中国の政軍のトップと胡錦涛国家主席が戦略会議を開催したことは 昨日「中国トップの動き」でコラムにしたが、その結果が示された。 日本の原則を変えないで理解するという立場の前提条件に不満であ り、かつバーンズ米国務副長官が仲介のために16日中国を訪問する 矢先に、中国軍艦7隻を尖閣諸島周辺に送ったようである。 日本で、玄葉外相はバーンズ副長官に「日本政府の立場への理解」 を求め、両者は日米同盟の重要性を確認し合ったということに対し て、中国外交部は15日、「日本は釣魚島(尖閣諸島)問題に他国を 引き入れ、中国をけん制しようとしているが、全くの無駄である」 と反発した。 また、「中国側は米国が何度も中立を表明していることに注意を払 っている。米国には言ったことを守っていただきたい」と不快感を あらわにした。 このため、急遽、米第7艦隊を指揮下におくヘイニー太平洋艦隊司 令官(海軍大将)が「米国政府は、領土紛争でどこの国の味方もし ない」「いかなる国の武力行使にも反対する」などと語り、中立的 な立場から「平和的解決」を求める姿勢を強調した。また、中国と の軍事交流をすすめると発表した。 バーンズ副長官の日本での行動を問題視している中国に向けた発表 の色合いが大きい。 中国軍部に不満があり、軍部を中心とした強硬派が納得していない ために、沈静化しない可能性があり、要注意が必要である。軍部の 力が相当に強くなっている。 軍事予算も899億ドル(約7兆円)で、この4倍の可能性もある という。日本の582億ドルであり、6倍の差がある。これでは、 中国は強気に出てくることになる。 このように、中国国内の強気で、局長級会議は開かれない可能性も まだあると思うしかない。 さあ、どうなりますか? ============================== 尖閣諸島には向かわず=中国軍艦7隻、北西へ航行−防衛省 沖縄県・与那国島と西表島の間の接続水域を通過した中国海軍の 駆逐艦など7隻の艦艇について、防衛省は16日、同日午後3時か ら4時ごろにかけ、7隻が尖閣諸島の魚釣島の南西約80キロ地点 で日中中間線を越え、北西方向に進んでいると発表した。尖閣諸島 の接続水域は航行しなかった。 海上自衛隊の護衛艦あまぎりとP3C哨戒機が確認した。尖閣諸 島には向かっておらず、このまま中国に戻るとみられる。 (2012/10/16-21:09) ============================== 「尖閣問題は外交で解決を」米太平洋艦隊司令官 2012年10月16日19時53分 【編集委員・加藤洋一】米第7艦隊を指揮下におくヘイニー太平 洋艦隊司令官(海軍大将)は16日、東京都内で記者会見し、「尖 閣諸島問題は、何よりもまず外交的に解決されることを願っている 」と語った。 司令官は「米国政府は、領土紛争でどこの国の味方もしない」「 いかなる国の武力行使にも反対する」などと語り、中立的な立場か ら「平和的解決」を求める姿勢を強調した。日中間で軍事紛争に発 展した場合、米海軍にはどのような支援を期待できるかとの質問に は「仮定のシナリオには答えない」と回答を避けた。 この日、中国海軍の艦船7隻が沖縄・与那国島沖の接続水域内を 航行したことについて見解を求められると、「中国のような台頭し つつある国家が海洋能力を持つことは驚きではない。ただ、その行 使に当たっては透明性を確保してほしい」と述べた。そのうえで「 中国は米国と同様、公海上を航行する権利がある」と指摘し、特に 問題視する姿勢は示さなかった。 ============================== 中国艦、「台風避けた」と説明 尖閣の接続水域には入らず 沖縄県の与那国島と西表島の間の接続水域を通過した駆逐艦など 中国海軍艦7隻について、防衛省統合幕僚監部は16日、同日午後 3時から4時にかけて、尖閣諸島・魚釣島の南西約80キロで日中 中間線を通過し、北西に進むのを海上自衛隊の護衛艦あまぎりや P3C哨戒機が確認したと発表した。尖閣諸島周辺の接続水域内は 航行しなかった。 防衛省関係者によると、中国側から16日朝、「台風を避けるた めで、釣魚島に近づく意図はない」と外交ルートを通じて説明があ った。藤村官房長官は16日午後の記者会見で、外交ルートを通じ 「日中関係の大局に鑑みて適切に対応するよう申し入れた」と述べ た。 2012/10/16 19:45 【共同通信】 ============================== レコードチャイナ:バーンズ米国務副長官が中国を訪問、1番の関 心事は尖閣問題か―中国メディア 2012年10月16日 12時39分 2012年10月16日、アジア歴訪中のバーンズ米国務副長官が日本訪問 を終え、16、17日の2日間、中国を訪問する。中国新聞網が伝えた。 米国務省は11日、バーンズ氏が13日にアジア5カ国歴訪へ出発すると 発表、14〜15日に日本を訪問した後、韓国と中国を訪れ、17日にミ ャンマー、18日にインドを訪問する予定となっている。日本では玄 葉光一郎外相、森本敏防衛相、自民党の安倍晋三総裁らと会談し、 尖閣諸島問題などについて話し合った。 尖閣諸島問題をめぐっては、米国は日本の「領有権」ではなく、「 行政権」のみを認めているが、玄葉外相はバーンズ氏との会談で「 日本政府の立場への理解」を求め、両者は日米同盟の重要性を確認 し合った。 これを受け、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は15日の定例 記者会見で、「日本は釣魚島(尖閣諸島)問題に他国を引き入れ、 中国をけん制しようとしているが、全くの無駄である」と反発、「 中国側は米国が何度も中立を表明していることに注意を払っている 。米国には言ったことを守っていただきたい」と不快感をあらわに した。 バーンズ氏が日本訪問後に韓国と中国を訪れることは、領土問題に よる3カ国の関係悪化と関係しているとみる向きが多い。ただ、米国 が仲介役を買って出て関係緩和に努めるのか、単に聞き役に徹する だけなのかについては、今のところ未知数だ、と記事は伝えている。 (翻訳・編集/NN) ============================== 中国国防費、アジア諸国で絶対額も増加率も圧倒的首位 2012.10.16 11:14 sankei[中国] 【ワシントン=古森義久】米国の大手研究機関の戦略国際問題研 究所(CSIS)は15日、アジア主要5カ国・地域の国防費を比 較した報告書を発表した。中国が絶対額でも増加率でも圧倒的に首 位に立ち、野心的な軍拡を進めていることが数字上でも印象づけら れた。 「アジア国防費2000−11年」と題する同報告書は中国、イ ンド、日本、韓国、台湾のここ12年の国防費を調べた。 この調査は現在、全世界でもアジアの軍事費が欧米に比べて圧倒 的に速いペースで増加していることへの懸念などが前提になったと いう。 同報告書によると、アジア主要5カ国・地域のうち11年度の国 防費が最大だったのは中国で合計899億ドル(約7兆円)、2位 が日本の582億ドル、3位がインドの370億ドル、4位が韓国 286億ドル、5位が台湾101億ドルとなった。 このうち中国だけは実際の国防支出は公表額よりずっと多いとさ れ、同報告書はストックホルム国際平和研究所(SIPRI)発表 の金額として中国の11年度の現実の国防支出は1422億ドルだ ったとしている。つまり中国の国防支出はすでに日本の3倍近い水 準に達したことになる。 同報告書によると、これらアジア5カ国・地域の00年から11 年までの国防費の伸びは毎年平均だと中国が13.4%、日本が3.5 %、インドが3.6%、韓国4.8%、台湾1.8%だった。