錠剤(ヨード剤)の事前配布 報道によりますと、原発から50キロ圏内では甲状腺被爆を防ぐ 安定ヨウ素剤を各戸に事前配布することになったようです。 ****************************** 「続・日本国の研究」 猪瀬直樹 著 文春文庫2002年5月刊 P175より 「フランスでは原子力発電所周辺の住民に、放射能漏れ事故があっ た場合にすぐに服用できる錠剤(ヨード剤)が配られている。 その映像をNHKの衛星放送(「原子力エネルギーの未来」8月 8ー9日放映)で知って、感心した。堂々とリスクを説明するのだ から。日本を含め先進国の軽水炉は、旧ソ連のチェルノブイリ型に 較べると事故の可能性は格段に低いと見られている。だがゼロとは 言い切れない。そうであるならば、いざというときの備えが必要に なる。 またスウェーデンでは新たな原発はつくらない、と決めた。こう したリスクを開示したり、計画を変更したりしながらコンセンサス を形成する文化が、日本では育たないのだろうか。」 (‘98・9・24) ****************************** 上記の本の末尾に「単行本 1999年3月 文芸春秋刊」の記述 があります。 こうしたメディア情報がやっと陽の目をみたということしょうか。 投稿 MY ============================== (Fのコメント) 原発の安全性は、日本では神話化されて、議論もされないできた。 しかし、福島の事故で、やっと神話が崩壊してキチンと議論ができ る状態になって、日本人にも正常な感覚が戻ってきたのである。 今後は安全でなくなった時の対応方法とか使用済燃料問題とか核廃 棄物処理などを多角的に議論して、原子力発電の政策を決めていく ことが、可能になったようである。 特に専門家だけが携わっていた議論に国民の目での監視が必要にな ったという点が、今までとは大きく違うことになっている。 専門家が原発事故での炉内状態や水素爆発などを予測できなかった ことで、信用をなくした。正常な目で見ることが必要になっている 。特に使用済燃料の問題をなんとかしないといけない。 10万年の半減期である放射性元素をそのままで良いのかという観 点は必要であり、かつ処理費用が問題である。今までの低コストは 将来のコストを勘案していないことで実現できた可能性がある。 原発推進派もこの使用済燃料問題と核廃棄物問題をどうするかを議 論することが必要であり、ここから原発問題を解くことである。 現状コストだけで議論してはいけないが、高コストな再生エネルギ ーでは日本経済が疲弊することも事実である。バランスをどう取り ながら、徐々に既存原発を無くす方向にしていくかの議論でしょう ね。 国民の70%が原発をなくせという世論であれば、政治はその声を 無視できない。