野談話見直し」を止めるべきである。

そのため、益々この「河野談話見直し」が日本を追い詰めることに
なる。韓国訪問中のミャンマーの最大野党国民民主連盟(NLD)
党首、アウン・サン・スー・チー氏は「過ちは誰でもあるが、過ち
を認めることをためらうことこそが本当の過ちだ」と述べ、日本の
姿勢を批判した。

安倍首相は、ネトウヨの気に入られようとして、日本を窮地に追い
やることになる。日本をどこまで窮地に追いやるつもりなのか、少
々、不安になる。

安倍首相は1日午前、参院本会議で行われた所信表明演説に対する
各党代表質問で、沖縄県石垣市の尖閣諸島に公務員を常駐させるか
どうかについて「尖閣諸島と海域を安定的に維持、管理するための
選択肢の一つと考える」と述べ、検討課題とする考えを示した。

これに対して、中国外務省の洪磊副報道局長は1日の記者会見で、
「対話を通じて解決する条件づくりのため、緊張をエスカレートさ
せるような行動を取らないよう求める」と反発した。

このような日中間の関係から尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日
本と中国の対立が船舶の航行を妨げる可能性があるとして、米運輸
省が米国籍の民間船舶などに対し、周辺に近づかないよう勧告した。

日米関係の悪化が徐々に見えてくる。しかし、次期国防長官に指名
された共和党ヘーゲル元上院議員は、対中融和派のケリー次期国務
長官とは違い、米軍再編を通じ、米軍の展開を阻止する中国側の戦
略に対抗する必要があると強調し、対中強硬派であることを明確化
している。

このように米国内部での意見統一が、今後、難しくなるとも見える
ので、日本としては、米国輿論に十分気を付けて首相は発言するべ
きである。そうしないと、過去が未来を潰すことになる。

さあ、どうなりますか?
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集団的自衛権「中国刺激」と難色 米側、首脳会談の事前調整で
 2月に予定されている日米首脳会談に向けた事前調整で、米国が
日本の集団的自衛権行使容認へのオバマ米大統領の支持表明は「中
国を刺激する懸念がある」として難色を示していることが1日、分
かった。複数の日米関係筋が明らかにした。会談で大統領の支持を
得て、同盟強化を内外にアピールしたい安倍晋三首相が会談に向け
た戦略練り直しを迫られるのは必至の情勢だ。

 関係筋によると、日本政府は同日までに、東京とワシントンの外
交ルートを通じ、集団的自衛権の行使を可能とするため憲法解釈見
直しを目指す首相の姿勢への理解と協力を米側に打診。
2013/02/02 02:26   【共同通信】
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尖閣常駐、安倍首相の発言に中国が反発 
2013/2/1 20:16nikkei
 中国外務省の洪磊副報道局長は1日の記者会見で、安倍晋三首相
が沖縄県・尖閣諸島への公務員常駐について「選択肢のひとつ」と
述べたことに「対話を通じて解決する条件づくりのため、緊張をエ
スカレートさせるような行動を取らないよう求める」と反発した。

 首相は同日の参院本会議で「尖閣諸島および海域を安定的に維持
管理するための選択肢のひとつ」と述べた。みんなの党の水野賢一
氏が、公務員常駐を「検討」と明記した自民党の衆院選公約を踏ま
えて実現可能性を尋ねた質問への答弁だった。

 首相としては、公約との整合性を考慮しつつ「検討」よりも一歩
引いた印象を与えるため「選択肢」という表現を使ったとみられる
。菅義偉官房長官は記者会見で「自国の領土の守りに断固たる意思
をもって取り組む一環だ」と説明した。

 洪副報道局長も「釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題を巡る立場は
一貫しており明確だ」と述べるにとどめ、従来の主張を繰り返すこ
とは省いた。公明党の山口那津男代表や村山富市元首相らの訪中な
どで回復しつつある関係改善の機運を損ねたくないとの考えをにじ
ませた。(北京=島田学)
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尖閣周辺、近づかないよう…米が民間船舶に勧告
 【ワシントン=中島健太郎】尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる
日本と中国の対立が船舶の航行を妨げる可能性があるとして、米運
輸省が米国籍の民間船舶などに対し、周辺に近づかないよう勧告し
ていることが1日、明らかとなった。
 
 勧告は1月28日付で、同省のウェブサイトで公開。周辺海域で
日本の自衛隊や海上保安庁、中国海軍の艦船などが活動しているこ
とを理由に「近づかないことが望ましい」としている。

 関係者によると、尖閣諸島周辺海域は主要航路から外れており、
民間船舶の航行はほとんどないという。
(2013年2月1日18時47分  読売新聞)
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歴史問題で日本を批判 韓国でスー・チー氏
2013.2.1 14:31 [歴史認識]
 聯合ニュースによると、韓国訪問中のミャンマーの最大野党国民
民主連盟(NLD)党首、アウン・サン・スー・チー氏は1日、太
平洋戦争をめぐる日本の歴史問題に絡み「過ちは誰でもあるが、過
ちを認めることをためらうことこそが本当の過ちだ」と述べ、日本
の姿勢を批判した。

 ソウルで面会した宋永吉・仁川市長が「ドイツと違い日本は従軍
慰安婦問題などを認めない。関心を持ってほしい」と述べたのに応
じた。

 スー・チー氏はまた、ミャンマー独立の英雄、父アウン・サン将
軍が生前「日本人の個人を憎んではいけない。誰でも長所と短所が
あるから短所を理由に憎むのはだめだ」と話していたとも述べた。
アウン・サン将軍は第2次大戦中に旧日本軍の軍事訓練を受けたが
、後に独立のため日本軍と戦った。(共同)
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安倍首相、尖閣の公務員常駐は「選択肢の一つ」
 安倍首相は1日午前、参院本会議で行われた所信表明演説に対す
る各党代表質問で、沖縄県石垣市の尖閣諸島に公務員を常駐させる
かどうかについて「尖閣諸島と海域を安定的に維持、管理するため
の選択肢の一つと考える」と述べ、検討課題とする考えを示した。

 みんなの党の水野賢一幹事長代理の質問に対して答えた。

 尖閣諸島周辺では中国当局による領海侵犯が相次いでおり、首相
は、毅然とした姿勢で対応する方針を強調したとみられる。公務員
常駐に関しては、自民党が先の衆院選政権公約(政策集)で、実効
支配を強化するための検討課題と位置付けていた。

 また、首相は、中国で2010年にノーベル平和賞を受賞した服
役中の民主活動家、劉暁波氏について、「人権と基本的自由は認め
られるべきであり、釈放されることが望ましい」と指摘した。

 一方、今後の日中関係については、「個別の問題があっても関係
全体に影響を及ぼさないようコントロールするという『戦略的互恵
関係』の原点に立ち戻り、大局的観点から中国との関係を進める」
と述べ、関係改善に改めて意欲を示した。公明党の山口代表の質問
に対する答弁。
(2013年2月1日13時21分  読売新聞)
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首相 “河野談話”「問題化すべきでない」
 共産党・志位委員長は31日午後の衆議院本会議の代表質問(2
日目)で、「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めた「
河野談話」について、安倍首相が見直しを主張していたことを指摘
し、見解をただした。

 安倍首相は「根底についての思いは歴代首相と変わりはありませ
ん。私としては、この問題を政治問題、外交問題化させるべきでは
ないと考える」と述べた上で、官房長官による対応が適当との考え
を示すにとどめた。(01/31 20:08)YTV
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河野談話「官房長官が対応」=TPP判断時期は未定・代表質問:
安倍首相
2013年 1月 31日 18:22 JST 更新
 安倍晋三首相は31日午後の衆院本会議で、従軍慰安婦問題への
旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の河野洋平官房長官談
話の扱いについて「当時の河野官房長官により表明されたもので、
首相である私からこれ以上申し上げることは差し控え、(菅義偉)
官房長官による対応が適当だ」と述べ、自らは関与しない意向を示
した。共産党の志位和夫委員長への答弁。

 河野談話について首相は、昨年9月の自民党総裁選で「強制連行
を事実上証明する資料はなかった。新たな談話を出すべきだ」と主
張。しかし、河野談話の見直しに動けば中国、韓国が反発するのは
必至で、首相再任後は発言を控えている。

 志位氏が安倍政権での河野談話の扱いをただしたのに対し、首相
は「慰安婦問題は非常に心が痛む。これは政治問題、外交問題化さ
せるべきではない」と語った。

 一方、環太平洋連携協定(TPP)交渉への対応を判断する時期
について、首相は「現時点では決めていない」とし、「わが(自民
)党の公約に明記した通り、聖域なき関税撤廃を前提にする限り参
加しない」との立場を繰り返した。みんなの党の渡辺喜美代表への
答弁。渡辺氏は2月21日か22日で調整している日米首脳会談で
の交渉参加表明を促したが、首相は「首脳会談の議題は今後調整す
る」と述べるにとどめた。 
[時事通信社]
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中国の軍拡を警戒=次期国防長官が基本方針−米上院
 【ワシントン時事】オバマ米大統領から次期国防長官に指名され
たヘーゲル元上院議員(66)の就任の是非を判断する公聴会が31
日、上院軍事委員会で始まった。ヘーゲル氏は準備書面で、中国に
関し「東・南シナ海で領有権の主張を一段と強めている」と述べ、
不透明な軍備拡張に警戒を高める方針を表明。公聴会では、「太平
洋国家」としてアジア太平洋重視戦略を進め、地域の秩序維持に向
け関与を強めていく考えを示した。
 ヘーゲル氏は書面で、中国との関係を「協力と競争の要素を併せ
持つ、最も複雑で重要な2国間関係」と規定。中国の意図の不透明
さは「地域の不安と懸念の種になり得る」と指摘し、米軍再編を通
じ、米軍の展開を阻止する中国側の戦略に対抗する必要があると強
調した。
 核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対しては、「北朝鮮の侵
略を抑止し、必要なら侵略を打ち砕くことができるよう同盟国との
連携を高める」と強く警告。ミサイル防衛(MD)や情報共有をめ
ぐる日米韓の協力を強化するなどし、圧力を増していく姿勢を示し
た。公聴会でも「北朝鮮のような国家の挑発行為の抑止に向け、地
域全域で防衛態勢の近代化を進めている」と述べた。
(2013/02/01-01:16)
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中国には「献身と忍耐で取り組む」 ケリー次期国務長官、日本へ
の言及なし
2013.1.25 12:50 sankei[中国]
 【ワシントン=犬塚陽介】クリントン米国務長官の後任に指名さ
れたケリー上院外交委員長(民主)は24日、承認を審議する上院
外交委の公聴会で証言し、中国との関係について「経済の競争相手
にはなるが、協調性を削(そ)ぐ敵対者とみられてはならない」と
述べ、関係強化を進めていく方針を示した。日本への言及は一度も
なかった。

 日中、日韓など同盟国の領有権問題が浮上するなか、米軍の現状
については「軍事力の増強が決定的に重要と確信するに至っていな
い」と述べ、就任後に関係部局の詳細な説明を受けながら分析を進
める意向を明らかにした。

 ケリー委員長は米中関係には知的財産や市場参入、為替操作など
多くの課題が横たわっていると指摘し、重要な両国関係の前進に向
け、「献身と忍耐」で取り組む方針を強調した。

 ケリー委員長は、中国がアフリカ大陸など世界中で「天然資源に
貪欲さをみせている」との懸念も示し、環太平洋戦略的経済連携協
定(TPP)など経済ルールの確立を目指しながら通商問題での関
係改善に努めるよう中国側に求めた。

 一方、アジアへの「戦略的転回(ピボット)」は他地域に背を向
けることを暗示しかねないと懸念を示し、リバランス(軍事力の再
均衡)を進めながら欧州や中東情勢にも力を入れていくことを表明
した。

 イランの核問題については、米国の目標は「抑止ではなく阻止に
ある」と指摘、外交的な解決が好ましいとしながらも軍事的な選択
肢も排除しない姿勢を強調した。北朝鮮問題では政治犯の強制収容
所を問題にしていく考えを示した。


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