4506.中国・新体制構築時の権力闘争



中国の次期体制予測をこのコラムでは述べてきたが、とうとう中国
の新体制人事が固まってようである。現時点は、中央政治局常務委
員より下の政治局委員人事の攻防に移っているようである。
               津田より

0.はじめに
2011年6月4日、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国共産党の最
高意思決定機関、中央政治局常務委員会の次期常務委員を予想し、
そのリストを掲載した。それによると、
リストに掲載されたのは、習近平(シー・ジンピン)国家副主席(
58)、李克強(リー・コーチアン)副首相(56)、薄熙来(ボー・
シーライ)重慶市委書記(62)、汪洋(ワン・ヤン)広東省委書記
(56)、張徳江(ジャン・ドージアン)副首相(65)、王岐山(ワ
ン・チーシャン)副首相(63)、李源朝(リー・ユエンチャオ)中
央組織部長(61)、戴秉国(ダイ・ビングオ)国務委員(70)、劉
延東(リウ・イエンドン)国務委員(66)、王剛(ワン・ガン)全
国政協副主席(69)、兪正声(ユー・ジョンション)上海市委書記
(66)。

現役の政治局委員ではない戴国務委員が入った。記事はまた、現役
の政治局委員である張高麗(ジャン・ガオリー)天津市委書記(65
)と劉雲山(リウ・ユンシャン)党中央宣伝部長(64)が政治局委
員のメンバーから外されると予想している。であった。

しかし、その後、烏坎村の住民のデモなどに、当局が要求を受け入
れて妥協する異例の展開で、汪洋に疑問符がつき、毛沢東主義に偏
った重慶市トップの薄煕来書記が解任された。

2012/07時点では、習近平(太子党・上海閥)、李克強(団派)、王
岐山(太子党・副首相)、劉雲山(保守・党中央宣伝部長)、李源
潮(団派・党中央組織部長)、張徳江(副首相・重慶市書記)、張
高麗(上海閥・天津市書記)、兪正声(太子党・上海市書記)で、
劉延東国務委員などが候補に挙がっていた。この当時は9名体制と
思われていた。

5年に1度の中国共産党大会の開幕が11月8日に迫る中、複数の
共産党筋は20日までに、焦点である最高指導部・政治局常務委員
会の人事について現在の9人から7人体制に減員し、顔触れもほぼ
固まったと明らかにした。
それによると、
習近平:中央総書記、太子党
張徳江:全人代常務委員会委員長、上海閥
李克強:国務院総理、団派
兪正声:全国政協主席、太子党
劉雲山:中央書記処常務書記、団派
張高麗:常務副総理、上海閥
王岐山:中紀委書記、太子党

で、7名体制ということで、李源朝中央組織部部長、団派が落選し
た点が注目されるが、この李源朝が入って、兪正声が落ちたという
記事もあり、どちらか分からないが、その1点を除き、確定したよ
うである。もし、李源朝が落ちた案とすると、団派2、太子党3、
上海閥2という布陣になる。団派が大きく落ちている。

この上海閥復活劇を強引に推し進めたのが、江沢民である。党政治
局人事は、北戴河会議で概要が決まるが、この場で江沢民が頑張り
、上海閥を入れたようである。その後も陰に陽に影響を行使したよ
うである。上海海洋大学では江氏は、「21世紀は海洋の世紀だ」
との考えを示し、「資源に乏しい中国は、海洋事業の発展を重視す
る必要がある」と述べたとしている。

この江沢民が影響して、団派は大きく勢力を削がれたことになって
いる。

しかし、江沢民の影響が及ばないエリアがあった。そこでは胡錦涛
主席が仕返しをしている。

1.党中央軍事委員会の人事
中国国防省は25日、人民解放軍で作戦・情報を担当する総参謀長
に房峰輝(ぼう・ほうき)北京軍区司令官(61)を充てるなど4
総部トップの人事を発表した。解放軍は総参謀部、総政治部、総後
勤部、総装備部の4総部体制であり、思想・教育などの政治工作を
担当する総政治部主任に張陽(ちょう・よう)広州軍区政治委員(
61)、補給を担当する総後勤部長に趙克石(ちょう・こくせき)
南京軍区司令官(64)、総装備部長に張又?(ちょう・ゆうきょう
)瀋陽軍区司令官(62)が就任した。また空軍司令官だった許其
亮(きょ・きりょう)氏(62)は軍の最高指導機関である中央軍
事委員会の副主席に就任するという。

ここで注目されるのは、江沢民に近い党中央軍事委員会委員はほと
んど退任して、その代わりに胡錦涛に近い房峰輝などが中央軍事委
員会に入ることである。常万全は今までの委員であり今回人事で副
主席に就任するとされていたが、江沢民に近いとされて国防相に横
滑りである。

また、「太子党」の存在感が増しており、故劉少奇(りゅう・しょ
うき)元国家主席の息子である劉源(りゅう・げん)総後勤部政治
委員の動向も注目されたが、今回の人事では留任にとどまった。

このように団派というより、胡錦涛に近い人たちで固めて、自身の
軍事委員会主席の地位を固めたような印象を受ける。

ということで、政治局は太子党・上海閥で、軍事委員会は胡錦涛が
固めるということになった。太子党・上海閥が占めた裏には江沢民
と温家宝首相の働きがあったようである。

2.政治闘争の裏を推測
団派は、共産党の官僚でもあり、共産党組織を破壊することはしな
い。しかし、トウ小平から見込まれた習近平や胡耀邦の部下である
温家宝は違う考え方のようである。共産党は国家を近代化させるた
めに必要であり、徐々に民主化するとしている。

しかし、太子党の薄熙来は、毛沢東のような平等主義に戻るとした
のである。これに温家宝は断固として反対した。この面では同じ太
子党であるが、習近平もその思想が違い、胡錦涛・温家宝は薄熙来
を葬りさることができた。

このため、11月8日に始まる中国共産党大会で、中国建国の父、
毛沢東の革命理念である「毛沢東思想」を党の規約から外す動きを
見せることになる。この首謀者は温家宝であるとして、保守派は、
米紙ニューヨーク・タイムズに、温首相の親族が巨額な資産を保有
しているという情報を提供したとの見方が浮上しているのだ。

現時点、中国の今後の政治路線をどうするべきかの議論がされてき
て共産党筋は「胡主席らは毛沢東思想を外したいと強く思っている
が、党内保守派の抵抗も強い。習近平国家副主席はまだ態度を明ら
かにしていないため、(外すことが)できるかどうかはわからない
」と話している。

しかし、今までのトウ氏が主導した改革開放によって貧富の差が広
がり特権階級に対する民衆の不満が高まった。この解決は優先する
べき政治課題である。徐々に民主化は、毛沢東路線を捨てるなら、
必要になりそうである。

しかし、胡錦涛は、自身の指導思想「科学的発展観」と「和諧社会
」(調和の取れた世界)のスローガンと政策が党規約に入れるよう
である。しかし、これは思想や政治方向を示していない。今後の中
国の政治方向は、残念ながら、まだわからないようである。

このような政治状況であるから、国民の不満を海外に向けさせたい
という願望を中国の政治家たちは持っているようである。

この願望にマッチしたのが、尖閣諸島の日本の国有化である。当分
、反日的な政治状況は続くと覚悟したほうが良い。

4480.日中紛争で中国の政治体制が確立
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L4/240930.htm
4419.中国共産党大会に向けて人事が
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L4/240725.htm
4300.薄煕来書記解任で次期常務委員予測
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L4/240320.htm
4213.烏坎村の紛争で次期体制はどうなるか?
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L3/231223.htm
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胡錦濤政権、毛沢東の名前を“抹消” 保守派は反発強める 
「思想」存続めぐり激しい攻防 
2012.10.27 21:06 sankei[中国] 

 【北京=矢板明夫】中国共産党の胡錦濤指導部が、11月8日に
始まる中国共産党大会で、中国建国の父、毛沢東の革命理念である
「毛沢東思想」を党の規約から外す動きを見せている。革命期、冷
戦時代に確立された同思想は今日の中国の実情と適合しなくなった
ほか、重慶事件で失脚した薄煕来氏の支持者が毛沢東思想を掲げて
政府批判を強めているという事情が背景にある。毛沢東の家族をは
じめとする保守派は毛沢東の記念活動を積極的に展開するなど反発
しており、激しい攻防が始まっている。

 中国共産党の規約の中に、党の指導理論・理念として、マルクス
・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論などが羅列されている
が、1978年以降、経済発展を重視するトウ小平理論が政策立案
の基本指針となり、農民や労働者による革命を重視する毛沢東思想
は実質否定された。

 しかし、トウ氏が主導した改革開放によって貧富の差が広がり特
権階級に対する民衆の不満が高まった。毛沢東の「弱者の味方」と
しての一面が再び強調されるようになり、低所得層の間で毛沢東人
気が高まった。薄氏が重慶で「共同富裕」のスローガンを掲げ、格
差是正を強調したのは、毛沢東の政治手法をまねして民衆の支持を
得ようとしたからだといわれる。

 日本政府による尖閣国有化をきっかけに全国に広がった反日デモ
では、毛沢東の写真を掲げて「薄書記を人民に返せ」と叫ぶ人の姿
もみられた。胡錦濤政権は、薄氏を失脚させた以上、民間の毛沢東
崇拝を抑えなければならない。9月下旬以降、共産党指導者の発言
や公式文書から毛沢東の名前が消えた。

 共産党筋によれば、党大会の規約改正で「毛沢東思想」を省略す
ることが現在検討されているという。こうした「毛外し」の動きに
毛沢東の家族や保守派は反発。メディアへの露出度が少ない毛沢東
の長女の李敏氏らが10月初めに毛沢東ゆかりの地である江西省の
井岡山を訪れ、1千万元(約1億3000万円)を寄付したほか、
毛のおいで、文革後に失脚した毛遠新氏も26日、数十年ぶりに公
の場に登場、毛沢東が提唱した水利工事の現場を視察して、毛の功
績をアピールした。

 共産党筋は「胡主席らは毛沢東思想を外したいと強く思っている
が、党内保守派の抵抗も強い。習近平国家副主席はまだ態度を明ら
かにしていないため、(外すことが)できるかどうかはわからない
」と話している。

 ■毛沢東思想 中国共産革命の指導者である毛沢東の政治理念と
革命理論。マルクス・レーニン主義の理論と中国革命の実践を統一
したものとされる。大衆路線、実事求是(現実から理論を立てる)
、階級闘争などを柱としている。矛盾した主張も多くあり、思想と
して体系化されていないとの指摘もあるが、第7回共産党大会
(1945年)以降、党の公式イデオロギーとして絶対化された。

 ■重慶事件 重慶市トップの薄煕来党委書記(当時)の側近が2
月に四川省成都の米総領事館に駆け込んだことをきっかけに、次期
最高指導部入りが確実視されていた有力者の薄氏が失脚した事件。
毛沢東の崇拝者である薄氏は政治運動で大衆を盛り上げる手法を使
い、重慶の企業家らを「暴力団との癒着」を名目に次々と摘発した。
保守派に称賛されたが、改革派から「文化大革命の再来」と批判さ
れた。
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中国当局、薄氏の本格捜査開始「強制措置決定」
 【北京=加藤隆則】26日の中国国営新華社通信は、前重慶市ト
ップで失脚した薄煕来ボーシーライ前重慶市共産党委書記(前政治
局員)(63)について、中国の検察当局が「法に基づいて立件し
、強制措置を取ることを決定した」と伝え、刑事事件としての捜査
を正式に始めたことを明らかにした。

 薄氏については、全国人民代表大会(全人代=国会)が26日、
全人代代表資格の取り消しを決定、薄氏は不逮捕特権を失っていた。
胡錦濤フージンタオ政権は、11月8日に開幕する共産党大会を控
え、薄氏に対する刑事処分も急ぐ考えとみられる。
 
 罪名などは明らかにされていないが、党政治局が9月28日、薄
氏の党籍を剥奪した党規律違反処分では、英国人実業家ニール・ヘ
イウッド氏の殺人事件に関する「職権乱用」のほか、遼寧省大連市
長や商務相、重慶市党委書記時代を通じ、「直接、または家族を通
して巨額の賄賂を受けた」ことが問われている。
(2012年10月27日11時45分  読売新聞)
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中国、権力争い情報戦 温首相に巨額蓄財報道 
指導部交代控え薄氏派がリークか 
2012/10/27 7:27 nikkei
 中国共産党の指導部が交代する第18回党大会まで2週間を切るな
か、権力闘争を背景にした情報戦が活発になってきた。25日には保
守派グループが温家宝首相の汚職を糾弾する文書を広め、26日付の
米紙ニューヨーク・タイムズは、温首相の親族が巨額な資産を保有
していると報じた。薄熙来・前重慶市共産党委員会書記に批判的だ
った温首相を狙い撃ちし、薄氏の支持者が情報を提供したとの見方
が浮上している。
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薄熙来氏の全人代代表資格を取り消し 中国
2012.10.26 Fri posted at 13:22 JST
(CNN) 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、重慶
市トップを解任された薄熙来(ポーシーライ)氏の全人代代表の資
格取り消しを発表した。国営新華社通信が26日に伝えた。これで
薄氏は最後まで残っていた公職を失ったことになり、刑事訴追の条
件が整った。
中国では第18回共産党大会が11月に開幕し、10年ぶりに交代
する新指導部の顔触れが明らかになる。
これに先立ち薄氏は9月に共産党の党籍を剥奪されていた。
薄氏はかつて、中国共産党の最高指導部である政治局常務委員の有
力候補と見られていたが、英国人実業家が殺害された事件に関連し
て「重大な過ちを犯した」として4月に重慶市のトップを解任され
、失脚。収賄や職権乱用、女性との不適切な交際などが報じられて
いた。
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中国国防省:総参謀長に61歳・房氏…軍の世代交代進む
毎日新聞 2012年10月26日 01時27分

 【北京・成沢健一】中国国防省は25日、人民解放軍で作戦・情
報を担当する総参謀長に房峰輝(ぼう・ほうき)北京軍区司令官(
61)を充てるなど4総部トップの人事を発表した。来月8日に開
幕する共産党大会を前に軍指導部の大幅な世代交代が進み、胡錦濤
(こ・きんとう)国家主席(中央軍事委員会主席)の影響力が強ま
るものとみられている。

 解放軍は総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部の4総部体制
。房氏は胡主席に近く、7大軍区で最も若い司令官ながら抜てきさ
れた。4総部のトップとしてはこのほか、思想・教育などの政治工
作を担当する総政治部主任に張陽(ちょう・よう)広州軍区政治委
員(61)、補給を担当する総後勤部長に趙克石(ちょう・こくせ
き)南京軍区司令官(64)、総装備部長に張又?(ちょう・ゆうき
ょう)瀋陽軍区司令官(62)が就任した。

 また、中国メディアは23日、副総参謀長を務めていた馬暁天(
ば・ぎょうてん)氏(63)が空軍司令官に就いたと報道。前任の
許其亮(きょ・きりょう)氏(62)は軍の最高指導機関である中
央軍事委員会の副主席に就任するとの見方が強まっている。香港メ
ディアによると、空軍出身者の副主席は初めてで、伝統的な陸軍重
視から近代化路線へのシフトを色濃く反映した人事と言える。

 中央軍事委の制服組10人のうち、郭伯雄(かく・はくゆう)副
主席(70)ら70歳前後の8人が引退する見通しで、江沢民(こ
う・たくみん)前国家主席(前軍事委主席)の影響力が低下するこ
とは確実だ。制服組の副主席としてはほかに、范長竜(はん・ちょ
うりゅう)済南軍区司令官(65)の名前が挙がっている。

 軍内でも高級幹部子弟グループ「太子党」の存在感が増しており
、故劉少奇(りゅう・しょうき)元国家主席の息子である劉源(り
ゅう・げん)総後勤部政治委員の動向も注目されたが、今回の人事
では留任にとどまった。劉氏は、同じ太子党の習近平(しゅう・き
んぺい)国家副主席(軍事委副主席)の権力基盤を支える人物の一
人とされるが、失脚した薄熙来(はく・きらい)前重慶市党委書記
との関係の深さが影響したとの見方も出ている。
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レコードチャイナ:胡政権の「和諧社会」、第18回党大会で党規約
に盛り込みか―中国
2012年10月25日 18時24分
2012年10月23日、香港の星島日報によると、11月8日から開催される
中国共産党第18回党大会で新たな指導陣が選出される予定となって
いるが、中国共産党の党規約の修正も行われるとみられており、胡
錦濤(フー・ジンタオ)政権の進めた「和諧社会」(調和の取れた
世界)のスローガンと政策が党規約に盛り込まれる可能性がある。

第15回党大会以降、党規約は毎回改正されており、最高指導者の政
策理念が盛り込まれてきた。第15回党大会では「トウ小平理論」が
、第16回党大会では江沢民氏の「3つの代表」が、第17回党大会では
胡錦濤氏の「科学的発展観」が党規約に盛り込まれている。

指導者層人事については、習近平(シー・ジンピン)氏が胡錦濤氏
に替わって中国共産党総書記に、李克強(リー・カーチアン)氏が
国務院総理に就任することが正式に決定する見通しとなっている。

また、11月1日に行われる中国共産党第17期中央委員会第7回全体会
議(七中全会)では、胡錦濤派との権力闘争に敗れて失脚した薄煕
来(ボー・シーライ)前重慶市書記の党籍剥奪も正式に決定され、
人民代表の資格も停止されるとみられている。(翻訳・編集/岡田)
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 許斯亮(空軍司令員)が次期軍事委「副主任」の一角へ
  次期、中国軍とトップはハイテク装備、ミサイル専門家と首都
防衛経験者ばかり
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2012年10月25日no.3796

 小誌前号にひきつづき、軍トップ人事が固まりつつある続報。馬
暁天が空軍司令員となって次期軍事委員会入りが確実となり、現職
空軍司令の許其亮は、予測通り、次期の「副主任」入りが確実とな
った。
 これで常万全も、次期副主任入りが確実視されるため、次のよう
な新軍事委員会トップの人事予測ができる。

▼中国人民解放軍 トップの変動予測

現在の軍事委員会         第十八回党大会予測
   〜〜〜〜〜〜〜〜         〜〜〜〜〜〜〜〜〜
主任   胡錦涛            胡錦涛(2年ほど居残る可能性)
副主任  習近平            習近平
 同   徐才厚            常万全(宇宙、ハイテク装備で台頭)
 同   郭伯雄            許其亮(空軍司令員)

委員   陳丙徳(参謀長)       張海陽(ミサイル近代化で台頭)
     李継耐(総政治部長)     張又侠(瀋陽軍区司令)
     梁光烈(国防部長)      劉暁江(海軍司令員)
     寥錫竜            遅萬春(装備部政治委員)
     許其亮            馬暁天(新空軍司令員)
     呉勝利            房峰輝(北京軍区司令)
     靖志遠            氾長長(済南分区司令)
       常万全            劉源(劉少奇の息子)

                    ダークホウス
                    呉勝利(残留の可能性)
                    劉亜州 童世平

 註 陳丙徳の「丙」は火扁。
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レコードチャイナ:開幕直前の中国共産党大会人事予想=習近平体制
の最高指導者7人の顔ぶれ―香港メディア
2012年10月24日 5時29分
2012年10月22日、香港紙・明鏡は中国共産党第18回全国代表大会(
十八大)の人事予測を発表した。

11月8日に開催される中国共産党第18回全国代表大会で、習近平(シ
ー・ジンピン)体制の中心人物が固まる。各国メディアが人事予想
を発表しているが、明鏡は「他のいかなるメディアよりも正確だ」
と胸を張った。中国共産党の最高指導陣となる中央政治局常務委員
の顔ぶれは以下のとおり。

習近平:中央総書記
張徳江:全人代常務委員会委員長
李克強:国務院総理
兪正声:全国政協主席
劉雲山:中央書記処常務書記
張高麗:常務副総理
王岐山:中紀委書記

李源朝(リー・ユエンチャオ)中央組織部部長が落選した点が注目
される。また、明鏡網は十八大で党の人事は交替するが、来年3月の
全国人民代表大会まで国の人事は変わらないため、今後4カ月は微妙
な権力後退期になると警告している。(翻訳・編集/KT)
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胡錦濤氏「院政」固める 中国、党規約で重要思想に 
2012/10/23 0:52 nikkei

 【北京=島田学】中国共産党は22日に開いた政治局会議で、持続可
能で調和の取れた社会発展を目指すという胡錦濤国家主席の考え方を
、党の重要思想として党規約に盛り込む方針を固めた。11月に開く党
大会で規約を改正する。胡氏が党の次期指導部の発足後も「院政」を
敷き、影響力を維持することが決定的となった。党大会で党総書記か
ら退いた後も、軍トップに当たる党中央軍事委員会主席の座にとどま
るとの見方も強まってきた。

憲法も改正へ
 胡氏の指導思想は「科学的発展観」と表現される。今回の改正で、
党規約の総則部分に「党が末永く堅持すべき行動指針」として、毛沢
東思想などと並んで明記される見通しだ。数年以内には中国憲法も改
正し、同様の考え方を盛り込むとみられる。

 これまで中国の最高指導者は、自分の考え方を党規約に明文化し、
引退後も「永遠の党指導者」(党関係者)の地位を得てきた。今回の
改正で、胡氏も毛沢東、トウ小平、江沢民各氏と並ぶ党指導者に位置
付けられることになる。

 科学的発展観の考え方は、2007年の党大会時の党規約改正でも一部
に盛り込まれたが、総則部分には明記されなかった。

 中国の国営新華社は22日、党規約の改正を決めた背景として、現在
の中国が「国家の発展にとって重要な戦略的機会にある」と指摘。こ
れを機に「科学的発展を進め、調和の取れた社会を促し、人民の生活
を改善し、福祉を向上させていく」と解説した。

 ただ、江沢民前国家主席が02年に党規約改正を図り、自らが提唱し
た「3つの代表」という考え方を盛り込もうとした際は、党内から大
反発を呼んだ。今回は重慶市トップだった薄熙来氏が失脚するなど、
党内の権力闘争は02年のときよりも激しさを増している。院政を狙う
胡氏の思惑が党内の反発を呼ぶ可能性はある。
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江沢民氏の動向が活発に…健在ぶりアピールか

 【香港=吉田健一】21日付の香港英字紙サウスチャイナ・モー
ニングポストは、中国の江沢民前国家主席(86)が9日、北京で
上海海洋大幹部らと面会したと報じた。

 同大は、大学幹部と並んで記念撮影する江氏の姿をホームページ
上に掲載。江氏はその際、「21世紀は海洋の世紀だ」との考えを
示し、「資源に乏しい中国は、海洋事業の発展を重視する必要があ
る」と述べたとしている。

 また21日付の江蘇省共産党委員会機関紙・新華日報(電子版)
によると、江氏は母校の揚州中学(江蘇省揚州市)の創立110周
年を記念し、18日の日付入りで題辞を記した。

 江氏は9月下旬にも北京で観劇したことが伝えられており、指導
部が交代する共産党大会開幕を11月8日に控え、健在ぶりをアピ
ールしているものとみられる。
(2012年10月21日20時28分  読売新聞)
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中国の国内3派の御用メディアが代理戦争 党大会控え批判や牽制
2012.10.21 23:46 sankei[アジア・オセアニア]
 【北京=矢板明夫】11月8日に開かれる中国共産党大会を控え
、党内のポスト争いや路線闘争が大詰めを迎えている。江沢民前国
家主席、胡錦濤国家主席、習近平国家副主席を中心とする3大勢力
がそれぞれ、自派に近い新聞や雑誌を利用して政敵を暗に批判した
り、牽制(けんせい)したりすることが増えている。共産党宣伝部
の厳しい管理下にある中国の各メディアだが、実際は各派閥リーダ
ーの出身母体の機関紙、自身のかつての勤務地や側近が主導してい
る地域の地元紙などを中心に派閥の色があり、ニュースの取り扱い
や記事の行間などから派閥との距離がうかがえる。

 21日付の江蘇省の新聞「新華日報」は1面で江前主席が母校の
揚州中学の創立110周年を記念し、同校のために題辞を記したこ
とを伝えた。同紙は江氏に近い新聞として知られる。題辞は18日
付で「祖国のさらなる繁栄実現のために頑張れ」などと後輩を励ま
す内容だった。本来ならば「全国の青少年に向けたメッセージ」と
して21日付の人民日報など全国紙に掲載されていてもおかしくな
いニュースだが、今のところ見送られている。

 また、江氏が9日に北京で上海海洋大学幹部と面会したニュース
は、20日になってようやく中国各メディアによって伝えられた。
11日間も遅れた背景には、党大会を前に自らの健在ぶりを示した
い江氏の行動を、胡主席派がメディアに出ないように抑えたものの
、結局は抑え切れなかった可能性があるとされている。

 一方、10月中旬には、北京紙「新京報」など複数の新聞が、イ
ンターネットで共産党一党独裁支配を批判した地方公務員に強制労
働2年の刑が科されたことを取り上げ、「時代遅れで、言論の自由
と法治に違反する」との趣旨の論評を一斉に掲載した。

 中国メディア関係者によれば、これらの記事は、中国での言論の
自由を進めるという意図ではなく、党内序列9位で治安担当の周永
康・中央政法委員会書記のやり方を暗に批判することが狙いだとい
う。周氏は江氏の腹心の一人として知られる。

 9月には、習近平氏が主導する中央党学校の新聞「学習時報」で
、胡錦濤氏の総書記としての10年間の実績を酷評する記事が掲載
されたが、発売前に回収されたという。
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7常務委員ほぼ固まる=来月の党大会へ最終調整−中国
 【北京時事】5年に1度の中国共産党大会の開幕が11月8日に
迫る中、複数の共産党筋は20日までに、焦点である最高指導部・
政治局常務委員会の人事について現在の9人から7人体制に減員し
、顔触れもほぼ固まったと明らかにした。王岐山副首相、李源潮党
中央組織部長、張徳江副首相兼重慶市党委書記の常務委入りが強ま
っている。
 党大会閉幕翌日の第18期中央委員会第1回総会(1中総会)で
習近平国家副主席が、胡錦濤氏に代わり総書記に就任。来年3月の
全国人民代表大会(全人代、国会)で「習国家主席・李克強首相(
現常務副首相)」体制が誕生する。
 王、李源潮、張の3氏はそれぞれ、全国政治協商会議(政協)主
席、党中央規律検査委書記、全人代常務委員長への就任が有力視さ
れている。また、劉雲山党中央宣伝部長、張高麗天津市党委書記も
常務委入りし、それぞれ中央書記局常務書記、常務副首相に就くと
の見方が出ている。
 共産党筋は、これらの人事に関して8月に河北省の避暑地・北戴
河で開かれた非公式会議で固まったとしたが、「その後も最終調整
が続いており、顔触れが変更する可能性がある」と指摘。党大会の
最終準備のため11月1日から開かれる第17期中央委員会第7回
総会(7中総会)で最終決定する見込みだ。(2012/10/21-02:32)
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 15日、政治局常任委員会が次期執行部人事を決定?
李源潮、王洋ら「団派」が落馬し、張徳江、劉雲山、張高麗、愈正
声が入常。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2012年10月17日no.3791

 「入常」とは政治局常務委員会に入るという意味で、中国のトッ
プセブンの一角に加わる。
 17日の明鏡網は、15日に北京で政治局常務委員会が開催され
、次の七名が次期常務委員になったとつたえた。

 習近平(太子党)
 李克強(団派)
 張徳江(上海派)
 王岐山(太子党、上海派)
 劉雲山(団派)
 張高麗(上海派から団派へ?)
 愈正声(上海派、太子党)

 この結果、団派から有力視されていた李源潮と王洋が落馬した、
と明鏡は「北京の信頼できる消息筋」の話として報じた。

 米国ナンバーワンの週刊誌「TIME」は、直近の「習近平特集
号」で、次の人事予測を展開した。
 確定している二人
習近平 
 李克強
 
 ほぼ有力の四人
王岐山
 張徳江
愈正声
 李源潮

 「残る一席」に有力視される三人
 王洋 (団派、広東省書記)
 劉延東(団派、政治局員)
 劉雲山(団派、宣伝部長に有力)

 明鏡とTIMEとの差異は、李源潮と劉雲山が境をさまよってい
る程度で、ともに王洋の執行部入りが難しい情勢であることを示唆
している。
 次期執行部人事は11月14日に発表される予定。
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胡錦濤氏VS習近平氏 人事主導権争い終盤戦  :日本経済新聞
2012/9/25 0:39
 【北京=島田学】中国の重慶市トップだった薄熙来氏の元側近で
同市元副市長の王立軍被告が24日、懲役15年の判決を受けた。4月
に失脚した薄氏に絡む事件の訴追は、同判決で終了した。ただ、共
産党指導部内では、近く公表するとみられる薄氏本人の処分につい
て意見の対立があるもよう。次期指導部の人事調整は最終段階で、
薄氏の問題も駆け引きの材料になっているようだ。
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中国インサイドストーリー 暗闘---習近平が勝ち残った「世界一熾
烈な権力闘争」近藤大介(「週刊現代」副編集長)
genzai-business2012/09/22

〈2012年10月以降の「トップ9」案(年齢は10月時点)〉
1・習近平 総書記、国家主席(2013年3月就任)、中央軍事委員会主
 席(就任時期未定)
2・王岐山(64歳) 全国人民代表大会常務委員長(2013年3月就任)
3・李克強 国務院総理(2013年3月就任)
4・劉延東(66歳・女性) 中国人民政治協商会議主席(2013年3月就任)
5・李源潮(61歳) 紀律検査委員会書記(紀律担当)
6・劉雲山(65歳) 精神文明建設指導委員会主任(文化担当)
7・張徳江(65歳) 政法委員会書記、社会治安総合治理委員会主任(公安担当)
8・兪正声(67歳) 国家副主席(2013年3月就任)
9・汪洋(57歳) 筆頭副総理(2013年3月就任)

「最後がまかりならんっ!」

「人事案」を一瞥するや、「汪洋」と記された箇所に難癖を付けた
のは江沢民だった(詳細は後述)。

「張高麗(天津市党委書記)同志に替えるべきだ。それに王岐山同志
は筆頭副総理とし、『人大』(全人大)は兪正声同志に任せるべきだ」

 これに「江沢民の分身」と言われた曽慶紅・前国家副主席(73歳)も
同調する。
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中国次期指導部人事めぐり胡主席の側近起用案が相次ぎとん挫、習
副主席には追い風
2012年 09月 5日 04:15 JST 

 [北京 4日 ロイター] 中国共産党の次期指導部人事をめぐ
り、側近の要職抜擢を模索する胡錦濤主席の思惑が相次いでとん挫
していることが、関係筋の話で4日明らかになった。次期トップが
内定している習近平国家副主席にとっては、胡主席の息のかかった
側近が政権中枢から外れることで、政権内での影響力強化につなが
るとみられている。

 関係筋によると、胡主席は側近である胡春華・内モンゴル(内蒙
古)自治区党委員会書記を中央政治局常務委員会の委員に起用した
い意向だったが、党幹部からの反対に遭い、党規違反で重慶市トッ
プを解任された薄熙来氏の後任に充てる公算が大きくなっている。

 胡春華氏は、習副主席の後を継ぐ有力候補と目されている人物。

 週末には、胡主席に近い幹部の子息が、高級スポーツカーを運転
中に事故を起こしたことから、同幹部が降格されたことが明らかに
なっている。

 事故を起こしたのは共産党中央委員会の令計画委員の子息で、同
委員は週末に要職の中央弁公庁主任の地位から降格となった。

 胡春華氏が実際に重慶市トップに横滑りすれば、胡主席の当初の
目論見が外れることになる。

 関係筋の1人は「胡主席の敗北は、習副主席の勝利」とし、習副


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