4520.中国の政治体制はどうなるか?



中国の政治組織は、常務委員7名、政治局員24名が決定権を持っ
ている。つい最近は、大きなことは政治局会議で決まることが多い
ので、この24名が重要である。この人名がまだ決定していない。

その下に中央委員会があり、委員は204名、中央委員候補167
名がいて、中央委員会が年1回以上開催されている。
中央委員会全体会議では党の路線や方針、国家の発展計画などの重
要問題について討論・決定がなされる。

14日に204名が決まり、その内で24名が政治局員になり、そ
の内から7名が常務委員になる。

政治局には領導小組があり、その領導小組とは部門間の政策調整の
ために、いくつかの重要分野ごとに作られた調整グループであり、
そのメンバーは関連部門から分野横断的に集められ、トップには政
治局常務委7名の中から誰かがつく。

外交・安全保障政策に関わるものとしては、外事工作領導小組、国
家安全領導小組、台湾領導小組などがあり、そのトップには現在胡
錦濤がついているが、この領導小組には習近平が着くことになる。

しかし、中国の政策決定過程は、以前に比べて多元化が進展し、分
散化した。それにより、エリート内の最高指導者に対する監視機能
は高まったと言える。各組織の利益・主張はかつてより分散化し、
その間の政策調整には限界がある。

特に軍部と国務院、企業活動を助ける協商会議が利益相反すること
が多くなっている。もた、組織間に絡まないことは軍部で実行でき
るために、上層部に軍活動が報告されないこともある。

というように徐々に政治組織の複雑化により、政治主導体制が経済
などに大きな負の影響を与えることにもなる。

国営新華社は党最高指導部の党政治局常務委員に留任する習近平(
シーチンピン)国家副主席(59)と李克強(リーコーチアン)副
首相(57)ら計12人の高官の名前を略歴付きで公表した。

これは常務委員候補ということになる。政治局員は24名であり、
政治局員とも違うことになっている。後12名がいるはずであるが
、それがまだ公表されていない。

どちらにしても、中国の組織とその中心にいる人により、大きく政
治の方向が変わるので、注意が必要である。その構成により日本も
対応を変化する必要がある。

さあ、どうなりますか?

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高官12人、異例の略歴付き公表 中国共産党大会閉幕
2012年11月15日3時45分
 【北京=林望】中国共産党の第18回党大会は14日、新たな中
央委員を選出し、閉幕した。国営新華社は党最高指導部の党政治局
常務委員に留任する習近平(シーチンピン)国家副主席(59)と
李克強(リーコーチアン)副首相(57)ら計12人の高官の名前
を略歴付きで公表した。従来の党大会にはなかった異例の発表の仕
方で、この中から15日に発足する習体制の次期最高指導部である
党政治局常務委員が選ばれる可能性がある。

 14日午前、中央委員を選ぶ選挙が終了。新華社通信は200人
前後と見られる新しい中央委員の中から、習氏と李氏のほか、王岐
山(ワンチーシャン)副首相(64)、劉延東国務委員(67)、
劉雲山党中央宣伝部長(65)、李源潮党中央組織部長(62)、
汪洋広東省党委書記(57)、張高麗天津市党委書記(66)、張
徳江重慶市党委書記(66)、兪正声上海市党委書記(67)の8
氏の名を挙げた。

 新華社はほかに、党中央軍事委員会の副主席の范長竜・済南軍区
司令官(65)と許其亮・空軍司令官(62)の2人の軍人が中央
委員に入ったことも伝えた。


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