4491.11日の観艦式予行に



昨日は、中国海軍と対峙することになる日本の海上自衛隊の装備を
確かめに、観艦式予行へ仲間と行った。乗船したのが潜水艦救命艦
「ちはや」で館内を見学した。特殊艦艇であり、それを一般公開し
た。写真を撮っても良いのかと聞いたら、どうぞというので公開さ
れている所を撮った。同型艦として「ちよだ」があり、現在2隻が
海上自衛隊にある。

「ちはや」は2000年に就航したので、その前年に発生したロシ
アの潜水艦救出には間に合わなかった。日本の潜水艦は、事故をお
こなさにように、安全が確認できないと航行しないので、事故がな
い。このため、まだ実際の事故での救出をしていないという。

もし、戦争時に潜水艦が機雷や魚雷で破壊された場合は、船体がこ
なごなになり、このような救命艦では乗員を助けることはできない
という。潜水艦の事故で浮上できない等の場合にこの救命艦で助け
るようだ。

中国やロシアの潜水艦は助けられるのかと聞いたら、ハッチの形状
が違うので、深海救難艇(DSRV)が潜水艦のハッチを開けることが
できないと思うと。実際にロシアや中国から救出依頼を受けた場合
は、その形状などを知り、対応策を考えるという。

しかし、西側諸国の潜水艦は、仕様が統一されているので、救出が
可能であり、各国に潜水艦救命艦があり相互援助が可能であるとい
う。

観艦式で、1万3千トン、全長197m、幅33m、最大速力30ノットの
ヘリ空母「伊勢」や「日向」が出ていたが、この船体は大きい。と
うとうブルーオーシャン・ネイビーに日本の海上自衛隊も進出した
印象を受けた。この空母に垂直両翼機を載せたら、英国の軽空母「
インヴィンシブル」2万500トン、全長は210m、全幅は36m、最大速力
28ノットより小さいが、十分な活躍ができるように感じる。

このような軽空母は、1982年のフォークランド紛争で軽空母とシー
ハリアーの組合せが戦闘で有効であることが判明した。

この軽空母「インヴィンシブル」に、シーハリアー10機、早期警戒
機用シーキング3機、対潜哨戒用シーキング9機を搭載していたが、
ハリアーの生産が中止されて、今後出てくるF−35BしかSTOVL機
がない。このため、ヘリ空母「伊勢」や「日向」は、それまでヘリ
空母にしているのではないかと中国の軍事関係者は見ているようだ。

海上自衛隊も現状ではヘリコプター以外の航空機の搭載は発表して
おらず、STOVL機の運用が可能であるという発表もなされていない。
しかし、甲板は高熱対応がされているので、STOVL機の運用は可能で
あろうと中国は見ている。

この観艦式で私はヘリ空母「いせ」「ひゅうが」の大きさを実感で
きたのがよかった。艦隊編成で観閲者を乗せて「ひゅうが」がとな
りにいたので、十分にみることができた。

イージス艦としては「あたご」7750トンが出ていた。こんごう型
7250トン4隻、あたご型2隻の6隻のイージス艦があるが、観艦式
には1隻しか出ない。ということは、周辺諸国との摩擦で、現地に
実戦配備されているのであろうか。実戦配備予定のSM3ブロック
2Aを見たかったが、次の機会を待とうと思う。

もう1つ、強襲揚陸艦でもある輸送艦「くにさき」が出ていた。こ
の「くにさき」には、エア・クッション型揚陸艇を搭載していて、
上陸を助けることになる。同型艦には「おおすみ」がある。この2
隻は、陸自との統合運用をして行く必要があり、「動的防衛力」の
実力を試されることになる。今後、中国対応で海兵隊的な陸自にす
ることが必要であり、それにはこのような艦船が重要になる。

補給艦「ましゅう」が護衛艦「はるゆき」に給油する演習も公開さ
れた。また、救難飛行艇US-2が出ていた。この飛行艇の飛行速度が
海上の艦艇の速度と同じ速さで飛んでいる。非常に遅く飛行できる
という。また海上から直ぐに飛行できる。これはすごい。

ミサイル艇のしらたか、掃海艇なども出ていたが、近海、遠海の両
方に対応する海軍を目指していることがよくわかった。

今後、遠海防衛としては、シーレーン防衛なども真剣に考える必要
がある。中国との紛争時、石油ルートの確保も重要な使命として海
上自衛隊が坦務することになるはずで、その時のためにガンバッテ
欲しいものである。

装備の充実ということで予算面でも配慮が必要になる。中国という
直面した脅威を前に日本の自衛隊も各方面で準備する必要がある。


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