4537.中国の海洋強国化への道



中国の空母で艦載機が離着陸したことで、中国の海洋強国化が分か
り、日本の対抗策も強気だけではうまくいかないことが明らかにな
ってきた。           津田より

0.はじめに
このコラムでは、中国を継続的に調査している。中国は軍事力で、
周辺諸国を圧倒して、この地域の覇権を取り周辺諸国の海洋や領土
を他国から奪うことを目指している。

もう1つが、この軍事力だけではなく、経済力や外交を使い中国の
要望と違うことをする国を総合的に苦しめるという戦術に出ている。
その国が少なければ、特殊要因と片付けられる可能性があるが、ほ
とんど世界のすべての国に対して行っている。

たとえば、デンマークでは、ノーベル平和賞に反体制中国人劉暁波
氏を推した途端、デンマークへの嫌がらせを行うし、スカボロー礁
の領土紛争では、軍事力を使うのはもちろんのこと、フィリピンの
バナナを輸入禁止にしている。2年前の尖閣諸島での領土問題では
、レアアースの日本への輸出を止めた。今回は日本からの輸入と中
国に進出した日系企業への嫌がらせを行っている。

丹羽駐中国大使も、中国経済界で日本不要論が出ていることに対し
、「たいへん傲慢な態度だ。経済に対する傲慢な態度だ」と中国を
非難している。

このように国家の全ての力を使って攻撃してくる。これで中国の異
常性を世界は知ってきた。

米国の中国海洋研究所・ダットン所長も「中国は2008年ごろか
ら海洋の領有権紛争の相手に対し軍事力を背景にして石油企業など
国有企業による経済圧力、漁業監視や国境警備などの準軍事、非軍
事の公船の投入、経済制裁の実行、外交的非難など国力のあらゆる
手段を使う総合的な圧力作戦をとるようになった」とした。

これに対して、日本は、米国やASEAN諸国と共に経済(通商、投資)
と安全保障(海洋安保)とエネルギーの国際的なルールを作り、中
国にそのルールを守ることを要求する方向で対抗する。と長島防衛
副大臣は東京21区公開討論会で言っていた。

これに対して、共産党の候補からは「領土問題なし」として日本が
自国の主張をしないことが問題と指摘されて、日本の正当性の主張
をASEAN、欧州、米国に述べ理解されていると反論していた。

1.中国の海洋強国への道
中国は、習総書記の新体制になり、「民族の偉大な復興」を「中国
の夢」と位置づけ、強国化路線に行くと宣言した。また「全党員は
、立ち遅れれば殴られ、発展してこそ強くなれることを、肝に銘じ
なければならない」と、列強の侵略を受けた近代史に言及した。

この強国化路線の第一歩が「海洋強国」であり、「海洋強国」の内
容について、「海洋開発、海洋利用、海洋保護、海洋支配において
強大な総合力をもつ国のことだ」とした。

そして、中国海軍初の空母「遼寧」での艦載機「殲(せん)15
(J−15)」の離着艦試験成功し、中国は公海で作戦を遂行する
能力を構築しつつあるようだ。軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹氏も、
「空母から発艦できる戦闘機を製造するまで数年かかるとみられて
いた。予想をはるかに上回るスピードで開発が進んでいる。空母本
体のエンジン性能も証明された。発艦の際には飛行機が強い向かい
風を受けられるよう風上へ全速力で進む。実際に使える空母である
ことが明らかになった」と海洋強国へ中国が向かっているとした。

この中国の海洋強国への思いを受けたのが、クリントン米国務長官
であり、過去に南シナ海の領有権問題を中国と協議した際、中国側
が「ハワイ(の領有権)を主張することもできる」と発言したこと
を明らかにした。長官は「やってみてください。われわれは仲裁機
関で領有権を証明する。これこそあなた方に求める対応だ」と応じ
たという。

米国は、国際裁判所を通じた国際法での解決を明確にした。この流
れを日本も共有している。尖閣諸島の領有権で中国が国際裁判所へ
提訴するなら、それに応じるとした。

中国は世界中の海に進出する計画である。スウェーデンのストック
ホルム国際平和研究所(SIPRI)は、北極圏のエネルギーや鉱
物資源をめぐり、中国があえて控えめな姿勢を取って虎視眈々と権
益の獲得を狙っていると分析した。このように中国の海洋強国への
道を走り始めた。

2.中国への対応
中国は海洋強国へ向け、中国の新旅券に南シナ海全域を自国領とす
る地図を載せた、かつ南シナ海の外国船舶への規制を強化する法令
の整備や新機構の開設を進め、実効支配の強化に乗り出した。米国
が心配していた南シナ海の自由航行を阻害する方向になってきた。

このような中国の一方的な対応に対して、ASEANのスリン・ピッスワ
ン事務局長は、「南シナ海の島々をめぐる状況は、地域全体の不安
定化をもたらし国家間の対立を生む『新たなパレスチナ』になる恐
れがある」と懸念を表明した。

中国の新旅券が南シナ海全域を自国領とする地図を載せたことを受
け、フィリピン外務省は、査証のページに押印しないとした。

中国が南シナ海やインド洋に出てきたことで、インドも対応に迫ら
れている。中国とインドが、海洋安全保障を巡って激しい駆け引き
を展開している。中国がインド洋の港湾拠点整備を進める「真珠の
首飾り」戦略に対抗し、インドはミャンマーなど東南アジア諸国連
合(ASEAN)との関係強化で対中包囲網「ダイヤのネックレス
」の形成を急ぐことになる。

また、アーミテージ元米国務副長官は、10月に訪中した際、中国
側高官から「尖閣問題に対する米国の中立的な立場に感謝する」と
言われたと紹介した。これに対して「米国は中立ではない。特定の
立場を言明していないだけだ」と答え、中国側の誤解を解くよう努
めたと明かした。 

このため、より明確化する方向で対応して、米上院は11月29日
の本会議で、沖縄県の尖閣諸島が日本の施政下にあり、また、日米
安全保障条約の適用対象であることを確認する条項などを、国防権
限法案に追加する修正案を全会一致で可決した。

これに対して、中国国営ラジオは「修正案には拘束力はない」とし
て、「日米安保条約は日米2国間の取り決めで、中国を含む第三国
の利益を損なうべきではない」との政府見解を繰り返した。

この明確化は、日本にも向けられている。先ほどのダットン所長は
「中国が直接の軍事攻撃を考えていない以上、海上保安庁の船艇で
恒常的に警戒するという現在の方法が当面は最適だろう。事実上の
尖閣付近の日本側領海での常時駐留ということになる。尖閣諸島自
体への自衛隊配備は中国への挑発になりすぎるため、いまは控える
ことが賢明だ」とした。

アーミテージ元米国務副長官も、「安倍総裁は超保守主義者とみら
れていたが、実際は非常に現実的に政権運営をした。今度もそれを
期待している」と述べ、現在の野田首相が進めている冷静な対応を
期待しているようだ。この米国の一連の処置は安倍自民党総裁に向
けられているように感じる。

3.安倍さんへの懸念
安倍総裁の自民公約で過激な主張を、米国としても懸念していると
いうサインである。米国の懸念がわかる。日本が中国と戦争になる
と、米国も戦争に巻き込まれることになる。

安倍さんの周辺に、米国が懸念を表明しているはず。その懸念を受
けて、石破さんが安倍さんを引きとめようとしているように感じる。

しかし、自民党内の安倍シンパは、石破切りを進めている。これは
自民党分裂の可能性がある。ナショナリストとリアリストでは、根
本の考え方が違う。

さあ、どうなりますか?

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中国メディア、尖閣問題への米介入をけん制
 【中国総局】中国メディアは1日、米上院が日米安全保障条約の
尖閣諸島への適用を確認する国防権限法案の修正案を全会一致で可
決したことについて、尖閣問題への米国の介入をけん制する論調を
展開した。

 中国国営ラジオは「修正案には拘束力はない」との識者の談話を
引用し、「日米安保条約は日米2国間の取り決めで、中国を含む第
三国の利益を損なうべきではない」との政府見解を繰り返した。中
国国営テレビも「米国は(尖閣問題での)中立の態度を変えたのか
?」との表題で修正案の内容を紹介した。
 
(2012年12月1日21時35分  読売新聞)
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尖閣問題、米は中立にあらず=中国に誤解−アーミテージ氏
 【ワシントン時事】アーミテージ元米国務副長官は30日までに
ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューに応じ、沖縄
県・尖閣諸島をめぐる日中の対立に関し、米国は日米安保条約に基
づき同諸島の防衛義務を負っていると明言、「同盟国が侵略や威嚇
を受けた場合、米国は中立ではない」と語った。
 アーミテージ氏は、10月に訪中した際、中国側高官から「尖閣
問題に対する米国の中立的な立場に感謝する」と言われたと紹介。
これに対して「米国は中立ではない。特定の立場を言明していない
だけだ」と答え、中国側の誤解を解くよう努めたと明かした。 
 また、12月16日に衆院選が行われ、来年3月ごろに中国の指
導部交代が完了するまで本格的な解決は難しいと指摘。「それまで
は対立を抑え、国民が理性的であるよう努力するのが最善の方策だ
」と強調した。
 次期首相の最有力候補と目される安倍晋三自民党総裁については
、以前の首相在任中は靖国神社参拝を見送ったことに触れ、「超保
守主義者とみられていたが、実際は非常に現実的に政権運営をした。
今度もそれを期待している」と述べた。(2012/12/01-15:12)
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ワシントン・古森義久 米分析、中国の尖閣戦略
2012.12.1 11:47 sankei[中国] 
 東シナ海や南シナ海で中国が威を振るう海洋戦略を世界でおそら
く最も体系的に、最も詳細に研究する機関は米国の「中国海洋研究
所」だろう。米海軍大学の一部として2006年に特設されたシン
クタンクである。東海岸ロードアイランド州の海軍由緒の都市ニュ
ーポートに所在する。

 中国海洋研究所ではアンドリュー・エリクソン、トシ・ヨシハラ
、ジェームズ・ホルムス各氏ら中国の海軍、海事の分析で知られる
専門家二十数人が研究教授陣として機能する。だがなかでもこの分
野の研究で著名なのは所長のピーター・ダットン教授である。ダッ
トン氏は米海軍パイロットを経て法律を学び、さらに中国の海洋戦
略の研究へと進んだ人物で、中国の海での動向について頻繁な議会
での証言や論文の発表で広く認知されている。

 そのダットン所長に最近の尖閣諸島に対する中国の戦略や日本の
対応についての見解を聞いてみた。同所長は総括として中国が当面
、軍事力の間接使用を含む多様な攻勢で日本側に領有権紛争の存在
を認めさせることに全力をあげるだろうと述べるのだった。

 「日本側の国有化はそれ自体、さほど大きな措置ではないが、中
国はその動きを利用して、これまでの政策を変え、中国の主権主張
により尖閣には領有権紛争が存在することを日本側に認めさせる決
意を誇示する方向へと進んだ」

 ダットン所長はさらに「中国政府は自国民が尖閣取得を強く望む
ようになったと認識し、そのために日本に譲歩をさせることへの圧
力が高まったと感じている」と語った。そしてその手段としては「
日本に対し軍事力を直接ではなく間接に使い、他の経済や政治、外
交の手段と組み合わせて多様で総合的な威圧をかけるという方法を
当面はとっていく」という予測を明らかにした。

 中国がいま尖閣に対し直接に軍事力を使おうとしない理由として
ダットン所長は日本や米国の反撃能力の強さ、中国の国際的な評判
の失墜、実際の軍事面での損失などをあげ、「中国は2008年ご
ろから海洋の領有権紛争の相手に対し軍事力を背景にして石油企業
など国有企業による経済圧力、漁業監視や国境警備などの準軍事、
非軍事の公船の投入、経済制裁の実行、外交的非難など国力のあら
ゆる手段を使う総合的な圧力作戦をとるようになった」と解説した。

 同所長の分析によると、中国の海洋戦略は建国の1949年から
70年ごろまでは無関心、それ以後の95年ごろまでは軍事力優先
、その後の2008年ごろまでが微笑作戦、以降、現在までの期間
は軍事力を背景に政治、経済、外交の多様な手段を動員する総合的
アプローチという特徴で区分できる。だが現在でも中国は紛争の相
手に軍事力を至近距離で示し、威嚇することも常で、その軍事力の
間接利用が予想外の軍事衝突を招く危険もあるという。

 ダットン所長は日本側の対応についても語った。

 「中国が直接の軍事攻撃を考えていない以上、海上保安庁の船艇
で恒常的に警戒するという現在の方法が当面は最適だろう。事実上
の尖閣付近の日本側領海での常時駐留ということになる。尖閣諸島
自体への自衛隊配備は中国への挑発になりすぎるため、いまは控え
ることが賢明だと思う」

 米国の態度についてダットン所長は「オバマ政権による日米安保
条約の適用言明は尖閣が攻撃されれば、日本側を守るという米側の
政策意図の表明であり、疑いの余地はない」とも語るのだった。
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民族復興は「中国の夢」…習総書記が強国化路線
 【北京=加藤隆則】中国の主要紙は11月30日、一面トップで
習近平総書記が29日、他の共産党政治局常務委員6人とともに国
家博物館の常設展「復興の道」を参観した際の演説全文を報じた。

 就任直後の記者会見で強調した「民族の偉大な復興」を「中国の
夢」と位置づけ、強国化路線を強くアピールしたものだ。
 
 習氏は「全党員は、立ち遅れれば殴られ、発展してこそ強くなれ
ることを、肝に銘じなければならない」と、列強の侵略を受けた近
代史に言及。建国の歩みについて、「愛国主義を核心とする偉大な
民族精神を示した」と総括し、「国家がよく、民族がよくなってこ
そ、皆がよくなれる」と述べた。
 
 さらに習氏は、「私は、中華民族の偉大な復興こそ、中華民族が
近代以来抱いてきた最も偉大な夢だと思う」と呼び掛け、最後は「
新中国成立から100年後(2049年)には、調和のとれた社会
主義近代化の国家目標は必ず実現され、偉大な復興の夢は必ず実現
されると信じる」と強調した。
 
(2012年11月30日23時09分  読売新聞)
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中国、南シナ海実効支配強化…外国船規制進める
 【北京=大木聖馬】中国の習近平シージンピン新政権が、周辺諸
国と領有権を争う南シナ海を巡り、外国船舶への規制を強化する法
令の整備や新機構の開設を進め、実効支配の強化に乗り出した。

 習政権が打ち出した「海洋強国」に向けた具体的な動きだ。
 
 南シナ海(約350万平方キロ)の約200万平方キロを管轄範
囲とみなす海南省三沙市を抱える同省の人民代表大会(省議会に相
当)常務委員会は11月27日、「海南省沿海国境警備治安管理条
例」の改正案を可決した。外国船舶による〈1〉領海通過時の不法
な停船〈2〉島嶼とうしょへの不法上陸〈3〉国家主権や安全を損
なう宣伝活動の実施――などを違法行為と規定し、違法行為があっ
た場合、地元当局などが臨検や差し押さえをできるように修正した。
 
(2012年11月30日23時05分  読売新聞)
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中国「ハワイ領有権も主張できる」 米国務長官、協議の一幕明かす
2012.11.30 20:06 sankei[中国] 
 【ワシントン=犬塚陽介】クリントン米国務長官は11月29日
、ワシントン市内で講演した際の質疑応答で、過去に南シナ海の領
有権問題を中国と協議した際、中国側が「ハワイ(の領有権)を主
張することもできる」と発言したことを明らかにした。長官は「や
ってみてください。われわれは仲裁機関で領有権を証明する。これ
こそあなた方に求める対応だ」と応じたという。

 協議の時期や詳細には言及しなかったが、20日の東アジアサミ
ット前後のやりとりの可能性もある。仲裁機関は国際司法裁判所(
ICJ)を指すとみられる。

 ハワイをめぐっては、太平洋軍のキーティング司令官(当時)が
2007年5月に訪中した際、中国海軍幹部からハワイより東を米
軍、西を中国海軍が管理しようと持ちかけられたと証言したことも
あった。

 クリントン長官は、中国と周辺国の領有権問題について、領有権
の主張が地域の緊張を招くような事態は「21世紀の世の中では容
認できない」と述べ、東南アジア諸国連合(ASEAN)が目指す
「行動規範」の策定を改めて支持した。また、領有権問題は「合法
な手段」で解決されねばならないと強調した。

 さらに、領有権問題は北極や地中海でも起こりかねず、米国は「
グローバルパワー」として放置できないと明言。中国が「できる限
り広範囲」の領有権を主張する中、法に基づく秩序維持のために「
直言していかねばならない」と語った。
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米上院「尖閣に安保適用」全会一致…中国けん制
 【ワシントン=山口香子】米上院は11月29日の本会議で、沖
縄県の尖閣諸島が日本の施政下にあり、また、日米安全保障条約の
適用対象であることを確認する条項などを、2013会計年度(12
年10月〜13年9月)国防権限法案に追加する修正案を全会一致
で可決した。

 同様の立場を明確にしているオバマ政権と歩調を合わせることで
、中国をけん制する狙いがある。
 
 修正案は、アジア太平洋の外交・安全保障に関心が高いジェーム
ズ・ウェッブ議員(民主党)が主導し、共和党の重鎮ジョン・マケ
イン議員らと共同提案した。
 
 中国を念頭に、「第三者による一方的行動は、尖閣諸島における
日本の施政権を認めるという米国の判断にいかなる影響も与えない
」との文言を明記。米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条
が尖閣諸島に適用されるとの米政府の立場についても「(同)条約
に基づく日本政府への責任を再確認する」とした。
 
 さらに、尖閣諸島海域を含む東シナ海を「アジア太平洋すべての
国に利益をもたらす重要なシーレーン(海上交通路)」と位置づけ
、「航行の自由」を守ることが米国の国益にかなうとした。
 
(2012年11月30日20時04分  読売新聞)
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公安当局に外国船検査権限 中国海南省、周辺国反発か
2012.11.28 20:22
 新華社電によると、中国海南省人民代表大会(議会)常務委員会
は27日、同省の管轄海域に許可なく入ったり、管轄する島に不法
に上陸したりした外国船舶に対し、公安当局の国境警備機関が立ち
入り検査や船舶の差し押さえなどを行うことを認める新たな治安管
理条例を可決した。

 中国はベトナムやフィリピンなど周辺国と領有権を争う南シナ海
の南沙(英語名スプラトリー)、西沙(同パラセル)など3諸島に
三沙市を新設。同市を管轄する海南省公安当局に取り締まり権限を
与えることで南シナ海の実効支配を強める狙いだが、周辺国の反発
を招くのは必至とみられる。

 条例は、(1)海南省の管轄海域通過時に不法に停船し、問題を
起こす(2)管轄する島にある海岸防備施設を破壊する−などの行
為も管理条例に違反すると規定している。(共同)
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アセアン事務局長 南シナ海の領土問題の「パレスチナ化」を懸念
28.11.2012, 18:12 VOR
   アセアンのスリン・ピッスワン事務局長は、英国の新聞「ファイ
ナンシャル・タイムズ」のインタビューに応じた中で「南シナ海の
島々をめぐる状況は、地域全体の不安定化をもたらし国家間の対立
を生む『新たなパレスチナ』になる恐れがある」と述べた。

   スリン事務局長は又「アジアはここ数年間で、最も緊張した時期
に入った。これは、中国とベトナム、フィリピンなどの国々との間
で、南シナ海の島々に関する領土問題が先鋭化した事による」と指
摘し、次のように続けた―

  「もし地域の国々が、状況をエスカレートさせるのではなく、そ
の緊張の緩和に努力しなければ、南シナ海は『もう一つのパレスチ
ナ』になるかもしれない。」

   先に米国は、アセアン・サミットで南シナ海の領土問題を国際的
なものとして取り上げようとしたが、中国政府は、この問題の『イン
ターナショナル化」を拒否、関係当事国との二国間ベースでのみ問題
を話し合う用意があるとした。
   Financial Times
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フィリピン、中国の新旅券に押印せず 南シナ海問題 
2012/11/28 21:43 nikkei
 【マニラ=佐竹実】中国の新旅券が南シナ海全域を自国領とする
かのような地図を載せたことを受け、フィリピン外務省は28日、査
証のページに押印しないと発表した。別の申請用紙を提出した場合
、その用紙に押印するという。同省は「旅券に押印すれば、中国領
と認めることになりかねない」としている。

 中国の新旅券を巡っては、ベトナムが「取り消し」と押印するな
ど波紋を広げている。インドや台湾も「受け入れがたい」などと抗
議している。
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「中国の空母」実力を分析してみた
2012.11.28 13:50 sankei[中国] 
 空母艦載機「J-15」が初めて離発着に成功したことで、中国はフ
ルサイズの空母を運用する5カ国に仲間入りした。中国海軍の実力に
ついて分析。

 中国は11月23日(米国時間)、空母へのジェット戦闘機の離発着
に初めて成功した。

 今回の運用開始により、中国は、VTOLでないCTOL固定翼機を搭載
するフルサイズの空母を運用するほかの5カ国(米国、ロシア、フラ
ンス、インド、ブラジル)に仲間入りした。

 中国の空母「遼寧」は、もともとウクライナから廃艦となった未
完成の空母「ヴァリャーグ」を購入したものだ。今回の固定翼機の
運用開始は、ヴァリャーグ購入から14年が経っている。また、改修
されて「遼寧」に改名され中国北部を出航してから1年半近く経って
いる。

 以下、北京の国営メディアが週末に発表した写真と動画とともに
、中国の空母を取り巻く現状についてより詳しく解説しよう。

中国初の艦上戦闘機「J-15」

 中国初の艦上戦闘機は、ロシアの1980年代の「Su-33」をリヴァー
スエンジニアリングして新しい航空電子機器で強化した「J-15(殲-
15)」だ。

 J-15は、米海軍の退役した「F-14」と大きさと性能がほぼ同じで
、理論上では、空対空作戦および空対地作戦の能力があるが、まだ
開発段階にあり、少数しか製造されていない。

蒸気式射出機がない

 遼寧には蒸気式射出機がないので、戦闘機は自力で発進しなくて
はならない。つまり、離陸時にはある程度の兵器と燃料しか搭載で
きない。この理由により、「Information Dissemination」のアナリ
スト「Feng」は、J-15は「ゲームチェンジャーにはならない」と述
べている。

最新ステルス機は空母搭載されるか

 遼寧のデッキからはすでにヘリコプターが離発着している。さら
に戦闘機の訓練機や、米海軍の「E-2(ホークアイ)」に似たレーダ
ーを搭載した早期警戒機が製造されていると報道されている。

 この9月に試作機が公開された、レーダー回避能力があるステルス
機「J-31(殲-31)」が空母に搭載されることになるかどうかは不明
だ。ただしJ-31には、海軍機に特有の2つの前輪など、艦載機である
ことを示唆する特徴がある。

中国海軍の拡大

 中国政府は、新型の高速原子力潜水艦や、米国の「イージス艦」
に似ていると推定される新たな大型駆逐艦に多額の予算を費やして
きた。

 就航した空母には物資を供給するサポート船や駆逐艦が必要にな
るが、中国海軍は、海賊対策の国際的な監視活動の一環として、ア
フリカ東岸の数千マイル沖に駆逐艦を配備し、船舶を護衛してきた。

 「中国は公海で作戦を遂行する能力を構築しつつある」と、アナ
リストのゲイブ・コリンズとアンドルー・エリクソンは指摘してい
る。
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中国、北極権益に虎視眈々 豊富なエネルギーや鉱物資源 スウェ
ーデン研究所が分析
2012.11.27 10:03 sankei[中国] 
 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は
27日、北極圏のエネルギーや鉱物資源をめぐり、中国があえて控
えめな姿勢を取って虎視眈々と権益の獲得を狙っていると分析した
報告書を発表した。

 報告書は「中国の北極での野心」とのタイトルで、中国が北極圏
に接するスウェーデンなどと外交関係を強めているほか、中国企業
がアイスランドなどで開発事業に乗り出していることを指摘。氷の
減少で本格的な活用が見込まれる北極圏航路へのアクセス確保も求
めており、中国の海運会社がリース契約を結んでいる北朝鮮・羅先
の港が北極圏航海の拠点になるとの観測も紹介した。一方で各国と
の対立を避けるため、北極圏の豊富なエネルギーや鉱物資源を狙っ
た強硬な言動は控え「地球温暖化で北極の氷が解ければ中国も多大
な影響を受ける」と地球環境問題の側面からの主張を前面に出して
いると分析している。(共同)
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尖閣での“強硬姿勢”の裏に 中国が目指す「海洋強国」のキーマン 
2012.11.28 08:58 サンケイ
 さきの中国共産党第18回党大会の政治報告では、これからの中
国の進路を示すいくつかの新しいキーワードが登場したが、中でも
注目されたのが「海洋強国」の建設であろう。その先頭に立つのが
国家海洋局であり、劉賜貴局長の自信にあふれた発言がにわかに目
立ってきた。(フジサンケイビジネスアイ)

 劉賜貴局長は第18回党大会の代表でもあった。党大会の政治報
告に「海洋強国」の言葉が盛り込まれると、劉局長はさっそく記者
会見を開いて、どのようにすれば「海洋強国」になれるか、これか
らの戦略を雄弁に語り始めた。

 劉局長は「海洋強国」が「人材強国」「科学技術強国」「文化強
国」に次ぐものであるとしたうえで、「中華民族の永続発展、世界
強国になるために避けられない道だ」と強調した。そして「海洋強
国」の内容について、「海洋開発、海洋利用、海洋保護、海洋支配
において強大な総合力をもつ国のことだ」と説明した。

 劉局長によると、第11次経済5カ年計画(2006〜10年)
における海洋経済の成長率は年平均13.5%だったが、第12次
経済5カ年計画が終わる15年には、国内総生産(GDP)の10
%前後に達しているという。

 国家海洋局の権限は資源などの海洋開発とその利用だけにとどま
らない。最も注目されるのは、海洋権益の拡大に極めて積極的な姿
勢をみせていることだ。「領土主権と海洋権益の維持については、
決意が固い。われわれへの挑戦があっても恐れはしない」と一歩も
譲らない。

 劉賜貴局長は福建省泉州の出身である。泉州といえば、かつて海
上交易の中心地として栄えたところで、マルコ・ポーロがその繁栄
ぶりを記したことでも知られている。根っからの海の男なのだろう。

 劉局長は厦門(アモイ)市長を務めた後に、昨年2月から海洋局
長に転じたのだが、よくみると、00年から02年にかけての2年
間余り、福建省海洋・漁業局長の任にあった。今回の党大会で総書
記に就任した習近平氏も、ちょうど00年から02年の間、福建省
の省長を務めている。つまり2人は福建省時代から周知の間柄とい
うことになる。

 尖閣諸島をめぐる問題で、中国は日本側の予想を上回る強硬姿勢
に転じた。その決定に際しては、次期総書記に内定していた習近平
氏が、主導的な役割を果たしたのは間違いない。おそらく習近平氏
のもとには劉局長から詳細な報告が届けられ、緊密に連絡を取り合
っていたのであろう。2人の関係には、今後も目が離せない。
(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)
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中国は「たいへん傲慢だ」 丹羽大使が離任会見 
2012.11.26 22:09 sankei[中国] 
 【北京=川越一】民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎駐中国
大使(73)が26日、28日の離任を前に北京の日本大使館で記
者会見を行い、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の対立について、「
けしからんと言い合っても何も生まれない。両国にとってプラスに
なることは皆無だ」などと述べ、関係改善の糸口もつかめない日中
両政府に苦言を呈した。

 伊藤忠商事社長などを務めた丹羽氏は2010年7月末に着任。
今年6月、東京都による同諸島購入計画について「日中関係に極め
て深刻な危機をもたらす」と発言し物議を醸したが、会見では「領
土・主権問題は譲れない」「冷静に話し合い、知恵を出し合って関
係を改善する必要がある」と述べた。

 最近、中国経済界で日本不要論が出ていることに対し、「たいへ
ん傲慢な態度だ。経済に対する傲慢な態度だ」と中国批判を展開し
た。
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日米に衝撃! 中国空母「遼寧」離着艦試験成功 予想を上回る開
発スピード
ZAKZAK(夕刊フジ) 2012年11月26日17時12分 
  中国海軍初の空母「遼寧」での艦載機「殲(せん)15(J−
15)」の離着艦試験成功は、日米の防衛関係者に衝撃を与えた。
離陸可能な戦闘機の開発にはなお数年かかるとみられてきただけに
、関係者のショックは大きい。沖縄県・尖閣諸島や南シナ海をめぐ
る周辺各国との対立はさらに激化しそうだ。

 中国国営中央テレビは25日、空母「遼寧」で艦載機「殲15」
が着艦、さらに空母から飛び立つ姿を報じた。新華社電によると、
海軍は「空母と艦載機の性能は良好で、設計上の要求を全て満たし
た」とコメントしている。

 殲15はロシア製戦闘機「スホイ33」のコピーとの指摘もある
が、新華社電は「わが国が自ら設計、開発した」と主張。殲15の
戦闘能力は「スホイ33や米軍のF18戦闘機に匹敵すると専門家
はみている」とアピールした。

 中国情勢に詳しい元航空自衛隊員の軍事ジャーナリスト、鍛冶俊
樹氏は「日米の防衛関係者が受けたショックは大きい」とみている。

 「空母から発艦できる戦闘機を製造するまで数年かかるとみられ
ていた。予想をはるかに上回るスピードで開発が進んでいる。空母
本体のエンジン性能も証明された。発艦の際には飛行機が強い向か
い風を受けられるよう風上へ全速力で進む。実際に使える空母であ
ることが明らかになった」

 衝撃は大きいものの、疑問も残された。映像に映った戦闘機は1
機のみ。「中国に艦載機用のエンジンを開発する能力はない。ロシ
アからエンジンを融通してもらって1機だけ間に合わせたのでは」
(防衛省関係者)との見方もある。

 中国は初の空母について「訓練用」と説明。現状の1隻だけで実
戦に投入される可能性は低い。とはいえ“張り子の虎”と思われて
いた空母が、まともに使えそうなことは分かった。長期的な脅威が
増したことは間違いない。
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中印、海洋安保で駆け引き ASEAN取り込みが過熱 
2012/11/26 0:31 情報元 日本経済新聞 電子版 記事保存
 【ハノイ=伊藤学】中国とインドが、海洋安全保障を巡って激し
い駆け引きを展開している。中国がインド洋の港湾拠点整備を進め
る「真珠の首飾り」戦略に対抗し、インドはミャンマーなど東南ア
ジア諸国連合(ASEAN)との関係強化で対中包囲網「ダイヤの
ネックレス」の形成を急ぐ。両国はアジア広域自由貿易協定(FT
A)交渉でもしのぎを削り、安保・経済の両面でASEANの取り
込み合戦が過熱している。


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