4529.第3極の分裂



今回の衆議院選挙での争点は、消費税、原発、TPP、地方分権制度改
革であり、この側面から見ると、第3極の政策が分裂している。

太陽の党と一緒になった維新の会が、自民党寄りになり原発ゼロ政
策を撤回した。夏の原発廃止を訴えていた橋下さんはどうしたので
しょうね。最近も大飯原発を止めろと騒いでいた。この原発廃止を
大きく取り上げられて、橋下さんは存在感を出したのにである。

その上に、核武装の方向を打ち出した。石原代表が言ったことは、
公約に等しい。それを橋下代行が打ち消すので、党の政策が分裂し
ている印象を受ける。議員定数削減も公約があいまいになり、切れ
味が売りの維新の会が変質している。石原さんと一緒になったこと
は今までの支持層を離すなど、大きな痛手になっているようだ。

原発ゼロ政策を破棄したことで、みんなの党は維新の会との合併を
拒否した。みんなの党は、TPPにも賛成で、維新の会のTPP賛成から
条件付きにしたことでも、自民党との政策一致性にこだわっている。

選挙後の連立を視野に入れていることはわかるが、あまりにも政策
面で色あせた印象を受ける。ここでも松井さんと石原さんの政権党
にこだわった事の弊害が出ている。

橋下さんのクリアな政策がボケている。本当は橋下さんが松井さん
を切り、石原さんと組まずに独自性を出したら、大勝したのに残念
だ。維新に参加した議員も悔やまれることであろう。

このように維新の会が自民党に擦り寄ったことで、チャンスができ
たのが、脱原発、TPP反対、消費税反対を旗印にする第3極である。

国民の一方の意見を代表する立場を維新の会からみどりの風、脱原
発、生活、社民党、共産党などが奪い、そちらへの投票行動になる
と見られている。このため、維新が取ると思われた議席が移動して
いる。維新は80議席が限界で、それ以下になる。その減った議席
分を反対政党が取るか大政党がとることになる。

反対党が議席を取るためには条件がある。反対党同士が選挙協力を
することである。これを今頃、小沢さんの秘書たちは、仕掛けてい
るはずだ。そうするとある程度の議席が取れる可能性が出ている。

ごちゃごちゃな分、風が吹く自民党と組織を持つ政党が有利になり
そうである。

民主党支持団体である連合の古賀伸明会長は、衆院選について「民
主党は厳しいが、第三極がどういう国民から、どれだけ票を集める
かによって、(結果は)かなり違うだろう」と述べ、民主党の消長
は日本維新の会など「第三極」の動向に大きく左右されるとの見通
しを示した。その通りであるが、どちらにしても民主党には厳しい
ことは間違いない。

さあ、どうなりますか?

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日本維新の会:橋下氏、みんなに合流打診 渡辺氏は否定「政策不満」
毎日新聞 2012年11月24日 東京朝刊
 日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)は23日、みんなの
党の渡辺喜美代表に衆院選前の合流を呼び掛けた。18に上る両党
の競合選挙区でつぶし合いを避ける狙いがあったが、渡辺氏は現時
点で合流を否定した。

 橋下氏が同日のテレビ朝日の報道番組で明らかにした。出演前に
渡辺氏に電話し、「国のことを思うのであれば、自分たちのポジシ
ョンや勢力とは関係なく、一緒になりましょう。選挙区調整はじゃ
んけんで決めてもいい」と呼び掛けた。東京都知事選が告示される
29日までの決定を求めたという。また、23日の大阪府豊中市内
の街頭演説では、擁立候補者数について「(目指していた)241
人には届かないかもしれないが、150人は集まった」と述べ、目
標を達成できない状況を明かした。

 一方、渡辺氏は同日夜、羽田空港で記者団に、維新が17日の旧
太陽の党との合流でまとめた基本政策について「『原発ゼロ』が反
映されていないなど満足のいくものではない」と批判、「合流と言
われてもなかなかのめる話ではないと橋下氏に申し上げた」と述べ
た。

 北九州市小倉北区でも記者団に「旧たちあがれ日本の方々と一緒
だと難しい」と指摘。競合選挙区で両党の立候補予定者が公開討論
し、政策が一致しているか確認することを橋下氏に提案したと語っ
た。【藤田剛、仙石恭、石戸諭】
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2012衆院選:第三極二分化、鮮明に 反増税系、維新と連携難しく
毎日新聞 2012年11月23日 東京朝刊
 2大政党に対抗する「第三極」勢力の二極分化が鮮明になった。
日本維新の会(石原慎太郎代表)とみんなの党(渡辺喜美代表)の
連携からはじかれた減税日本(代表・河村たかし名古屋市長)が
22日、亀井静香前国民新党代表らとの合流を発表。「反増税・脱
原発・反TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」で一致できる
「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)との連携も検討しており、
河村氏らが目指した第三極の「大同団結」は幻に終わりそうだ。

 河村氏らが結成を発表した新党は、旗印とする政策をそのまま名
称に使った「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(略称・
脱原発)。維新とみんなの党は「統治機構改革」などを掲げて連携
を進めており、河村氏は減税日本の党名変更も検討したが、それで
も維新の橋下徹代表代行らが減税の参加を拒み、河村氏は維新を核
とする第三極連携の蚊帳の外に置かれた。

 そこで目を付けたのが、維新と合流した旧太陽の党に参加できな
かった亀井氏。河村氏は22日、名古屋市内で記者団に「小選挙区
制度は2大政党にするために作ったもので、大きい政党を作った方
が有利。東京、大阪、名古屋(の合流)が良かったけどしょうがな
いわな」と維新への未練を語りつつ「政策の原点に立ち戻り、そち
らの軸で一緒になる」と反増税系の結集を目指す考えを強調した。

 亀井氏は民主党に離党届を出した山田正彦元農相と19日に新党
結成を表明したばかり。国会議員5人以上という政党要件を満たす
めどが立たず、そのまま衆院選に臨めば小選挙区と比例代表の重複
立候補もできない状況だった。維新との連携が難しい者同士の合流
には「第三極の負け組連合」(民主党議員)と皮肉る声も出ている。

 河村、亀井両氏は生活やみどりの風との合流も視野に入れており
、滋賀県の嘉田由紀子知事を党首に迎える案も浮上している。みど
りの風には小沢氏らと一緒になることにアレルギーもあり、結集が
進むかは未知数だ。【三木幸治、木下訓明】
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民主の消長、第三極が左右=古賀連合会長に聞く【12衆院選】
  民主党最大の支持団体である連合の古賀伸明会長は時事通信のイ
ンタビューに応じ、12月16日投開票の衆院選について「民主党
は厳しいが、第三極がどういう国民から、どれだけ票を集めるかに
よって、(結果は)かなり違うだろう」と述べ、民主党の消長は日
本維新の会など「第三極」の動向に大きく左右されるとの見通しを
示した。
 民主党に対し古賀氏は「生活者や働く者の視点から見て、政策が
一番近い。最大限支援する」と強調した。
 今回の衆院選の焦点として古賀氏は「民主党政権の総括が争点に
なる」と指摘。3年間に及んだ民主党政権の成果として、高校授業
料の無償化や希望者全員の65歳までの雇用を企業に義務付ける改
正高年齢者雇用安定法の成立などを挙げた。しかし、実現できなか
ったマニフェスト(政権公約)の主要政策は多く、離党や分裂が相
次ぎ「残念ながら民主党政権の欠点が表面化した」と述べた。
 衆院選後の政権の枠組みに関しては「自民の公約がどう評価され
るかや、第三極がどういう動きをするかなど、もう少し時間がたた
ないと分からない」と語った。
 日本維新の会について古賀氏は「民主や自民に任せて駄目だった
から、新しい勢力に懸けようという国民はいるだろう」と、一定の
支持を集めるとの見通しを示した。ただ「原発や環太平洋連携協定
(TPP)に関して政策はぐちゃぐちゃだ」と批判。その上で、維
新の石原慎太郎代表や橋下徹代表代行が主張する政治理念に疑問を
呈した。(2012/11/22-14:29)


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