4544.北朝鮮のミサイル発射?



北朝鮮は、4月にミサイルを発射したが、1段目と2段目の切り離
しに失敗してバラバラになった。その屈辱を晴らすミサイルを打ち
上げるというが、成功するのであろうか?   津田より

0.経緯
前回のミサイル発射は、北朝鮮は2012年3月16日、4月12
日から16日の間に人工衛星を搭載したロケットを打ち上げると発
表した。これに対して、米国と長距離ミサイルの発射実験を一時停
止することで締結した2月29日の米朝合意は事実上、破棄した。米国
は合意内容に従い、北朝鮮に提供するはずだった24万トンの食糧支
援を取り消した。

4月13日朝に発射して、1段目と2段目の切り離し前後ぐらいに
数個にバラバラになって失敗した。

その後、軍と党の間で権力闘争が起きた。7月20日、北朝鮮の李
英浩・朝鮮人民軍総参謀長が突然、解任された。7月27日に、解
任された李英鎬氏の後任の玄永哲軍総参謀長が朝鮮労働党中央軍事
委員会の副委員長に就任した。

そして、10月中旬、北朝鮮で今年7月に朝鮮人民軍総参謀長を突
然解任された李英鎬氏について、朝鮮労働党は、「反党・反革命分
子」として取り扱うことを決め、党中堅幹部に伝達した。

10月30日の金日成軍事総合大学での金第1書記の演説は李氏を
念頭に「党と指導者に忠実でない者は、いくら軍事家らしい気質を
持ち、作戦、戦術に巧みだとしても、我々には必要ない。歴史的教
訓は、党と指導者に忠実でない軍人は革命の背信者へと転落すると
いうことを示している」と。

この絡みで、警察の末端単位である分駐所の全国所長会議が11月
23日、平壌で開かれ、金正恩第1書記は「動乱などを起こそうと
策動する不純敵対分子らを摘発し、粉砕しなければならない」と治
安の強化を指示した。軍幹部の交代が伝えられたが、金第1書記は
治安当局に対しこの人事に反発する勢力の一掃を命じたともされる。
相当に国内での不満が溜まっているのであろう。

この結果、日本の佐渡や輪島などで、北朝鮮から脱出したと思われ
る木造船と破片や遺体を複数、見つけている。これも国内での反乱
に関係して逃げてきた船のようである。北朝鮮内の権力闘争に関係
しているようだ。

そして、軍の李英浩氏一派が権力闘争に負けたことがわかる。北朝
鮮の人民武力相に最近、朝鮮人民軍の最強硬派とされる金格植(キ
ムギョクシク)氏が就任した。この金格植氏は、金第1書記の誕生
際、軍内部の権力闘争で左遷させられていた。

この金格植氏が復権したことで、韓国の金寛鎮国防相は11月22
日、軍司令部を視察し、「(12月19日投開票の大統領選前に)
北朝鮮は(南北関係を)戦争か平和かという雰囲気に持って行くた
めに、挑発することがあり得る。」と述べ、徹底した備えを指示し
た。

事実、北朝鮮が最近、中国経由で韓国の軍服などのコピー製品を大
量に輸入している。北朝鮮が韓国軍に偽装して局地的な軍事挑発を
行う可能性があるとして警戒を強めている。

このような状況で、北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会の報道官は12
月1日、「地球観測衛星」を10日から22日の間に、北西部東倉
里の「西海衛星発射場」から打ち上げるとの談話を発表した。

発射は北朝鮮内の不安定な情勢が誘因になっているとの見方を韓国
政府高官は示した。国内の政治的、実利的な不安材料が打ち上げ実
行の大きな背景要因になっていると指摘。最高指導者の金正恩第1
書記は発射を成功させることで国内の権力固めの強化を狙っている
と分析した。もう1つが、金正日1周忌(17日)に合わせた弔砲
の性格を浮き彫りにしているという分析もある。 

そして、北朝鮮観光を手掛ける中国遼寧省丹東にある二つの旅行社
は、北朝鮮が15〜20日に中国旅行客の入国を禁止したと明らか
にした。ミサイル発射に関連しているとみられる。

1.米国の対応策
オバマ米政権は日韓や中国と連携しながら、北に強く自制を要求す
る方針とみられる。国連での制裁決議を含め、強硬な対応に出るの
は確実だ。国務省のヌランド報道官は1日、声明を発表し、ミサイ
ル発射実験は「孤立と困窮」を悪化させるだけだと警告。

しかし、米国務省のトナー副報道官は、北朝鮮の「人工衛星」と称
するミサイル発射予告について、1日の公式発表の前に米国に通告
してきたことを明らかにした。

このため、米国は、北朝鮮が1日ロケット打ち上げを宣言する前ま
でに特殊偵察機を前進配備するなど、早期対応に着手した。普段米
ネブラスカに駐屯する米空軍特殊偵察機RC−135Sが11月
27日、日本沖縄基地へ前進配備された。

日米韓3カ国は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射を強行した場
合、国連安全保障理事会に金融制裁の強化を含む決議の採択を求め
ていく方針を固めた。日米韓は実効性の高い制裁を目指し、英仏や
中国など安保理理事国に働き掛けていく考えだ。

2.中国の対応策
一方、中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長も12月4日、北
朝鮮を名指しし、「朝鮮半島の平和と安定という大局に立ち、慎重
な行動を望む」と強く自制を求めた。「中国は北朝鮮と何度も意見
交換した」とも述べ、中国が発射自制に向けて北朝鮮との協議に乗
り出したことを明らかにした。

しかし、今年4月のミサイル発射実験当時と比べて表現がソフトに
なり、北朝鮮の立場にも一定の理解を示す「(北)朝鮮には宇宙空
間を平和的に利用する権利がある」という北朝鮮擁護とも受け止め
られる発言もしている。

従来の胡錦濤政権の外交は、改革派の温家宝首相が主導し、日米韓
と連携して北朝鮮に対する経済制裁にも参加するなど国際協調路線
が主流だった。しかし、習近平氏は保守派と軍の支持を受けている
とされている。

習指導部で序列3位の張徳江氏は金日成総合大学に留学した経験を
持つ親北派として知られる。習指導部がこれまでの外交路線を改め
、北朝鮮寄りの政策を取る可能性もある。

事実、中国外務省関係者は、「前回ミサイル発車時、北朝鮮にも「
実験は国連決議違反」と伝え、発射実験を中止させるよう説得作業
を展開したが、今回は、今のところ中国が積極的に動こうとする気
配は全く感じられない」と証言している。

3.北朝鮮のミサイル技術は?
今年4月に発射失敗してから8カ月間、北朝鮮の長距離ロケット技
術はどの程度に発展したのだろうか。北朝鮮は射程距離5500キ
ロメートル以上と分類される大陸間弾道ミサイル(ICBM)を生
産できる技術を保有したと専門家は判断している。

韓国政府筋は「北朝鮮はこれまで4回も長距離ミサイルの発射に失敗
した。そのためウクライナなど海外の技術の導入を検討し、専門家
を招いて問題の解決に取り組んでいるようだ。先日も国籍の確認さ
れていない専門家1人が、極秘に北朝鮮に入ったことが分かっている
」とし、最近、イランの技術者を招請して、制御ソフトの技術分野
について補完をしたようだとも話した。

このような技術の導入で、北朝鮮は、エンジンの推進力など技術面
での問題をかなりの部分で解決したようだ。また、今回のミサイル
の関連費用が約8億5千万ドル(約700億円)になると推定。今
回の長距離弾道ミサイルの推定射程は、米ロサンゼルスに届く1万
キロ以上に達するとの見方を示した。

12月4日、事実上の3段式長距離弾道ミサイルの2段目の設置を
終え、7日には3段式ミサイルの設置を終え、発射場内の燃料貯蔵
所に液体燃料を注入する動きも捕捉した。

しかし、専門家は「冬は天候が悪く、寒さで機器もトラブルが起き
やすい」と指摘している。冬はシベリアから強い北西の季節風が地
上付近では吹きつける。発射直後にミサイルが強風にさらされると
、姿勢制御が困難になり、予定していた軌道から外れて失敗する恐
れがあると指摘する。

そして、現在、西部・東倉里の「西海衛星発射場」周辺では準備活
動が全て中断され、トラブル解決のための作業が行われているとい
う。このため、技術的な問題などを理由に、22日までの予告期間
以降に発射が延期される見通しが強まっている。

4.日本の対応策
日本は北朝鮮と拉致問題の解決のために、モンゴルのウランバート
ルで日本と北朝鮮の局長級による政府間協議を11月15、16日、2日
間で開催した。北朝鮮による日本人拉致問題を含む両国間の懸案に
ついて協議を継続する方針で一致していた。

この協議後、横田めぐみさんの母、早紀江さんは「(北朝鮮が)豹
変するかもしれないので、そういうことがないよう願っている」と
話したが、予測は的中してしまった。

野田首相は1日夜、5、6両日に予定していた日朝局長級協議の延
期を決め、北京の日本大使館を通して北朝鮮に伝えた。そして、森
本敏防衛相は1日の防衛会議で、自衛隊に迎撃態勢を整える準備命
令を発出した。

この準備命令を受けて、防衛省は4日、航空自衛隊の地対空誘導弾
パトリオット3(PAC3)を沖縄本島の2カ所と宮古、石垣両島
の計4カ所に展開させるとした。

また、海上自衛隊のイージス護衛艦3隻が6日朝、海自佐世保基地
(長崎県)を出港した。防衛省は「弾道ミサイルの落下は通常では
起こり得ない」と分析しているが、万一の事態に備え、飛行ルート
付近の沖縄近海と日本海で警戒にあたるとした。

準備態勢が8日整ったので、自衛隊に対し、破壊措置命令を森本防
衛大臣が発令した。国民への情報発信窓口を首相官邸に一本化し、
米軍の早期警戒衛星(SEW)が探知した情報を入手した場合、速
やかに公表し発射から数分以内には、衛星や防災行政無線を活用し
た全国瞬時警報システム(Jアラート)などで伝達するとした。

 陸海空3自衛隊の部隊は配置が完了し、迎撃態勢は洋上と陸地の
二段構え。東シナ海や日本海に展開する海上配備型迎撃ミサイル(
SM3)搭載の海上自衛隊イージス艦が、大気圏外での迎撃に備え
る。

準備が整ったので、早く北朝鮮のミサイルを発射させてほしいが、
北朝鮮の朝鮮中央通信は9日未明、「準備作業の過程で一連の事情
が提起され、科学者、技術者たちは発射時期を調節する問題を慎重
に検討していると述べた」と伝えた。

それと、弾道ミサイルを発射した場合、北朝鮮への現金の送金・持
ち出しの規制強化など独自制裁強化の検討を本格化させる方針を固
めた。これで北朝鮮との拉致問題解決は大幅に遅れることが確実で
ある。

さあ、どうなりますか?

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10日から予告期間=技術的トラブル発生か−北朝鮮ミサイル
 【ソウル時事】北朝鮮が人工衛星の打ち上げ名目で予告していた
長距離弾道ミサイルは10日、発射予告期間の初日を迎える。ただ
、同国の宇宙空間技術委員会は8日付で、「打ち上げ時期の調整を
慎重に検討している」と発表。技術的な問題などを理由に、22日
までの予告期間以降に発射が延期される見通しが強まっている。
 北朝鮮は4月と同様、黄海、沖縄県・石垣島近海の上空を通過し
、フィリピン東方沖に到達するルートを関係国などに通知。発射時
刻は午前7時から正午までとしている。日本政府はミサイルや部品
が日本領域に落下する事態に備え、迎撃態勢を敷き、警戒に当たっ
ている。
 通例であれば、予告期間の早い時期の発射が想定される。だが、
今回、北朝鮮は「一連の事情が生じた」(宇宙空間技術委員会)と
して延期を示唆。具体的な状況は不明だが、聯合ニュースは韓国政
府消息筋の話として、技術的な問題が発生したもようだと伝えた。
同筋は「8日昼から異常な兆候があった」と語った。
 また聯合ニュースが韓国政府関係者の話として伝えたところによ
れば、西部・東倉里の「西海衛星発射場」周辺では準備活動が全て
中断され、トラブル解決のための作業が行われているという。
 冬季のミサイル発射は強い北風の影響を受けるなどリスクが高い
とされる上、発射場周辺では最近降雪があり、最終準備段階に至り
、何らかのトラブルが起きた可能性がある。(2012/12/09-17:21)
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ミサイル発射、延期か…北報道「時期を調節」

 北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、発射を予告してきた「人工衛星」
と称する事実上の弾道ミサイル発射について、先送りする可能性に
言及した。

 一方、日本政府は8日、弾道ミサイルを発射した場合、北朝鮮へ
の現金の送金・持ち出しの規制強化など独自制裁強化の検討を本格
化させる方針を固めた。ミサイルが日本の領土や領海に落下した場
合のミサイル防衛(MD)システムによる迎撃態勢などもほぼ整え
た。

 【ソウル=中川孝之】朝鮮中央通信は9日未明、北朝鮮の朝鮮宇
宙空間技術委員会の報道官が、10日から22日までの発射を予告
した弾道ミサイルについて、「準備作業の過程で一連の事情が提起
され、科学者、技術者たちは発射時期を調節する問題を慎重に検討
していると述べた」と伝えた。発射時期が23日以降に先送りされ
る可能性を示唆したものとみられる。

 同通信によると、報道官は、発射準備について「最終段階で推進
されている」とも述べた。

 韓国政府は、北朝鮮が北西部東倉里(トンチャンリ)の発射台に
、3段式ミサイルの設置を終えたとみている。7日には、発射場内
の燃料貯蔵所に液体燃料を注入する動きも捕捉。「早ければ8日に
も本体への燃料注入作業が始まる」(韓国政府当局者)と予想され
てきた。

 朝鮮中央通信によると、東倉里から約100キロ・メートル離れ
た平壌で5日に18センチの降雪を記録。北西部でもある程度の降
雪があった模様で、発射準備作業に何らかの影響を与えた可能性も
ある。
(2012年12月9日03時02分  読売新聞)
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北朝鮮ミサイル発射に備え態勢整う 海陸二段構えで迎撃 
 北朝鮮が10〜22日と予告したミサイル発射が間近に迫り、日
本政府の準備態勢が8日、整った。政府は「通常、国内への落下は
ない」としているが、万一の場合は自衛隊が迎撃。国民への情報発
信窓口を首相官邸に一本化し、発射から数分以内には、衛星や防災
行政無線を活用した全国瞬時警報システム(Jアラート)などで伝
達することを想定している。
 陸海空3自衛隊の部隊は午前7時までに配置が完了。迎撃態勢は
洋上と陸地の二段構え。東シナ海や日本海に展開する海上配備型迎
撃ミサイル(SM3)搭載の海上自衛隊イージス艦が、大気圏外で
の迎撃に備える。
[ 2012年12月9日 06:00 ]suponiti
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強風・凍結…問題出やすい?北ミサイル冬季発射
 北朝鮮は、事実上の弾道ミサイルを、前回(今年4月)と同様に
南向きに発射すると予告しているが、冬の発射は初めてだ。専門家
は「冬は天候が悪く、寒さで機器もトラブルが起きやすい」と指摘
している。

 年間を通じて発射可能な技術力を獲得するなどの狙いがあるとみ
られる。

 東アジアでは、冬はシベリアから強い北西の季節風が地上付近で
は吹きつける。発射直後にミサイルが強風にさらされると、姿勢制
御が困難になり、予定していた軌道から外れて失敗する恐れがある。
さらに上空1万メートル付近では秒速100メートルにもなる強い
偏西風も吹いており、その影響を指摘する専門家もいる。

 また、北海道大の永田晴紀教授(宇宙工学)によると、ミサイル
内部にある空気中の水分が寒さで凍り、そのかけらが電子機器のケ
ーブルを傷つけるなどのトラブルが起きる確率が、夏や春に比べて
高くなるという。

(2012年12月8日21時57分  読売新聞)
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北朝鮮の衛星打ち上げ予告、不穏な国内情勢が誘因 韓国高官
2012.12.08 Sat posted at 14:20 JST
ソウル(CNN) 北朝鮮が今月10〜22日の間に予告した衛星搭
載と称する事実上の長距離弾道ミサイル発射の問題で、韓国政府高
官は7日、発射は北朝鮮内の不安定な情勢が誘因になっているとの
見方を示した。
国内の政治的、実利的な不安材料が打ち上げ実行の大きな背景要因
になっていると指摘。最高指導者の金正恩(キムジョンウン)第1
書記は発射を成功させることで国内の権力固めの強化を狙っている
と分析した。
同高官は、第1書記が最近の声明で、「反乱」など異例の表現や字
句を用いていることに注目。これらの表現は北朝鮮の現状に不満を
持つ不純分子の存在や反乱を示唆している可能性があるとも述べた。
第1書記は北朝鮮の警察要員を外国に派遣し、暴動鎮圧の訓練を受
けさせているともし、金氏の身辺警護が強化されたことも明らかに
した。
北朝鮮では最近、軍幹部や閣僚の交代が伝えられたが、第1書記は
治安当局に対しこの人事に反発する勢力の一掃を命じたともされる。
韓国政府高官は、この粛正は大規模でなお進行中であるとも述べた。
これらの情報の出所については触れなかった。
北朝鮮が予告した人工衛星打ち上げについて、欧米諸国などは弾道
ミサイル技術を試験するための言い訳と主張。国連安全保障理事会
は北朝鮮に対し弾道ミサイル技術を用いた全ての発射停止を求める
制裁決議を突き付けている。
同国は今年4月、衛星打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射
したが失敗した。北朝鮮が年に2回、衛星打ち上げを試みるのは異
例。今回の発射と、第1書記の父親である金正日(キムジョンイル
)総書記の一周忌を今月17日に迎えることを関連付ける見方もあ
る。
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北朝鮮の金融制裁強化提案へ 日米韓、安保理に 
2012/12/8 2:00日本経済新聞 電子版
 日米韓3カ国は北朝鮮が「人工衛星」と称する事実上の長距離弾
道ミサイルの発射を強行した場合、国連安全保障理事会に金融制裁
の強化を含む決議の採択を求めていく方針を固めた。日米韓は実効
性の高い制裁を目指し、英仏や中国など安保理理事国に働き掛けて
いく考えだ。
 安保理は北朝鮮の4月のミサイル発射時に出した議長声明に「さ
らなる発射には行動をとる」と明記していた。玄葉光一郎外相は7
日の記者会見で
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防衛相、自衛隊に「破壊措置命令」を発令
 北朝鮮の事実上のミサイル発射。10日からの予告期間が目前に
迫っています。ミサイル発射場の新たな衛星写真が公開され、燃料
を入れる作業がすでに始まっているとの見方も出ています。

 野田総理大臣は7日昼前、東京・市ヶ谷の防衛省を訪ね、PAC
3部隊を視察するとともに、隊員らを激励しました。

 「中央指揮所、PAC3の準備状況を自分なりに確認をしておき
たかった」(野田首相)

 この視察に先立ち、政府は安全保障会議を開きました。北朝鮮が
10日以降に、事実上の長距離弾道ミサイルを発射すると予告して
いることを受け、ミサイルの一部が日本の領土や領海に落下する事
態に備え、自衛隊に対し、破壊措置命令を出すことを了承し、森本
防衛大臣が発令しました。

 自衛隊は、沖縄や首都圏で地対空ミサイルPAC3の配備を進め
ており、迎撃ミサイル「SM3」を搭載したイージス艦も、東シナ
海や日本海に向かっています。(07日22:02)TBS
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<北ミサイル発射予告>北朝鮮のロケット技術はどこまで進んだのか
2012年12月07日08時42分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
   今年4月に発射失敗してから8カ月間、北朝鮮の長距離ロケット
技術はどの程度に発展したのだろうか。発射予告日が近づきながら
成功確率と彼らの技術水準に国際的な関心が集まっている。 

  北朝鮮は射程距離5500キロメートル以上と分類される大陸間
弾道ミサイル(ICBM)を生産できる技術を保有したと専門家は
判断している。すでに2009年、北朝鮮が6700キロメートル
以上飛ぶことができる発射実験を成功させたためだ。米国・ロシア
・フランス・中国・日本・インド・イランのようにICBMを保有
している可能性が高いということだ。ICBMは多段階ロケットを
活用する技術なので、推進システム、段分離、誘導操縦装置など高
度の複合的な技術が必要だ。 

  韓国とロシアが2度発射に失敗して先月29日、羅老(ナロ)号
発射延期をしたのも多段階ロケット発射が容易ではないということ
をみせている。ある国策研究機関の専門家は「失敗して8カ月で原
因をみつけ、発射準備をまたするのは容易ではないこと」としなが
ら「今年4月の発射失敗原因がとても簡単なエラーであったか、常
にロケットを発射する余分のロケットを保有しているという証拠」
と話した。 

  北朝鮮が発射を準備している銀河-3号の場合、1段階推進体はノ
ドン(スカッド)B型ミサイル4つを1つにまとめたものだ。北朝
鮮ロケット技術に詳しい消息筋は「北朝鮮はすでに10年あまり前
からスカッドミサイルをまとめて1つの本体として使う技術を適用
し、テストしてきた」として「平城(ピョンソン)国家科学院と咸
興(ハムフン)にある第2自然科学院が主導した」と伝えた。これ
にはそれぞれ4つのミサイル噴射口から同じ推進力と燃料消耗がで
きるようにする高難度の技術が必要だというのが国防科学専門家ら
の評価だ。1段階は130秒前後燃焼した後、3〜4秒後2段階点
火が進行する。2段階はノドンB型ミサイルの1つを使う。北朝鮮
の3段階ロケットに対する技術はまだベールに包まれている。 

  また、段階別推進体分離技術もやはりすでに1998年の発射で
適用された技術なので、ある程度成熟した水準に到達したと韓国の
情報当局は把握している。北朝鮮は最近、既存の推力方向制御装置
(TVC)に姿勢制御装置(DACS)を追加したと推定される。
北朝鮮のロケット誘導制御技術が相当な水準に上がっていることを
みせる部分だ。 

  ただし北朝鮮の推進体、段分離などハードウェア技術に比べて誘
導操縦や制御などソフトウェアは多少遅れているという評価だ。ま
だ未完の完成品という話だ。このため北朝鮮が招へいしたイランの
技術者の寄与度がどの程度の水準なのかはまだ確認されていない状
態だ。政府当局者は「北朝鮮は最近、イランの技術者を招請してこ
の技術分野について補完をしたと理解している」と話した。
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15日から中国旅行客の入国禁止=北朝鮮
 【北京時事】中国人権民主化運動情報センター(香港)が6日伝
えたところによると、北朝鮮観光を手掛ける中国遼寧省丹東にある
二つの旅行社は、北朝鮮が15〜20日に中国旅行客の入国を禁止
したと明らかにした。北朝鮮が予告した長距離弾道ミサイル発射と
関係している可能性があるという。(2012/12/06-22:51)
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イージス艦3隻、佐世保出港…北ミサイルへ警戒
 北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射予告を受け、海上自衛隊
のイージス護衛艦3隻が6日朝、海自佐世保基地(長崎県)を出港
した。

 防衛省は「弾道ミサイルの落下は通常では起こり得ない」と分析
しているが、万一の事態に備え、飛行ルート付近の沖縄近海と日本
海で警戒にあたる予定。

 同基地を出港したのは、「こんごう」「みょうこう」「ちょうか
い」の3隻。これらの艦艇が搭載している迎撃ミサイル「SM3」
は、弾道ミサイルを大気圏外で撃破する能力を持っており、日本に
落下してくるケースに限って迎撃を行う。

 同省は、沖縄県の4か所に加え、首都圏の3か所に地対空誘導弾
「PAC3」の配置を進めており、イージス艦との二段構えで迎撃
態勢を整える。
(2012年12月6日10時19分  読売新聞)
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ミサイル発射、米情報で公表=「失敗」でも国内に速報−政府
 政府は5日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に備え、国民への
情報提供に関する自治体向け説明会を開いた。米軍の早期警戒衛星
(SEW)が探知した情報を入手した場合、速やかに公表する方針
を説明。4月の発射の際は公表が遅れた反省を踏まえ、速報に万全
を期す。
 野田佳彦首相は同日夜、首相公邸に米村敏朗内閣危機管理監を呼
び、「国民への情報発信を適切、迅速にできるよう万全を期してほ
しい」と指示した。
 4月は政府がSEW情報を入手したにもかかわらず、自衛隊のレ
ーダーによる独自情報とのダブルチェックにこだわり、公表まで約
40分かかった。今回は、発射情報を得た後、日本に向かっている
か否かをまず見極めるものの、数分程度で各自治体に知らせること
ができるとしている。
 ミサイルが北朝鮮の予告通りに飛来すると判断した場合は、上空
通過が予想される沖縄県内の自治体に、「発射」「上空通過」の二
段階の情報を「全国瞬時警報システム」(Jアラート)によって速
報。全国のその他の自治体には、緊急情報ネットワークシステム「
エムネット」で伝達する。
 一方、自衛隊のレーダーで確認できない場合や、レーダーで捕捉
したものの発射が失敗に終わるなど日本の安全に影響がないと判断
した場合は、沖縄も含めてJアラートは使わず、エムネットで発射
情報を各自治体に連絡する。(2012/12/05-22:31)
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米本土届く1万キロ以上も=北朝鮮ミサイル射程−韓国専門家
 【ソウル時事】韓国軍関係の専門家は5日、北朝鮮が10〜22
日の間の発射を予告した人工衛星打ち上げ名目の長距離弾道ミサイ
ルの推定射程が、米ロサンゼルスに届く1万キロ以上に達するとの
見方を示した。聯合ニュースが報じた。
 米シンクタンクの資料を基にした説明によると、推定射程6700
キロ以上とされる2009年4月発射のミサイル1段目のエンジン
燃焼時間は112秒だった。今回と同型の今年4月のミサイルは
130秒で、推定射程は1万キロ以上になるという。
(2012/12/05-18:58)
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北朝鮮ミサイル、3段目に着手か 2段目設置完了と関係者
 【ソウル共同】韓国の聯合ニュースは4日、北朝鮮が北西部東倉
里の「西海衛星発射場」で、事実上の3段式長距離弾道ミサイルの
2段目の設置を終え、3段目の設置作業を進めているとみられると
報じた。韓国政府関係者の話として伝えた。

 日本政府関係者によると、北朝鮮は3日までにミサイルの1段目
の設置を完了したとみられる。国際社会の度重なる自制要請にもか
かわらず、北朝鮮がミサイル発射に向けた準備を急ピッチで進めて
いる可能性がある。

 聯合ニュースによると、北朝鮮は発射台を覆いで隠して作業して
いるとみられるが、米韓が収集した情報を分析して判断したという。
2012/12/05 00:31   【共同通信】
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PAC3、沖縄の4カ所に配備へ 北朝鮮ミサイルに備え
2012年12月4日23時3分
 北朝鮮のミサイル発射に備え、防衛省は4日、航空自衛隊の地対
空誘導弾パトリオット3(PAC3)を沖縄本島の2カ所と宮古、
石垣両島の計4カ所に展開させると発表した。ミサイルの破片の落
下などによる被害も想定し、陸上自衛隊の部隊を沖縄本島、宮古島
、石垣島、与那国島、多良間島に派遣する。

 PAC3の部隊が展開するのは今年4月の発射時と同様で、空自
の那覇基地(那覇市)、知念分屯基地(南城市)、宮古島分屯基地
(宮古島市)、石垣島では港付近の土地を使用するとみられる。
PAC3を搭載した海自輸送艦は3日に呉基地を出港し、沖縄に向
かっている。
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北朝鮮を名指し、中国がミサイル発射自制求める
 【北京=牧野田亨】人工衛星打ち上げと称する北朝鮮の弾道ミサ
イル発射計画について、中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長
は4日の定例記者会見で、北朝鮮を名指しし、「朝鮮半島の平和と
安定という大局に立ち、慎重な行動を望む」と強く自制を求めた。
 
 「中国は北朝鮮と何度も意見交換した」とも述べ、中国が発射自
制に向けて北朝鮮との協議に乗り出したことを明らかにした。
(2012年12月4日21時49分  読売新聞)
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北朝鮮、韓国「軍服」を大量購入=軍事挑発計画か−韓国紙
 【ソウル時事】4日付の韓国紙・中央日報は、北京の消息筋の話
として、北朝鮮が最近、中国経由で韓国の軍服などのコピー製品を
大量に輸入していると伝えた。韓国軍や情報当局は、19日投開票
の大統領選前後に北朝鮮が韓国軍に偽装して局地的な軍事挑発を行
う可能性があるとして警戒を強めている。(2012/12/04-11:32)
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北朝鮮、公式発表前に米に通告 米国務省「挑発的な行動」と非難 
2012.12.4 10:28 サンケイ[核・ミサイル事情]
 【ワシントン=犬塚陽介】米国務省のトナー副報道官は3日の記
者会見で、北朝鮮の「人工衛星」と称するミサイル発射予告につい
て、1日の公式発表の前に米国に通告してきたことを明らかにした。
詳細には言及しなかったが、北朝鮮の国連代表部を窓口とする「ニ
ューヨーク・チャンネル」を通じて伝達されたとみられる。

 トナー副報道官はミサイル発射を「挑発的な行動」と非難。人工
衛星もミサイル発射も「技術的には同じだ」と指摘し、「彼らが何
をしようとしているのかは明らかだ」と述べた。
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対北、中国ソフト路線 習体制、外交政策転換か ミサイル実験に
理解
2012.12.4 08:23 サンケイ[核・ミサイル事情]
 【北京=矢板明夫】北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射
すると予告したことについて、中国外務省報道官は3日、発射の自
制を促す中国の立場を改めて表明した。しかし、今年4月のミサイ
ル発射実験当時と比べて表現がソフトになり、北朝鮮の立場にも一
定の理解を示す内容だ。11月中旬に発足した習近平指導部の外交
姿勢が、これまでと比べて北朝鮮寄りだと指摘する声が上がってい
る。

 中国外務省の洪磊報道官は3日の定例会見で、ミサイル発射実験
について反対の意思を示した。しかし、北朝鮮が4月13日に実験
を行った際の中国当局の猛反発と比べて大きな温度差を感じさせる
内容だった。

 前回、中国外務省報道官は実験前に「重大な関心を持ち、憂慮し
ている」とのコメントを発表したのに対し、洪報道官は今回「重大
な関心をもっている」と述べるにとどまり、「憂慮している」を使
っていない。

 そのうえで、「(北)朝鮮には宇宙空間を平和的に利用する権利
がある」という北朝鮮擁護とも受け止められる発言もしている。前
回みられなかった表現だ。

 同じ問題で外務省報道官の言葉遣いに変化がみられた背景には、
習近平指導部が対北朝鮮外交政策を大きく調整した可能性がある。
従来の胡錦濤政権の外交は、改革派の温家宝首相が主導し、日米韓
と連携して北朝鮮に対する経済制裁にも参加するなど国際協調路線
が主流だった。しかし、この路線は国内の保守派と軍の反発を受け
ていた。

 先月に総書記に選ばれた習近平氏は保守派と軍の支持を受けてい
るとされている。習指導部で序列3位の張徳江氏(全国人民代表大
会常務委員長に就任する予定)は金日成総合大学に留学した経験を
持つ親北派として知られる。習指導部がこれまでの外交路線を改め
、北朝鮮寄りの政策を取る可能性もある。

 北朝鮮が今回、ミサイル実験の実施を発表する前、中国の李建国
政治局員が訪朝している。北朝鮮側は中国側に実験について事前に
伝え、中国側の了解を得ていた可能性もある。

 前回のミサイル実験の前は、胡錦濤国家主席や楊潔●(=簾の广
を厂に、兼を虎に)外相らは、日米韓の首脳と積極的に会談を重ね
、北朝鮮にも「実験は国連決議違反」と伝え、発射実験を中止させ
るよう説得作業を展開した。

 中国外務省関係者は、「前回と違って、今のところ中国が積極的
に動こうとする気配は全く感じられない」と証言する。
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国際海事機関に通告=ミサイル発射で北朝鮮
 【ロンドン時事】国際海事機関(IMO、本部ロンドン)は3日
、北朝鮮のミサイル発射予告に関し、同国から1日に「人工衛星ロ
ケット」発射の通告を受けたことを明らかにした。
 それによると、地球観測衛星「光明星3号」を現地時間10〜22
日の間の午前7時から正午までの間に、平安北道にある発射場から
打ち上げると予告。3カ所の落下予定海域が示されている。
 北朝鮮は通告で、今回の発射を「宇宙開発のための国家計画」に
沿ったものと説明している。(2012/12/04-00:27)
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北朝鮮にロケット発射しないよう要請=ロシア外務省声明
2012年 12月 3日 16:07 JST 
[モスクワ 3日 ロイター] ロシア外務省は3日、今年2回目
となるロケット発射を予告している北朝鮮に対し、国連安全保障理
事会決議に反するとして、ロケットを発射しないよう求める声明を
発表した。
ロシア外務省は「(北朝鮮)政府に対し、ロケット発射の決定を再
考するよう切に求める」とした。
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ミサイル発射に700億円 韓国政府が推計
2012.12.3 15:56 sankei[核・ミサイル事情]
 韓国紙、東亜日報は3日、北朝鮮が予告した長距離弾道ミサイル
発射実験とみられる衛星の打ち上げ関連費用が約8億5千万ドル(
約700億円)になると韓国政府が推定していると報じた。同国政
府当局者の話としている。

 北朝鮮の人口約2400万人のうち約1900万人分の1年間の
配給量に相当するトウモロコシ約250万トンを購入できる金額。
コメなら約140万トン購入できるという。(共同)
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<北ミサイル発射予告>金正恩、国際孤立よりも体制結束が至急?
2012年12月03日14時24分[? 中央日報/中央日報日本語版] 
「容易に見積りが出てこない」。韓国政府の当局者は2日、記者ら
に対し、北朝鮮の長距離ロケット発射予告についてこのように述べ
た。 それだけ時期や情勢の流れに合わない決定であるうえ、意図の
把握も容易でないという意味だ。 

  まず中国との関係がそうだ。 北朝鮮が朝鮮宇宙空間技術委員会の
名義で「実用衛星を打ち上げる」と発表したのは1日午後5時ごろ。 
しかし前日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は李建国全国人
民代表大会商務委副委員長が率いる中国共産党代表団と面会した。 
習近平総書記の親書も受け取った。 北朝鮮のロケット発射に対する
自制要請が含まれていたというのが、外交関係者の観測だ。 

  結局、金正恩は習近平主導の中国の新しい指導部の意表を突いた
ということだ。 一部では、金正恩が「北朝鮮は言いなりにならない
」というメッセージを中国に投じた、という解釈も出ている。 

  ミサイル発射強行は、来年1月に発足する2期目の米オバマ政権
との関係をこじらせるのは明らかだ。 当局者は「北朝鮮が2期目の
オバマ政権との交渉を控えて優位な状況にしようという考えかもし
れないが、この場合、対話自体が難しくなるというのは誰にでも分
かる」と述べた。 

  目の前に迫った韓国大統領選挙を考えればさらに不可解だ。 北朝
鮮の挑発は通常、保守勢力を結集させる効果として表れる。 北朝鮮
は今回の大統領選で自国が好む候補を当選させるため、露骨に介入
と候補誹謗を行ってきた。 今回、自国の目的と反対の結果をもたら
す可能性がある挑発を選択したのが意外だというのが、専門家の反
応だ。 

  このように北朝鮮が国際・対南要因の負担をかえりみず発射を強
行しようというのは、体制結束のためという観測も出ている。 発射
予告談話の最初に「金正日(キム・ジョンイル)の遺訓」に言及し
、予定日を10日から22日の間に決めたのは、金正日1周忌(17
日)に合わせた弔砲の性格を浮き彫りにしているという分析だ。 当
局者は「金正日に対する法事用品として(長距離ロケットに)重要
な価値を与えるものだ」と述べた。 

  金正恩の最高司令官就任1周年(30日)を祝うという意味もあ
る。 金正日が公言した「2012年強盛大国入り」に対する期待感
を高め、住民の不満を和らげようという意図も感知される。 北朝鮮
談話は「衛星打ち上げは強盛国家建設に拍車をかけるわが人民を力
強く鼓舞させるだろう」としている。 4月に金日成(キム・イルソ
ン)出生100周年に合わせてロケットを発射し、失敗した後、わ
ずか8カ月で発射を再開するのは、内部政治に追われたものだという
分析もある。
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北朝鮮のミサイルに海外技術が流入か
今回は発射成功の可能性も
韓国政府筋「海外の技術者1人が極秘に北朝鮮に入国」
2012/12/03 09:38
 北朝鮮が最近、ウクライナなど海外のミサイル技術の入手に力を
入れていることが分かった。

 ある韓国政府筋は2日「北朝鮮はこれまで4回も長距離ミサイルの
発射に失敗した。そのためウクライナなど海外の技術の導入を検討
し、専門家を招いて問題の解決に取り組んでいるようだ。先日も国
籍の確認されていない専門家1人が、極秘に北朝鮮に入ったことが分
かっている」と述べた。

 北朝鮮は海外の技術を導入することにより、エンジンの推進力な
ど技術面での問題をかなりの部分で解決したようだ。そのため上記
の韓国政府筋は「今回の発射は成功する可能性がかなり高い」と予
想している。

 昨年7月、北朝鮮のリュ・ソンチョル、イ・テギルという名の2人
の工作員が、ウクライナでスパイ容疑により逮捕され、懲役8年の刑
を受けた。2人は現地で液体燃料エンジンやロケット製造技術関連の
極秘文書を入手しようとしたという。ウクライナは旧ソ連が崩壊し
た当時、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発や製造施設の70%が集中
していた。

 北朝鮮は今月1日、朝鮮宇宙空間技術委員会報道官名義の談話の中
で「金正日(キム・ジョンイル)同志の遺訓を受け継ぎ、わが国独
自の力と技術で製造した実用衛星を打ち上げる」と発表。今月10日
から22日までの間に、平安北道鉄山郡の西海衛星発射場から南に向
けて発射することを明らかにした。これは朝鮮中央通信が報じた。
北朝鮮は今年4月にもロケットを発射したが、1段目のロケットは西
海(黄海)の辺山半島沖合の公海上に、2段目はフィリピン東方の公
海上に落下した。今回もこれと同じような結果に終わると予想され
ている。

 上記の韓国政府筋は「北朝鮮は今回のミサイル発射について、関
係国には『(金正日総書記の)1周忌行事』と説明している。17日は
金総書記が死去した日だが、発射日が10日から22日までの間とされ
ている点や、また一昨日の北朝鮮による発表文の最初の文章に『金
正日同志の遺訓』が強調されていた点などから推測すると、今回発
射されるミサイルに『祭礼用品』としての意味合いを持たせている
のではないか」と述べた。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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米国、北朝鮮ミサイル発射宣言4日前に特殊偵察機を沖縄に配備
DECEMBER 03, 2012 08:58	toua
米国は、北朝鮮が1日ロケット打ち上げを宣言する前まで特殊偵察
機を前進配備するなど、早期対応に着手したことが分かった。

シン・インギュン自主国防ネットワーク代表は2日、「普段米ネブ
ラスカに駐屯する米空軍特殊偵察機RC−135Sが先月27日、
日本沖縄基地へ前進配備された」とし、「米国は北朝鮮の打ち上げ
日程を事前に知っていた可能性が高い」と話した。

「コブラボール」と呼ばれるRC−135Sは、弾道ミサイルの追
跡が主要任務だ。この偵察機は、4月、北朝鮮のロケット発射直前
にも沖縄に配備されたことがある。シン代表は、「運航速度が遅い
RC−135Sの特性から、少なくても1、2日前から米国で出動
準備をしたものと見られる」とし、「複数の駐日基地の中で沖縄に
着陸したのは、明らかに北朝鮮のロケット発射を狙ったもの」と話
した。

米国は8月、ホワイトハウスの官僚を極秘裏に訪朝させて北朝鮮と
協議した経緯がある。当時、米国は北朝鮮に11月の大統領選まで
挑発自制を要請し、バラック・オバマ2期政府で前向きな米朝関係
が構築されることを説明したという。しかし、2期政府が発足する
前に北朝鮮がロケット打ち上げ準備を露出して働きかけると、米国
は先制的な対応をすることに方針を決めた模様だ。米国は11月初
め、衛星情報を韓国と日本に提供して共同対応してきた。

一方、北朝鮮が4月のロケット発射時のように外信記者を招待して
発射場を公開するか注目される。当時、北朝鮮は打ち上げ一週間前
の4月6日、外信記者約50人を招待して東倉里(トンチャンリ)
ミサイル基地の発射台まで公開した。しかし、北朝鮮はいざロケッ
トが打ち上げられた13日には現場への接近を禁じて非難を浴びた。

政府当局者は、「当時、ロケット打ち上げを金正恩(キム・ジョン
ウン)体制発足の初事業として大々的に広報しようとしたところ、
恥をかいた経験があるため、今度は北朝鮮が外信を呼ばない可能性
もある」と話した。
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謎の木造船、漂着相次ぐ 佐渡や輪島に 
2012/12/2 19:42日経
 新潟県佐渡市北鵜島の海岸と石川県輪島市沖で1日と2日、北朝
鮮から流されてきた可能性のある木造船が相次ぎ見つかった。いず
れも乗組員は見つかっておらず、第9管区海上保安本部(新潟)や
七尾海上保安部(石川県七尾市)などが船籍などを調べている。

 新潟県警佐渡東署によると、1日午後、北鵜島の海岸にスクリュ
ーが付いた長さ約6メートル、幅約2メートルの板が漂着している
のを付近住民が発見。周辺に船の一部とみられる木片が多数浮いて
いた。板は船底とみられ、タールのような黒い塗料が付着していた。

 9管は2日、1日午前に見つかった別の木造船内から北朝鮮の船
舶登録証とみられる書類があったことを明らかにした。北朝鮮の押
印があり、船体番号やエンジン出力などが記載されていた。

 また、2日午後には輪島港の北約7キロの海上で、沈没しかかっ
た漂流船を、プレジャーボートの男性が発見。七尾海上保安部によ
ると、船は長さ約7メートルで、船首を海面から出して中央部分と
船尾部分に柱があり、船内から漁網が見つかった。

 佐渡市では1日午前の木造船から男性1人の遺体が発見されたほ
か、11月28日には漂着した漁船内に男性5人の遺体があった。
〔共同〕
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オバマ政権は強硬姿勢へ 日中韓と連携強化 
2012.12.2 00:53 sankei
 【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米政権は日韓や中国と連携しな
がら、北に強く自制を要求する方針とみられる。国連での制裁決議
を含め、強硬な対応に出るのは確実だ。米本土を射程に収めるミサ
イルが開発されることを警戒するオバマ大統領は再選早々、難題を
突きつけられた形だ。

 国務省のヌランド報道官は1日、声明を発表し、ミサイル発射実
験は「孤立と困窮」を悪化させるだけだと警告。北に国連安全保障
理事会決議を順守するよう要求し、「次のステップ」について日中
韓などと協議していくと述べた。
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「ミサイル発射」は10〜22日 北朝鮮が予告、準備進む
 【平壌、北京共同】北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会の報道官は
1日、「地球観測衛星」を10日から22日の間に、北西部東倉里
の「西海衛星発射場」から打ち上げるとの談話を発表した。朝鮮中
央通信が報じた。失敗に終わった4月に続く事実上の長距離弾道ミ
サイルの発射実験。南方向に発射するとしており、沖縄など南西諸
島や周辺海域の上空を飛行する恐れがある。

 発射を強行すれば国連安全保障理事会の制裁決議に違反し、日米
や韓国をはじめ国際社会は反発。野田佳彦首相は1日夜、関係閣僚
と対応を協議、各国と連携して北朝鮮に発射自制を強く求める方針
を示した。
2012/12/02 00:48   【共同通信】
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日朝協議の延期通告 防衛相が破壊準備命令 
北朝鮮ミサイル予告、首相「断固とした対応取る」 
2012/12/1 23:59 (2012/12/2 1:37更新) nikkei
 野田佳彦首相は1日夜、北朝鮮の事実上のミサイル発射予告を受
け、5、6両日に予定していた日朝局長級協議の延期を決め、北京
の日本大使館を通して北朝鮮に伝えたことを明らかにした。首相公
邸前で記者団の質問に答えた。森本敏防衛相は1日の防衛会議で、
自衛隊に迎撃態勢を整える準備命令を発出した。政府は週内に安全
保障会議を開き、破壊措置命令を発令する。

 防衛省によると、北朝鮮のミサイル発射予定時間は連日、午前7
時から正午まで。
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深刻な憂慮、撤回要求=北朝鮮ミサイル「重大な挑発」−韓国外交省
 【ソウル時事】韓国外交通商省報道官は1日、北朝鮮の長距離ミ
サイル発射予告を受けて論評を発表し、「深刻な憂慮」を表明する
とともに、「計画を即時に撤回し、国連安保理決議を順守しなけれ
ばならない」と求めた。
 論評は「4月のミサイル発射時に国連安保理がこれ以上の挑発を
してはならないと警告してから、いくらもたたないうちに再び発射
を試みるのは、国際社会の憂慮と警告を無視した重大な挑発であり
、国際社会全体に対する全面的な挑戦だ」と非難した。
(2012/12/01-19:34)
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北朝鮮軍の最強硬派・金格植氏、人民武力相就任
 【ソウル=中川孝之】韓国政府当局者は29日、北朝鮮の人民武
力相に最近、朝鮮人民軍の最強硬派とされる金格植キムギョクシク
氏が就任したと明らかにした。

 金氏は2010年の韓国軍哨戒艦沈没と延坪島ヨンピョンド砲撃
の両事件を主導したとされる人物。韓国政府は、挑発行為が激化す
る恐れもあるとみて警戒している。
 
 前任の人民武力相、金正覚キムジョンガク氏は、今年4月に任命
されたばかりだった。当局者は「政権中枢が不安定化している可能
性もある」とみている。
(2012年11月30日07時09分  読売新聞)
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北朝鮮:李英鎬氏は「反党分子」 労働党伝達
毎日新聞 2012年11月25日 13時14分
 【北京・米村耕一】北朝鮮で今年7月に朝鮮人民軍総参謀長を突
然解任された李英鎬(リ・ヨンホ)氏について、朝鮮労働党は10
月中旬、「反党・反革命分子」として取り扱うことを決め、党中堅
幹部に伝達していたことが分かった。中朝貿易関係者らが明らかに
した。

 李氏は10年9月に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が公式
の場に初めて登場した際、党中央軍事委員会副委員長、党政治局常
務委員などの要職に抜てきされ、金第1書記の最側近の一人となっ
た。7月の解任時には国営メディアは「病気のため」とだけ報じて
いた。

 ラヂオプレス(東京)によると、朝鮮中央テレビは10月30日
、金日成(キム・イルソン)軍事総合大学での金第1書記の演説を
約12分にわたって放映。金第1書記は李氏を念頭に「党と指導者
に忠実でない者は、いくら軍事家らしい気質を持ち、作戦、戦術に
巧みだとしても、我々には必要ない。歴史的教訓は、党と指導者に
忠実でない軍人は革命の背信者へと転落するということを示してい
る」と述べた。
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金正恩氏「敵対分子の粉砕を」 警察機関に治安強化指示
2012年11月25日2時20分
 【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮の朝鮮中央通信によると、警察の末
端単位である分駐所の全国所長会議が23日、平壌で開かれ、金正
恩(キムジョンウン)第1書記は会議に寄せた祝賀文の中で「動乱
などを起こそうと策動する不純敵対分子らを摘発し、粉砕しなけれ
ばならない」と治安の強化を指示した。ラヂオプレス(RP)によ
ると同会議の開催は1999年以来、13年ぶり。朝鮮中央通信は
20日には、正恩氏が秘密警察の国家安全保衛部を訪れたと伝えて
おり、国内の引き締めを図っている模様だ。 
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北朝鮮、ミサイル準備か 発射基地に貨物
2012年11月23日9時11分
 【牧野愛博】米政府は北朝鮮内で長距離弾道ミサイルの発射準備
とみられる動きを捉え、22日までに日韓両政府に通報した。技術
的には今月末にも発射可能という。日米韓3カ国は警戒を強める一
方、来月の韓国大統領選などを控えた現段階での発射に懐疑的な見
方もある。 
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月内にも次回日朝協議 拉致被害者再調査を議題か
2012.11.22 13:41 sankei
 日朝両政府が次回局長級協議について、月内にも開催する方向で
調整を進める方針であることが21日、政府関係者の話で分かった
。拉致被害者の再調査を含む「双方が関心を有する事項」について
協議するとみられる。

 15、16両日にモンゴル・ウランバートルで行われた局長級協
議では、協議を継続していくことで一致していた。北朝鮮の出方は
依然、不透明だが、日本側は拉致被害者の再調査で合意した平成
20年8月の状態に戻ることを「一定の目安」と位置づけている。

 一方、拉致被害者の家族会は21日、東京都千代田区の内閣府で
、外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長と面会し、15、16両日の
局長級協議の結果について説明を受けた。この席でも北朝鮮側が次
回協議を早い時期に開きたい考えを示していると説明されたという。

 面会後、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん
(76)は「(北朝鮮が)豹変(ひょうへん)するかもしれないの
で、そういうことがないよう願っている」と話した。
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北朝鮮の挑発に備え指示=韓国国防相
 【ソウル時事】韓国の金寛鎮国防相は22日、軍司令部を視察し
、「(12月19日投開票の大統領選前に)北朝鮮は(南北関係を
)戦争か平和かという雰囲気に持って行くために、挑発することが
あり得る。大統領選後には、次期政権をコントロールする意味で挑
発する可能性がある」と述べ、徹底した備えを指示した。
 23日に北朝鮮による延坪島砲撃から2年を迎えるが、聯合ニュ
ースによると、今のところ北朝鮮軍の挑発の兆候は確認されていな
い。(2012/11/22-15:49)
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拉致問題、協議継続で一致 日朝政府間協議 
2012/11/16 20:07日経
 【ウランバートル=藤田祐樹】モンゴルのウランバートルで開い
ていた日本と北朝鮮の局長級による政府間協議は16日、2日間の日
程を終えた。北朝鮮による日本人拉致問題を含む両国間の懸案につ
いて協議を継続する方針で一致。次回協議は北京の日本大使館を通
じて調整し、早期に実施することで合意した。日本人の遺骨問題な
どに関しても話し合いを続ける。

 日朝の政府間協議は2008年8月以来、約4年ぶり。日本側は杉山
晋輔外務省アジア大洋州局長、北朝鮮側は宋日昊(ソン・イルホ)
日朝国交正常化交渉担当大使が出席した。杉山局長は協議終了後、
焦点だった拉致問題について「突っ込んだ意見交換をした。さらな
る検討のため今後も協議を継続することで一致した」と述べた。

 北朝鮮側は拉致問題を「解決済み」として慎重な態度を崩してい
ないとみられるが、次回協議でも拉致問題を話し合う点では歩み寄
った。日本側は今回、拉致被害者の再調査にも言及した。今後、具
体的な進展につなげたい考えだ。

 日本側は(1)終戦前後に現在の北朝鮮にあたる地域で亡くなった日
本人の遺骨返還問題(2)残留日本人(3)日本人妻の一時帰国(4)日航機
「よど号」を乗っ取り北朝鮮に渡った容疑者らの送還――について
も提起した。これに対し北朝鮮は「(問題解決に)協力していく」
と応じた。北朝鮮の核開発やミサイルなど安全保障問題をめぐって
も議論を深めることとなった。

 一方で北朝鮮は植民地支配時代など「過去の清算」を要求。日本
側は「02年の日朝平壌宣言に沿って解決を図る」と表明し、双方が
協議を続けることで一致した。



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