4561.安倍政権の政策は?



第182特別国会が26日召集され、自民党の安倍晋三総裁(58
)が衆参両院本会議での首相指名選挙の結果、第96代首相に選出
された。この政権の政策を検証しよう。   津田より

0.人からコンクリートへ
経済系の閣僚人事では、盟友の麻生太郎元首相(72)を副総理兼
財務・金融担当相に、甘利明氏(63)を新設の経済再生担当相に
起用。茂木敏充氏(57)を経済産業相に充てた。この3名が金融
・経済担当で、マクロ経済政策とミクロ経済政策の両面を3名で行
うようである。

早速3名は、29日午後、都内のホテルで会談し、新たに立ち上げ
た日本経済再生本部と、復活させる経済財政諮問会議の役割分担や
構成メンバーなどについて意見交換した。

自民党に国民が期待しているのは、経済政策で日本を復活させて欲
しいということである。この要望が実現したら、来年の夏の参議院
選挙は勝利を期待できるし、実現しないと敗退する可能性がある。

甘利経済再生担当相がマクロ経済政策、エネルギー政策などのミク
ロ経済施策を茂木経済産業相が、金融政策と取りまとめを麻生副総
理という布陣のようである。

麻生副総理は、来年3月に期限切れを迎える中小企業金融円滑化法
について、再々延長はないと述べた。中小企業対策は、金融面では
なく、茂木経済産業相が取り仕切る研究投資などの税制優遇策に置
き換えるようである。

また、甘利経済再生担当相は「日本国債の信頼性を損なうと結局、
日本に跳ね返ってくる」と述べて、安倍政権でも中期的に財政再建
を目指していく方針は維持するべきだとした。というように国債の
大増発は、13年度だけの可能性がある。

麻生副総理も2013年度予算の編成方針は、歳出71兆円に拘ら
ず財政健全化を常に念頭に置きつつも、目先は景気対策を行うとし
た。ということは200兆円の国土強靭化計画の資金は、社会保障
費を大幅に削り消費税増税などで賄うことになるようだ。

高校授業料無償化の所得制限の導入や農家への戸別所得補償制度な
ど民主党政権時のバラマキの看板政策を見直す。また、生活保護の
大幅な年齢制限も導入することになる。また、70〜74歳の高齢
者が医療機関で払う自己負担を1割から14年1月から本来の2割
負担に引き上げる。このような社会保障経費を削減して、公共事業
につぎ込むことになる。

農林水産省は28日、平成24年度補正予算と25年度当初予算を
合わせ、土地改良事業費を21年度当初予算の規模に戻すことを自
民党農林部会で示した。国土交通省の幹部が説明に臨んだ同日の自
民党国土交通部会でも、公共事業費を同様に、21年度並みの7兆
1千億円水準に戻すことを前提に議論された。というようにである。

社会保障費の削減は必要であるが、それは財政支出の削減で財政規
律を取り戻すために行うはずが、そうではなく、公共事業費を大幅
に増やすために行うようである。その増えた雇用にB層の生活保護を
受けている人たちは、着くことを期待されている。

このように、B層の人たちは、安倍さんのネトウヨ政策を真に受けて
自民党に得票したようであるが、B層に不利益な政策を行うことにな
りそうである。自助がない人たちは、見捨てることになる。私も一
部、その政策には賛成である。

しかし、雇用は数年増えるが、その後は財政規律のために減らす必
要がある。新しい産業を生み出さないと、雇用が増えないことにな
るし、日本経済は衰退する。

2.新しい産業
この新しい産業は目の前にある。燃料電池と水素製造というエネル
ギー産業がそこにある。世界で石油産業の規模は300兆円以上で
あり、その1/3程度を日本で生み出せば、100兆円になり、3倍程
度のGDPになり、自動車産業の100兆円と合わせて、日本は復活で
きる。

自動車産業では2015年夏には燃料電池車が500万円で出る。
この燃料電池車に補助金をつけて、350万円程度にして普及を促
進し20万台以上にすれば、副生ガスでは足りなくなり、水素製造
産業ができる。この水素製造に原子炉を使うことである。水素製造
では1000度の温度が必要である。

このため、軽水炉の時代は終わり、高温がス炉にシフトさせること
になる。この時、高温ガス炉とプルトニウムやアメリウム、ストロ
ンチウムなどの超長期放射線物質を消滅させることの1石2鳥の方
法がトリウム溶融塩炉である。

2つの産業を作れば、石油輸入が必要なくなり、中東依存から脱却
でき、日本復活ができ、2重に喜ばしいことである。

どうか、甘利経済再生担当相、この2つの産業を育成して日本経済
を復活させて欲しいものです。もし、よろしければ説明しますが。

3.金融政策
安倍首相と麻生副総理やその周辺からの円水準に対する明確で強固
な主張は、日本が世界通貨戦争をあおりかねないとの懸念を引き起
こしている。しかし、麻生財務相は、その心配はないと一蹴した。
円を急激に下落させるようなことはしていないし、実際の政策とし
て何かをしたわけでもないと語った。

麻生氏は、ガイトナー米財務長官と電話会談を持ったことを明らか
にし、この会談では、長官に対しここ最近の行き過ぎた円高は修正
されつつあるのは間違いないが、これがまたいつ変わるか分からず
今後も円の動向を注視していくことを伝えたと述べた。

為替介入ではなく、金融緩和を行うことは、世界的に認められた方
法であると麻生氏は示唆している。しかし、現在の85円の水準は
心地よいので、この水準をキープすることが重要のようである。口
先介入だけで、円安に持っていったことになる。

4.外交・安全保障
安倍首相の外交方針は「価値観外交」を厳しさを増す安全保障環境
に応じてさらに発展させるようだ。「自由、民主主義、基本的人権
。こうした価値観を共有する国との関係を深め、価値を広げていく
。この理念に変わりはない」という。

首相は言葉通り、28日には豪印露、インドネシア、ベトナムなど
の首脳と相次いで電話で会談。ロシアのプーチン大統領との電話協
議では、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発に
するとした。「安全保障の協力を日米印に発展させていってもいい。
日米豪(の協力)も、地域の安定に資する。インドネシアとも、協
力を約束していると言ってもいい。地域のパワーバランスを回復さ
せることが大切だ」と強調した。

首相周辺は「これらの地域の大国を結ぶと、中国をすっぽりと取り
囲む形になる」と「中国包囲網」を連想させることで、中国に外交
的な圧力をかける狙いのようだ。

首相は価値観外交で日本の外交基盤を強めたうえで、中国との間で
互いに共存共栄を図る「戦略的互恵関係」を追求し、日中関係の改
善を図りたい意向だ。

来年1月にも行う日米首脳会談では、環太平洋経済連携協定(TP
P)の交渉参加問題を協議する意向も示した。首相は外交方針に関
し、「日米同盟関係が基軸だ」と述べた。

しかし、岸田文雄外相は、日中関係に関し「新政権誕生を前向きな
2国間関係(の構築)に結び付けるため、外相会談も考えなければ
ならない」と述べたが、具体的な時期は明言を避けた。

これに対して、中国政府は、尖閣諸島を巡る日中の対立は「中日関
係が再構築される中での必然だ」とする年次報告書をまとめた。両
国は「高度に不安定な時期に入る」とし、中国は問題の長期化を覚
悟して安倍政権の出方を注視する意向である。

事実、森本敏前防衛相は、中国の挑発活動を念頭に「現在、海上保
安庁と自衛隊が持っている資源では、これからさらに近寄ってくる
中国に十分、効率的に対応できない可能性がある」と述べ、自衛隊
や海保の人員や装備を強化しない限り、中国に対応できない事態が
起こりうるとの危機感を示した。

不安定な状況から、安倍政権は、長期の防衛力整備の方針を示す防
衛計画の大綱(防衛大綱)を大幅に改定し、軍備を増強し海保の人
員を拡大するほか、集団的自衛権の行使を容認するため「国家安全
保障基本法(仮称)」の制定を目指す。

また、外交・安保政策を官邸主導で進めるため「国家安全保障会議
」(日本版NSC)の設置法も検討する。

安倍首相の単純なナショナリズムが通じない国際情勢であり、米国
の機微を推し量りながら、中国との関係を再構築することになる。
この部分は、日米がいつも意見を交換し協議しながら対応すること
になると見る。

さあ、どうなりますか?

まだ政権を評価をする段階ではなく、当分はお手並み拝見というこ
とであろう。
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再生本部、諮問会議の役割分担 3閣僚が意見交換
2012.12.29 22:26 sankei
 麻生太郎副総理兼財務・金融相、甘利明経済再生担当相、茂木敏
充経済産業相は29日午後、都内のホテルで会談し、新たに立ち上
げた日本経済再生本部と、復活させる経済財政諮問会議の役割分担
や構成メンバーなどについて意見交換した。また、今後も3閣僚で
定期的に会合を持ち、意見交換をしていくことを確認した。経済財
政諮問会議は、年明け1月7日以降に初会合が開かれる予定。大型
補正予算など緊急経済対策などの議論を急ぐ。
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安倍政権人事と官庁の距離 財務と経産が親密度で競う重量級布陣
でデフレ脱却へ
2012.12.29ZAKZAKL

 26日に発足した安倍政権で、党人事は驚きだった。高村正彦副
総裁と石破茂幹事長の留任は想定内として、党総務会長に野田聖子
元郵政相、政調会長に高市早苗元沖縄・北方担当相を起用したのは
サプライズだった。

 安倍政権の経済政策では、マクロ政策の経済財政諮問会議とミク
ロ政策の日本経済再生本部がクルマの両輪となる。これまでの政権
で、「マクロ経済」という言葉が出てきたのは、小泉政権時代の竹
中平蔵経済財政担当相ぐらいであった。

 この両輪を担当するのが、甘利明経済再生担当相だ。もっとも、
その事務局は内閣官房副長官補室が行うという。副長官補は財務省
出身者の指定ポストである。おそらくマクロを財務省、ミクロを経
産省で棲み分けして行うだろう。

 副長官補は官房長官の指揮命令下に入る。官房長官は菅義偉(よ
しひで)氏。官房長官は内閣の要であり、スポークスマンにもなる
総理の女房役だ。財務省と経産省が支えるのだろうが、特に経産省
の接近が著しい。そのあたりを菅官房長官がどのようにさばいてい
くのかが見物である。

 経済財政では、麻生太郎氏が副総理兼財務・金融相。財務省も金
融庁も事務秘書官は財務省出身なので、麻生大臣は完全に財務省の
人となる。公務員に理解があるといわれ、公務員制度改革に消極的
であったので、菅直人、野田佳彦両氏のように財務省に取り込まれ
ないように願いたい。これは大物政治家である麻生氏には杞憂(き
ゆう)にすぎないだろうが。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉参加問題が焦点の
農水相には林芳正元防衛相を起用した。また、石原伸晃前幹事長の
環境・原発担当相起用で、病気療養中の町村信孝氏を除く総裁選で
競った人を一応取り込んだ。

 石原氏については当初、総務相就任が取り沙汰されていた。実現
していれば父の石原慎太郎代表が率いる日本維新の会が取り組む大
阪都構想の進捗(しんちょく)を早めたり遅らせたりできるという
意味で維新の出方を牽制することも可能だった。結局、総務相には
新藤義孝氏が就いた。橋下徹代表代行が主張する首長と国会議員の
兼職を可能にするかどうかの立法にも影響を及ぼすことができる。

 前自民党総裁の谷垣禎一氏を法相というのも法曹関係者にとって
は適任で、おまけに挙党態勢をアピールできる。初入閣は、下村博
文文科相、田村憲久厚労相、太田昭宏国交相、根本匠復興相、古屋
圭司国家公安・拉致問題担当相、山本一太沖縄・北方担当相らであ
るが、いずれも党シャドウ・キャビネットなどでその分野に精通し
ている。

 安倍晋三首相も来年7月の参院選で勝利するまでは経済の立て直
しに注力すると言っている。重量級がそろった布陣で、大型補正、
金融緩和で景気を後押しするだろう。憲法改正や教育問題は参院選
後にじっくりと取り組むのだろう。

 過去20年間でほとんどできなかったデフレ脱却が実現できれば
、安倍政権としては歴史的な偉業になるだろう。 (元内閣参事官
・嘉悦大教授、高橋洋一)
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日中「高度に不安定な時期に」 中国シンクタンク報告書
2012年12月29日17時55分
 【北京=林望】中国政府のシンクタンク中国社会科学院は、尖閣
諸島を巡る日中の対立は「中日関係が再構築される中での必然だ」
とする年次報告書をまとめた。両国は「高度に不安定な時期に入る
」という。中国は問題の長期化を覚悟して安倍政権の出方を注視し
ている。

 「アジア太平洋地域発展報告」は、中国の発展が周辺国に警戒や
不安を抱かせ、パワーバランスの再調整を迫っていると自ら指摘し
、この地域の安全保障の枠組みについて論じた。

 尖閣については「日本経済の『失われた20年』を経て台頭した
右翼勢力が、米国のアジア回帰政策を釣魚島(尖閣諸島の中国名)
国有化の絶好のチャンスと見て動いた」と読み解いた。政治でも経
済でも新しいパワーバランスができあがるまでは争いの長期化が避
けられず、日中関係は「高度に不安定な時期に入る」としている。
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首相、日米軸に「価値観外交」…アジア連携重視
 安倍首相が読売新聞との単独インタビューで語った外交方針は、
第1次安倍内閣(2006年9月〜07年9月)当時に掲げた「価
値観外交」を、厳しさを増す安全保障環境に応じてさらに発展させ
るものだ。

 首相は国益重視の立場から、民主党政権で揺らいだ外交を早急に
立て直す考えだ。

 「自由、民主主義、基本的人権。こうした価値観を共有する国と
の関係を深め、価値を広げていく。この理念に変わりはない」

 首相は28日のインタビューでこう語り、インドや豪州など価値
観を共有する国と連携を強化する価値観外交の推進を強調した。

 さらに「アジア情勢が緊迫している。北朝鮮のミサイル、中国の
海洋での振る舞いがある」とし、北朝鮮の問題に加え、沖縄県の尖
閣諸島を巡る問題など中国の挑発的行動に懸念を表明。「2国間関
係だけをみるのではなく、地球儀全体を俯瞰(ふかん)しながら戦略
を考えるべきだ」と指摘した。

 首相は言葉通り、28日には豪印露、インドネシア、ベトナムな
どの首脳と相次いで電話で会談。首相周辺は「これらの地域の大国
を結ぶと、中国をすっぽりと取り囲む形になる」と解説する。「中
国包囲網」を連想させることで、中国に外交的な圧力をかける狙い
もあったようだ。

 第1次安倍内閣では、東南アジアや中央アジアなどの民主主義国
を支援する「自由と繁栄の弧」構想をもとに価値観外交を推進し、
アフガニスタンなどの地域の安定化や、日本としての資源の確保を
目指した。首相側近は当時と比較して、「軍事力を増す中国が南シ
ナ海や東シナ海で挑発行為を繰り返して地域の不安定要因となって
いる点が大きく違う。沖縄県の尖閣諸島を巡る問題で日中も緊張関
係にある」と指摘。この間、民主党の鳩山政権が「東アジア共同体
」構想を唱え、日米同盟やアジア外交を迷走させたこともあり、対
中戦略を重視した外交の立て直しが急務だとしている。

 首相は価値観外交で日本の外交基盤を強めたうえで、中国との間
で互いに共存共栄を図る「戦略的互恵関係」を追求し、日中関係の
改善を図りたい意向だ。

 さらに、ロシアやインド、ベトナムなどとの関係強化は、経済的
な利益につながる可能性が高い。資源の確保や高い技術を持つ日本
のインフラなどの輸出先として期待できる点も重視しているとみら
れる。
(2012年12月29日16時02分  読売新聞)
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欧米は自国通貨安を放置したが日本は通貨安政策取っていない
=麻生財務相
2012年 12月 29日 12:51 JST WSJ
 【東京】麻生太郎財務相が、円高に対する言葉による攻撃をさら
にエスカレートさせている。ここ数年米国や欧州が自国通貨の大幅
安を放置したことに苦言を呈し、また、米国に対してはドルを上昇
させることを要望する発言をしている。

 安倍晋三首相率いる政権の通貨政策を握る麻生財務相によるこの
批判は、現在は通貨引き下げ競争になっていると同政権が解釈して
いる世界各国の潮流に対決姿勢を強めていることを改めて示すもの
だ。

 今月中旬の総選挙では安倍氏が、円高が度を超しているとして、
その是正を自民党の選挙戦キャンペーンの目玉政策の1つに掲げて大
勝利を収めた。安倍氏とその周辺からの円水準に対する明確で強固
な主張は、日本が世界通貨戦争をあおりかねないとの懸念を引き起
こしている。

 しかし、麻生氏の発言もここ数年の円高による日本産業の世界と
の競争力減退に対する国内に渦巻く深い苛立ちを示すものだ。

 28日に行った財務相就任後の最初の報道各社向けインタビューで
は、米国はドルを強くするという本来の仕事をするべきだし、その
点はユーロもどうなのか、と語った。

 さらに麻生氏は、各国が通貨の引き下げ競争は行わないと誓った
3年前の20カ国・地域(G20)の会合以来、円はドルとユーロに対し大
幅に高くなったと述べた。

 その上で、G20メンバーのいくつの国がこの約束を履行していだろ
うかと疑問を投げかけ、日本は約束に則って適切な行動をとってき
たと強調、「諸外国に言われる筋合いはない」、と述べた。

 また、同日夜に麻生氏は、ガイトナー米財務長官と30分間の電話
会談を持ったことを明らかにした。この会談では、長官に対しここ
最近の行き過ぎた円高は修正されつつあるのは間違いないが、これ
がまたいつ変わるか分からず今後も円の動向を注視していくことを
伝えたと述べた。

 一方、米財務省のナタリー・W・アーネスト広報官も電話会談があ
り、ガイトナー長官と麻生財務相は日米経済関係と世界の経済金融
動向について話し合ったと述べた。

 近年では円の水準について懸念を示したのは麻生財務相だけでは
なかった。企業経営者やほかの政治家も円高に不満を漏らし、競争
力喪失や減益、倒産や生産基地の海外移転の元凶と批難していた。

 2000年代後半の世界金融危機以来、ドルは円に対して30%下落し
て現在は1ドル=86円前後で推移している。この結果、日本製品の輸
出価格が上昇して競争力が失われ輸出業者に大きな負担となってい
る。このドル安円高は麻生氏が2009年9月までの約1年間の首相在任
時代に加速しており、当時の厳しい景気後退の一因といわれた。

 一方、安倍首相を始め閣僚らからの一連の発言が、通貨切り下げ
競争を誘発するのではとの懸念について麻生財務相は、その心配は
ないと一蹴した。円を急激に下落させるようなことはしていないし
、実際の政策として何かをしたわけでもないと語った。

 実際、民主党の前政権時代には円売りドル買いの為替介入を実施
して米国政府から厳しい非難を浴びたが、麻生氏が首相時代には為
替介入は実施しなかった。

 一方、麻生氏は、円安は輸出業者にはプラスだが、輸入業者には
痛手となりると指摘、全産業が円安を求めているのではないと強調
した。
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日米印豪で安保協力…安倍首相、対中改善へ布石
 安倍首相は28日、首相官邸で読売新聞の単独インタビューに応
じ、安倍政権の外交方針として、台頭する中国を念頭に、日米同盟
を基軸としつつインドや豪州などとの安全保障面での協力を推進す
る方針を表明した。

 ロシアやアジア各国との連携強化が、冷え込んだ日中関係の修復
につながるとの判断がある。来年1月にも行う日米首脳会談で、環
太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加問題を協議する意向も示
した。

 首相はインタビューで、外交方針に関し、「日米同盟関係が基軸
だ」と述べた。

 日中関係については、「日本と価値を共有する国、ベトナムなど
戦略的に重要な国と信頼関係を構築することで、(日中関係も)新
たな展開を開くことができると考えている」と語った。中国を取り
巻く国との関係を強化することで、中国に日本との関係改善を促す
狙いがある。具体的には、海上自衛隊とインド海軍が今年、共同訓
練を行ったことを踏まえ、「安全保障の協力を日米印に発展させて
いってもいい。日米豪(の協力)も、地域の安定に資する。インド
ネシアとも、協力を約束していると言ってもいい。地域のパワーバ
ランスを回復させることが大切だ」と強調した。
(2012年12月29日09時19分  読売新聞)
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TPP問題早くも自民党内でバトル開始
2012.12.29 09:02 sankei
 自民党の石破茂幹事長は28日、環太平洋戦略的経済連携協定(
TPP)への交渉参加問題について、来年夏の参院選前に党の方針
を決める考えを表明した。TPP交渉参加11カ国は来年10月の
基本合意を目指しているためで、年明けから議論を加速させること
になる。ただ、TPPに反対する自民党の有志議員連盟も同日、会
員を大幅に増やして総会を開き、安倍晋三政権に対し参加の「即時
撤回」を求めた。TPP問題は政権発足直後から早くも党内で熾烈
(しれつ)な戦いが始まった。(山本雄史)

 「参院選までに党として何らかの対処方針は当然決めなければな
らない」

 石破氏は、28日午前の記者会見でこう述べた。

 さらに「『例外なき関税撤廃を前提とした場合は反対』という党
の方針は変わっていない」と強調しながらも、「政権与党になった
ことで、さまざまな情報をよく掌握したうえで判断したい」とも語
った。

 安倍政権内では、茂木敏充経済産業相が27日、「経済連携推進
は自公政権の基本的な方向性だ」と発言するなど、交渉参加に前向
きな意見が出始めている。林芳正農林水産相も自由貿易推進論者だ。

 これに対し、反対派も黙っていない。

 石破氏の記者会見とほぼ同時刻に、党本部では「TPP参加の即
時撤回を求める会」(森山裕会長)が政権復帰後初の総会を開催し
た。初当選組を中心に66人が新規加入するなどして、メンバーは
党所属議員の半数近くに相当する181人にまで膨れ上がり、総会
には80人ほどが出席した。

 出席者からは「参加のメリットが全くない」「情報開示が不十分
だ」などと交渉参加反対の大合唱。伊東良孝財務政務官も「地元で
はみんなTPP反対といっているが、党幹部の話を聞いているとそ
うではない」と露骨に執行部を牽制(けんせい)した。

 森山氏は記者団に「聖域なき関税撤廃では反対だ。これは国際的
に表明している自民党の政策だ」と重ねて強調。「首相は理解して
くれている」と、交渉参加阻止に自信をのぞかせた。

 ただ、同会からは幹事長だった稲田朋美行革担当相や、幹事長代
理だった江藤拓農林水産副大臣などの主要幹部が続々と政権入りし
た。正面から反対はしづらい状況で、同会としても戦略見直しを迫
られそうだ。
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「現状では中国に対応不能」 森本前防衛相インタビュー 海保・
自衛隊の資源不足に強い危機感
2012.12.29 07:51 sankei[自衛隊]
 政権交代に伴い退任した森本敏前防衛相は28日までに産経新聞
のインタビューに応じ、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での挑発
活動を念頭に「現在、海上保安庁と自衛隊が持っている資源では、
これからさらに近寄ってくる中国に十分、効率的に対応できない可
能性がある」と述べ、自衛隊や海保の人員や装備を強化しない限り
、中国に対応できない事態が起こりうるとの危機感を示した。

 森本氏は詳細を明らかにできないとしつつも、中国側が日本の対
応能力を探るための活動を段階的に行っていることを示唆した。

 13日にあった中国国家海洋局所属プロペラ機による尖閣諸島上
空での領空侵犯では、自衛隊の地上レーダーが事前に接近を探知で
きなかった。このため空自は空中警戒管制機AWACSや早期警戒
機E2Cによる空からの警戒を強化。22日〜26日にかけて領空
に接近した中国機は事前に捕捉し、戦闘機が緊急発進して対応した。

 森本氏はこうした事案などを念頭に「現有のAWACSやE2C
を展開させる態勢だけでは十分でない」と述べ、尖閣上空を含め、
日本の領域警備態勢を全般的に見直す必要があると説明した。その
うえで「中国はどんどん近寄り、日本の対応が政権交代でどう変わ
るのかを見ようとしている」との分析を明かした。

 中国海軍や政府公船についても「千トン級の船が毎年、何隻も出
てくるが、こちらの新造艦と比べてケタが違う」と語り、日本が中
国に後れを取る可能性に懸念を表明した。

 また、尖閣周辺での中国の圧力が「今後、長期間にわたって続く
」との可能性も示した。

 米国が尖閣諸島に日米安全保障条約が適用されるとしていること
に関しては「米国は日本がどこまで何をやる覚悟かをじっと見てい
る」と指摘。「日本は領土を自ら守るため、必要なリソースを持ち
、まず、自力でやりぬく覚悟を示さないといけない」と語り、日本
自身が自衛隊や海保の拡充で抑止力と対応力を向上させる必要があ
るとの認識を示した。
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安倍外交始動、ロ大統領と電話会談 対中包囲網構築へ 
2012/12/28 21:16日本経済新聞 電子版
 安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議し、
北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発にする必要
があるとの認識で一致した。韓国とは関係修復を探り、北朝鮮によ
る拉致問題でも決意を示した。安倍外交を本格化させる方針だ。

 「北方領土問題の最終的な解決に向け、双方が受け入れ可能な解
決策を見いだす努力をしたい」

 首相がプーチン大統領に呼びかけると、プーチン氏も「平和条約
に関する作業…
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雇用が増える予算に=麻生太郎副総理兼財務・金融相−新閣僚イン
タビュー
 −2013年度予算の編成方針は。民主党政権では歳出を71兆
円以下に抑えるルールがあった。
 財政健全化を常に念頭に置きつつも、目先は景気対策が必要だ。
民間の設備投資や雇用が増えるものに傾斜した予算を編成する。予
算規模を何兆円以下にするということにこだわっていない。生活保
護とか地方公務員の人件費などを削り、経済・雇用対策に振り向け
たり、(民主党政権下で取りまとめた概算要求から)事業を入れ替
えることも考えられる。
 −東日本大震災の復興財源確保のため国家公務員の給与を7.8
%引き下げているが、地方公務員の人件費は。
 一律に7.8%切る約束だったのを全然履行していない。国家公
務員に合わせてもらうのが当然だ。基本的に13年度からの実施を
求めたい。
 −安倍首相は日銀に年2%の物価目標設定を求め、応じなければ
日銀法を改正する意向だが。
 日銀には政府に対する不信感がある。日銀だけにやらせるのでは
なく、政府も財政出動する、成長戦略をちゃんと立てるという保証
が必要だ。来年1月中旬にまとめる補正予算案を見て、日銀が「政
府は本気だ」と思えるものにしなければならない。(日銀が目標を
設定しない場合には)日銀法改正という、そんな単純な話ではない。
(2012/12/28-21:04)
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民主が削減の公共事業費、自民復活で官庁が回復図る 国交省、農
水省
2012.12.28 19:32sankei
 農林水産省は28日、平成24年度補正予算と25年度当初予算
を合わせ、土地改良事業費を21年度当初予算の規模に戻すことを
自民党農林部会で示した。国土交通省の幹部が説明に臨んだ同日の
自民党国土交通部会でも、公共事業費を同様に、21年度並みの7
兆1千億円水準に戻すことを前提に議論された。

 民主党時代に大幅削減された公共事業費が、経済再生の突破口と
して、増額に向け動き出す。

 土地改良事業費は、自公政権時の21年度当初予算では、5772
億円だった。しかし、公共事業削減を打ち出す民主党の方針によっ
て、22〜24年度は2129億円と、約6割削減されていた。

 自民党は政権公約で「攻めの農林水産業」を掲げており、農水省
ではこれを反映させて6千億円規模に増額するもようだ。

 国交省でも、21年度当初予算の公共事業費は7兆1千億円だっ
たが、それが毎年減らされ、24年度は4兆6千億円まで2兆5千
億円削られた。太田昭宏国土交通大臣は、「額を先行させず、必要
なものを積み上げる」と、大幅な増額に前向きの姿勢を示している。

 国土交通部会では、「国民からバラマキと批判されないよう、明
確な決定の基準をつくらなくてはならない」(若手議員)と、すで
に7・1兆円復活を前提した発言が相次いだ。
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民主政策見直しは参院選後=混乱回避、世論に配慮−安倍政権

 安倍政権は、高校授業料無償化の見直しや農家への戸別所得補償
制度など民主党政権時に実施された看板政策を相次いで見直す。ば
らまき色が強い政策を一掃し、「安倍カラー」を印象付けるのが狙
いだ。ただ、制度を拙速に変更すれば自治体などの混乱を招くほか
、有権者の反発を招きかねないため、具体的な見直し時期は来夏の
参院選後とする方針だ。
 民主党政権は、2010年度から公立高校の授業料を免除し、私
立高校生には世帯所得に応じて助成する制度を実施。これに対し、
自民党は衆院選公約で、歳出削減に向けて所得制限の導入を掲げて
いた。
 下村博文文部科学相は27日の就任記者会見で、所得制限化につ
いて「速やかに実現する方向で検討するが、生徒や保護者らに混乱
が生じないよう、14年度以降に実施したい」と表明した。
 一方、林芳正農林水産相も同日の会見で、戸別所得補償制度に関
し「農業者が今の制度を前提に準備を進めている」として、14年
度の予算編成に合わせて見直しを進める考えを強調した。
 安倍晋三首相は経済再生に最優先で取り組み、参院選で過半数を
獲得した後に本格政権をつくるシナリオを描いている。ただ、個別
の政策調整で手間取れば政権の足を引っ張りかねない。また、自民
党には「もらっていたものがもらえなくなれば、参院選に悪影響が
出る」との懸念もある。安倍政権が民主党の主要政策の見直しを先
送りするのは、参院選を見据え、当面は「安全運転」に徹する戦略
の一環といえる。(2012/12/28-19:48)
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甘利大臣、中期的な財政再建方針は維持 
 甘利経済再生担当大臣は「日本国債の信頼性を損なうと結局、日
本に跳ね返ってくる」と述べて、安倍政権でも中期的に財政再建を
目指していく方針は維持するべきだという考えを示しました。

 「中長期的な財政再建の方向は堅持する。大事なことは日本の国
債の信頼性を損なうというようなことは、結局ブーメラン効果で日
本に跳ね返ってくることになる」(甘利明経済再生担当相)

 甘利大臣は報道各社とのインタビューでこのように述べて、日本
国債の信頼を低下させないため、中期的に財政再建を目指す方針は
維持する考えを示しました。その上で「補正予算、当初予算でどこ
まで柔軟性が確保できるか、慎重なすり合わせが必要だ」と指摘し
ました。

 一方、成長力の強化に向けた外国人労働者の受け入れ問題では「
高度人材の受け入れは、日本の基盤強化や成長力強化につながって
いくだろう」と述べて、優秀な外国人労働者の受け入れに意欲を示
しています。(28日18:14)TBS
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「TPP反対」貫く=自民議連が会合
 環太平洋連携協定(TPP)に反対する自民党の議員連盟「TP
P参加の即時撤回を求める会」は28日、政権復帰後初の会合を開
いた。衆院選で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に
反対」と公約したことを踏まえ、森山裕会長は「どんなことがあっ
ても約束をたがえない活動を続けていく」と強調した。 
 公約が交渉参加に含みを持たせているとの見方を念頭に、出席議
員からは「党の方針として反対を明確に打ち出してほしい」との声
が相次いだ。外務政務官に起用された城内実氏は「(参加の)メリ
ットが全く分からない。アジアの成長を取り込むというのは抽象的
だ」と指摘した。
 会合は42回目。野党時代と一変し、傍聴者も含めると100人
以上が集まった。関係省庁からの出席者の役職もランクアップし、
与党復帰を印象付けた。議連の事務局によると、会員は初当選議員
らの新規入会で66人増え181人となった。(2012/12/28-16:02)
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70〜74歳の医療負担引き上げ…特例措置廃止
 政府・与党は、70〜74歳の高齢者が医療機関で払う自己負担
を1割に据え置いている特例措置について、2014年1月から段
階的に廃止し、医療制度改革関連法で定めている本来の2割負担に
引き上げる方針を固めた。
 与党では、参院選前の引き上げは負担増になる高齢者の反発を招
きかねないとして、13年中は特例措置を継続し、14年1月以降
、70歳に到達する人から順次、2割負担とする方向で調整してい
る。これに関連し、田村厚生労働相は27日の記者会見で「景気を
良くするのが前提条件だ」と述べ、引き上げ時期を慎重に判断する
考えを示した。
(2012年12月28日10時09分  読売新聞)
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復興庁の体制抜本強化を検討 
2012/12/28 2:00日本経済新聞 電子版
 根本匠復興相は東日本大震災の復興作業を指揮する復興庁の体制
の抜本強化を検討する。関係省庁が個別に事業を実施している現状
を改め、復興庁自らの予算と人員を確保する。被災地以外に復興予
算が使われたことなどで批判を受けた民主党政権との違いをアピー
ルする狙いだ。

 現地の要望が政策に反映されていないとの指摘を踏まえ、復興庁
の職員が被…
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首相、防衛大綱見直し指示 集団的自衛権で基本法も 
2012/12/27 21:53nikkei
 政府は安全保障体制の見直しに着手する。長期の防衛力整備の方
針を示す防衛計画の大綱(防衛大綱)を改定するほか、集団的自衛
権の行使を容認するため「国家安全保障基本法(仮称)」の制定を
検討する。

 防衛大綱は約10年後までを念頭においた防衛力のあり方を明示。
見直しでは中国や北朝鮮の動向をにらんで、日本の領域防衛に向け
て自衛隊の体制強化や米国との連携強化に取り組む方針を明記する
考え。同時に中期防衛力整備計画(中期防、2011〜15年度)も見直
す。

 自民党は政権公約に「防衛大綱・中期防を見直し、自衛隊の人員
・装備・予算を拡充する」と明記していた。防衛省内では陸海空各
自衛隊の主要装備数の概要を示す別表について、装備数を増やすよ
う求める声が強い。

 外交・安保政策を官邸主導で進めるため「国家安全保障会議」(
日本版NSC)の設置法も検討する。国家安全保障基本法とともに
菅義偉官房長官を担当相とし、外務・防衛など関係省庁と連携して
協議を進める。菅長官は国家安全保障会議設置について27日の記者
会見で「長期的な課題のなかで取り組んでいきたい」と述べ、関連
法案提出は時間をかけて検討する考えを示した。

 自民党の石破茂幹事長は同日、日本維新の会の石原慎太郎代表と
国会内で会談し、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射への対応に関し
「ミサイルを撃ち落とすために法整備を急ぎたい」と指摘。集団的
自衛権を行使できるようにする国家安全保障基本法の制定を急ぐ意
向を強調した。
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安倍政権、行政刷新会議を廃止 国家戦略会議も
 安倍新内閣は26日の初閣議で、いずれも民主党政権が設置した
行政刷新会議、国家戦略会議、行政改革実行本部の廃止を決定した。
菅義偉官房長官は理由について「より改革を断行できる組織でスタ
ートしたい」と述べた。

 また、長官は初閣議後の記者会見で、民主党政権でいったん廃止
し、その後事実上復活していた各府省庁の事務次官会議を存続させ
る必要性を強調した。廃止された次官による記者会見も「閣僚の会
見を補足する会見は必要だ」と語った。

 行政刷新会議は民主党が独自に始めた事業仕分けを担い、国家戦
略会議は成長戦略などを策定する機関と位置付けていた。
2012/12/27 06:05   【共同通信】
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日中外相会談を模索=岸田氏
 岸田文雄外相は27日未明の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島をめ
ぐり悪化した日中関係に関し、「新政権誕生を前向きな2国間関係
(の構築)に結び付けるため、外相会談も考えなければならない」
と述べた。ただ、具体的な時期は明言を避けた。
 自民党が衆院選公約の付属文書に盛り込んだ尖閣諸島への公務員
常駐の検討については、「尖閣の維持管理にどういった方法が国益
に資するのか、しっかり検討する」と語った。
 韓国が実効支配する島根県・竹島の領有権をめぐる国際司法裁判
所(ICJ)への単独提訴に関しては、「総合的な判断をこれから
するということに尽きる」として、慎重に検討する考えを強調した。
(2012/12/27-05:14)
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金融円滑化法の再々延長はない=麻生金融相
2012年 12月 27日 02:39 JST 
[東京 27日 ロイター] 麻生太郎副総理兼財務・金融・デフ
レ脱却円高対策担当相は27日未明の就任会見で、来年3月に期限
切れを迎える中小企業金融円滑化法について、再々延長はないと述
べた。

ただ、企業によって事情が異なるため「銀行には個別に十分対応す
るよう指示するのが金融庁の仕事だ」とし、急激な変化による影響
を和らげる激変緩和措置を含めた対策の必要性を改めて検討する考
えを示した。

麻生財務・金融相は、首相から金融行政面で4点の指示を受けたと
説明。具体的には、1)公正で活発な金融資本市場の構築に取り組
み、企業規制と資本市場法制を統合したガバナンス対策を構築する
、2)東日本大震災の被災者が抱える二重ローンの支援措置の抜本
的強化に取り組む、3)中小企業金融円滑化法の期限到来後を見据
え、中小企業の経営改善・事業再生を支援する施策に取り組む、
4)AIJ投資顧問の問題を踏まえて、公平・公正・透明な金融市
場への適正化を図り、金融商品に対する信頼確保に努める──だと
した。

欧米の財政金融問題など、内外市場の動向が日本の金融システムに
与える影響については「高い関心を持って注視していかないといけ
ない」と述べた。中小企業金融の円滑化、中小企業の再生・成長を
通じた地域経済の活性化、被災地における金融面の復興支援など「
課題が山積しているがしっかり対応したい」とした。

麻生氏は、財務相が金融担当相を兼務することに言及し、国際会議
は「金融と財政がバラバラ(で進められているわけ)ではない」と
説明。その上で「金融に端を発した問題がきわめて大きい国際情勢
の中にあって、金融と財務の兼務は時宜を得たものではないか」と
述べた。

日本郵政グループの金融2社による新規業務の認可申請をめぐって
は、かんぽ生命保険の新学資保険について金融庁が保険業法に基い
て審査をするとし「リスク管理をしっかりするのが必要だ」と指摘
した。ゆうちょ銀行の住宅ローンや法人融資などの新規業務は「金
融庁の審査は進んでいない」と述べるにとどめた。
(ロイターニュース 平田紀之;編集 久保信博)
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次官会議・次官会見、復活へ 官房長官が表明 
2012/12/27 1:45nikkei
 菅義偉官房長官は初閣議後の27日未明の記者会見で、民主党政権
が「政治主導」を理由に廃止した事務次官会議を復活させる意向を
表明した。

 自民党政権時代、次官会議は閣議案件を了承するために閣議の前
日に当たる毎週月曜と木曜に開かれていた。菅長官は各省の次官に
よる記者会見についても「閣僚の会見を補足するような会見は必要
だ」と述べ、再開させる意向を示した。

 「脱官僚依存」を掲げた民主党は2009年の政権交代後、次官会議
を廃止。各府省は閣僚と副大臣、政務官による政務三役によって意
思決定する仕組みを目指し、各府省間の事務レベルによる調整をや
めさせた。

 東日本大震災後は次官級の府省連絡会議を設けて官僚を使いこな
す方針に転じたが、最後まで政と官の関係はぎくしゃくしたままだ
った。
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安倍新内閣:「危機突破内閣」と位置付け発足
毎日新聞 2012年12月26日 21時04分
 第182特別国会が26日召集され、自民党の安倍晋三総裁(58
)が衆参両院本会議での首相指名選挙の結果、第96代首相に選出
された。安倍氏は直ちに組閣に着手し、同日夜、皇居での首相任命
式と閣僚の認証式を経て、公明党との連立による第2次安倍内閣が
発足した。安倍氏は新政権を「危機突破内閣」と位置付け、デフレ
脱却と経済再生に最優先で取り組む。来夏の参院選で勝利して衆参
の「ねじれ」を解消し、本格政権を目指す構えだ。【野口武則】

 閣僚人事では、盟友の麻生太郎元首相(72)を副総理兼財務・
金融担当相に、甘利明氏(63)を新設の経済再生担当相に起用。
茂木敏充氏(57)を経済産業相に充てた。3氏はいずれも自民党
政調会長経験者で、「経済シフト」が鮮明になった。

 また、9月の党総裁選への立候補を断念した谷垣禎一前総裁(67
)を法相に起用。総裁選で争った石原伸晃前幹事長(55)を環境
相兼原子力防災担当相、林芳正元防衛相(51)を農相でそれぞれ
処遇し、「挙党一致」を演出した。安倍氏が重視する外交・安全保
障分野では、岸田文雄元沖縄・北方担当相(55)を外相、小野寺
五典元副外相(52)を防衛相に充てた。

 18人の閣僚のうち初入閣は、小野寺氏▽新藤義孝総務相(54
)▽下村博文文部科学相(58)▽田村憲久厚生労働相(48)▽
太田昭宏国土交通相(67)▽根本匠復興相兼原発事故再生担当相
(61)▽古屋圭司国家公安委員長(60)▽山本一太沖縄・北方
担当相(54)▽森雅子少子化担当相(48)▽稲田朋美行政改革
担当相(53)??の計10人で、清新さをアピール。古屋氏は、自
公両党が重要政策と位置付ける「国土強靱(きょうじん)化」担当
も兼務する。

 安倍氏は26日午前、国会内で記者団に「今日の空のようなさわ
やかな気持ちでこの日を迎えた。前回の挫折を含めて政権を担った
経験を生かして、安定感のある政権運営をしていきたい」と語った。

 首相指名選挙は、衆院(投票総数478票)では安倍氏が328
票を獲得。参院(同234)は1回目の投票で安倍氏107票、民
主党の海江田万里代表87票といずれも過半数を超えず、決選投票
に持ち込まれた。上位2人による決選投票の結果、安倍氏が107
票、海江田氏が96票、無効・白票31で、安倍氏が指名された。



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