4560.安倍内閣の原発政策は?



安倍政権の政策を予測することは重要である。それに対しての意見
があれば、ここで提案することになる。原発政策は、存続という方
向であり、40年の制限もなくするということである。ある意味、
正しいことである。

茂木敏充経済産業相は28日、原発の運転期間を40年間に厳格に
制限するという民主党前政権の方針について、変更の可能性を示唆
し、「2030年代に原発ゼロという決めつけはしない」と見直し
の意向。

「送配電部門の中立性を高めること、広域系統運用の拡大について
は方向性は明確」と指摘し、改革路線を受け継ぐ。また、「原子力
については安全性を第一に考える。その観点からどういう組織、経
営形態がいいのかということを判断していきたい」とした。原発の
国策民営も選択子に残したようである。

原子力規制委員会による安全性の確認を前提としたうえで、「政府
の責任で再稼働する」と強調。今後、活断層がある疑いの原発の運
転再開を認めるのかという点に焦点が当たる。

しかし、使用済み燃料問題に対しては、どうするのかという問題を
早急に検討する必要があり、世界の動向は軽水炉から水素を作る高
温ガス炉にシフトが明確化している。このまま、軽水炉をどんどん
新設することは、次の時代の要請に追従できなくなる。

中国や韓国は、トリウムを利用した高温ガス炉に2030年に向け
て取り組んでいる。日本はここでも遅れることになりそうである。

早く、世界の動向に対応した原子炉政策を検討しないと、この分野
でも中国企業、韓国企業に遅れをとることになる。

トリウム溶融塩炉の検討を開始して、プルトニウムやアメリウム、
ストロンチウムなどの長期放射線物質の消滅と水素製造の両方に有
効な技術を確立しないといけない。中国も同様な方向にシフトして
いるので、心配である。

もう1つが、今の再生エネルギー政策で、小型風力や太陽光発電の
買取価格が高すぎることが問題である。このまま放置すると、電力
価格が高くなり、日本の産業がもたないことになる。この価格見直
しを早急に行い、適正価格にすることである。太陽光発電のパネル
も安い中国製に席巻されるだけで、日本メーカーのためになってい
ない。小型風力は日本企業が強いが、やはり海外メーカの方が安い
ために、流れている。

それと、シェールガスの輸入ができるように、米国とのTPPを早急に
結ぶことが必要である。韓国はFTAを米国と結んでいるのでシェール
ガスを輸入できるが、日本はできていない。米国とのFTAよりTPPの
方が条件が緩いので、絶対TPPを結ぶべきである。

このような多面的な対応で、中東からの86%輸入の石油を減らし
て、中国に南シナ海を封鎖されても、エネルギー供給ができるよう
にすることが重要である。

このようにエネルギー政策は、安全保障と密接に絡んでいるので、
絶対に方向性を明確化して、政権交代があってもシフトしないよう
な政策を確立して欲しい。

さあ、どうなりますか?

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原発40年運転制限、変更の可能性を示唆=経産相
2012年 12月 28日 21:40 JST 
[東京 28日 ロイター] 茂木敏充経済産業相は28日、ロイ
ターなどのインタビューで、原発の運転期間を40年間に厳格に制
限するという民主党前政権の方針について、変更の可能性を示唆し
た。

前政権のもとで進めた小売りの完全自由化などの電力改革について
は「方向性は明確」と述べ、方針の継承は可能とする一方で、原発
の国策民営の見直しについては否定的な見解を示した。

茂木経産相は同日午前の閣議後会見で、今年9月に前政権が掲げた
「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう政策資源を総動員
する」との脱原発方針について、「2030年代に原発ゼロという
決めつけはしない」と見直しの意向を表明。原発稼働ゼロは、
1)40年運転制限を厳格適用する、2)原子力規制委員会の安全
確認を得たもののみ再稼働する、3)原発の新増設は行わない、と
いう3つの基本方針で構成していたが、同相は27日未明の就任会
見で、新増設について「現時点でイエス、ノーを決めるのではなく
て、専門的知見を十分に蓄積した上で今後の大きな政治判断になっ
ていく」と、前政権からの方針転換に含みを残した。

経産相はインタビューで、脱原発へのもう一つの柱となる40年運
転制限の扱いについて、「新政権が出来たわけだから、根底から全
て(の見直し)はやらないが、検証が必要な問題はきちんと検証し
た上で今後の進め方を決めたい」と指摘し、この点についても変更
の可能性をにじませた。40年運転制は、今年改定された原子炉等
規制法でも規定されているが、「20年を超えない範囲で1回に限
り」延長可能。また、今年6月にまとまった、同法改正に向けた当
時の与野党協議で、自民党側の主張により「必要があるときは見直
す」との条項が付き、変更の余地を残している。

<国策民営は維持の方向か>
民主党の枝野幸男・前経産相は、電力小売りの全面自由化や発送電
分離などの電力改革を進めた。電力システム改革の今後の扱いにつ
いて茂木経産相は、「送配電部門の中立性を高めること、広域系統
運用の拡大については方向性は明確」と指摘し、改革路線を受け継
ぐことは否定しなかった。

自由化拡大で競争が激化すると、電力会社にはコスト削減圧力が強
まるが、原発の安全対策費は今後増える見込みで、国策民営を維持
したままでは、完全自由化などの電力改革で実効を上げるのは困難
との見方もある。枝野氏は、大惨事となった福島第1原発事故を起
こした東京電力が法的に破綻処理されずに政府から巨額の資金支援
を受けたことを踏まえ、「原発は事実上、国が運営する以外にはな
い」と、民営方式の見直しを主張している。

「電力自由化と原発の国策民営は相性が良くないのでは」との質問
に対し茂木経産相は、「その印象と私が具体的に進めていくことは
必ずしも一致しない。原子力については安全性を第一に考える。そ
の観点からどういう組織、経営形態がいいのかということを判断し
ていきたい」と語った。
(ロイターニュース 浜田健太郎;編集 大林優香)
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原発ゼロ、白紙に…石原環境相「現実的でない」
読売新聞 12月28日(金)7時58分配信
 第2次安倍内閣が、民主党政権が掲げた「2030年代の原子力
発電稼働ゼロ」目標をいったん白紙に戻すことが確実になった。

 石原環境相は就任翌日の27日、福島県を訪れ、「(原発稼働ゼ
ロは)現実的ではない」と批判し、茂木経済産業相も就任直後の記
者会見で「再検討が必要だ」と述べた。自民党は公明党との連立政
権合意文書で、原発依存度を下げる方向で一致しており、今後、エ
ネルギー政策全体をどのように見直すかが焦点になる。

 民主党政権は9月、原発の新増設を認めず、40年運転制限を厳
格に適用することなどを盛り込んだ革新的エネルギー・環境戦略を
策定した。しかし、中長期的なエネルギー政策の全体像を示す「エ
ネルギー基本計画」は結局、同戦略に批判的な有識者委員会との溝
が埋まらず、先送りされたままだ。
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民主の「2030年代原発ゼロ」再検討
2012.12.28 07:20sankei
 安倍晋三内閣は、民主党政権が打ち出した「2030年代に原発
稼働ゼロ」を目指すとしたエネルギー政策の見直しに乗り出す。

 茂木敏充経済産業相は会見で原発ゼロについて、「再検討が必要
」と表明した。原発ゼロの目標の見直しを明言したのは新政権の閣
僚では初めて。

 茂木氏は原子力規制委員会による安全性の確認を前提としたうえ
で、「政府の責任で再稼働する」と強調。民主党政権では、再稼働
の最終判断に政府が関与するのかあいまいだったが、方針を転換す
る。

 民主党政権は太陽光発電などの再生可能エネルギーを大きく普及
させることで、原発ゼロにするシナリオを描いた。だが、発電コス
トが高く設備導入などで家計負担を強いる可能性があり、有識者か
ら実現性を疑問視されていた。

 安倍内閣はこうしたエネルギー政策を現実路線に転換させる。
10年以内に原発稼働比率を含めた望ましい電源構成を決める方針
で、安全性を確保した原発の利用を認め、電力の安定的な供給を模
索する。

 安倍首相は側近の6人の首相秘書官のうち経産省から2人を登用
した。政務担当には第1次安倍内閣でも首相秘書官だった元経産省
資源エネルギー庁次長の今井尚哉氏を、事務担当には経済産業政策
局審議官だった柳瀬唯夫氏をそれぞれ充てた。柳瀬氏は、原発を日
本の主力エネルギーとして位置付けた平成18年の「原子力立国計
画」をまとめた事務局で働いていた経歴の持ち主。「原発ゼロ」の
見直しに向けた人事シフトがうかがえる。



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