4550.北朝鮮のミサイル発射でどうなる?



12月12日午前9時49分に北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射
した。先週に続いて、北朝鮮の解析を行う。津田より

0.ミサイル発射と衛星
11日にミサイルを修理するために発射台から外したと報道があり
、12日に発射はないとJR東海・飯田線に乗っていたら、電話で
北朝鮮のミサイル発射を知った。個人的には完全に裏を掛かれたと
の思いである。

日本政府は、発射された機体が10時1分ごろ、沖縄県上空を通過
し、10時5分ごろにフィリピンの東方約300キロの太平洋に落
下したとみられると発表。北朝鮮メディアは「人工衛星の打ち上げ
に成功した」と伝え、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)も「
(人工衛星の)軌道に乗ったとみられる」と発表した。

この「衛星」は、地球の北極と南極を通る高度494〜588キロ
のほぼ円軌道を回っている。しかし、軌道上には4つの物体があり
、地上からの制御信号が確認できないという。衛星の制御ができて
いない模様である。

また、日米の専門家は大陸間弾道ミサイル(ICBM)に向けた「
前進」と警戒しつつも、「少なくとも一両年で完成することはあり
得ない」と分析する。今回のミサイルで打ち上げた「衛星」は重量
100キロ。北朝鮮が核弾頭の小型化に成功しても500〜1000
キロになるため、搭載できる重量を増す必要がある。

このためには1段目の推力強化が必要で、(1)4本束ねたエンジ
ンの本数増(2)エンジン自体の改良(3)補助ロケットの装着−
が想定されるが、「技術的に簡単に突破できるとは思えない」とい
う。

また、宇宙開発に詳しい未来工学研究所の稗田理事は「再突入用の
ノーズコーン(先端部)は衛星打ち上げ用カバーと全く異なり、設
計が非常に難しいし、ミサイル開発で協力関係にあるイランにも技
術はなく、中国の協力も得られまい」という。

このため、再度のミサイル発射があるようだ。金正恩第1書記がミ
サイルが発射された北西部・東倉里の「西海衛星発射場」を訪問し
、発射場の近代化を指示した。そして、発射を継続する意向を表明
しており、現場訪問と施設整備の指示でミサイル開発に向けた強い
意志を示した。

米マサチューセッツ工科大のセオドア・ポストル教授は、2006
年以降、約3年ごとに事実上の長距離弾道ミサイルを発射していた
北朝鮮が今回は前回から8カ月で発射に踏み切ったことを踏まえ「
(今後は)短い間隔で実施する可能性がある」との見方を示した。

元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長は13日、北朝鮮の長距離
ロケット発射に関し、「3段目の分離後に飛行ルートを変更する誘
導操縦技術を獲得したとみられる」と話した。

森本敏防衛相は、「北朝鮮のミサイルの技術が進展していると見ざ
るを得ない」と深い懸念を表明し、北海道大大学院の永田教授(宇
宙工学)によると北朝鮮は「衛星」と主張する物体を地球の周回軌
道付近に狙い通り投入したとみられ、「ミサイル制御の精度はかな
り高いと思っていい」とした。日本にとっては、脅威が増したと分
析している。

事実、CIA関係者は北朝鮮が韓国や日本を標的としてとらえた核弾頭
搭載可能のミサイル合計600〜800基をすでに配備しており、
今回の発射はそれらミサイルの性能向上にも寄与するだろうとも分
析している。

このため、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が増す中、急遽、米政府は
海上自衛隊のイージス艦2隻の近代化に必要な装備を売却する方針
を決め、日本政府に伝えた。売却により海上自衛隊のイージス艦6
隻全てが弾道ミサイルの迎撃能力を持つことになる。危機感のため
である。

しかも、北朝鮮が12日の長距離ロケット発射に続き、いつでも3
度目の核実験ができるよう準備していることが把握された。韓国国
会情報委のセヌリ党幹事の鄭文憲(チョン・ムンホン)議員は13
日、「情報委全体会議(12日)で国家情報院は『核実験の可能性
がある。いつでもできるよう準備されている』と伝えた」とし「予
想時期については『今日・明日にもしようと思えば可能』と報告し
た」と。

1.北朝鮮の欺瞞工作
北朝鮮が長距離ロケットを発射する前日の11日、発射台に設置し
たロケットを解体したという報道があった。11日午後、北朝鮮が
ロケットの修理のために解体し始めたという一部の報道が出た後、
政府当局者は確認も否認もしないNCND(事実上の確認)と「10
日以内の発射は難しいようだ」という説明をした。これに基づき、
11日午後から12日に北朝鮮がロケットを発射する前まで、「年
内の発射は難しいだろう」という報道が相次いだ。

在中国の北朝鮮軍関係者は、「12日の発射は当初の予定通りだっ
た」と語った。発射前日に機体の解体情報が流れたが、この関係者
は「虚偽情報だ」とした。発射予告期間を延長したことについては
、警戒を強める日米韓を欺く狙いがあったと。

韓国国防省報道官は13日「北朝鮮が(周辺国を)欺くためのさま
ざまな行動をとっていたようだ」と述べた。報道官はまた、発射場
周辺の状況について「(11日の)午前と午後の状況が若干変わっ
た。(解体されたとの報道は)午前の状況に基づくものだった」と
発言。「軍は午後には発射台にミサイルが設置されている状況を注
視していた」とした。

国際安全保障の米民間調査機関「リグネット」は12日「北朝鮮が
ミサイルの発射を遅らせたかのように偽装し、米国側の情報機関を
驚かせる形で発射したことは米側情報機関の活動の失敗を意味しう
る」とした。

しかし、米情報当局者は13日、「発射台解体説についてはわれわ
れが全く知らない話」とし「われわれはこうした情報を出していな
い」と否定した。

そして、産経によると「米国政府が日本には『北朝鮮のロケット発
射が迫った』という情報を伝えたが、(韓国政府に対する)不信感
のために詳細な衛星情報を韓国には提供しなかった」と複数の日本
政府関係者の言葉を引用して報道した。同紙は「欠陥が見つかった
ロケットを発射台から撤去し、直ちに予備ロケットを設置したため
発射が可能だったというのが、日本政府の判断」とし「いったん撤
去された後の新しい情報を、米国が日本には伝えながらも、韓国に
は伝えなかったとみられる」と伝えた。

そのため、日本の森本防衛大臣、選挙中にもかかわらず長島副大臣
などが詰めていたのである。しかし、インテリジェンスのために、
日本国民には事前には報道されずに韓国の報道が日本でも報道され
たようである。

竹島問題後、韓国が連米連中政策を取っていることで、米国も韓国
に違和感を持っているようである。韓国は大変なことになりそうで
ある。ウォン高などもあり、離米は日米から大きな報復が起きる可
能性を感じる。

2.国連安保理での制裁は?
国連安全保障理事会は12日、北朝鮮による事実上の長距離弾道ミ
サイル発射を「非難する」との報道機関向け談話を採択したが、談
話に「非難」の文言を盛り込むかどうかなどを巡り、米中両国が安
保理非公開会合で対立、約1時間にわたる異例の激論を交わしてい
た。

そして、北朝鮮への制裁強化に向け、国連安全保障理事会の対応を
巡る交渉が本格化する。北朝鮮問題への影響力が強い米国と中国が
、週初から2国間で本格交渉を始める見通しとなった。

しかし、中国外務省の洪磊副報道局長は13日、日米韓などが国連安
全保障理事会で北朝鮮への制裁強化の新決議や議長声明の採択を目
指していることに関連し「安保理での反応は慎重かつ適度にすべき
だ。朝鮮半島の平和と安定を守り、状況がエスカレートするのを避
けるようにすべきだ」と強調し、北朝鮮への制裁強化に慎重な姿勢
を崩さなかった。

そして、北朝鮮への対応について、「(北朝鮮核問題を巡る)6か
国協議のプロセスと朝鮮半島非核化の推進が、各国の共通利益に合
致する」と述べ、事態打開のためとして6か国協議の早期再開を呼
びかけた。

これに対して、米国務省のヌーランド報道官は、北朝鮮がこれまで
の米国側の対話の努力に挑発行為で応じてきたとしたうえで、「(
北朝鮮の核問題を巡る)6か国協議の再開を困難にするものだ」と
拒否した。

ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は14日、北朝鮮ミサイル
発射をめぐり「国連安全保障理事会が取り得るさまざまな対応につ
いて、われわれは建設的に協議する」と述べ、制裁なども検討する
とした。

このように中国だけが制裁に消極的なので、韓国の金星煥外交通商
相は14日午前、北朝鮮に対する制裁措置に関し、「国際社会で共
にできる措置は共に行う。また、全ての国が同じ強さで行うわけで
はないので、足りない部分は意を同じくする国同士、2国間レベル
で共に行うことを検討している」と述べた。

 国連安全保障理事会を通じた制裁とは別に、日米、欧州連合(EU
)などと連携した独自制裁を指すものだ。

日米韓3カ国が国連安全保障理事会を通じて実施する制裁は、禁輸
品目を追加し、資産凍結や金融取引を禁止する対象の個人・団体も
拡大。制裁の履行を確実にするため北朝鮮向けの貨物検査を加盟国
に義務付けることも検討している。しかし、中国は反対である。有
志連合による独自制裁の方向になるのであろうが、それでは効果は
疑問がある。

北朝鮮は12日、事実上の長距離ミサイル発射である「衛星」打ち
上げに関し、「宇宙の平和利用の権利は、普遍的な国際法で認めら
れたもので、国連安保理がとやかく言える問題ではない」と正当性
を主張し、「誰が何と言おうと、合法的な衛星発射の権利を引き続
き行使する」と表明した。

さあ、どうなりますか?

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北朝鮮への追加制裁、禁輸品拡大を検討 日米韓 
2012/12/16 2:02日本経済新聞 電子版
 【ニューヨーク=中山真】北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を受
け、日米韓3カ国が国連安全保障理事会を通じた実施を検討してい
る追加制裁の概要が15日、明らかになった。禁輸品目を追加し、資
産凍結や金融取引を禁止する対象の個人・団体も拡大。制裁の履行
を確実にするため北朝鮮向けの貨物検査を加盟国に義務付けること
も検討する。3カ国は拘束力のある決議にこれらの措置を盛り込み
たい考えだ。

 日米韓などは週初から他の諸国にも呼びかけている。
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対北朝鮮制裁強化、米中が週初に本格交渉へ 
2012/12/16 2:00日本経済新聞 電子版
 【ニューヨーク=杉本貴司】北朝鮮への制裁強化に向け、国連安
全保障理事会の対応を巡る交渉が本格化する。北朝鮮問題への影響
力が強い米国と中国が、週初から2国間で本格交渉を始める見通し
となった。米国などは週内の決着を目指しているが、制裁強化に反
対する中国と妥協点を見いだせるかは不透明で、長期化を予想する
声も漏れ始めた。

 「我々はまだ長い交渉の入り口にしかいない」。15日、安保理メ
ンバーであるドイツの大使が言う。
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「正恩氏は現実知らず好き勝手」成果なく1年
 【ソウル=門間順平】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が
死去してから、17日で1年。

 後継者の金正恩(キムジョンウン)第1書記は、事実上の長距離弾
道ミサイル発射で権威の誇示を図ったものの、国民生活の向上や政
権基盤固め、対外関係の確立などでは具体的な成果はなく、課題が
山積している。

 「我が国の総合的な国力の一大誇示だ」――。15日の北朝鮮国
営メディアによると、正恩氏は北西部・東倉里(トンチャンリ)の発
射場を訪ねて科学者や技術者をねぎらい、金日成(キムイルソン)主
席と金総書記の遺体に「(発射を)報告しよう」と語った。14日
には平壌で15万人規模の祝賀集会を開催。しかし、国際社会の反
発を覚悟で発射を強行したこと自体、体制の基盤が依然不安定で、
何らかの成果を打ち出すのを迫られていたと言える。

 正恩氏は4月の金主席生誕100年記念日に行った初演説で、「
人民が二度とベルトを締め付けない(飢えない)ようにする」と述
べ、改革に意欲的と期待された。6月末に発令したとされる「新経
済管理改善措置」では、農業分野の改革を打ち出し、農家は収穫の
7割を国家に納めれば、残り3割を自由に処分できると見込まれて
いた。

 ところが、北朝鮮消息筋によると、実際には全量を国に納め、3
割相当分の現金を還元する形となり、国に納めた農作物の多くは軍
に回って市場に出ず、穀倉地帯とされる南西部・黄海道(ファンヘド
)で大量の餓死者を生むという悲惨な結果となった。

 一方で、5月には全国の遊園地を管理する「遊園地総局」を新設。
韓国メディアによると、党の古参幹部の間からは「子どもが現実を
知らずに好き勝手にやっている」との不満が漏れている。ミサイル
発射への住民の反応も、「食べていくのが精いっぱいで、関心がな
い」と冷ややかだと消息筋は話す。
(2012年12月15日23時06分  読売新聞)
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正恩体制、乏しい成果=党中心回帰で徐々に安定−金総書記死去1
年・北朝鮮
 【ソウル時事】北朝鮮の金正日総書記が死去して17日で1年。
後継者の三男金正恩氏(29)は政治基盤を徐々に固め、体制は比
較的安定しているもようだ。ただ、12日の事実上の長距離弾道ミ
サイル発射「成功」以外のめぼしい成果はまだない。
 正恩氏は今年4月に労働党第1書記に就任し、新体制が公式始動
した。軍事優先の金総書記の路線から離れ、祖父の金日成主席時代
と同様の党中心の体制を目指している。
 公開演説や国民とのスキンシップも、信望の厚かった金主席そっ
くり。一方、米国文化を取り入れたモランボン楽団の創設や、李雪
主夫人の披露など、独自色も打ち出した。外交筋は「変化を示しな
がら住民に希望を与え、求心力を高めようとしている。住民の受け
止めはおおむね好意的なようだ」と指摘する。(2012/12/15-14:55)
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正恩氏、ミサイル発射場を訪問 施設近代化を指示
 【平壌共同】北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、金正恩第1書記が
人工衛星打ち上げと称してミサイルが発射された北西部・東倉里の
「西海衛星発射場」を訪問し、発射場の近代化を指示したと報じた。

 金第1書記は打ち上げ当日の12日、発射を継続する意向を表明
しており、現場訪問と施設整備の指示でミサイル開発に向けた強い
意志をあらためて印象づけた。訪問日は不明。

 金第1書記は「科学技術の発展に投資を惜しんではならない。先
軍(軍事優先)時代の要求に合うよう、この一帯を一新させなけれ
ばならない」と訴えた。
2012/12/15 06:37   【共同通信】
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北朝鮮、次の手に強まる警戒感 金正恩氏「打ち上げ継続」 
2012/12/15 0:25nikkei
 「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮。
14日には金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が発射後に「打ち上
げを継続しなければならない」と表明したと伝えられ、核・ミサイ
ル開発の加速を図る姿勢が鮮明になった。韓国などでは近く3度目
の核実験を強行する可能性も指摘されており、関係国は正恩氏の「
次の一手」に警戒を強めている。

 北朝鮮専門家の間では、正恩氏の発言を裏付ける指摘も聞かれる
。今年4月までは約3年だった発射の間隔が、今回は8カ月と大幅
に短縮されている。ミサイル関連技術に加えて生産能力も向上した
とみられ、来年には次の発射に踏み切るとの観測も広がる。

 一方、今回の発射をうけ、日米韓では核実験強行への懸念も強ま
る。

 「(3度目の)核実験が続く蓋然性が高い。情報を総合すると準
備が相当進んだ状態だ」。韓国の柳佑益(リュ・ウイク)統一相は
14日、国会の委員会で危機感をあらわにした。

 北朝鮮は今回の発射で長距離弾道ミサイル技術が大きく進歩して
いることを内外に印象づけた。長期的には核弾頭の小型化などに必
要な核実験を「ミサイル実験とセットととらえている」(日米外交
筋)とされる。

 実際、北朝鮮は2006年のミサイル発射の3カ月後、09年の発射の
1カ月後にそれぞれ核実験を強行。正恩氏も父、金正日総書記によ
る前例を重視し、年明けには核実験に踏み切るという見方も根強い。
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韓国、北朝鮮への独自制裁検討 「発射防ぐ措置必要」
2012年12月14日23時15分
 【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」として実
施した長距離弾道ミサイルの発射実験に対し、韓国の金星煥(キム
ソンファン)外交通商相は14日、国連安全保障理事会での制裁強
化が中国の反対などで十分にできない場合、日米などと連携して独
自の制裁を検討する考えを示した。

 金外相はこの日、国会の委員会で「北のミサイル能力は向上して
いるが、まだ完成しておらず、さらなる実験を防ぐための措置が必
要だ」と強調。「ミサイルや核に関連する物資の遮断に重点を置く
べきだ」などと述べた。

 まずは安保理での制裁強化を目指して「中国を説得している」と
したが、十分な成果を得られない場合には日米などと連携し、「別
途の制裁措置をとることを考えている」とした。韓国政府関係者に
よると、船舶に関する制裁強化などを念頭に置いているという。
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新たな安保理決議も視野=北朝鮮に圧力も−ロシア外務省
 【モスクワ時事】ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は14
日の記者会見で、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け「国
連安保理でのあらゆる対応について建設的に議論する用意がある」
と述べた。ロシアが新たな決議採択も視野に入れていることを明ら
かにした。
 ロシア外務省は12日の声明で、ミサイル発射に「深刻な懸念」
を表明した上で、ロ朝間の経済協力中止の可能性を示唆。北朝鮮が
挑発をエスカレートさせた場合、これまで対話を重視してきたロシ
アが、日米韓に近い圧力をかける姿勢に転じる可能性もある。
(2012/12/14-20:42)
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北朝鮮、発射間隔を短縮か 米大教授、生産力に注目
 【ワシントン共同】ミサイル技術に詳しい米マサチューセッツ工
科大のセオドア・ポストル教授は13日、2006年以降、約3年
ごとに事実上の長距離弾道ミサイルを発射していた北朝鮮が今回は
前回から8カ月で発射に踏み切ったことを踏まえ「(今後は)短い
間隔で実施する可能性がある」との見方を示した。共同通信の取材
に答えた。

 その上で、北朝鮮が長距離弾道ミサイルをどれだけの期間で生産
する能力を持つのかが「問題となる」と説明、同国のミサイル技術
が進展した恐れがあると分析した。

 ただ、同教授は今回の発射で北朝鮮は人工衛星を打ち上げる「初
期技術を確立しただけだ」とも指摘した。
2012/12/14 17:05   【共同通信】
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失敗の科学者励ます=4月の発射で正恩氏−北朝鮮
 【ソウル時事】北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞(電子版)は14
日、今年4月、事実上の長距離弾道ミサイル発射に失敗した際、金
正恩第1書記が科学者、技術者を励ました話を紹介した。朝鮮通信
(東京)が伝えた。
 正恩氏は「人はご飯を食べて育ち、科学は失敗の中からぐんと伸
びるものです。しかし、失敗をし過ぎると消化不良を起こします」
と笑って述べたという。発言の日時は不明。
 正恩氏はまた、発射に参加したすべての関係者の健康と安全のた
めの対策を講じ、女性科学者に高級化粧品を贈ったという。
(2012/12/14-15:34)
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韓国国家情報院「北朝鮮の核実験、今日・明日にも可能」
2012年12月14日14時34分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
  北朝鮮が12日の長距離ロケット発射に続き、いつでも3度目の
核実験ができるよう準備していることが把握された。国会情報委の
セヌリ党幹事の鄭文憲(チョン・ムンホン)議員は13日、「情報
委全体会議(12日)で国家情報院は『核実験の可能性がある。い
つでもできるよう準備されている』と伝えた」とし「予想時期につ
いては『今日・明日にもしようと思えば可能』と報告した」と述べ
た。 

  キム・ミンソク国防部報道官もこの日の記者会見で、「北朝鮮は
昨年夏の台風で破損した豊渓里の実験場施設を復元し、(核実験の
ための)準備にそれほど長い時間がかからないほどの能力を備えた
とみている」とし「必要なら核実験をすることが可能だ」と明らか
にした。 

  軍関係者は「政治的な決心さえすれば、数日以内に核実験を敢行
できる準備をしている状態と分析される」とし「しかし今はまだ核
実験が迫ったという兆候は確認されていない」と伝えた。 

  これに先立ち金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官は前日、国
会国防委に出席し、「北朝鮮の3度目の核実験の準備はかなり進ん
だ状態だと評価している。政治的な判断さえすれば短期間の準備で
実験をするのではないかとみている」と話した。 

  スタンフォード大国際安保協力センター(CISAC)のニック
・ハンセン客員研究員は12日(現地時間)、聯合ニュースのイン
タビューで、「実際に実験するかどうかは政治的な判断で決まると
見られるが、近いうちに核実験が行われるだろう」とし、このよう
に述べた。 

  ハンセン氏は7日、豊渓里核実験場付近の非舗装道路は水害被害
の復旧が終わったとみられるとし、「最近、車両が頻繁に移動した
痕跡がある」と公開した。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM
)製造能力については、「銀河ロケットは大きさや支援システムな
どからみて、低いレベルのICBM武器にはなるだろう」と評価した。	

 またジョナサン・ポーラック米ブルッキングス研究所研究委員は
13日、中央日報のインタビューで、「オバマ大統領の2期目の任
期が始まる来年1月に北朝鮮が3度目の核実験をする可能性が高い
とみている」と述べた。ボーラック氏は「プルトニウムよりは高濃
縮ウラン(HEU)を利用した核実験の可能性が相対的に高い」と
語った。 

  一方、元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長は13日、国会情
報委に出席し、北朝鮮の長距離ロケット発射に関し、「3段目の分
離後に飛行ルートを変更する誘導操縦技術を獲得したとみられる」
と話したと、セヌリ党の鄭文憲議員、民主統合党の鄭清来(チョン
・チョンレ)議員がブリーフィングで伝えた。元院長は「3段目に
ミサイル補助エンジンが適用されたため、実験発射なく07年に舞
水端里に実戦配備されたミサイル試験も兼ねたようだ」と説明した。
ロケットに搭載された衛星の軌道進入については「北朝鮮は金日成
(キム・イルソン)将軍の歌が通信されていると主張しているが、
韓国や他の国ではまだ確認されていない」と述べた。
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有志による独自制裁も検討=安保理では中国が消極的−韓国外相
 【ソウル時事】韓国の金星煥外交通商相は14日午前、国会で、
北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル発射に対する制裁措置に関し
、「国際社会で共にできる措置は共に行う。また、全ての国が同じ
強さで行うわけではないので、足りない部分は意を同じくする国同
士、2国間レベルで共に行うことを検討している」と述べた。
 国連安全保障理事会を通じた制裁とは別に、日米、欧州連合(EU
)などと連携した独自制裁を指すものだ。金融制裁や船舶の入港制
限などを念頭に置いているとみられる。
 金外相は、国連安保理を通じた北朝鮮への制裁に関し「中国は前
向きな立場ではないが、説得している」と語った。
 制裁の内容については「核やミサイル関連物資の一部が北朝鮮に
入っている。それを遮断することに重点を置くべきだ」と強調。「
中国が安保理で決議されたさまざまな事項を確実に守ることがカギ
だ」と述べ、中国が制裁の抜け穴にならないよう注文を付けた。
 金外相はまた、ミサイル発射予告の直前に中国の李建国全国人民
代表大会(全人代)常務副委員長兼秘書長らが訪朝したことに関連
し、中国側から聞いた話として「中国側は発射しないでほしいとの
立場を説明したが、北朝鮮は自らの立場を述べた」と語った。中国
側が発射自制を求めたのに対し、北朝鮮側は、人工衛星の打ち上げ
であり、平和的な宇宙利用だとの立場を示したとみられる。
(2012/12/14-12:43)
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正恩氏「さらなる打ち上げを」 自ら指揮、成功に大満足
2012年12月14日11時24分
 【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」として12
日に長距離弾道ミサイルの発射実験をした際に、金正恩(キムジョ
ンウン)第1書記は自ら「親筆命令」を下し、衛星管制総合指揮所
で一部始終を見守っていた。朝鮮中央通信が14日未明に伝えた。
大満足し、さらなる「打ち上げ」を指示したという。

 ラヂオプレス(RP)によると、14日付の朝鮮労働党機関紙、
労働新聞(電子版)は1〜3面に指揮所を訪れた正恩氏や「親筆命
令」の写真を掲載し、朝鮮中央テレビも14日朝の臨時ニュースで
報じた。平壌では同日、成功を祝う「平壌市軍民慶祝大会」が開か
れた。
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中国の主張は冗談・米だけで決めるな…安保理
 【ニューヨーク=柳沢亨之】国連安全保障理事会は12日、北朝
鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射を「非難する」との報道
機関向け談話を採択したが、談話に「非難」の文言を盛り込むかど
うかなどを巡り、米中両国が安保理非公開会合で対立、約1時間に
わたる異例の激論を交わしていたことがわかった。

 外交筋によると、米国が会合で談話の草案を提示。草案は「弾道
ミサイル技術が使われた」と指摘、「域内の安定を損なう」とし、
「非難する」ことを明示していたが、中国の李保東国連大使は、こ
の三つの表現を削除するよう求めた。

 これに対し、米国のライス国連大使は「安保理は既に北朝鮮に対
し、二つの決議と二つの議長声明を出したのに、まだそんなことし
か言えないのか」「中国の主張は冗談に過ぎない」などと批判。李
大使も「米国だけが安保理の意向を決められるのではない」と反論
した。

 見かねた議長国モロッコのルリシュキ国連大使が、いったん協議
を中断。約15分後に再開すると、李大使は「域内の安定を損なう
」の文言以外の二つの表現を容認するとの姿勢に軟化し、ライス大
使もこれを受け入れ、談話採択にこぎ着けた。

 談話は、弾道ミサイル技術を使った発射を禁じた対北朝鮮決議に
対する「明白な違反」と明示した。

(2012年12月14日10時28分  読売新聞)
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北ロケット解体説ミステリー…米国「情報出していない」(1)
中央日報日本語版 12月14日(金)10時20分配信
北朝鮮が長距離ロケットを発射する前日の11日、発射台に設置し
たロケットを解体したという報道があった。11日午後、北朝鮮が
ロケットの修理のために解体し始めたという一部の報道が出た後、
政府当局者は確認も否認もしないNCND(事実上の確認)と「10
日以内の発射は難しいようだ」という説明をした。これに基づき、
11日午後から12日に北朝鮮がロケットを発射する前まで、「年
内の発射は難しいだろう」という報道が相次いだ。

これに対し、米情報当局者は「なぜそのような話が出てきたのか分
からない」と疑問を韓国側に表してきた。11日午後に解体報道が
出た直後だった。米国側はロケット解体の事実自体がなかったと見
ていた。匿名を求めた米情報当局者は13日、「発射台解体説につ
いてはわれわれが全く知らない話」とし「われわれはこうした情報
を出していない」と否定した。ワシントンの外交消息筋も「北朝鮮
が発射台を解体したと韓国メディアが報道した当日、米当局者は『
なぜそのような報道が出るのか』という反応を見せた」とし「発射
台解体説は韓米情報当局間で共有された情報でないと理解している
」と述べた。

日本では米国が日本にのみ情報を与え、韓国には提供しなかったと
いう主張が出ている。産経新聞は13日、「米国政府が日本には『
北朝鮮のロケット発射が迫った』という情報を伝えたが、(韓国政
府に対する)不信感のために詳細な衛星情報を韓国には提供しなか
った」と複数の日本政府関係者の言葉を引用して報道した。同紙は
「欠陥が見つかったロケットを発射台から撤去し、直ちに予備ロケ
ットを設置したため発射が可能だったというのが、日本政府の判断
」とし「いったん撤去された後の新しい情報を、米国が日本には伝
えながらも、韓国には伝えなかったとみられる」と伝えた。「日本
政府が警戒レベルを下げなかったのはさまざまなインテリジェンス
(機密情報)によるものだ」という玄葉光一郎外相の12日の発言
に関し、同紙は「情報を遮断された韓国とは異なり、日本政府には
米側から時々刻々と発射施設の動きが伝わっていたことを示唆した
」と伝えた。

韓国政府は韓米間で情報を完ぺきに共有しているという立場に変わ
りはない。金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官も12日午後、
国会国防委に出席し、「(11日)午後3時ごろ、北朝鮮が発射準
備をしていることを知った」とし「韓米間の情報協力が問題なく行
われている」と明らかにした。実際11日午前、北朝鮮はロケット
を発射台からクレーンで引き上げて修理し、この情報は韓国当局に
伝えられたという。
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中国の協力促す=対北朝鮮制裁で−米
 【ワシントン時事】米国務省のヌーランド報道官は13日の記者
会見で、ミサイル発射に対する北朝鮮制裁の強化に慎重な中国の姿
勢について「中国は国連安保理、6カ国協議のメンバーだ。国際社
会の深刻な懸念を明確にするため(安保理で)共に取り組んでいる
」と述べ、中国に協力を促していることを明らかにした。
 また、カーニー大統領報道官も同日の会見で、中国の動向に関し
て「中国が北朝鮮への影響力を行使するよう望んでいる」と指摘。
その上で、北朝鮮の発射に対しては何らかの結果が伴うだろうと改
めて強調した。(2012/12/14-10:05)
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「国民の将来無視」と批判 米、北朝鮮の発射継続方針で
2012.12.14 08:07
 米国のヌランド国務省報道官は13日の記者会見で、北朝鮮の金
正恩第1書記が事実上の長距離弾道ミサイル発射を継続する考えを
示したことについて「国民の貧困、飢え、苦しみが深刻化する。国
民の将来を気にしていないということだ」と述べ、強く批判した。

 ヌランド氏は、金第1書記が「間違った選択をしている」と強調
。一方で「まだ針路の変更は可能だ」と述べ、地域の各国と協調す
る新たな道を歩むよう求めた。中国が北朝鮮に対する新たな国連安
全保障理事会決議に反対していることに関しては、北朝鮮の発射に
「明確で確かな対応をするために、中国などと取り組んでいる」と
述べるにとどめた。

 一方、米政府がミサイルの早期発射を予測していなかったとの見
方を否定。発射当日、米政府声明の発表に時間がかかったのは「何
が起きたのか正確に評価するために、情報を集めていた」と説明し
た。(共同)
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北の変化「教えてあげたかった」…韓国報道官
 【ソウル=門間順平】韓国国防省報道官は13日の記者会見で、
北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射する前日の11日、短
時間のうちに発射台からミサイルを取り外し、その後、再び設置し
た可能性を指摘した。

 「11日午前(の衛星写真)にはなかったものが、午後には設置
されていた」と語った。

 韓国政府に対しては、野党や国内メディアから「ミサイル取り外
し情報」に振り回され、警戒を緩めたとの批判が上がっている。報
道官は、発射時期を特定されないよう「欺まん戦術」を使ったと北
朝鮮を批判。その上で、「取り外し」とみられた状況が11日午後
には変わったことを「(報道陣に)教えてあげたかったができず、
残念で気の毒に思う」と釈明した。
(2012年12月14日07時47分  読売新聞)
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北朝鮮の衛星、制御できず? 米報道、信号確認できず
2012年12月14日0時41分
 【田中誠士、ワシントン=大島隆】米CNNは12日、北朝鮮が
打ち上げた人工衛星を完全には制御できていない可能性がある、と
の米政府関係者の見方を伝えた。地上からの制御信号が確認できな
いためという。また、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)によ
ると、軌道上では打ち上げられた物体が四つに分離しており、衛星
がどのような状態にあるかは不明だ。

 一般的な人工衛星は、地上から信号を出して制御し、太陽電池パ
ネルを開いたり、地上に電波を送信したりする。地上からの信号が
確認できないことから、この政府関係者は衛星が機能を果たしてい
ない可能性を示唆したとみられる。パネッタ国防長官はCNNのイ
ンタビューに「最終的に成功したかどうかはなお分析が必要」と話
した。

 この関係者によると、限定された機能を持つ通信衛星とみられる
というが、北朝鮮は衛星の仕様を明らかにしていない。北朝鮮は今
回の打ち上げで、軌道への投入には成功したものの、衛星を制御す
る技術はまだ不十分な可能性がある。
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ICBM化、なお技術不足 弾頭小型化や再突入
2012.12.14 00:08 sankei
 北朝鮮が発射に成功した長距離弾道ミサイルについて、日米の専
門家は大陸間弾道ミサイル(ICBM)に向けた「前進」と警戒し
つつも、「少なくとも一両年で完成することはあり得ない」と分析
する。共通するのは、北朝鮮がミサイルの搭載重量増加や核弾頭の
小型化、大気圏再突入について十分な技術を持っていないとの見方
だ。

 韓国国防省が「射程1万キロ」とした今回のミサイルで打ち上げ
た「衛星」は重量100キロ。柳沢協二元官房副長官補(安全保障
・危機管理担当)は「北朝鮮が核弾頭の小型化に成功しても500
〜1000キロになるとみられ、現在の能力では米本土まで運べな
い」と話す。搭載できる重量を増すには1段目の推力強化が必要で
、(1)4本束ねたエンジンの本数増(2)エンジン自体の改良
(3)補助ロケットの装着−が想定されるが、「技術的に簡単に突
破できるとは思えない」という。

  北朝鮮の核弾頭小型化も不明だ。米国が1945年に日本に投下
した初歩的な技術の核爆弾は4〜4・5トンあり、小型化の難しさ
をうかがわせる。パキスタンが98年に実験し配備済みとみられる
ウラン型核弾頭(推定約1トン)の設計図を北朝鮮が入手したとの
米研究者の分析もある。だが、北朝鮮の過去2回の核実験はプルト
ニウム型で、兵器化は実証されていない。

 これらを克服し米本土まで弾頭を運んでも、大気圏再突入時の熱
と圧力から保護する技術がないとされる。宇宙開発に詳しい未来工
学研究所の稗田浩雄理事は「再突入用のノーズコーン(先端部)は
衛星打ち上げ用カバーと全く異なり、設計が非常に難しい」と話す。
稗田氏は「ミサイル開発で協力関係にあるイランにも技術はなく、
中国の協力も得られまい」とみる。

 北朝鮮が今回の発射でミサイル技術の向上を示したとはいえ、近
い将来、ICBMを保有することはないとして、12日付の米紙ニ
ューヨーク・タイムズ(電子版)は「(今回の実験は)米国への脅
威ではない」とする米政府高官の見方を掲載。米ロッキード・マー
ティン社の関係者は同紙に対し、「赤ん坊の衛星打ち上げ機」と評
した。(田中靖人)
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ミサイル、正恩氏が自ら指揮=「今後も『衛星』発射続けよ」−北朝鮮
 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は14日未明、「衛星」打
ち上げと称した事実上の長距離弾道ミサイル発射直前の12日午前
、金正恩労働党第1書記が最終的な発射命令を下し、平壌郊外にあ
るとされる「衛星管制総合指揮所」を自ら訪れ、参観したと伝えた。
正恩氏は成功に大満足の意を表し「科学技術と経済を発展させるた
めに、今後も人工衛星発射を続けなければならない」と指示した。
 軌道進入にも成功した今回のミサイル発射を正恩氏の実績として
大きく宣伝する狙いとみられる。正恩氏は12日午前8時に命令を
下し、発射約50分前の同9時に指揮所を訪れたという。
 発射の全過程を参観した正恩氏は「宇宙強国の地位をさらに固め
、われわれが世界最先端科学技術に達したことを見せつけた」と強
調。「技術的に難しい寒い季節に行われたが、大成功を収めた。こ
れは誇るべき勝利だ」と語った。(2012/12/14-01:38)
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北ミサイル、6か国協議で事態打開を…中国
 【北京=牧野田亨】中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長は13
日の定例記者会見で、弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮への対応
について、「(北朝鮮核問題を巡る)6か国協議のプロセスと朝鮮
半島非核化の推進が、各国の共通利益に合致する」と述べ、事態打
開のためとして6か国協議の早期再開を呼びかけた。

 洪副局長は「今の朝鮮半島情勢は不安定、不確定な要素が高まっ
ている」と指摘。弾道ミサイルとの表現は使用せずに、「人工衛星
打ち上げは、6か国協議再開の切迫性、重要性を明らかにした」と
強調した。
(2012年12月13日20時22分  読売新聞)
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不意打ち発射は「米情報機関の失態」 元CIA専門家ら分析
2012.12.13 18:41 sankei[米国]
 【ワシントン=古森義久】米中央情報局(CIA)の元専門家ら
が組織した国際安全保障の民間調査機関「リグネット」は12日、
「北朝鮮のミサイル発射は米国情報機関の失態でもありうる」と題
する分析報告を公表した。

 同報告は今回の北朝鮮のミサイル発射が成功とみなされることは
「北が長年、進めてきたミサイルと核の両方のプログラムの大きな
進歩であり、とくに北が精力を集中してきた小型で軽量の核弾頭を
大陸間弾道ミサイル(ICBM)へ装着して発射する能力の確立へ
の大きな前進でありうる」と総括した。

 同報告はまた、「北朝鮮がミサイルの発射を遅らせたかのように
偽装し、米国側の情報機関を驚かせる形で発射したことは米側情報
機関の活動の失敗を意味しうる」と強調した。

 「北朝鮮は対諜報工作の能力も高く、米側の衛星での偵察やその
他の方法に対してミサイル打ち上げの最終準備をすべて隠すことに
成功したといえるが、それは同時に米側の探知作業の失敗を意味す
ることにもなる」とも指摘した。

 同報告はさらに、北朝鮮の新指導者の金正恩氏が全世界からの圧
力を受けてもミサイル発射という好戦的で挑発的な方法で対応すれ
ば、「外部世界がより外交的な協議で人道援助の申し出などをして
くるという現実を今回の実験で学んだだろう」と述べた。

 北朝鮮が韓国や日本を標的としてとらえた核弾頭搭載可能のミサ
イル合計600〜800基をすでに配備しており、今回の発射はそ
れらミサイルの性能向上にも寄与するだろうとも分析した。
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「北がさまざまな欺瞞行動」韓国国防省報道官
2012.12.13 19:08 sankei[韓国]
 【ソウル=加藤達也】北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル
の発射をめぐり発射前日の11日、ミサイルが発射台から撤去、解
体修理されたとする情報が韓国政府関係者から韓国メディアに伝え
られたことについて、韓国国防省報道官は13日の記者会見で「北
朝鮮が(周辺国を)欺くためのさまざまな行動をとっていたようだ
」と述べた。

 また報道官は、北朝鮮のミサイル発射直前の状況に関する情報に
ついて、米政府が日本政府にのみ伝え、韓国政府には伝達していな
かったとする産経新聞の報道について問われ、「すべての情報は事
前に承知していた」と釈明した。

 この問題にからみ韓国の聯合ニュースは13日、韓国政府高官の
情報として、北朝鮮国内の通信網で11日に「(ミサイルを)分解
し、修理する」との交信が行われていたと報じた。高官は、この通
信が発射が近づいていることを米韓に察知させないための偽情報だ
ったとみているという。

 報道官はまた、発射場周辺の状況について「(11日の)午前と
午後の状況が若干変わった。(解体されたとの報道は)午前の状況
に基づくものだった」と発言。「軍は午後には発射台にミサイルが
設置されている状況を注視していた」とした。

 一方、報道官は北朝鮮が「衛星」としている物体が軌道を正常に
周回していることを明らかにした。周回している物体と地上との交
信は未確認で、機能は不明だという。
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北ミサイル「6か国協議の再開困難に」…米国
 【ワシントン=山口香子】米国務省のヌーランド報道官は12日
の記者会見で、北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル発射について
、同国がこれまでの米国側の対話の努力に挑発行為で応じてきたと
したうえで、「(北朝鮮の核問題を巡る)6か国協議の再開を困難
にするものだ」と批判した。
 
 ヌーランド報道官によると、発射を受けてウェンディー・シャー
マン国務次官とグリン・デービース米政府特別代表(北朝鮮担当)
らが日中韓の担当者と電話などで今後の対応を協議した。
(2012年12月13日19時14分  読売新聞)
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中国、北朝鮮制裁強化に慎重 
2012/12/13 19:24nikkei
 【北京=島田学】中国外務省の洪磊副報道局長は13日の記者会見
で、日米韓などが国連安全保障理事会で北朝鮮への制裁強化の新決
議や議長声明の採択を目指していることに関連し「安保理での反応
は慎重かつ適度にすべきだ。朝鮮半島の平和と安定を守り、状況が
エスカレートするのを避けるようにすべきだ」と強調した。北朝鮮
への制裁強化に慎重な姿勢を崩さなかった。
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発射予告の延長「日米韓を欺くため」 北朝鮮軍関係者
2012年12月13日18時52分
 【瀋陽=石田耕一郎】北朝鮮のミサイル発射について、在中国の
北朝鮮軍関係者は、「12日の発射は当初の予定通りだった」と朝
日新聞記者に語った。発射前日に機体の解体情報が流れたが、この
関係者は「虚偽情報だ」とした。
 同関係者は、金正恩(キムジョンウン)政権が、17日の金正日
(キムジョンイル)総書記の死去1周年を前にミサイル発射をする
必要があったと説明。発射予告期間を延長したことについては、警
戒を強める日米韓を欺く狙いがあったと主張した。
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「衛星」は円軌道を周回 カメラ搭載? 米専門家が軍データ分析
2012.12.13 07:52 サンケイ[核・ミサイル事情]
 北朝鮮の事実上のミサイル発射で、打ち上げられた「衛星」とみ
られる物体が、地球の北極と南極を通る高度494〜588キロの
ほぼ円軌道を回っていることが12日、専門家の分析で分かった。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・
マクドウェル研究員が、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が
レーダーで追跡し、天文学者や専門家向けに公開したデータを基に
分析した。

 地球上のあらゆる場所の上空を定期的に南北方向に通過する「太
陽同期軌道」を回っていると分析。こうした軌道は偵察衛星や地球
観測衛星に一般的だが、マクドウェル氏は「北朝鮮が4月に報道陣
に公開した衛星と同型のものだとすると、センサーを正確に地上に
向ける高度な姿勢制御は難しそうだ。偵察衛星としての機能は持た
ないが、小型カメラを試験的に搭載している可能性はある」と話し
ている。(共同)
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沖縄展開の自衛隊撤収開始、破壊措置命令終結で

 北朝鮮の弾道ミサイル発射から一夜明けた13日、森本防衛相が
破壊措置命令の終結を命じたことを受け、沖縄県内に展開していた
自衛隊員約1900人の撤収が始まった。石垣、宮古島両市などに
配備された地対空誘導弾PAC3も近く撤収する。

 石垣島(石垣市)では午前7時過ぎ、陸上自衛隊の多用途ヘリ
「UH60」が、石垣港そばの埋め立て地を飛び立ち、所属する佐
賀県の目達原(めたばる)駐屯地に向かった。

(2012年12月13日  読売新聞)
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改良でミサイル発射続く=一定の技術確立と専門家
−防衛省、北朝鮮技術進展
 北朝鮮が発射した事実上の長距離弾道ミサイルについて、森本敏
防衛相は12日、「北朝鮮のミサイルの技術が進展していると見ざ
るを得ない」と深い懸念を表明した。国内の専門家らは、「打ち上
げは成功し、一定の技術を確立した」と分析。軍事的には大型化な
どに改良の余地があり、今後も発射試験を続け、日本はそのたびに
脅威にさらされることになる。
 1998年の北朝鮮のテポドン1号の発射では1600キロ(推
定)を飛行。2006年にテポドン2号を発射したが発射数十秒後
に空中で破損。09年のテポドン2号改良型とみられる発射では日
本上空を飛び越え、3000キロ以上(同)飛行し、太平洋に落下
した。今回も、沖縄上空通過後、フィリピン東の太平洋に落下し、
最大2700キロ飛行した可能性がある。
 北海道大大学院工学研究院の永田晴紀教授(宇宙工学)は「06
年は1段目の燃焼で終わり、09年は2段目まで。3年ごとに1段
ずつ順調に進んだ感じだ」。今後は大型化で改良の余地があり、発
射実験を繰り返す可能性があると指摘する。
 北朝鮮は「衛星」と主張する物体を地球の周回軌道付近に狙い通
り投入したとみられ、「制御の精度はかなり高いと思っていい」と
した。
 八坂哲雄九州大名誉教授(航空宇宙工学)は「到達距離が相当拡
大されたのは確かだ。地球の裏側まで届く(潜在的)能力を持つの
ではないか」とみる。ただ、弾道ミサイルは弾頭を大気圏外から再
突入させるため、「弾頭自体が熱などで破壊されない性能が必要に
なる」とした。
 一方、軍事評論家の小川和久さんは「日本や韓国で核武装を目指
すなど、両国で軍事的自立に向けた動きが出てくる可能性を、米国
は懸念しているだろう」との見解を示した。(2012/12/12-21:02)
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全イージス艦迎撃可能に=米、日本に装備売却方針−海自、ミサイ
ル防衛強化で
 北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が増す中、米政府が海上自衛隊のイ
ージス艦2隻の近代化に必要な装備を売却する方針を決め、日本政
府に伝えていたことが13日までに分かった。売却により海上自衛
隊のイージス艦6隻全てが弾道ミサイルの迎撃能力を持つことになる。
 米国防総省は今月10日、ミサイル追尾能力は持つものの迎撃ミ
サイルを搭載していないイージス艦「あたご」と「あしがら」につ
いて、能力向上のために総額4億2100万ドル(約350億円)
の装備を売却すると米議会に通告した。この売却により、2隻は海
上配備型迎撃ミサイルSM3の搭載が可能になり、日本の領域に飛
来する弾道ミサイルの迎撃能力を保有することになる。
 同省は「売却は重要な同盟国である日本政府の要請に基づくもの
で、日米安保条約の目的に資する。地域の軍事バランスを変えるも
のではない」としている。(2012/12/13-07:00)
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「衛星」発射、今後も継続=安保理介入できぬ権利−北朝鮮外務省
 【ソウル時事】北朝鮮外務省スポークスマンは12日、事実上の
長距離ミサイル発射である「衛星」打ち上げに関し、「宇宙の平和
利用の権利は、普遍的な国際法で認められたもので、国連安保理が
とやかく言える問題ではない」と正当性を主張し、「誰が何と言お
うと、合法的な衛星発射の権利を引き続き行使する」と表明した。
朝鮮中央通信が伝えた。
 北朝鮮がミサイル発射後、国際社会の非難に反論したのは初めて。
(2012/12/12-19:58)
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北朝鮮ミサイル発射 米NORAD、衛星の軌道進入確認
2012年12月12日13時50分
 【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮は12日午前9時49分ごろ、北西
部の平安北道(ピョンアンブクト)・東倉里(トンチャンリ)にあ
る「西海衛星発射場」から、長距離弾道ミサイルとみられる機体を
南方に向かって発射した。日本政府は、発射された機体が10時1
分ごろ、沖縄県上空を通過し、10時5分ごろにフィリピンの東方
約300キロの太平洋に落下したとみられると発表。北朝鮮メディ
アは「人工衛星の打ち上げに成功した」と伝え、北米航空宇宙防衛
司令部(NORAD)も「(人工衛星の)軌道に乗ったとみられる
」と発表した。国際社会が自制を求める中での発射で、国連安全保
障理事会は緊急会合を招集し、対応を協議する方針だ。

 日本政府によると、機体の部品と見られる物体が9時58分ごろ
、朝鮮半島の西方約200キロの黄海に、9時59分ごろに朝鮮半
島の南西約300キロの東シナ海に、それぞれ落下したと見られる
という。

 ミサイルはテポドン2を改良した3段式ミサイルとみられ、日本
政府によると落下物は、いずれも北朝鮮が事前に予告した海域に落
下したという。
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ミサイル発射ドキュメント(12日)
午前9時49分   北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射
    52分   防衛省が米早期警戒衛星から発射情報を入手
          、内閣官房に連絡
    53分   野田首相、岡田副総理、藤村官房長官に情報
          が伝達
    54分   政府が緊急情報ネットワークで全国自治体に
          警報を伝達
    58分   ミサイルの一部が朝鮮半島西約200キロの
          黄海に落下
    59分   ミサイルの一部が朝鮮半島西約300キロの
          東シナ海に落下
 10時 1分   ミサイルが沖縄県上空を通過
     5分   ミサイルがフィリピン東約300キロの太平
          洋上に落下
    14分   政府が北朝鮮に対し厳重に抗議
    15分   政府が国連安保理の緊急会合開催を議長国モ
          ロッコに要請
    21分   藤村官房長官、緊急会見を開き「極めて遺憾
          」と非難
    51分   首相官邸で安全保障会議始まる
 11時23分   朝鮮中央通信が人工衛星の軌道投入に成功と
          報道
    58分   韓国の金星煥外交通商相が「国連安保理決議
          に対する明白な違反。
          4月の安保理議長声明の警告の通り、北朝鮮
          は重い責任を取ることになる」との声明発表
午後0時15分   玄葉外相、「(安保理の)議長声明以上で求
          めていく」
  1時20分ごろ 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)、北
          朝鮮が何らかの物体を
          軌道に投入したとみられるとの見解示す
    34分   野田首相が記者団に「極めて遺憾で、容認で
          きない。北朝鮮に強く抗議した。厳しく対応
          したい」
    45分ごろ 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC
          )の報道官が「地域の安全を脅かす極めて挑
          発的な行為」と非難。国連安保理決議違反だ
          との認識を示す
  3時34分〜  韓国の金寛鎮国防相が国会で、射程1万キロ
          とみられるが、核搭載可能なICBMではな
          いと答弁。3回目の核実験の準備が相当程度
          進んでおり「政治的決断で短期間の準備で行
          える」と指摘。
          一方「衛星」は初歩的で実質的役割は果たせ
          ないとの見方示す
    50分   ロシア外務省が「北東アジア情勢に悪影響を
          及ぼし、経済協力の実現を困難にする」との
          声明を発表
  4時10分ごろ 中国外務省報道官が遺憾の意を表明。北朝鮮
          は国連加盟国として安保理決議を守る義務が
          あると批判
    40分ごろ 玄葉外相が韓国の金外交通商相と電話会談。
          断固とした行動を取ることが重要との認識で
          一致
  5時35分ごろ 森本防衛相、自衛隊に対するミサイル破壊措
          置命令の解除を指示
  7時ごろ    北朝鮮外務省は「誰が何と言おうと合法的な
          衛星発射の権利を引き続き行使する」と表明
※時間は全て日本時間(2012/12/12-20:33)


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