4566.日本の外交・安全保障政策を考える



中国と日本の関係は悪化している。それは間違えない。その前提で
日本外交は何をしなければならないか? 津田より

0.中国の決意
新しい中国の指導者である習近平総書記は「全党員は、立ち遅れれ
ば殴られ、発展してこそ強くなれることを、肝に銘じなければなら
ない」と、列強の侵略を受けた近代史に言及。建国の歩みについて
、「愛国主義を核心とする偉大な民族精神を示した」と総括し、「
国家がよく、民族がよくなってこそ、皆がよくなれる」と述べた。
 
 さらに習氏は、「私は、中華民族の偉大な復興こそ、中華民族が
近代以来抱いてきた最も偉大な夢だと思う」と呼び掛け、最後は「
新中国成立から100年後(2049年)には、調和のとれた社会
主義近代化の国家目標は必ず実現され、偉大な復興の夢は必ず実現
されると信じる」と強調した。

中国の決意は固い。中国の強国化と国益重視を謳っている。この実
現方法として、世界の覇権を取るために海洋強国になることである
として、「海洋強国」建設の先頭に立つのが国家海洋局であり、そ
の劉賜貴局長の発言が注目される。

 劉局長は「海洋強国」が「人材強国」「科学技術強国」「文化強
国」の上に有り、「中華民族の永続発展、世界強国になるために避
けられない道だ」と強調した。そして「海洋強国」の内容について
、「海洋開発、海洋利用、海洋保護、海洋支配において強大な総合
力をもつ国のことだ」とした。

このような戦略目標の上に、中国の現在の政策がある。このため、
尖閣諸島領有の主張が撤回されることはない。国際法なども西洋文
明の都合であり、中国は自分の都合が良い場合しか認めない。

政治局員でもない楊潔〓(ようけつち)外相は、その戦略に従った
ことしか言えない。そのため、沖縄県・尖閣諸島を巡る問題で日本
と断固争う考えを表明。中国の国連代表部は大陸棚拡張案を国連に
提出。中国機が行った初めての領空侵犯も領空警備を強化する方針
であるとした。

事実、中国の海洋監視船について、中国は2000年以降13隻を
建造、また海軍の退役艦船11隻を改造して大拡張するとした。
中国国家海洋局は第12次5カ年計画(2011年〜15年)中に
、1500トン級7隻を含む36隻を建造する計画だとした。

中国政府のシンクタンク中国社会科学院は、尖閣諸島を巡る日中の
対立は「中日関係が再構築される中での必然だ」とする年次報告書
をまとめ、両国は「高度に不安定な時期に入る」という。中国は問
題の長期化を覚悟している。

このような国と戦うことになるということを肝に銘じて、中国との
国境紛争を行う必要があるのだ。戦争も辞さない覚悟が読み取れる。

 このような事態に、米有力シンクタンク、外交評議会は3日、米
国の国益に重大な影響を及ぼす恐れのある世界の紛争リスクを分析
した今年の報告書を公表、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を
めぐる日中の衝突を、米政府が最優先で防ぐべき紛争の一つに位置
付けた。

1.安倍政権の外交・安全保障
安全保障が脅かされている時には、真っ先にその解決をすることが
外交の基本である。このため、外交・安全保障は一体で考えること
が必要になる。

 安倍晋三首相は、外交・安全保障に絡む「安倍カラー」の政策検
討へ向け近く三つの有識者会議を設置する方針を固めた。検討する
のは(1)国家安全保障会議(日本版NSC)の創設(2)集団的
自衛権の行使を禁じた憲法解釈の見直し(3)政府の歴史認識に関
する新たな首相談話の3課題。

選挙期間中に、宮沢政権の河野洋平官房長官が旧日本軍による従軍
慰安婦の強制連行を事実上認めた「河野談話」について、安倍首相
は、それを否定する談話を発表するとしたが、これについては米国
オバマ政権から慎重な対応を求められている。

よって、(3)については、菅義偉官房長官は「村山談話を引き継
ぐと同時に、安倍内閣として21世紀の未来志向の新しい談話を発表
していきたい」とし、狙いについて「アジアの安定平和、経済を考
えたときに必要だろうという判断だ」と指摘した。

しかし、「河野談話」に関しては「政治、外交問題にするつもりは
ない。場合によっては私が有識者から意見を聞くこともある」と述
べるにとどめ、踏襲するかどうかを明言しなかった。秋、自民党が
維新などとの連立の中で、憲法改正などともに表明することを示唆
した。

日米両政府は同盟強化の具体策として自衛隊の海外派遣を随時可能
にして米軍との協力を拡大する検討に入った。今月から見直しを始
める日米防衛協力のための指針(ガイドライン)で役割を再定義。
その後、日本政府は根拠となる恒久法整備に着手する段取りを描く。

この過程で、日本が危機的な状況になった時の手続きなど米国サイ
ドへの要求をどれだけ盛り込めるかが重要である。日本の自衛隊だ
けが米軍の肩代わりさせられることでは馬借に合わない。

日米集団自衛権の具体的なことを議論してい欲しい。なぜなら、「
海洋権益高級フォーラム」で、「米国の高官は、中日両国が釣魚島
(尖閣諸島の中国側呼称)問題により開戦した場合、米国は介入し
ないと表明した」と言う。米国の行動は、英国とアルゼンチンのフ
ォークランド紛争からも明らかである。英国は米国のもっとも親し
い同盟国だが、米国は軍事情報と物資の支援しか提供しなかった。
米国は日本に対しても同様だろうというのだ。一理ある。日本サイ
ドも米国の機微を理解して、行動することが求められている。

このため、日本独自で中国と戦っても勝てるような装備が必要にな
る。政府、自民党は2013年度予算編成で、減少が続く防衛関係
費を11年ぶりに増額させる方針を固めた。12年度当初予算の4
兆7138億円から上積みし、野党転落前のレベルに回復を目指す。

防衛関係費の当初予算は02年度の4兆9560億円をピークに減
少している。少なくとも02年度以上の予算が必要である。装備を
積み増すことが必要である。

それと同時に防衛省の縦割り組織の見直しが必要であり、防衛省が
10〜20年後の有事シナリオを練り、シナリオに基づき陸海空3
自衛隊の防衛力を一元的に整備する「統合防衛戦略」の策定に着手
した。安全保障上の解決を最優先にして、国家運営に当たる必要が
ある。この中で、米軍の最新鋭の高高度無人偵察機「グローバルホ
ーク」やオスプレイなどを、自衛隊に導入する方向で調整に入った。

しかし、中国との戦争でロシアや韓国が中国に味方すると、日米は
不利になる。このため、ロシアや韓国との関係を正常化する必要が
出てくる。

3.韓国との関係
自民党の額賀元財務相は4日午後、安倍首相の特使として韓国を訪
れ、朴槿恵次期大統領とソウルで会談した。島根県・竹島問題で冷
え込んだ日韓関係の改善に向け、新政権下で互いに努力することを
確認、信頼回復への一歩を踏み出した。

しかし、ソウル高裁は、靖国神社への放火を認めた中国籍の劉強容
疑者を「政治犯」と認定し、日本に引き渡さない決定をしたのだ。
日米韓3カ国で、中国を封じ込める戦略はうまくいくのか。

韓国は連米連中外交であり、中国、米国等距離外交を構築している。
このため、韓国の朴槿恵次期大統領の政権引き継ぎ委員会の報道官
は4日、中国外務省の張志軍筆頭次官が特使として訪韓し、10日
に朴氏と会談するとした。

4.ロシアとの関係
安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議し、北
方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発にする必要が
あるとの認識で一致した。

プーチン大統領は昨年3月、北方領土問題について「(柔道の)引
き分け」という表現を使い、妥協点を探るべきだとの考えを示した。

ここが交渉の出発点である。北方四島を面積で2等分する「3.5
島返還論」に関し、首相は「基本的には四島を一括返還してもらう
」としながらも、「どういう英知があるか模索していきたい」と語
り、明確には否定しなかった。「日中関係を考える上でも(ロシア
との関係は)極めて重要」と指摘した。

これに対して、自民党の森元首相は5日、北方領土問題について、
「ロシアのジェスチャーに対して日本は意思を示さないといけない。
安倍首相はやるだろうと思う」と述べた。ロシアとの平和条約を締
結し、対中国包囲網が形成されると、インド、ベトナムに兵器を供
給しているロシア兵器との連携ができて、集団自衛権行使の時に、
有効な情報の提供・授受ができる。特にSM3BLK2Aなどの日米共同兵
器の有効性が増すことになる。

5.外交はどうするか?
木寺昌人新駐中国大使が5日、着任のあいさつを兼ねて北京で楊潔
●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相と会談した。日本政府による
尖閣諸島の国有化で日中関係が冷え込む中、緊張緩和に向けた方策
などについても意見交換したもようだという。

日中の戦争回避には、日本の軍備や能力が中国を仰臥している状態
が必要であり、その上での中国との交渉になる。軍事的能力で劣勢
になった時点で、戦争が始まるか日本が譲歩するしかない。

韓国が一番厄介な存在のような気がする。ロシアとは違い、中国の
属国が長く、それを受け入れてきた歴史から日中の関係では、中国
に着く可能性が高い。ロシアが出てくると、韓国は日露対中国のど
ちらに着くか思案することになる。

このためにも、ロシアと日本は味方になり、インド、ベトナムを裏
でロシアが支えることになり、対中国包囲の同盟関係が完成できる。

そのためには、ロシアと日本が、ある程度の妥協で平和条約を結び
、日米露印越が共同軍事行動ができる立場になり、中国を牽制でき
ることになる。

そうすれば、当分、中国は戦争ができないと下がるはずである。そ
して、中国の独裁政権での内部崩壊を待つことである。戦争より、
こちらのほうが、世界平和としても歓迎できる方向のような気がす
る。

さあ、どうなりますか?

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北方領土「安倍首相はやるだろう」と森元首相
 自民党の森元首相は5日、TBSの番組収録で、北方領土問題に
ついて、「ロシアのジェスチャーに対して日本は意思を示さないと
いけない。安倍首相はやるだろうと思う」と述べた。

 問題解決に向けて、年内に行われる見通しのロシアのプーチン大
統領との首脳会談で協議を加速させるよう求めたものだ。

 森氏は、2月に首相特使としてロシアを訪問し、プーチン氏と会
談する予定で、「プーチン氏とは率直な意見交換ができる。『引き
分け』をどう考えているか、まず伺いたい」と話した。プーチン氏
は昨年3月、外国メディアとの記者会見で、北方領土問題について
「(柔道の)引き分け」という表現を使い、妥協点を探るべきだと
の考えを示していた。
(2013年1月5日20時55分  読売新聞)
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アジア外交に冷や水、靖国放火犯引き渡し拒否で
ZAKZAK(夕刊フジ)2013年01月05日17時12分
 安倍晋三首相の東アジア外交に冷や水が浴びせられた。日韓関係
の改善に向けた特使を派遣する前日、ソウル高裁は、靖国神社への
放火を認めた中国籍の劉強容疑者を「政治犯」と認定し、日本に引
き渡さない決定をしたのだ。日米韓3カ国で、中国を封じ込める戦
略はうまくいくのか。
 「(日韓犯罪人引き渡し条約を)事実上無視した。極めて遺憾で
あり、強く抗議をしたい」
 安倍首相は4日、韓国側の判断をこう非難したが、その心境は複
雑だ。民主党政権が引き起こした外交的孤立を解消するため、安倍
首相は日米関係を再構築したうえで、2月の朴槿恵氏の大統領就任
を機に日韓関係も改善し、沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙う中国と対
峙する戦略だった。
 まだ日韓関係を最悪にした李明博政権が続いているとはいえ、首
相特使として今回訪韓した額賀福志郎元財務相は怒号の中で移動せ
ざるを得なかった。不正常な状況であることは間違いない。
 中国は、日韓間にクサビを打ち込むことに成功して有頂天なのか
、中国外務省の華春瑩報道官が、ソウル高裁の判断に歓迎の意を表
明。インターネットの掲示板には「英雄の凱旋を歓迎する」「この
ような英雄は五輪の金メダリストより尊敬される」といった書き込
みが寄せられた。
 ただ、額賀氏と朴氏の会談の雰囲気は悪くなかったといい、安倍
首相の側近、菅義偉官房長官は報道各社のインタビューで「日韓関
係は大事だ。お互いに問題を乗り越えて友好関係を築きたい」と語
った。
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木寺大使が中国外相と会談 緊張緩和向け意見交換か
2013.1.6 00:13 [中国]
 木寺昌人新駐中国大使が5日、着任のあいさつを兼ねて北京で楊
潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相と会談した。日本政府によ
る尖閣諸島の国有化で日中関係が冷え込む中、緊張緩和に向けた方
策などについても意見交換したもようだ。

 日中双方とも会談の詳細な中身について明らかにしていない。だ
が木寺氏はこれまで、尖閣諸島への中国機による接近飛行が相次ぐ
中、不測の事態を避ける配慮が双方に必要だとの考えを示しており
、会談でも同様の考えを楊氏に伝えたとみられる。

 北京の日本大使館によると、会談は約50分間行われた。中国外
務省も5日、楊氏が新大使と「儀礼的な会見」を行ったと発表した。

 木寺氏は、丹羽宇一郎前駐中国大使の後任に任命された西宮伸一
氏が赴任前に急死したため、内閣官房副長官補から転身。先月25
日に着任した。(共同)
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安倍首相:外交・安保で3有識者会議設置へ
毎日新聞 2013年01月05日 22時01分
 安倍晋三首相は、外交・安全保障に絡む「安倍カラー」の政策検
討へ向け近く三つの有識者会議を設置する方針を固めた。検討する
のは(1)国家安全保障会議(日本版NSC)の創設(2)集団的
自衛権の行使を禁じた憲法解釈の見直し(3)政府の歴史認識に関
する新たな首相談話??の3課題。NSCと集団的自衛権は第1次安
倍内閣以来の再挑戦となる。

 首相は年頭記者会見で「経済再生へ向けてロケットスタートを切
りたい」と語り、今夏の参院選までは経済最優先の構え。保守色の
強い政策については、連立を組む公明党への配慮もあって当面は抑
制しつつ、有識者会議で地ならしを進める。

 日本版NSCは現在の安全保障会議に代わる機関。首相官邸主導
で外交・安全保障政策を進める態勢を強化しようと第1次安倍内閣
時に設置法案が国会に提出されたが、首相退陣後に廃案になった。

 集団的自衛権についても第1次内閣で首相の私的懇談会「安全保
障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大
使)に諮問。懇談会は首相退陣後の08年6月、公海上で攻撃され
た米軍艦船の防護など4類型の憲法解釈変更を提言したが、具体化
に至っていない。
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米、日本政府の歴史認識見直しをけん制 
2013/1/6 0:03日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=中山真】オバマ米政権が日本政府に対し、旧日本
軍の従軍慰安婦の強制連行を事実上認めた「河野談話」など過去の
歴史認識の見直しに関して慎重な対応を求めていたことが分かった
。見直しは韓国や中国など近隣諸国と日本の関係の深刻な悪化につ
ながりかねず、オバマ政権が重視するアジア太平洋地域の安定など
にも悪影響を与えるとみているためだ。
 米側は昨年末、複数の日本政府高官にこうした意向を伝えた。
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来年度防衛費11年ぶり増額へ 政府、政策転換アピール
 政府、自民党は2013年度予算編成で、減少が続く防衛関係費
を11年ぶりに増額させる方針を固めた。12年度当初予算の4兆
7138億円から上積みし、野党転落前のレベルに回復を目指す。
政権奪還による防衛政策の転換をアピールしたい考えだ。
 防衛関係費の当初予算は02年度の4兆9560億円をピークに
、10年連続で事実上減少している。防衛力強化を掲げる安倍政権
は、予算減額に歯止めをかけた上で自衛隊の人員、装備を拡充。沖
縄県・尖閣諸島周辺で領域侵犯を続ける中国をけん制する狙いもあ
る。下野直前に編成した09年度当初予算の防衛関係費は
4兆7741億円だった。
2013/01/05 19:30   【共同通信】
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日中の衝突防止、最優先課題に=世界紛争リスク分析
−米外交評議会
 【ワシントン時事】米有力シンクタンク、外交評議会は3日、米
国の国益に重大な影響を及ぼす恐れのある世界の紛争リスクを分析
した今年の報告書を公表、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を
めぐる日中の衝突を、米政府が最優先で防ぐべき紛争の一つに位置
付けた。
 報告書は、政府関係者や学者らのアンケート調査に基づいて作成
。紛争が起きる可能性と、それが米国の国益に及ぼす影響を分析し
て3段階にランク分けした。
 発生リスクが高く、米国の国益への影響が大きい第1段階の紛争
には、尖閣周辺での日中の衝突など、米国および米同盟国と中国と
の大規模な軍事的偶発事件のほか、イランの核危機やシリアの生物
・化学兵器拡散などを挙げている。(2013/01/04-14:29)
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安倍首相が過去の戦争犯罪を否定すれば中韓は激怒=米紙
 2013/01/04(金) 17:19 searchina
 米ニューヨーク・タイムズ紙は3日、12月31日のインタビューで
安倍晋三首相が、従軍慰安婦問題を含めた歴史問題における謝罪を
修正すると述べたことを伝え、「これは過去の行為の否定であり、
東アジア情勢に不安定を招くことになる」と報じた。中国網日本語
版(チャイナネット)が報じた。

  ニューヨーク・タイムズ紙は社説で、「戦争犯罪を否定すれば
、韓国・中国・フィリピンは間違いなく激怒する」と論じた。
(編集担当:米原裕子)
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新政権下で日韓関係改善 額賀氏と朴氏が一致 
2013/1/4 18:06nikkei
 【ソウル=共同】自民党の額賀福志郎元財務相は4日午後、安倍
晋三首相の特使として韓国を訪れ、朴槿恵次期大統領とソウルで会
談した。島根県・竹島(韓国名・独島)問題で冷え込んだ日韓関係
の改善に向け、新政権下で互いに努力することを確認、信頼回復へ
の一歩を踏み出した。

 首相親書を携えてソウル入りした額賀氏は安倍氏の意向として、
朴氏に早期の訪日を要請。朴氏は「今後日程を調整する」と応じた。

 額賀氏は新政権のスタートを機に、良好な関係を築くため良い船
出をしたいとの安倍氏の意向も伝達。朴氏は歴史を直視しつつ融和
と協力の関係をつくりたいと述べた。

 額賀氏は韓国に出発する前の4日午前、羽田空港で記者団に「今
年は日韓それぞれに新しい政権がスタートする。東アジアの安定の
ためにも日韓関係が一番大事だとの首相の思いも伝え、両国にとっ
て良い年となるよう橋渡しをしていきたい」と意気込みを語ってい
た。

 額賀氏には、日韓議員連盟の幹部を務める自民党の河村建夫選対
委員長、逢沢一郎元外務副大臣も同席。一行はこの日、金星煥外交
通商相とも会談した。
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中国特使とも会談へ=就任準備で委員発表−次期韓国大統領
 【ソウル時事】韓国の朴槿恵次期大統領の政権引き継ぎ委員会の
報道官は4日、中国外務省の張志軍筆頭次官が特使として訪韓し、
10日に朴氏と会談すると発表した。朴氏が外国特使と会うのは安
倍晋三首相の特使である額賀福志郎元財務相に続き2人目。
 一方、朴氏は4日、就任準備を進める政権引き継ぎ委員会の各分
科委のメンバーを発表した。「外交安保統一」分科委幹事には盧武
鉉政権で国防相を務めた金章洙氏を起用。委員には、盧武鉉政権で
外交通商省次官補、大統領府の統一外交安保政策首席秘書官を歴任
した尹炳世氏、北朝鮮問題の専門家で朴氏の長年のブレーンである
崔大錫・梨花女子大教授をそれぞれ充てた。(2013/01/04-20:43)
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歴史認識で「安倍談話」検討 有識者会議を設置へ 
2013/1/4 20:29nikei
 菅義偉官房長官は4日、日本経済新聞などのインタビューに応じ
、日本による過去の植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山富市
首相談話を引き継ぐ一方、「21世紀の未来志向」をうたう新たな首
相談話を検討する有識者会議を設ける考えを表明した。安倍晋三内
閣として、歴史認識をめぐる首相自らの考えを明確にする狙いだ。

 菅長官は「村山談話を引き継ぐと同時に、安倍内閣として21世紀
の未来志向の新しい談話を発表していきたい」と述べた。狙いにつ
いて「アジアの安定平和、経済を考えたときに必要だろうという判
断だ」と指摘。今後、有識者の人選を進める意向を示した。

 宮沢政権の河野洋平官房長官が旧日本軍による従軍慰安婦の強制
連行を事実上認めた「河野談話」に関しては「政治、外交問題にす
るつもりはない。場合によっては私が有識者から意見を聞くことも
ある」と述べるにとどめ、踏襲するかどうかを明言しなかった。

 安倍内閣が創設をめざす米国型の国家安全保障会議(日本版NS
C)や、政府が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使容認につ
いても、近く有識者会議を設置する意向を示した。ただ、衆参両院
のねじれを踏まえ、法整備のメドには言及しなかった。

 日銀総裁人事を巡っては「安倍内閣は円高是正、デフレ脱却が最
優先で、それにふさわしい方を人選する」と強調。官僚OBの起用
については「最初からふるいにかけるべきではないと思う」と述べ
た。
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放火犯引き渡し問題で首相が強く抗議 
2013年1月4日 21時15分
  安倍晋三首相は4日の記者会見で、韓国のソウル高裁が靖国神
社への放火を認めている中国人元受刑者の日本引き渡しを認めなか
ったことについて「日韓間の引き渡し協定を事実上無視した。極め
て遺憾だと強く抗議したい」と述べた。
 菅義偉官房長官も本紙などのインタビューで「極めて遺憾だ」と
強調。「ただ、そうしたことを乗り越え、友好関係を築き上げてい
きたい」とも語った。
(中日新聞)
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自衛隊と米軍の協力拡大 同盟強化、指針見直し検討 
2013/1/4 2:00日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=吉野直也】日米両政府は同盟強化の具体策として
自衛隊の海外派遣を随時可能にして米軍との協力を拡大する検討に
入った。今月から見直しを始める日米防衛協力のための指針(ガイ
ドライン)で役割を再定義。その後、日本政府は根拠となる恒久法
整備に着手する段取りを描く。テロへの対処を含めた米軍と自衛隊
の包括的な枠組み作りがオバマ、安倍両政権で本格的に動き出す。

 今月下旬で調整中の日米首脳会談で、オバ…
013/01/05 00:06   【共同通信】
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韓国、対中関係優先?…公安相訪韓で流れ変わる
 【ソウル=門間順平】ソウル高裁が3日、靖国神社放火事件の劉
強容疑者(38)の日本への引き渡しを不許可としたのは、李明博
(イミョンバク)政権の影響を受け、事実上、日韓関係より中韓関係
を優先した「政治的判断」を下したとの見方が可能だ。

 韓国政府内では当初、日韓犯罪人引き渡し条約の対象犯罪である
以上、日本側に引き渡すべきだとの向きが強かった。

 流れが変わったのが、昨年7月の中国の孟建柱(モンジエンジュー
)公安相(当時)の訪韓だ。孟氏は劉容疑者の政治犯の処遇を求め、
自国への強制送還を公然と要求。韓国外交通商省報道官は昨年10
月の定例記者会見で、「国内法と国際法、人道的見地から総合的に
判断する」と述べ、中国送還の可能性も意識した発言となっていた。
(2013年1月3日21時25分  読売新聞)
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「極めて遺憾」=中国人容疑者の引き渡しを−外務省幹部
 外務省幹部は3日夜、韓国のソウル高裁が、靖国神社の門に放火
した疑いがある中国人容疑者の日本への引き渡しを認めない決定を
下したことについて「極めて遺憾だ」と表明した。日本政府は在ソ
ウルの日本大使館を通じ、韓国外交通商省に遺憾の意を伝えるとと
もに、「(容疑者を)日本に引き渡すべきだ」と、改めて要求した。
 一方、同高裁が容疑者を「政治犯」としたことに関し、日本政府
関係者は「政治犯でないのは明らかだ。日本の法律は、政治犯に対
してのものではなく、放火に対するものだ」と述べ、同高裁の判断
に強い不満を示した。 (2013/01/03-20:54)
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グアム移転費復活に米大統領署名 尖閣への安保適用も明記
 【ワシントン共同】オバマ米大統領は2日、在沖縄米海兵隊のグ
アム移転関連費2600万ドル(約22億7千万円)を復活させた
2013会計年度(12年10月〜13年9月)国防権限法案に署
名、同法が成立した。沖縄県・尖閣諸島は日米安全保障条約第5条
の適用対象と明記する条文も盛り込まれている。

 グアム移転事業に、日本政府はこれまで米政府予算とは別枠で自
己負担分として約8億3千万ドルを提供。13年度国防権限法では
、このうち執行を凍結されていた予算の一部が解除された。

 尖閣問題に関する条文では、「武力による威嚇や武力行使」で問
題解決を図ることに反対するとしている。
2013/01/03 16:32   【共同通信】
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防衛省幹部が訪米へ 日米防衛協力指針再改定で
 安倍政権は、自衛隊と米軍の連携の在り方を定めた日米防衛協力
指針(ガイドライン)の再改定に向け、近く防衛省幹部を米国に派
遣する。防衛力強化を掲げる新政権の方針を説明し、協議を本格化
させたい考えだ。
 ガイドライン再改定は、民主党政権下の昨年8月に開かれた日米
防衛相会談で合意された。防衛省は森本敏前防衛相の指示に基づき
米国と事務レベル協議に入っていた。だが「米側の一部には再改定
の効果や緊急性を疑問視する声も出ていた」(防衛省幹部)とされ
、作業はあまり進んでいないとされる。
2013/01/03 15:49   【共同通信】
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陸海空一元化「統合防衛戦略」に着手 対中国有事など想定
2013/01/01 14:08sankei
 防衛省が10〜20年後の有事シナリオを練り、シナリオに基づ
き陸海空3自衛隊の防衛力を一元的に整備する「統合防衛戦略」の
策定に着手したことが31日、分かった。シナリオはロシアや北朝
鮮などによる攻撃も想定するが対中国有事が柱。沖縄県・尖閣諸島
などへの侵攻を想定し、海兵隊機能や警戒監視能力の強化につなげ
たい考えだ。

 安倍晋三首相は防衛力整備の基本方針「防衛計画の大綱」を改定
する方針を固めており、改定作業は今夏から本格化する。新大綱に
反映させるため統合防衛戦略の策定は夏前に終える。

 これまで大綱の策定作業では有事シナリオに基づいた検討を行っ
てこなかった。そのため3自衛隊ごとに脅威の分析が異なり、「統
合運用」には適さない装備を導入する弊害も指摘されていた。

 対中シナリオは(1)尖閣(2)尖閣と石垣・宮古両島(3)そ
れらに加え台湾−への侵攻の3種類。北朝鮮シナリオは弾道ミサイ
ル攻撃と、原子力発電所などへのゲリラ攻撃を想定する。

 統合防衛戦略はロシアを含めた3カ国の動向を中心に将来のアジ
アの安全保障環境を分析した上で、日米同盟と防衛力整備の方向性
を提示。シナリオから導き出される装備と運用構想を打ち出す。
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防衛指針再改定、中旬初協議=中国にらみ監視・偵察重視−大綱、
QDRに反映・日米
 【ワシントン時事】日米両政府は今月中旬、自衛隊と米軍の協力
の在り方を定めた防衛協力のための指針(ガイドライン)再改定に
向け、外務・防衛当局の実質的な初会合をワシントンで開く。中国
の急速な海洋進出や軍備増強を踏まえ、情報収集・警戒監視・偵察
(ISR)に関する役割分担を新たにどう盛り込むかが主な論点。
協議入りに先立ち、小野寺五典防衛相とパネッタ国防長官が電話会
談を行い、同盟深化の加速を確認する。
 ガイドライン再改定協議は当面、課長級で論点の洗い出しなどを
続ける。検討結果は関係閣僚による安全保障協議委員会(2プラス
2)の場で今年中に公表し、文言調整に移る段取りを描く。再改定
作業が完了するのは来年以降の見通し。複数の日米関係筋が明らか
にした。 
 ISRは日本有事や周辺事態といった緊急事態と平時の中間にあ
る新しい協力分野と位置付けられている。米側には沖縄県・尖閣諸
島周辺にとどまらず、自衛隊による南シナ海など日本の領域外での
活動を促す声が強い。
 サイバー攻撃への対処やミサイル防衛(MD)もガイドライン再
改定のポイント。この他、近年の在日米軍再編を踏まえ、共同訓練
の拡充や基地の共同使用を加える方向だ。
 検討結果はまた、日本側は安倍晋三首相が見直しを指示した防衛
大綱に、米側は2014年ごろに予定される次回の「4年ごとの国
防計画見直し(QDR)」にそれぞれ反映させる。再改定後は関連
する国内法の整備や具体的な共同対処計画の立案に着手する。
 ガイドライン再改定は昨年8月の日米防衛相会談で基本合意され
た。当初は昨年12月に本格協議に入る予定だったが、北朝鮮の弾
道ミサイル発射や日本の政権交代があったため、局長級会合で大ま
かな方向を確認するのにとどまった。(2013/01/02-14:35)
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「対中包囲」安倍外交が始動
2012/12/31 10:19
「ロシア、インド、豪州、ベトナムなど、価値観を共有する国々と
の協力を強化」
韓国と中国の首脳とは電話会談を行わず
来月4日に朴槿恵(パク・クンヘ)氏に特使を派遣
「価値観を共有する国々との協力を強化したい」

 日本の安倍晋三首相は29日付けの読売新聞に掲載されたインタビ
ューで、自らの外交路線について「自由と民主主義、基本的人権と
いう価値観を共有する国々との関係を深め、この価値観をアジアで
広めていくことが基本的な理念」と述べ、自由民主主義という価値
観を持つ国々との連帯を強化し、中国をけん制する意向を明確にし
た。安倍首相はさらに「日米同盟を基軸としてインド、豪州との安
全保障面での協力を強化したい」とした上で、「集団的自衛権の導
入も選択の1つ」とも述べた。

 安倍首相は中国との領土紛争を抱えるベトナムとの関係強化を強
調し「ベトナムのように戦略的に重要な国々との関係を構築しなが
ら、東アジア外交を展開したい」と語った。安倍首相は今月17日に
米国のオバマ大統領と電話会談を行い、28日にはロシア、英国、イ
ンド、インドネシア、ベトナムなどの首脳とも電話会談を行った。
しかし韓国と中国の首脳とは電話会談を行っていない。

 一連の会談で安倍首相は各国の首脳に対し、北朝鮮によるミサイ
ル発射を非難する国連決議に向けた協力、さらに北朝鮮による日本
人拉致問題についての日本の立場に対する理解と支持を求めた。読
売新聞は「安倍首相が電話会談を行った国々は中国の周辺国が多く
、これらの国々との連帯を強化し、中国に圧力を加える意図がある
」と報じた。

 安倍首相はロシアのプーチン大統領との電話会談で、両国が領有
権を主張している北方四島(クリル諸島)問題の平和的解決に向け
た実務作業を活発化させ、また近くロシアを訪問して首脳会談を行
うための日程調整を行うことでも一致した。これはNHKが報じた。

 安倍首相は2006年に首相に就任した時は、米国よりも先に中国と
韓国を訪問した。しかし今回は来月米国を訪問する予定だが、中国
とはまだ首脳会談に向けた協議を行っていない。

 安倍首相は来月4日に韓国に特使を派遣し、朴槿恵(パク・クンヘ
)氏に伝達する親書の中で首脳会談を提案する意向だが、李明博(
イ・ミョンバク)大統領とは電話会談を行っていない。安倍首相は
今年8月に李大統領が日王に謝罪を要求したことについて、「無礼で
到底あり得ない行為だ」と強く非難した。李大統領は安倍首相に就
任を祝うメッセージをすでに送っている。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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尖閣対応か 海軍退役船11隻を改造 中国、海洋監視船に
2012/12/31 22:36
 沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入するなどしている中国の海洋
監視船について、国営新華社系の新聞、国際先駆導報は31日まで
に、中国は2000年以降13隻を建造、また海軍の退役艦船11
隻を改造して使用していると報じた。

 同紙は「海洋権益保護の任務で大きな能力を発揮している」と指
摘する一方、日本の海上保安庁は「船舶500隻以上のほか、ヘリ
コプター70機以上を保有している」と指摘。中国国家海洋局は第
12次5カ年計画(2011年〜15年)中に、1500トン級7
隻を含む36隻を建造する計画だと伝えた。(共同)
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釣魚島問題による紛争に米国は介入しない=中国社会科学院主任
 2012/12/31(月) 12:16 searchina
  中国社会科学院国際法研究所海洋法・海洋事務研究センターの
王翰霊主任は「海洋権益高級フォーラム」に出席した際、「米国の
高官は、中日両国が釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)問題により開
戦した場合、米国は介入しないと表明した」と発言した。中国網日
本語版(チャイナネット)が報じた。

  王主任は、「米国上下院は先ほど、釣魚島の日米安保適用を可
決した。しかし米海軍・国防総省の関係者と話をしたところ、中日
両国が釣魚島問題により開戦した場合、米国は介入しないと表明し
た」と語った。

  王主任は、「これは英国とアルゼンチンのフォークランド紛争
からも分かることだ。英国は米国のもっとも親しい同盟国だが、米
国は軍事情報と物資の支援しか提供しなかった。米国は日本に対し
ても同様だろう。このことについて話すと、日本大使館の高官は落
ち着きを失い、米国の関係者とは誰だと聞いてきた」と話した。

  王主任は、「日米安保条約で、米国は日本の自衛に協力する義
務しか持たず、具体的にどの程度の軍事力を提供するかについては
規定が存在しない。米国は自国の利益を重視するため、上下院の決
定だけに左右されることはない」と指摘した。
(編集担当:米原裕子)
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米無人偵察機を自衛隊に導入、尖閣監視強化へ
 政府・自民党は、米軍の最新鋭の高高度無人偵察機「グローバル
ホーク」を、自衛隊に導入する方向で調整に入った。

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡り日本への圧力を強める中国や、
弾道ミサイルや核開発を進める北朝鮮に対する情報収集能力を高め
る狙いがある。安倍政権は、2011年度から5年間の防衛力の整
備方針を定めた中期防衛力整備計画(中期防)の見直しを決めてお
り、新たな中期防に配備計画を盛り込む方向だ。

 民主党政権下で策定された中期防では、無人偵察機の導入は長期
的な検討事項との位置づけだった。だが、中国の公船や航空機によ
る尖閣諸島周辺への接近や侵犯が頻発していることで、自民党内に
早期導入論が強まっていることを踏まえた。

 グローバルホークは高度約1万8000メートルを飛行し、高性
能のセンサーやレーダーで不審船などの情報収集・監視活動を広範
囲に行うことが可能だ。30時間以上連続で飛行できるため、レー
ダーや有人機による警戒監視の“穴”を埋める役割を期待できる。
(2012年12月31日08時38分  読売新聞)
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防衛省 「垂直離着陸機」の導入検討へ
12月31日 13時55分NHK
防衛省は、自衛隊の輸送力を強化する一環として、ヘリコプターと
固定翼機の両方の特性を持つ「垂直離着陸機」の導入の検討に入る
ことになり、関係者によりますと、検討の対象には、アメリカ軍が
沖縄に配備したオスプレイも含まれているということです。
「垂直離着陸機」は、プロペラの向きを変えることで、ヘリコプタ
ーのような垂直方向での離着陸と、固定翼機のような水平飛行の両
方ができます。
アメリカ軍が沖縄の普天間基地に配備した新型輸送機「オスプレイ
」も垂直離着陸機で、これまで運用されてきた中型輸送ヘリコプタ
ー「CH46」と比べ、速度は2倍、輸送できる重量は3倍、そし
て空中で給油を受けない場合の行動半径は4倍になるとされていま
す。
垂直離着陸機について、防衛省は、自衛隊の輸送力を強化する一環
として導入の検討に入ることになり、来年度予算案に少なくとも
500万円の調査費を盛り込みたいとしています。
防衛省関係者によりますと、検討の対象には「オスプレイ」も含ま
れているということですが、「オスプレイ」を巡っては、安全性へ
の懸念などから沖縄への配備に強い反発が出た経緯もあり、防衛省
は、導入にかかる費用や世論の動向も踏まえて機種の選定などを慎
重に検討していくことにしています。
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安倍首相「尖閣、交渉余地ない」=北方3.5島返還論、否定せず
 安倍晋三首相は30日午後、TBSテレビの番組で、中国が領有
権を主張している沖縄県・尖閣諸島について「尖閣は私たちの領土
なので、これは全く交渉の余地はない」と述べ、領土問題は存在し
ないとする政府の立場を強調した。
 首相は衆院選翌日の17日に行った記者会見でも「交渉の余地は
ない」としていたが、就任後に明言するのは初めて。日中関係につ
いて「戦略的互恵関係を発展させていきたいとの思いは変わってい
ない」とも語った。
 一方、北方四島を面積で2等分する「3.5島返還論」に関し、
首相は「基本的には四島を一括返還してもらう」としながらも、「
どういう英知があるか模索していきたい」と語り、明確には否定し
なかった。「日中関係を考える上でも(ロシアとの関係は)極めて
重要」と指摘。政府特使として派遣する森喜朗元首相の訪問時期に
ついて、「2月に元首相が私の親書を持って大統領と会談する」と
明らかにした。 
 3.5島返還論は、歯舞、色丹、国後3島に択捉島の一部を日本
が領有することで、領土問題の解決を図るという内容。第2次安倍
内閣の内閣官房参与に起用された谷内正太郎元外務事務次官が、
2009年に報道機関のインタビューで言及したとされるが、谷内
氏はその後の国会答弁で発言を否定している。(2012/12/30-18:39)
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尖閣諸島の警備:海保が特化部隊編成へ 規模は12隻
毎日新聞 2012年12月30日 03時56分
 海上保安庁は29日、今年度補正予算案で航行速度の速い最新鋭
の巡視船6隻の製造を要求し、これまでに新造の決まった巡視船な
どと合わせて沖縄・尖閣諸島の警備に特化した部隊を編成する方針
を固めた。部隊結成は2年後で、規模は12隻になる見通し。尖閣
諸島に近い石垣島や那覇市を拠点にする。

 尖閣諸島の周辺海域では9月の国有化後、中国の海洋監視船や漁
業監視船が複数で領海侵入を繰り返すなど示威行為が常態化。海保
は全国から巡視船を集め、中国当局の船にマンツーマンで警戒に当
たっている。この影響で、毎年5月ごろ開催する観閲式を来年は中
止し、通常業務にも影響が出ていた。

 海保は、海難救助を担う全国の巡視船が通常業務に戻れるよう、
専門部隊が必要と判断。中国船の動きに対応できるよう速度の速い
最新鋭の巡視船を導入する。一方、新たな部隊には海難救助に必要
な潜水士を配置しないなど領海警備に特化した体制にするという。

 最新鋭の巡視船は今年度予備費で2年後に1000トン級4隻が
完成し、今回の補正予算案でさらに6隻の造船を要求する。領海や
領海外側の接続水域を航行する中国船の数は10月下旬から5隻程
度で、既存の巡視船2隻も含め12隻あれば24時間対応できると
判断したとみられる。

 13年度以降の予算で部隊の人員を確保。第11管区海上保安本
部(那覇市)の所属とする。部隊結成までは、スクラップ予定だっ
た古い船の耐用年数を延長するなどして巡視船の数を増やすと共に
、引き続き全国から集めた巡視船で対応するという。【桐野耕一】
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日中「高度に不安定な時期に」 中国シンクタンク報告書
2012年12月29日17時55分
 【北京=林望】中国政府のシンクタンク中国社会科学院は、尖閣
諸島を巡る日中の対立は「中日関係が再構築される中での必然だ」
とする年次報告書をまとめた。両国は「高度に不安定な時期に入る
」という。中国は問題の長期化を覚悟して安倍政権の出方を注視し
ている。

 「アジア太平洋地域発展報告」は、中国の発展が周辺国に警戒や
不安を抱かせ、パワーバランスの再調整を迫っていると自ら指摘し
、この地域の安全保障の枠組みについて論じた。

 尖閣については「日本経済の『失われた20年』を経て台頭した
右翼勢力が、米国のアジア回帰政策を釣魚島(尖閣諸島の中国名)
国有化の絶好のチャンスと見て動いた」と読み解いた。政治でも経
済でも新しいパワーバランスができあがるまでは争いの長期化が避
けられず、日中関係は「高度に不安定な時期に入る」としている。
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「現状では中国に対応不能」 森本前防衛相インタビュー 海保・
自衛隊の資源不足に強い危機感
2012.12.29 07:51 sankei[自衛隊]
 政権交代に伴い退任した森本敏前防衛相は28日までに産経新聞
のインタビューに応じ、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での挑発
活動を念頭に「現在、海上保安庁と自衛隊が持っている資源では、
これからさらに近寄ってくる中国に十分、効率的に対応できない可
能性がある」と述べ、自衛隊や海保の人員や装備を強化しない限り
、中国に対応できない事態が起こりうるとの危機感を示した。

 森本氏は詳細を明らかにできないとしつつも、中国側が日本の対
応能力を探るための活動を段階的に行っていることを示唆した。

 13日にあった中国国家海洋局所属プロペラ機による尖閣諸島上
空での領空侵犯では、自衛隊の地上レーダーが事前に接近を探知で
きなかった。このため空自は空中警戒管制機AWACSや早期警戒
機E2Cによる空からの警戒を強化。22日〜26日にかけて領空
に接近した中国機は事前に捕捉し、戦闘機が緊急発進して対応した。

 森本氏はこうした事案などを念頭に「現有のAWACSやE2C
を展開させる態勢だけでは十分でない」と述べ、尖閣上空を含め、
日本の領域警備態勢を全般的に見直す必要があると説明した。その
うえで「中国はどんどん近寄り、日本の対応が政権交代でどう変わ
るのかを見ようとしている」との分析を明かした。

 中国海軍や政府公船についても「千トン級の船が毎年、何隻も出
てくるが、こちらの新造艦と比べてケタが違う」と語り、日本が中
国に後れを取る可能性に懸念を表明した。

 また、尖閣周辺での中国の圧力が「今後、長期間にわたって続く
」との可能性も示した。

 米国が尖閣諸島に日米安全保障条約が適用されるとしていること
に関しては「米国は日本がどこまで何をやる覚悟かをじっと見てい
る」と指摘。「日本は領土を自ら守るため、必要なリソースを持ち
、まず、自力でやりぬく覚悟を示さないといけない」と語り、日本
自身が自衛隊や海保の拡充で抑止力と対応力を向上させる必要があ
るとの認識を示した。
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安倍外交始動、ロ大統領と電話会談 対中包囲網構築へ 
2012/12/28 21:16日本経済新聞 電子版
 安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議し、
北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発にする必要
があるとの認識で一致した。韓国とは関係修復を探り、北朝鮮によ
る拉致問題でも決意を示した。安倍外交を本格化させる方針だ。

 「北方領土問題の最終的な解決に向け、双方が受け入れ可能な解
決策を見いだす努力をしたい」

 首相がプーチン大統領に呼びかけると、プーチン氏も「平和条約
に関する作業…
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日中外相会談を模索=岸田氏
 岸田文雄外相は27日未明の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島をめ
ぐり悪化した日中関係に関し、「新政権誕生を前向きな2国間関係
(の構築)に結び付けるため、外相会談も考えなければならない」
と述べた。ただ、具体的な時期は明言を避けた。
 自民党が衆院選公約の付属文書に盛り込んだ尖閣諸島への公務員
常駐の検討については、「尖閣の維持管理にどういった方法が国益
に資するのか、しっかり検討する」と語った。
 韓国が実効支配する島根県・竹島の領有権をめぐる国際司法裁判
所(ICJ)への単独提訴に関しては、「総合的な判断をこれから
するということに尽きる」として、慎重に検討する考えを強調した。
(2012/12/27-05:14)
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沖縄・尖閣諸島:「日本と断固争う」 中国外相が表明
毎日新聞 2012年12月16日 東京朝刊

 【北京・工藤哲】中国メディアの報道や政府高官の発言で、対日
強硬姿勢の明示が相次いでいる。楊潔〓(ようけつち)外相は14
日付の共産党機関紙「人民日報」で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・
釣魚島)を巡る問題で日本と断固争う考えを表明。中国の国連代表
部は大陸棚拡張案を国連に提出した。中国機が行った初めての領空
侵犯も中国メディアは連日正当だと報じ、領空警備を強化する方針
も伝えた。日本の衆院選の結果次第で強まるとの予測がある対中強
硬論をけん制する狙いのようだ。

 人民日報が掲載した楊外相の外交方針論文は、悪化した日中関係
を「適切に処理する」としつつ「日本政府による釣魚島国有化など
の問題では断固闘争を行う」と述べた。
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民族復興は「中国の夢」…習総書記が強国化路線
 【北京=加藤隆則】中国の主要紙は11月30日、一面トップで
習近平総書記が29日、他の共産党政治局常務委員6人とともに国
家博物館の常設展「復興の道」を参観した際の演説全文を報じた。

 就任直後の記者会見で強調した「民族の偉大な復興」を「中国の
夢」と位置づけ、強国化路線を強くアピールしたものだ。
 
 習氏は「全党員は、立ち遅れれば殴られ、発展してこそ強くなれ
ることを、肝に銘じなければならない」と、列強の侵略を受けた近
代史に言及。建国の歩みについて、「愛国主義を核心とする偉大な
民族精神を示した」と総括し、「国家がよく、民族がよくなってこ
そ、皆がよくなれる」と述べた。
 
 さらに習氏は、「私は、中華民族の偉大な復興こそ、中華民族が
近代以来抱いてきた最も偉大な夢だと思う」と呼び掛け、最後は「
新中国成立から100年後(2049年)には、調和のとれた社会
主義近代化の国家目標は必ず実現され、偉大な復興の夢は必ず実現
されると信じる」と強調した。
 
(2012年11月30日23時09分  読売新聞)
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尖閣での“強硬姿勢”の裏に 中国が目指す「海洋強国」のキーマン 
2012.11.28 08:58 サンケイ
 さきの中国共産党第18回党大会の政治報告では、これからの中
国の進路を示すいくつかの新しいキーワードが登場したが、中でも
注目されたのが「海洋強国」の建設であろう。その先頭に立つのが
国家海洋局であり、劉賜貴局長の自信にあふれた発言がにわかに目
立ってきた。(フジサンケイビジネスアイ)

 劉賜貴局長は第18回党大会の代表でもあった。党大会の政治報
告に「海洋強国」の言葉が盛り込まれると、劉局長はさっそく記者
会見を開いて、どのようにすれば「海洋強国」になれるか、これか
らの戦略を雄弁に語り始めた。

 劉局長は「海洋強国」が「人材強国」「科学技術強国」「文化強
国」に次ぐものであるとしたうえで、「中華民族の永続発展、世界
強国になるために避けられない道だ」と強調した。そして「海洋強
国」の内容について、「海洋開発、海洋利用、海洋保護、海洋支配
において強大な総合力をもつ国のことだ」と説明した。

 劉局長によると、第11次経済5カ年計画(2006〜10年)
における海洋経済の成長率は年平均13.5%だったが、第12次
経済5カ年計画が終わる15年には、国内総生産(GDP)の10
%前後に達しているという。

 国家海洋局の権限は資源などの海洋開発とその利用だけにとどま
らない。最も注目されるのは、海洋権益の拡大に極めて積極的な姿
勢をみせていることだ。「領土主権と海洋権益の維持については、
決意が固い。われわれへの挑戦があっても恐れはしない」と一歩も
譲らない。

 劉賜貴局長は福建省泉州の出身である。泉州といえば、かつて海
上交易の中心地として栄えたところで、マルコ・ポーロがその繁栄
ぶりを記したことでも知られている。根っからの海の男なのだろう。

 劉局長は厦門(アモイ)市長を務めた後に、昨年2月から海洋局
長に転じたのだが、よくみると、00年から02年にかけての2年
間余り、福建省海洋・漁業局長の任にあった。今回の党大会で総書
記に就任した習近平氏も、ちょうど00年から02年の間、福建省
の省長を務めている。つまり2人は福建省時代から周知の間柄とい
うことになる。

 尖閣諸島をめぐる問題で、中国は日本側の予想を上回る強硬姿勢
に転じた。その決定に際しては、次期総書記に内定していた習近平
氏が、主導的な役割を果たしたのは間違いない。おそらく習近平氏
のもとには劉局長から詳細な報告が届けられ、緊密に連絡を取り合
っていたのであろう。2人の関係には、今後も目が離せない。
(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)

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